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  • まんぞく まんぞく
    3.6
    深夜、覆面をして、酒に酔った侍に喧嘩をしかけては、髷を切ったり川に投げ込んだりして楽しんでいる男装の女剣士。それは、十六歳の時、浪人者に犯されそうになり、家来を殺された堀真琴の、九年後の姿であった。真琴は、敵討ちを心に誓って剣術の稽古に励んだ結果、剣を使うことが面白くて仕方なくなったのだが……。女剣士の成長の様を、絶妙の筋立てで描く長編時代小説。
  • 日曜日の万年筆
    4.0
    池波正太郎のエッセイには――男の本音がある、人生がある、生きる楽しみを享受する男のリズムがある。作家への道を拓いた幼き日の観劇の一日、手と躰で物を造る感覚を養った旋盤工時代、行きづまった小説の結末を見いだしてくれた飼い猫ネネの話、映画のこと、衣食住について、現代人の見失ったもの、仕事の裏ばなしなど……。手練の切れ味を見せる“とっておきの51話”。

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  • 仕掛人 藤枝梅安 1巻
    3.7
    池波正太郎の原作を劇画界の巨匠さいとう・たかをが描く本格時代劇画!!仕掛人・梅安の仕掛針がこの世の悪を葬り去る!!闇の世界の人間模様はスキャンダル!!女殺しの事件に迫る梅安は・・・!?
  • 耳袋秘帖 四谷怪獣殺人事件
    3.3
    四谷大木戸の水門に竜が現る!? 田安徳川家の四谷の下屋敷で、奇っ怪な出来事が頻発しているという。八本足の犬から腹切り大根まで、難事件に根岸肥前守が挑む!
  • 耳袋秘帖 馬喰町妖獣殺人事件
    4.0
    訴訟でやってくる者たちが泊まる<公事宿>のひしめく日本橋馬喰町。お裁きがまさに始まろうとしたお白洲で、獣に食いつかれたような傷を残して公事師が突然死んだ。“マミ”と呼ばれる獣、卵を産んだ女房、三日月井戸……馬喰町七不思議のなかに隠された巨大な悪事に根岸肥前守が挑む、大人気殺人事件シリーズ第16弾!
  • 巣立ち―お鳥見女房―
    4.6
    嫡男久太郎の婚姻の日が近づいていた。相手は、珠世の夫伴之助に苛酷な陰働きを命じた前老中水野忠邦に連なる家の娘、鷹姫さま。祝言の日までの心労、婚礼の場での思わぬ騒動、そして次男久之助も人生の岐路を迎えて──。家族が増えた矢島家では、喜びも増え、苦労も増える。姑となった珠世に安寧の日々は訪れるのだろうか。人情と機智にホロリとさせられる、好評シリーズ第五弾。
  • 荀いく 曹操の覇業を支えた天才軍師
    3.3
    中国は三国時代。中原の覇者を目指す曹操のもとに「王佐の才」を謳われる男がいた。その名も荀いく――。「王佐」とは王を佐(たす)けるの意味。荀いくは政戦両略にわたって曹操を支え、文字通りその覇業を援けた。曹操の留守を狙って攻め寄せた呂布を見事撃退し、君主の帰還まで根拠地を守り抜く、落ちぶれていた後漢の献帝を迎え入れるよう進言し、曹操の大義名分をつくる、兵力に勝る袁紹と互角に渡り合えるよう様々な策略をめぐらし、「官渡の戦い」を勝利に導くなど、まさに魏の建国は荀いくなくしてありえなかった。さらに本書では、荀いくを従来のイメージである「漢王朝の再興を目指す忠臣」として捉えるのではなく、様々な場面で躊躇する曹操を叱咤激励しつつ、その知略でもってなんとか魏王に仕立て上げようとする野心家として描いている。ラストは『正史三国志』『三国志演義』もびっくりの、驚くべき結末があなたを待っている!
  • 陳平 劉邦の命を六度救った「知謀の将」
    4.5
    項羽との覇権争いに勝った劉邦の下には、名軍師張良と並び称されるもう一人の「知謀の士」がいた――その名は陳平。貧しい家の生まれながら、天下に志を立てようと考えた彼は、初め項羽に仕えていた。しかし、ふとしたことで怒りを買い、誅殺されそうになる。そこで項羽を見限る決意をし、故郷から連れてきた若者とともに劉邦の下へ身を寄せる。劉邦との対面で策略を進言した陳平は、実力を高く評価され、やがてめきめきと頭角を表わすようになる。項羽と軍師の范増を離間させたり、項羽軍に包囲された城からの脱出劇を演じたり、まともに戦えば勝ち目のない韓信を、巡幸を装って捕えたりするなど、見事な「奇策」を展開し続けた。そして、結果的に劉邦の命を六度救う、劉邦軍になくてはならない軍師になるのだった。本書は、劉邦亡き後も、右丞相に昇って国家の重鎮となった陳平の波瀾に満ちた生涯を余すところなく活写した評伝小説である。

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  • 鬼平犯科帳の世界
    3.6
    『鬼平犯科帳』の主人公・長谷川平蔵は実在の人物。その生みの親、池波正太郎氏が直接に語るシリーズのエピソードをはじめ、登場するほとんどの人物を網羅した「鬼平犯科帳人名録」と「鬼平一家WHO'S WHO」、平蔵たちが活躍した18世紀に、実際ひとびとがどんな暮らし方をしていたかを詳細に紹介する「市井事情Q&A」、「鬼平の時代」、「江戸ショッピング案内」──と、何から何まで<鬼平>と<江戸づくし>でお届けする、「鬼平事典」の決定版。
  • 秘密
    3.7
    (おかしい。いつもとはちがうような……)居間へあがったとたんに、宗春は感じた。独り暮しの、棲み慣れた家だから、どのように些細な変化、異常があっても、するどい宗春の勘のはたらきは、それを見逃すはずがない──。はずみで家老の子息を斬殺してしまった宗春は、名を変え、身分を変えて江戸へ逃れたが、しだいに討手はせまる。一方で、身を隠す暮しのうちに、宗春は人の情けと心意気を知った……。円熟の筆で描く傑作長編時代小説。
  • 東京帝大叡古教授
    値引きあり
    3.4
    日本初! 文系の天才博士が事件を解決! 物語の主人公・宇野辺叡古(うのべえーこ)は、東京帝国大学法科大学の教授である。大著『日本政治史之研究』で知られる彼は、法律・政治などの社会科学にとどまらず、語学・文学・史学など人文科学にも通じる“知の巨人”である。 その知の巨人が、連続殺人事件に遭遇する。 時代は明治。殺されたのは帝大の教授たち。事件の背景には、生まれたばかりの近代国家「日本」が抱えた悩ましい政治の火種があった。 他を圧倒する「知の巨人」が開示していく事件の真相は、まさに予測不能。ラストは鳥肌モノ!! 直木賞候補作、早くも文庫化!
  • 閻魔裁き ㈠ 寺社奉行脇坂閻魔見参!
