無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
「その絵がもし贋物なら、見た瞬間、苦みを感じ、本物なら甘みを覚えます」。美術品の真贋をその舌に感じる味覚で見抜く美術コンサルタント・神永美有。
短大の美術講師・佐々木昭友にもたらされた、「ボッティチェッリの『秋』が発見された」との情報、半信半疑で出かけた佐々木だが、同席した神永は絵を見た瞬間、強烈な甘みを感じたという。「秋」はイタリア・ルネッサンス期の巨匠の真筆なのか、それとも手の込んだ贋作なのか?
ボッティチェッリ、フェルメールから正倉院御物、江戸時代の涅槃図まで、美術にまつわる謎を解く5篇。
解説・大津波悦子
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
美術品の真贋を舌で瞬時に判別できる神永美有と、女子短大で美術講師をしている佐々木昭友のコンビによる、美術品にまつわる連作短編集。神永は舌で判別というオカルトチックな能力はありながらも、理路整然とした思考を持ち魅力的な探偵役となり、語り手となる佐々木は、はちょっとおとぼけもある名助手役。言わば定番スタイル。
そんな設定の上で取り扱われる美術品については、ボッティチェリ、古地図、涅槃図、フェルメール、アールヌーボーのガラス工芸品と幅広い。どれも含蓄が豊富でいてそれだけでも楽しめるのに、物語としても完成度高し。シリーズ化されているので次作にも期待。
Posted by ブクログ
美術品を扱う五つの短編集。
ストレスを感じさせない良作。
誠実な学者先生と誰よりも先を見通す天才という、典型的なホームズ&ワトソンコンビ。が、趣は少し異なる。
本作の探偵役はホームズポジションとしては珍しいくらい、不遜でも変人でも嫌味でもない。口調は丁寧だけど紳士然とし過ぎているわけでもない。なんというか控え目。必要最低限のお手伝い。
代わってワトソン役がよく働く。(語り手なのだからワトソン目線で話が動くのは当然として)ここでいう「働く」というのは読者に対する蘊蓄披露という意味。優秀なワトソン。
ただ、私が見逃しているだけなのか、二人の年齢設定がよくわからず人物像をイメージしにくい。
蘊蓄もよかった。ぜひ続刊も読もう。
Posted by ブクログ
美術史の助教授・佐々木は、本物を見ると舌に甘みを感じるという天才鑑定家の青年・神永美有に出会う。
ボッティチェッリの知られざる絵画「秋」を見て欲しいという画商の依頼で訪れた館には、初代館主の子爵が大正時代に東ヨーロッパで買い付けたという絵が壁にはめ込まれていた。
確かに名品だったが、さすがにボッティチェッリとは断定しかねて…?
なぜか神永は本物と断じて買い取ろうとしているらしい。
その理由とは?
画学生の実家にある蔵から出てきた古地図は、値打ちがあるものか?
仏ねはん図の不自然なポーズの意味は?
蒐集家だった佐々木の祖母が遺言に残した謎は?
佐々木が畏敬の念を抱いていた美術書専門の古書店主が、神永の父親と知り、羨ましく思う佐々木。
だが佐々木も祖母が蒐集家という家系なんですね。
アール・ヌーヴォーのガラス器などに財産をつぎ込み、二人の娘のうち謎を解いたほうに、見る目があって末永く大事にしてくれそうだからという意味で、全財産を譲る。どちらも正解したら折半という遺言。
佐々木の母は入院中で、いきりたつ伯母と対決するのに、佐々木は神永の力も借りることに。
有名な絵画や美しい物が出てきて、楽しい。
詳しい事情はひたすら感心して読むしかないが…
才能を認め、信頼を増していく関係。
登場人物たちそれぞれの過去への思いや、張り合いつつ謎解きに夢中になる気分、心配りゆえの嘘。やがて訪れる変化の時。
気分良く読み進められました。
Posted by ブクログ
門井氏の本は「家康、江戸を建てる」を先に読んだので、時代小説の作家と思ったら、推理小説でのデビューとのこと。この本のタイトルに惹かれて読んでみたが、膨大な美術の蘊蓄が書かれていて読み飛ばしながら読んで行った。本物かどうか、見た瞬間に味で分かるという、特異体質の青年美術コンサル(神永)と美術専門の短大講師(佐々木)が繰り広げる真贋論争。表向きは短大講師が勝つのだが、その裏でひっそりと神永が勝っているというパターン。神永のせいで仕事を無くした学芸員がライバルとして何度も立ち塞がる。政治家の親と子や佐々木講師の伯母との遺産問題も何となく最後は良い話しで終わる。もっと素人も分かる美術論争だったらとも思うが、多彩な人物像や筋としては悪くない。続編に手が出るかどうかは?
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。