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榎本釜次郎武揚。日本最大最強の軍艦「開陽」を擁して箱館戦争を起こした男。旗本出身ではあるが、海軍伝習所に学び、三年半ものオランダ留学を経験した男。科学者であり、技術者であり、万国公法に通じた法学者―幕末から維新を駆け抜けた、「武士の鑑」か「武士の風上にも置けぬ」裏切り者か。真にあるべき「新しい日本」を唯一捕りに行った、不屈の挑戦の物語!
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Posted by ブクログ
“釜さん”こと榎本武揚は、同時代の誰にも先駆けて、所謂“近代”というモノ、技術や社会の仕組みや、そういうモノが発達した歴史を知識として、体感として身に着けたような人物だった。そういう人物であったが故に抱いた野心と行動…それが本作の軸になっている。 他方で、“釜さん”こと榎本武揚が知悉する「近代」に対...続きを読むする「近世」或いは「さむらい」の価値観や、“天子様”という朝廷の台頭によって、一連の戊辰戦争に通じる流れの中での「変化」というようなモノを考察する内容が含まれ、それがなかなかに深い… 力強い感じで、ドンドン展開する物語に引き込まれる…愉しい作品!!
幕末、幕臣である榎本武揚が大坂で徳川慶喜に取り残される辺りから、軍艦で蝦夷へ行き、共和国を立ち上げて新政府軍に負けるまでを描く。個人的には、榎本武揚に付き従った幕臣たちの時代錯誤な考えが、今でいえば大企業病のように感じる。幕臣は刀槍の戦いこそが武士としての戦いで、鉄砲は足軽がやるものと軽んじている。...続きを読むそして、いつでも刀槍の戦いができると思い込んでいるが、実は戦い方や鎧の着方すら知らないという。今の時代でも、いつでの仕事できると思っているが、実は何もできないということがあるように思う。そしてそんな企業は幕末を迎えるのかもしれない。
榎本釜次郎武揚、日本最大最強の軍艦「開陽」を擁して箱館戦争を起こした男の物語。勝海舟、土方歳三、近藤勇、黒田清隆等が敬愛した幕末唯一の知的挑戦者。
もはや新政府が勝利するのは史実であるから、なぜ幕府軍が負けたのかは今まであまり考えたことがなかった。この本では、なぜ榎本率いる幕府軍が敗れたのか、門井先生なりの見解が示されていて興味深い。 自分の誤読かもしれないが、結論としては、新政府軍の方が近代化に成功していたからということらしい。 ではなぜ、...続きを読む欧州帰りで当時おそらく最も開明的であった榎本をトップに据える函館共和国で近代化が遅れたのか。 榎本が求める近代国家のロールモデルはオランダだった。そして日本に「オランダ」を作ろうとしていた。スペインから独立したオランダのように、分離したまま実効支配を積み重ねた後の独立を考えていた。 榎本は多くの誤りを犯すが、最も致命的な誤謬はこの近代国家をそのまま移植しようとする試みだったんじゃなかろうか。 世界ではフランス革命以降、それまで貴族や傭兵が担っていた兵役を、全国民が負わねばならなくなった。そして国民に命を投げ打たせる方便が愛国心だった。日本において愛国心の裏付けとなるのは象徴的な「天子」の存在である。 新政府は天皇を後ろ楯に、おそらく期せずして近代化を成し遂げた。 日本には日本なりの近代化があったということだろう。 敗色が濃厚になるなか、榎本は敗れた自軍の幹部たちが生きて帰ってくることに違和感を覚えた。降伏か抗戦か態度決めかねる彼は「時代精神」のような物を感じつつあった。それは、「君臣一和」国民意識の芽生えであった。列強の支配を免れるには国民が一丸とならねばならない。優秀な人間を死なせるべきではない。そのことに気づき榎本は降伏を決めた。 榎本武揚を扱った小説は佐々木譲先生の「武揚伝」があり、こちらも面白い。 だが手法にはいささかの違いがあるように感じられる。 「武揚伝」では史実を丁寧に紐解き、その間隙を想像力で埋める方法を使っていると思われ、そこに面白さがある。 一方「かまさん」には史実の背後に流れる大きな物語を描き出そうとしていたのではないか。 非常に面白く、刺激に富む本だった。 ためになるかどうかは分からないけれど。
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かまさん――榎本武揚と箱館共和国
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門井慶喜
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