    完結
    3.0
    播州竜野藩の藩主、脇坂淡路守安董は、寛政三年に二十四の若さで、幕府の重鎮である寺社奉行に抜擢された。寺社奉行の権限は広く、しかも坊主や神職という海千山千の連中を相手にしなければならない。怪しい金色の出世不動像や、神社の境内に丑の刻になると、女が集団でいっせいに押しかけ、藁人形を打ちつけ去っていく丑の刻参りなど、問題は山積み。家臣の鶴田風二郎、亀山雷蔵の「風神雷神コンビ」を従え、「神も仏もおれが裁く!」と豪快に成敗する。待望の新シリーズ、ついに開幕!!
  • しのびよる月(御茶ノ水警察シリーズ)
    3.6
    1~6巻594~715円 (税込)
    御茶ノ水署・生活安全課保安二係は斉木斉と梢田威だけの小世帯だった。小学校の同級生が御茶ノ水署で再会する。がき大将だった梢田が斉木をいじめた過去があった。それがいまでは斉木警部補と梢田平刑事。復讐に燃える斉木は、ことごとく梢田の出世を妨害し、日常業務に文句をつける。口論しながら推理も続け、神田お茶の水界隈の難事件迷事件を解決していく。ユーモア・ポリス・ストーリー。
  • 思い出コロッケ
    3.6
    美人でもなく、賢そうでも若くもない女に惹かれ、家を出た夫。あの人となら温かい家庭を築けると思ったのに、なぜ──。知人の電話から、夫婦関係の冷たさを思い知る(「コロッケ」)。不倫に疲れ、帰省した先で出会った事件から、まっとうな家族の温かさと女の独り身の侘びしさに気づかされる(「黒豆」)。昭和を舞台に大人の恋、男女の情愛、そして家族の真実を描いた静謐な七篇。
  • 戦国と幕末
    3.6
    日本全土にたくましいエネルギーが満ち、人々が熱い血をたぎらせた戦国と幕末は、武力、智力にずば抜けた英傑、俊才が輩出した時代であり、人間味豊かな人物が生まれた時代だった。天才的な戦術家の福島正則ら戦国時代の武将たち。忠臣蔵で末代まで名を残した赤穂義士。町奴として男伊達を貫いた幡随院長兵衛。幕末新選組の土方歳三、永倉新八など、深い洞察とユニークな史観で、転換期の男の生き方を綴った歴史エッセイ。
  • 楠の実が熟すまで
    4.0
    期限は初冬、楠の実が熟すまで。21歳の利津は、御徒目付を務める伯父に命じられ、潜入捜査のため京の下級公家・高屋家に嫁いだ。安永年間、禁裏での出費増大に頭を悩ませた幕府は、公家たちの不正を疑うが、探索のため送り込んだ者たちは次々に謎の死を遂げていた。最後の切り札として単身乗り込んだ女隠密・利津は、高屋家に夫の弟・右近が幽閉されているのを知る。証拠はどこに…? 著者の新境地を拓く、長編時代ミステリー。
  • 妖かし斬り 四十郎化け物始末 1
    3.6
    元は江戸屋敷勤番の侍だった月村四十郎。この男、からすにつきまとわれているため“からす四十郎”と綽名されている。病気の妻を抱え、用心棒稼業で糊口をしのいでいたが、借金は増えるばかり。易者に「死相が出ている」と言われ自棄になった彼は、礼金は高いが用心棒仲間も嫌がる化け物退治を引き受ける。油問屋に巨大な人魂が出るというのだ。だがその人魂の正体は…。人気著者が放つ、「四十郎化け物始末」シリーズ第1弾。
  • 耳袋秘帖 妖談ひときり傘
    3.0
    雨の中あでやかな傘の群れが舞うと、死体がひとつ――「ひときり傘」が引き起こす連続殺人事件が江戸の町を震撼させる。一方、明日の天気を奇妙なほどぴたりとあてる女おせんが誘拐されて……。毛の雨が降り、川が血の色に染まり、雷の糞が取りざたされる江戸の天変地異に根岸肥前守が挑む! 書き下ろし妖談シリーズ第6弾!
  • 耳袋秘帖 銀座恋一筋殺人事件
    4.0
    岡っ引きの辰五郎が銀座の駕籠屋に聞いた奇ッ怪な話。人を半分にして運べる駕籠の注文があったという。一方で紀伊国橋と鉄砲洲には謎の怪物「いくじ」が現れた。正体不明の悪党・暁星右衛門と豪商・淀屋月右衛門の関係も見え始め、品川、目黒と続いた「恋の殺人」はついにクライマックスに突入する。ますます絶好調の殺人事件シリーズ第20弾!
  • 耳袋秘帖 品川恋模様殺人事件
    3.5
    ここは、人も猫も幽霊も恋に落ちる場所―― 品川の〈恋祓い神社〉で、若い女が燃えて亡くなった。死体は十三年前に亡くなったはずの遊女!? 稀代の難事件に根岸肥前守が挑む!
  • 死霊大名 くノ一秘録1
    2.7
    伊賀国最強のくノ一・青蛾が育てた娘・蛍――。16歳の若きくノ一は千宗易(千利休)の意を受け、父とともに戦国最大の悪漢・松永久秀を探る。そこで目にしたのは「死と戯れる」秘技だった――。死霊が増殖する動乱の世で、蛍は父を助けるため悲壮な闘いに挑む。気宇壮大なスケールで描かれる「くノ一秘録」シリーズ、ついに始動!
  • 道連れ彦輔
    3.0
    なりは素浪人だが、歴とした御家人の三男坊。権威や忠義が大嫌い、自分より弱い者には滅法強く、強い者には近づかない鹿角彦輔(かづのひこすけ)。そんな彦輔に道連れの仕事を見つけてくる藤八、蹴鞠上手のけちな金貸し・鞠婆など、個性豊かな面々が江戸を舞台に大活躍。コメディとシリアスが絶妙に合わさった傑作時代小説!
  • 耳袋秘帖 妖談うつろ舟
    3.1
    曲亭馬琴も書き残した江戸版UFO遭遇事件と目される「うつろ舟」伝説。海辺に流れ着いた異国風の女の裏には何があるのか。幽霊を食った男、深川の白蛇、牢から忽然と消えた男……さまざまな怪奇が入り乱れる中、闇の者たちとバテレンさんじゅあんの謎を根岸肥前守はついに解き明かすのか? 大人気妖談シリーズ、堂々完結篇!
  • 耳袋秘帖 妖談しにん橋
    3.5
    深川で、西国雄藩の藩士と石川島から戻ったばかりの無宿人が相次いで不審な死を遂げた。二人とも、満月前後の夜に「四人橋(よにんばし)」を四人で渡り、自分の影だけが消えたと言い残していた。そして、そのことがあった一両日中の死だった…。四人で渡ると死人が出る“死人橋”の噂は、江戸の町に一気に広まった。なぜ影が消えるのか? 裏にうごめく悪の正体を、赤鬼奉行・根岸肥前守(ねぎしひぜんのかみ)が解き明かす! 新「耳袋秘帖」シリーズ第三巻。
  • 耳袋秘帖 妖談うしろ猫
    3.6
    若い頃は無頼の限りを尽くして悪の道にはまりかけ、しかしいまは「赤鬼」の綽名を持つ南町奉行の根岸肥前守(ねぎしひぜんのかみ)。その奉行のもとに、商いの評判が良かったもろこし屋の主人、伝次郎が殺されたとの知らせが寄せられる。現場近くでは、「かのち」という謎の書き付けを残して失踪した大店の若旦那が目撃されるが…。奇談集「耳袋」を千編も書き記した根岸肥前守(=歴史上実在の人物)が、江戸の怪事件を解き明かす好評シリーズ、新展開の第一巻。
  • 忍者群像
    4.5
    わが手にかけたはずの明智光秀が「生きていたぞよ」と聞いた忍びの小五郎。噂がまことなら、今度こそ討ち果たして忍びの名誉を取り返さなくてはならない。しかしその道筋は意外な方へ(「首」)。潜入先で忍びの正体を見破られ、恐れ入って寝返った寅松。だが、その寝返りを自分の味方に知られ…(「寝返り寅松」)。歴史の裏で活躍した「忍び」同士の因縁の対決、哀愁、恥、名誉など、非情な宿命の中で熱い血をもって生きる姿を描く。全七篇。
  • 刺客、江戸城に消ゆ
    -
    1~2巻605~660円 (税込)
    江戸城の警備を担う伊賀同心。伊賀の四天王と呼ばれる忍びたちは、自分たちの存在価値が低下していることを嘆き、起死回生の策を練る。大御所・徳川吉宗を狙った刺客として伊賀の里から江戸へ連れてこられた伊賀忍びのコノハズク。しかし、事態は急展開し、江戸城の森を舞台に忍びたちとの死闘が始まる。そして衝撃の結末が――。風野真知雄の超絶技巧作品。
  • 鷹姫さま―お鳥見女房―(新潮文庫)
    4.2
    女だてらに鷹狩りに行きたがり「鷹姫さま」と呼ばれる気性の烈しい娘と嫡男久太郎との縁談、次女君江のひそやかな恋。子らの成長と行く末を、珠世は情愛深く見守る。また、鷹狩りを司り、幕府隠密の任務もあるお鳥見役の主も、過酷な勤めを終えて帰ってきた。妻として深い痛みを抱えた夫を気づかう――珠世の才智に心温まる、シリーズ文庫第三弾。
  • 蛍の行方―お鳥見女房―(新潮文庫)
    4.2
    密命を帯び、お鳥見役の主が消息を絶って一年余り。留守を預かる女房珠世に心休まる日はない。身近かに暮らす子供らの人知れぬ悩みを知って心くだき、その成長を見守り、隠居となった父の寂寥を慰め、組屋敷に転がり込んだ男女と幼子らの行く末を案じる……。人生の哀歓を江戸郊外の四季の移ろいとともに描く連作短編。珠世の情愛と機転に、心がじんわり熱くなる――お鳥見一家の清爽人情話、シリーズ第二弾。
  • きりきり舞い
    3.4
    『東海道中膝栗毛』の作者・十返舎一九の娘、舞。酒びたりで奇行ばかりの父、押しかけ弟子の浪人や葛飾北斎の娘であるお栄たち居候に翻弄される日々だった。十八歳だというのに縁談はみな父が壊してしまう。そんな舞を武家の若者、野上市之助が見初めた。今度こそ恋が実るか!? 奇人変人に囲まれた娘が懸命に生きる姿を、ユーモアと人情味たっぷりに描く時代連作集。
  • 幽霊の涙―お鳥見女房―
    4.0
    家督とお鳥見役を継いだ珠世の長男、久太郎に密命が下る。かつて父と夫も務め、二人のこころと家族に深い傷を残した、あの陰働き。他国の不穏な動きを探るうち、久太郎は行方知れずに。留守を預かる珠世と嫁の恵以は不安が募る。そんな矢島家をあの世から心配したのか、一回忌を迎える久右衛門の幽霊がさまよっているという。家族の情愛の深さと強さを謳う、大好評シリーズ第六弾。
  • 刺客が来る道
    -
    いわれなき罪に問われ、江戸へ命からがら逃げてきた信夫藩の元藩士・佐山壮之助。慣れない江戸で親子四人、細々と生活を始めたが、その前に壮之助を狙う刺客が現れる。斃しても次々に放たれる刺客――。壮之助は、はたして家族との生活を守りきれるのか。武士を捨て町人として懸命に生きようとする男の心情を見事に描き切った作品。風野真知雄、光文社文庫初登場。
  • 来春まで―お鳥見女房―
    4.5
    将軍の鷹狩りの下準備を担うお鳥見役の矢島家。あるじの伴之助と妻・珠世の周りには嬉しい知らせが続いていた。次女の初産、嫁の懐妊、幼い頃から親しくしてきた石塚家長女の結婚――。幾多の苦難と辛い別れを乗り越え、やっと訪れた穏やかな日々。だが「来る者は拒まず」が信条の珠世のもとには、またも次々と難題が降りかかり……。新しい命が絆を強める、大好評シリーズ第七弾。
  • 情状鑑定人
    3.0
    幼女誘拐の容疑で逮捕された井原信三に、情状酌量の余地があるかどうか――家裁の調査官・立花文代の依頼を受け、精神科医・祝田教授は、被告の過去を調べていく。井原は7年前、妻を殺し放火した容疑で起訴され、実刑判決を受けていたが、その背後に意外な事が……。“精神異常”の本質に迫る表題作の他、読み応えのある傑作ミステリー集。
  • さまよえる脳髄
    3.2
    精神科医・南川藍子の前にあらわれた三人の男たちは、それぞれが脳に「傷」を持っていた。試合中、突然マスコットガールに襲いかかり、殺人未遂で起訴されたプロ野球選手。制服姿の女性ばかりを次々に惨殺していく連続殺人犯。そして、事件捜査時の負傷がもとで、大脳に障害を負った刑事。やがて、藍子のもとに黒い影が迫り始める――。人間の脳にひそむ闇を大胆に抉り出す、傑作長編ミステリ。
  • 水中眼鏡(ゴーグル)の女
    3.6
    黒い水中眼鏡をかけた女が、精神科医の前にあらわれた。ある朝、突然目が開かなくなってしまったという。自宅で発生した火事によって夫を失ったことが原因かと思われたが――。治療が進むにつれ、驚愕の真実が浮かび上がっていく表題作ほか、難病の妻の介護人として雇われた女性が、歪んだ夫婦関係に巻き込まれていく「ペンテジレアの叫び」など。サイコサスペンスの傑作全三篇を収録。
  • 空白の研究
    3.5
    季子が夫の愛人を殺したことは、本人の自白からも、証拠品などからも間違いないらしい。だが、裁判までの過程で、供述に微妙なぶれがあるとして、精神鑑定の依頼を受けた祝田が、犯行時の一瞬の空白を探ってゆくと……。表題作他、心理分析を背景にして描く奇妙な味のミステリー集。
  • 幕末遊撃隊
    4.2
    心形刀流・伊庭道場の後つぎ伊庭八郎。ある理由から剣ひとすじに生きると決め、精進を重ねてきた腕は、不羈の才と評判をとっていた。動乱騒擾の絶え間ない幕末を迎え、八郎は将軍上洛に伴って京へ。幕府の崩壊を目の当たりにし、江戸っ子侍気質そのまま、同士を募って遊撃隊を組織し、怒涛の進撃を続ける官軍に挑む。武士の矜恃を胸に、短く壮烈に生きた美剣士の意気地を雄渾に描く青春幕末秘伝。
  • スパイ武士道
    3.6
    徳川幕府が開府と同時に、全国諸藩の動静を探るため潜入させた隠密群があった。筒井藩士・弓虎之助もその一人。その彼に藩の遺金八万両の隠し場所の探索という密命が下った。彼を隠密と知らず抜擢する藩の重役、非常な掟を強いる“声”。両者の間にたって苦悩する隠し隠密の生きざまを描く異色作。
  • 武士(おとこ)の紋章
    3.7
    関ガ原の後、石田三成の義弟の妻だった真田幸村の実妹の於妙(おたえ)を娶り、睦まじく添いとげた滝川三九郎。その、運命に逆らわずしかも自己を捨てることのなかった悠然たる生涯を描いた表題作。父弟と袂を分かって家康に仕え、信州松代藩十万石の名君として93歳の長寿を全うした真田信之ほか、黒田如水、堀部安兵衛、永倉新八など、己れの信じた生き方を見事に貫いた武士(おとこ)たちの物語8編。
  • 剣法一羽流
    3.0
    諸流派が日本各地に盛名を競った天正年間、常陸の剣客諸岡一羽斎の、剣の理法と謎の秘伝書は、3人の高弟たちを翻弄する。力と技では及ばない、「剣の心」を渇望する剣士たちの死闘を描く表題作他、人斬りに失敗した刺客、秘命に斃(たお)れた隠密、悪名高い復員兵等、男の人生の風雪を鮮烈に描く、初期傑作短編集。
  • 剣客商売 1巻
    3.7
    1~48巻607~689円 (税込)
    勝ち残り生き残るたびに、人の恨みを背負う…それが剣客として生きる者の宿命―――池波正太郎の名作を完全劇画化―――!!
  • 蓬莱橋にて
    -
    「なあ、後生や。後生やさかい、うちの亭主(ひと)返しとくなはれ」坂本龍馬の妻・お龍の怨嗟に、刺客・今井信郎の妻は困惑した…(表題作)。東海道の宿場を往き交う儚い想い。すれ違う男と女の心…。運命のほころびに翻弄される人々の哀切を描く時代小説集!

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  • 八丁堀育ち
    4.0
    橋の上で毎日誰かを待つ女。毎晩、酔ったふりをする男。地蔵に塗られた白粉。北町奉行の同心を義父に持つ夏之助は、幼なじみで与力の父を持つ早苗とそれらの謎を探り始めるが、いつしか町内で起きた斬殺事件の真相に近づいてしまい……。
  • 痩せ神さま
    4.7
    でっぷり太った幼馴なじみのお竹とお松は、甘い物を控えずに痩せたいという願望を叶えるため、近所で評判の痩せ神様の霊験に頼る。玉串は何と1両! あまりの大金に驚く二人に、怪しげな神主・安倍長明は、この神様は金持ちにしか効かないと方言する。不思議に思いつつも、その神様のお札を持ち帰る二人だったが……。大人気シリーズ第二弾!

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  • 猫見酒
    3.6
    商売物のうなぎに愛着を感じ、うなぎを殺せなくなった長八は、南念和尚に相談し、「ご天寿うなぎ」なるものを考案した。それは江戸で大流行するが……。落研出身の著者による、古典落語、オリジナル落語をベースとした江戸人情噺。

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  • 平蔵の首
    3.2
    まったく新しい「鬼平」。ハードボイルド時代小説! 「平蔵の顔を見た者は、だれもいねぇのよ」。 盗賊・黒蝦蟇の麓蔵は復讐を遂げるため、いまは平蔵の手先となった女に案内を頼む(「平蔵の顔」)。 両国橋の界隈で、掏摸を働いていた姉弟に目をつけたところ、思わぬ大事件に巻き込まれる(「繭玉おりん」)。 火付盗賊改・長谷川平蔵のまったく新しい魅力を引き出した六編。 特別対談・佐々木譲 挿絵・中一弥 【目次】 「平蔵の顔」 「平蔵の首」 「お役者菊松」 「繭玉おりん」 「風雷小僧」 「野火止」
  • 夜明けの星
    3.8
    越後の国を出て十六年、江戸の町で父の仇敵を探し続ける浪人・堀辰蔵。飢えて疲れきった辰蔵はある日ささいなことで逆上し、見知らぬ煙管師の頸すじに斬りつけてしまう。父と仲良くふたり暮しだった煙管師の娘・お道は、これで天涯孤独の身となった。近隣の人々に見守られ、気丈に生きていくお道と、仇討ち転じて闇の世界の仕掛人となった辰蔵の凄絶な半生。折にふれ、奇妙にもつれ合うお道と辰蔵の運命を、池波正太郎が円熟の筆で描いた名作。
  • 坂本龍馬殺人事件
    4.0
    先祖が八丁堀同心の名探偵が二人の龍馬暗殺の謎を解く! 京都の高級ホテルで〈現代の坂本龍馬〉コンテストが開かれていた。旅行中の歴史ライターの月村弘平と恋人の警視庁捜査一課・上田夕湖もそのイベントを覗いていると、偶然会ったなじみの編集者に、龍馬暗殺の珍説を書くよう依頼を受ける。その打ち合わせの後、現代の坂本龍馬が殺されたというニュースが……新感覚トラベル歴史ミステリー!
  • 「おくのほそ道」殺人事件 歴史探偵・月村弘平の事件簿
    3.0
    実は芭蕉は○○だった――歴史の謎を暴く事件発生!? 東京の下町・深川で身元不明の死体があいついで見つかった。体内からは毒物を発見、殺人と断定され、警視庁捜査一課の女性刑事・上田夕湖が捜査に当たる。夕湖の恋人で、「おくのほそ道」の俳聖・松尾芭蕉の取材をしていた歴史研究家の月村弘平は、事件の裏に芭蕉が関係していると推理するが……時代小説の鬼才が放つ本格派トラベル・ミステリー! 【目次】第一章 芭蕉庵から始まる/第二章 深川の芭蕉史料館/第三章 怪しい館長/第四章 しのぶ文知摺の里の殺人/第五章 バスツアー出発/第六章 四十年前の平泉/第七章 さかのぼる謎
  • お龍のいない夜
    値引きあり
    -
    妻・お龍との愛を軸に描く、風野版龍馬伝。 「龍さんを斬らはるつもりどすか?」 そんなことしたら、あんたの頭にペストルで穴空けてやる。 一つやない。指の二本も入るような穴を、三つも四つもな。 うちは、やると言ったらやる女やで-- お龍は、胸のうちで言った。  時は幕末。京都七条新地の旅館<扇岩>で働く楢崎龍(りょう)は、勤皇の志士の隠れ家で、土佐の坂本龍馬と出会う。龍馬はお龍に惚れ込み恋文を送り、後に祝言をあげる。その後日本を駆け巡る龍馬は、お龍に何度も恋文を送り続ける。 そして、寺田屋事件の夜、お龍の機転で、龍馬は間一髪命を救われる。 しかし、近江屋での夜、お龍はいなかった。お龍がいてくれたら、龍馬は間違いなく明治の日本を生きたはずだった。 龍馬の激動の人生に、お龍はどう絡んでいったのか。 龍馬がお龍に送り続けた恋文の中身はいかなるものだったのか? 「妻はくの一」「耳袋秘帖」シリーズなどで人気を博す風野真知雄が挑んだ、新時代の龍馬伝誕生。 ※この作品は単行本版『お龍のいない夜』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • 奸婦にあらず
    値引きあり
    -
    その美貌と聡明さを武器に、忍びとして活躍する村山たかは、ある時、内情を探るために近づいた井伊直弼と激しい恋に落ちる。だが、苛酷な運命が二人に襲いかかって……。著者の代表作が新装版で登場!
  • 夢の階段
    4.3
    微禄の若者小森又十郎は、辛夷の花のようだと憧れていた首席家老の娘の再婚相手に指名され、夢見心地。しかし三日後、彼は周囲の猛反対を尻目に縁談を断り、武士を捨て、陶器職人となる道を選んだのだった……表題作他、処女小説「厨房(キッチン)にて」から、直木賞受賞第一作「踏切は知っている」、「忠臣蔵余話 おみちの客」まで、〈作家池波正太郎〉誕生の跡をたどる、ファン必読の未刊行初期短編9編。
  • 谷中・首ふり坂
    3.5
    養子に入った武家の妻にへきえきしていた男が、初めて連れていかれた谷中の茶屋の女に魅せられ、武士の身分を捨ててしまう表題作。自堕落に暮らしていた息子が、濡れ衣を負って処刑された父の敵を討とうと決心した途端に人柄が変わってしまう「夢中男」。そのほか「尊徳雲がくれ」「へそ五郎騒動」「舞台うらの男」「かたきうち」「伊勢屋の黒助」など、全11編を収める傑作短編集。
  • 剣の天地(上)
    3.9
    時は戦国――のちに「剣聖」と仰がれる上泉伊勢守は関東制覇の要衝・上州は大胡の城主。上杉謙信・武田信玄・北条氏康の野望に巻き込まれ、戦場から戦場へ体を休める暇もない。その武勇を「上州の一本槍」と天下に轟かせるも、一介の剣士として剣の道に没入できる平穏な日々の訪れを秘かに願う伊勢守だった。折しも国盗り合戦は佳境を迎え、上州の勢力図にも大きな変化が……。

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  • 耳袋秘帖 湯島金魚殺人事件
    4.2
    「金魚釣りに引っかかっちまったよ」。陰間(男娼)の集まる湯島で、謎の言葉を残して旗本の倅が死んだ。<くじら>という異名をもつ、巨漢のおかま、松平定信の特命を受けて風紀粛正に乗り出す目付、湯島の親分ぴんぞろの捨松らが入り乱れ、奇想天外なミステリが幕を開ける。根岸肥前守が難事件に挑む殺人事件シリーズ第15弾!
  • 耳袋秘帖 王子狐火殺人事件
    3.7
    玉子焼きで名高い料亭、王子の扇屋で祝言をあげる直前の花嫁が失踪。しばらくして装束(しょうぞく)榎のそばで、狐面をつけて花嫁衣装を着て死んでいる、別の若い女が見つかる。江戸の各地でも次々に狐面の女の死体が──。「稲荷の巫女は嫁には行けぬ 王子の狐が殺しに行くぞ はま」という奇怪な絵馬は何を意味するのか? 栗田と坂巻の名コンビが帰ってきた! 南町奉行・根岸肥前守の勘が冴えわたる「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ第11弾。
  • 天国の一歩前
    -
    若村未来の前に、疎遠だった祖母の妙子が現れた。しかし会うなり祖母は倒れ、介護が必要な状態に――。「いっそ、ぽっくり死んでくれたら」と実家の両親は祖母を見捨て、未来はひとりで看る決意をする。日に日に物事を忘れ、暴れ回る祖母。老人ホームなどの施設も空きがなく、お金に困った未来は、自分の身体を売り、ある事件を引き起こす……。
  • 妾屋の四季
    3.8
    女で稼ぐ商売ゆえ、体を張って女を守る――その矜持を胸に秘めて妾屋を営む山城屋昼兵衛。哀愁漂う過去を振り切り、今を豪快に生きる山形将左。武士という身分を捨て、愛する八重と生きる道を選んだ大月新左衛門。大奥や吉原との激闘を潜り抜けた三人はその後も波乱の四季を生きていた。女の悲哀と男の気概。「妾屋昼兵衛女帳面」シリーズ外伝!
  • 関東郡代 記録に止めず 家康の遺策
    3.4
    将軍家から格別の恩恵を賜っている伊奈家は、関東郡代を世襲し権勢を誇っていた。その裏には神君家康が隠匿した莫大な遺産を護るという役目が。だが、逼迫した財政を立て直すべく、幕府重鎮・田沼意次がその奪略をもくろむ。当主・半左衛門は武と智を尽くして応戦するが……。やがて迎えた対決の時、死してなお世を揺るがす家康の策略が明らかになる!
  • 耳袋秘帖 日本橋時の鐘殺人事件
    4.0
    日本橋本石町にある旅籠「長崎屋」で、腹を竹槍で無残に抉られた酉右衛門の死体が見つかった。隣りには、江戸の市中に時刻を知らせる「時の鐘」があり、その鐘撞き堂で、鐘を撞いていた撞き師の孫六が死んだ酉右衛門を恨んでいたと分かり……。南町奉行根岸肥前が、江戸の怪異を解き明かす「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ第13弾。文春文庫オリジナルの書き下ろし時代小説。
  • 耳袋秘帖 谷中黒猫殺人事件
    4.0
    美人姉妹が住む谷中の“猫屋敷”に猫が増えすぎて、近隣から奉行所へ苦情が来た。やがて、姉妹が以前に鬼平が担当して未解決になった押し込み強盗の被害者と分かり……。根岸肥前が、江戸の怪異を解き明かす「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ第5弾。根岸の妻・おたかとの日々を描いた、短編「白雲斎のこと」を書き下ろしで特別収録。
  • 耳袋秘帖 佃島渡し船殺人事件
    4.0
    年の瀬の佃島で、渡し船が突如突っ込んで来た正体不明の船に当て逃げされ転覆。四人が死んだ。だが、死んだ船頭以外の三人の遺体には刺し傷が見つかる。やがて、出航直前に別の船に乗るよう声をかけられた娘がいたとの証言も出て、事件の謎はさらに広がる。乗り合わせた客たちの意外な過去とは? 絶好調『耳袋秘帖』殺人事件シリーズ第12弾。
  • 剣客商売 1巻
    5.0
    池波正太郎の時代劇傑作を巨匠さいとう・たかを氏が待望のコミック化!!秋山小兵衛と大治郎父子が、江戸に暮らす庶民とともに誠実に、そして堅実に生きる姿を描く痛快作!
  • 真田太平記 1巻
    完結
    5.0
    日本一の兵・幸村、表裏比興の者・昌幸、明治まで真田の血をつなげた智将・信之…真田一族の壮絶な生き様を描く池波正太郎原作の傑作大河ロマン『真田太平記』が早くも単行本化! 1巻には武田家の滅亡や、真田忍び対甲賀忍びの戦いを収録。
  • 耳袋秘帖 目黒横恋慕殺人事件
    3.6
    茶店の主人が首を吊った。南町奉行・根岸肥前守は事件のカギが目黒にありと察知、家臣である宮尾玄四郎を派遣する。不動尊の参詣客でにぎわう町で遭遇する怪事件。優れた耳を持つ岡っ引き・音無の六蔵と、松平定信が普請を命じた屋敷の謎。そして大悪党・暁星衛右門の正体とは――。舞台は大坂にも広がり、ますます展開が加速! 根岸肥前守の名推理と恋模様が絡み合う人気シリーズ第19弾!
  • 耳袋秘帖 蔵前姑獲鳥殺人事件
    4.0
    浅草で雷を捕まえようとする大工の若い衆。深夜に突如炎上した有名な榧の木。浅草界隈の摩訶不思議な出来事が南町奉行の根岸たちの首をひねらせる。そんな中蔵前で悪名を馳せていた札差が殺されるのだが、疑わしい者が多すぎて、捜査は難航する。近所の評判の良い札差の店に妖しが出るとの噂が根岸の耳に入ってきて……。文庫書き下ろし。
  • 身代わり忠臣蔵
    4.0
    浅野内匠頭が吉良上野介を襲い切腹。赤穂浪士らは復讐を誓う。ところが、吉良が急死してしまい、家臣らはたまたま金の無心にきていた亡き主人の弟を替え玉にすることに。一方、赤穂の大石も本音を言えば、勝手に死んだ主君の為に討ち入りなんてしたくない。だが、世間がそれを許さない。偽者の吉良と不忠の大石が繰り広げる笑って泣ける忠臣蔵。
  • 表御番医師診療禄1 切開
    3.6
    表御番医師として江戸城下で診療を務める矢切良衛。ある日、大老堀田筑前守正俊が若年寄に殺傷される事件が起こり、不審を抱いた良衛は、大目付の松平対馬守と共に解決に乗り出すが……。
  • 妻は、くノ一
    3.6
    失踪した美貌の新妻、織江の正体はくノ一だった。国破りを企てる元藩主の懐刀と公儀隠密のくノ一、夫婦の契りを結びながらも会うことを許されない彦馬と織江のせつなく燃える愛。
  • 耳袋秘帖 新宿魔族殺人事件
    4.3
    宿場町の内藤新宿で、やくざが次々に殺害された。大石田一家率いるブケの千蔵と、大橋本一家の陣五郎親分の抗争のさなか浮かび上がってきた、忍びの者の影──「ふまのもの」とは、いったい何者なのか? 荒ぶるやくざ者たちを恐慌に陥れた連続殺人事件に、根岸肥前がシリーズ最大の大捕物で挑む! 佐渡奉行時代の根岸が金塊の密輸事件の謎を解く、短編「黄金の海」を新たに収録。殺人事件シリーズ第7弾。
  • 耳袋秘帖 浅草妖刀殺人事件
    4.2
    刀屋ばかりを狙う盗人「おたすけ兄弟」が、近所の神社に金を隠すのを見た町奉行所の中間・与之吉は、娘の薬代にとこれを奪うが、やがて兄弟に嗅ぎつけられ、身の回りに危険が迫る。根岸肥前守が、江戸の怪異を解き明かす「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ第3弾。坂巻が、初めて江戸見物をした日を描いた書き下ろし短編「ずぼんぼ」を特別収録。
  • 耳袋秘帖 八丁堀同心殺人事件
    3.4
    与力同心組屋敷がある八丁堀で、立て続けに、同心が殺された。地元・八丁堀での同心殺しは、威信にかかわると、北町奉行の小田切は気が気でない。だが、白昼堂々、次なる同心殺しが起き……。根岸肥前守が、江戸の怪異を解き明かす「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ第2弾。若き日の根岸を描いた、書き下ろし短編「河童の銭」を特別収録。
  • 耳袋秘帖 赤鬼奉行根岸肥前
    4.0
    若い頃、肩に赤鬼の刺青を彫る無頼をしながら、62歳で南町奉行まで昇り詰めた名奉行・根岸肥前守鎮衛(ねぎしひぜんのかみやすもり)。「大耳」の綽名を持つ彼が奇譚を記した随筆『耳袋』には、誰にも見せないもう1つの秘帖版『耳袋』があった。物を言う猫、続けて人が死ぬ井戸……根岸が同心の栗田、家来の坂巻とともに江戸の怪異を解き明かす「殺人事件」シリーズ第1弾!
  • 金の殿
    3.6
    江戸中期、美人画に現をぬかす毎日を送っていた尾張藩主・徳川宗春は側近の星野にもらった将軍吉宗公からの贈り物・南蛮の煙草を吸って気を失ってしまう。目覚めてみると、そこは現代の名古屋市で!? 星野の子孫・すずに導かれ、江戸と現代を往復する宗春。様々な美女との出会いを糧に、倹約第一の天下に抗う破天荒な名政策を考案しはじめ…。惚れて、踊って、世を救う! 尾張の恋するお殿さま――徳川宗春、現代に現る…!? 『超高速参勤交代』の著者がおくる、驚愕の時代エンターテインメント!!
  • かってまま
    3.6
    不思議な少女、おさいの「さい」は才? 災? 賽? 謎と人情が心に沁みる七つの物語。著者渾身の連作短編集。 【あらすじ】 不義の恋の末に、この世に生を享けた美しい娘・おさい。 江戸を襲った大火によって彼女の数奇な運命は回り始める。 遊女、女スリ、大盗賊の娘、そして若き天才戯作者――出会った人の心を少しずつ揺らし、救いながら、おさいは誰かをずっと待っている。 果たして誰が、いつ……?
  • 氷葬
    3.0
    夫の知己を名のる男に凌辱され、ついには激情にかられて男を殺してしまった下級藩士の妻・芙佐。死体を沈めた沼は一面氷におおわれたが、芙佐の悪夢はまだはじまったばかりだった……。時代の大きなうねりに呑みこまれたひとりの女性が、自らにめざめ、力強く闘う姿を緊迫した筆致と息をのむ展開で描いた長編小説。解説・東直子。
  • 伴天連の呪い
    3.0
    大好評「彦輔」シリーズ第2弾! ちゃっかり御家人三男坊・鹿角(かづの)彦輔が芝の寺へ遊山に出かけたところ、隣の寺の裏手で額に十字の焼き印を押された死体が発見された。そこはかつて、切支丹の伴天連(ばてれん)が何十人も火あぶりにされた寺だという。彦輔は意外な犯人に行き当たるが――個性豊かな面々が江戸の町で大活躍する傑作時代小説集!
  • 燃える地の果てに(上)
    4.4
    最後の核爆弾一基が見つからない! スペイン上空で核を搭載中の米軍機が炎上、墜落した。事実をひた隠して懸命の捜索を行う米軍。放射能汚染におびえる村人。ギタリスト古城邦秋を待ちうける虎口の数々……。跳梁するスパイの狙いは? 過去と現在、二つの物語が衝撃的に融合する! 現代ミステリの奇跡と謳われた名品の登場。
  • 一朝の夢
    4.0
    北町奉行所・同心の中根興三郎の生きがいは朝顔栽培、いつか黄色い朝顔を咲かせるのが夢だ。仕事は閑職、奉行所員の名簿作成係である。時は安政、井伊大老と水戸徳川家の確執や、尊王攘夷の機運が高まっているが、そんなことはこの“朝顔同心”には無縁、長身の身体を縮めるように暮らしている。だが江戸朝顔界の重鎮、鍋島直孝を通じて、宗観と呼ばれる壮年の武家と知り合ったことから、興三郎は思いも寄らぬ形で政情に巻き込まれてゆく。松本清張賞受賞作。
  • 耳袋秘帖 妖談さかさ仏
    3.6
    処刑される寸前、脱走に成功した仏像専門の盗人・庄右衛門(しょうえもん)は、ある寺で仏像をさかさにして拝む不思議な光景を目のあたりにする。同じころ深川では、売り出し中の美人芸者が姿を消す事件が起き、あろうことか木にさかさに吊られた女の遺体が発見された──。川を上る巨大魚の謎、柳の霊が人に憑くなど、南町奉行・根岸肥前守(ねぎしひぜんのかみ)のもとに報告される、不可解な事件の裏には一体なにが? 大人気怪奇シリーズ第四巻!
  • 耳袋秘帖 妖談かみそり尼
    3.7
    お江戸は高田馬場の竹林に棲む、若くて美人で評判の月照尼(げっしょうに)の元には、人生相談に訪れる者がひきもきらない。その庵(いおり)の近くで、女好きの若旦那が死体で発見された。衣服には一筋の剃刀の跡。若旦那は、尼に会いに行くと言い残して家を出たという。やがて尼の周囲では殺人が相次ぐ。なぜか死体には、みな剃刀の跡が──。はたして尼の正体とは。根岸肥前守が、江戸の怪異を解き明かす、新「耳袋秘帖」シリーズ第二巻。
  • 天才たちの値段 美術探偵・神永美有
    3.4
    「その絵がもし贋物なら、見た瞬間、苦みを感じ、本物なら甘みを覚えます」。美術品の真贋をその舌に感じる味覚で見抜く美術コンサルタント・神永美有。 短大の美術講師・佐々木昭友にもたらされた、「ボッティチェッリの『秋』が発見された」との情報、半信半疑で出かけた佐々木だが、同席した神永は絵を見た瞬間、強烈な甘みを感じたという。「秋」はイタリア・ルネッサンス期の巨匠の真筆なのか、それとも手の込んだ贋作なのか?  ボッティチェッリ、フェルメールから正倉院御物、江戸時代の涅槃図まで、美術にまつわる謎を解く5篇。 解説・大津波悦子
  • 耳袋秘帖 小石川貧乏神殺人事件
    3.3
    年明け早々、小石川で一家心中が発生したらしい。どうも江戸でもこの界隈に夜逃げや倒産などことさら不景気の風が吹いているようだ。牛天神に祀られていた貧乏神が怒っている。奉行の根岸は配下の宮尾にこの一件の探索を命じた。宮尾の調べが進むにつれ、他にも不可解な出来事がいろいろと起こっているようで……。
  • 駄犬道中おかげ参り
    値引きあり
    3.8
    日本アカデミー賞作家が描く愉快痛快珍道中。 時は文政十三年(天保元年)、おかげ年。民衆は六十年に一度の「おかげ参り」に熱狂していた。 博徒である辰五郎は、深川の賭場で多額の借金を背負った夜、お伊勢講のくじに当たり長屋代表として伊勢参りの旅へと出発する。 途中で出会った代参犬の翁丸、奉公先を抜け出してきた子供の三吉、訳ありな美女・沙夜と家族のふりをしながら旅を続けるなか、ダメ男・辰五郎の心にも変化があらわれて……。 借金を回収しようと追いかけてくる殺し屋・菊佐から逃げ回り、ひしゃくとガマの油で路銀を稼ぎ、地元の名産品には舌鼓。笑いあり、涙あり、美味(グルメ)ありの愉快痛快珍道中。 『超高速!参勤交代』『引っ越し大名!』の著者による傑作時代長編! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『駄犬道中おかげ参り』 の文庫版となります。
  • 超高速!参勤交代 映画ノベライズ
    5.0
    大ヒット映画「超高速!参勤交代」の映画ノベライズ。 享保20年(1735年)、磐城国。湯長谷藩(現在の福島県いわき市)に幕府からの命令が届いた。ふつうなら8日かかる道のりなのに、5日で江戸まで来いという。お人よしの殿さま内藤政醇(まさあつ)は、6人の家来と、道案内の忍者、段蔵とともに、走って江戸へ向かう。途中、命をねらわれたり、はぐれたりで、ピンチの連続! 刻限までに江戸城にたどりつけるの!?
  • 別れの季節―お鳥見女房―(新潮文庫)
    完結
    5.0
    全1巻649円 (税込)
    時の流れは、いやおうなしに出会いと別れを運んでくる――。次男二女が巣立ち、五人の孫にも恵まれ、幸多き日々を過ごしていた珠世。だが、浦賀に黒船が来航し、雑司ケ谷の矢島家にも動揺が広がる。また、かつて居候していた源太夫は大地震に見舞われた郷里・小田原の生家が気がかりで、帰参を考えはじめ……。激動の時代を生きる人々のあたたかな繋がりを描く大人気シリーズ、堂々完結!(解説・神田蘭)
  • 同心 亀無剣之介_わかれの花
    3.6
    風采があがらず、しょぼくれて冴えない侍――亀無剣之介は、毛羽だったちぢれ毛の髷と、名前の一文字から、ちぢれすっぽんと呼ばれる北町奉行所の名物同心。その風貌と、おどおどした言動は、奉行所のみならず、町民のあいだでも馬鹿にされているが、実は頭脳明晰であり、剣は鳳夢想流免許皆伝の腕前。見かけからは思いもよらない、切れ者同心であった。 ある日、沢木屋の女主人・おさよは、やむをえぬ事情から、能登屋の弦蔵を殺してしまう。考え抜かれた殺しの計画は完璧で、おさよは、奉行所の探索の手からうまく逃れたかにみえたが……。 殺しの下手人にしつこく喰らいつく、剣之介の追及がはじまる!
  • お鳥見女房(新潮文庫)
    3.7
    将軍の鷹狩りの下準備をするお鳥見役には、幕府の密偵という裏の役割があった。江戸郊外、雑司ケ谷の組屋敷に暮らす矢島家は、当主が任務のため旅立ち、留守宅を女房・珠世が切り盛りしている。そんな屋敷に、ある日、子だくさんの浪人者が押しかけて来て……さまざまな難題を持ち前の明るさと機転で解決していく珠世。その笑顔と大家族の情愛に心安らぐ、人気シリーズ第一作。(解説・向田和子)
  • 重蔵始末
    3.4
    火盗改(かとうあらため)・近藤重蔵、21歳。強者揃いの御先手鉄砲組でも際立つ偉丈夫。傍若無人の言動で毀誉褒貶(きよほうへん)半ばする。ロシアの謎の大男、美女のかたき討ち、茶屋の狂歌殺人事件……。寛政の世を揺るがす怪事件を型破りの手法で重蔵が解く。後に北方探検家として名を馳せた奇才を主人公に描く、著者初の本格時代小説。
  • 五弁の秋花―みとや・お瑛仕入帖―(新潮文庫)
    4.5
    看板娘のお瑛と兄の長太郎が切り盛りする雑貨屋『みとや』。一律三十八文が売りの小さな店だが、のんきな兄が鼻高々で仕入れてくるのは、おかしな品ばかり。大量の黄表紙、煙臭い市松人形、小花の簪、山ほどの下駄。訳あり品に秘められた下町人情、意外な縁、嫉妬の罠とは……。時代小説の名手が、背負った過去にも負けずに生きる人びとの姿を、しみじみと描き出す。好評シリーズ第二弾。(解説・中江有里)
  • 罰当て侍 最後の赤穂浪士 寺坂吉衛門
    4.0
    赤穂四十七士ただ一人の生き残り、薄幸の町娘のため剣を抜く! 吉良邸討ち入りに加わり、ただ一人生き延びた男、寺坂吉右衛門。江戸じゅうを沸かせた忠臣蔵から三十余年、齢七十を超えた彼は、麻布の曹渓寺でひっそりと寺男を務めていたが、突如周囲に奇妙な事件が続出する。近所のうどん屋店主・喜兵衛が渋谷川で溺死、その直前にうどん屋の隣の長屋の庭木に、ほんの一瞬、死体が逆さ吊りにされていたというのだ。喜兵衛はそれを目撃していたのだが……。残された喜兵衛の娘おさきは苦界に身を落とす覚悟をするが、吉右衛門は彼女を救うため老体に鞭打ち事件の真相を追う。かつての名剣士吉右衛門は、討ち入りで見せたあの剣の冴えを取り戻せるのか! 書き下ろし傑作、待望の電子化!
  • ご破算で願いましては―みとや・お瑛仕入帖―(新潮文庫)
    3.8
    間口二間の小さな店を開いたお瑛は今年十六。両親をなくし、兄の長太郎と立ち上げた「みとや」は三十八(みとや)文均一の雑貨店だ。ところが能天気な兄が仕入れてくるのは、いわくつきの品物ばかりで……。不気味な守り刀、恋歌が書かれた五枚の不思議な絵皿、なぜか手に入った亡き父の煙草入れ。山ほどの算盤が意外な結末に結びつく表題作をはじめ、色とりどりの人間模様が心に沁みる情味豊かな六編。
  • お伊勢ものがたり 親子三代道中記
    4.0
    密書を携え、伊勢参り!? わけありの武家の女三人は、それぞれの思いを抱え、頼りない案内人のもと、伊勢へといざ出立。旅も人生も山あり谷あり、風雨あり。巾着切りの若い女、不審な行動をとる老いた浪人者、犬を相棒にした抜け参りの子ども……。いくつもの出会いが祖母の、母の、孫の人生を変えていく。江戸から伊勢への百十四里の珍道中。心がほっとあたたかくなる長編時代小説。
  • 空っ風
    3.0
    5尺そこそこの体に3尺余の長脇差。抜群の喧嘩度胸と居合抜の腕で「清水一家の狂犬」と恐れられる小政こと音五郎。すさんだ心の傷を埋めるのは、幼なじみ・てるへの想い。だが、そのために大喧嘩に間に合わなかった小政は、一家の中で孤立してゆく。時代に牙をむく男の生涯を描く、新世代股旅物の傑作。(講談社文庫)
  • 誰そ彼れ心中
    3.2
    夫の様子がなんだかおかしい。不審に思い始める妻に、従者の若者が、主の変化を問いかける。奇妙な振るまいの裏には何があるのか。この家にはなにか秘密があるらしい……。絶えず誰かに監視されているような婚家での生活に耐えつつ夫の謎を探るうちに、若い妻は思いもかけず本物の恋を知る――サスペンスフルな展開と、凛とした女の恋心に心揺さぶられる、新感覚の時代ミステリー。

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  • 水の城――いまだ落城せず
    4.0
    「なぜ、こんな城が!」五万の大軍率いる石田三成は、蓮沼に浮かぶ小城を前に歯がみした。天正十八年、関東の雄・北条家に怒濤のごとく襲いかかった豊臣軍。百を超す支城が次々と陥落する中、なぜか武蔵・忍城だけが落ちないのだ。足軽・百姓合わせ僅か三千の兵力にもかかわらず…。戦国史上類を見ない大攻防戦!

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  • まぼろしの城
    4.0
    越後の上杉、甲斐の武田、小田原の北条。関東管領が実質的な力をなくし、覇を争う武将たちに取り巻かれながらも、上野の沼田万鬼斎はしたたかに生き抜こうとしていた。しかし愛妾・ゆのみとその父・金子新左衛門に翻弄され、一族は過酷な歴史の渦に飲み込まれていく。小国の衰亡に光を当てた凄絶な戦国雄編。
  • 情状鑑定人
    3.1
    書店社長の娘が誘拐されるが、間もなく犯人は捕まり、少女は無事保護される。犯人は書店の従業員だったことが判明するが、七年前に妻殺しと放火の罪で服役していた――。男の情状鑑定をめぐり、家庭裁判所の女性調査官と精神医学者が過去の事件を調べていくうちに、意外な事実が明らかになっていく。
  • 夢の花、咲く
    3.5
    松本清張賞受賞作『一朝の夢』姉妹篇。あの“朝顔同心”が再び登場! ときは前作から遡ること5年。ひとりの植木職人が殺され、物語の幕が開きます。江戸を襲った安政の大地震、相次ぐ付け火――。朝顔栽培が生き甲斐の同心・中根興三郎は、一見無関係なこれらの事件に潜む真実を暴けるのか?

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