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美術探偵・神永美有が活躍する人気シリーズ第二弾
「岡倉先生は、いはゆる筆を持たない芸術家でありました」。日本近代美術の黎明期にオルガナイザーとして君臨した岡倉天心が自ら描いたという仏像画が発見されたという。
東京から京都に移り、美大の准教授となった佐々木昭友は、件の岡倉天心の墨絵を勧められる。さんざん逡巡する佐々木を尻目に、500万円で落札したのは誰あろう神永美有だった(表題作)。
その他の収録作は、岩波文庫の表紙のデザインをつくった平福百水の切絵の真贋を巡る「文庫本今昔」、奇妙な柱時計の由来を探る「マリーさんの時計」、山水画の真贋と日本と中国の間にわだかまる歴史問題を絡めた「どちらが属国」、レンブラントの模写が生まれた経緯を巡る「レンブラント光線」。
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Posted by ブクログ
美術品の真贋を舌で見分ける天才美術探偵・神永美有シリーズ第二弾。
「筆を持たない芸術家」と呼ばれた岡倉天心の直筆画ははたして本物かどうかを推理する表題作『天才までの距離』。
佐々木の幼馴染の家で見つかった日本画家・平福百穂の切り絵についての話『文庫本今昔』。
結婚を決意した相手の男性から贈られた古時計の謎を解く『マリーさんの時計』。
ある文化人の「日本は中国の属国」という発言にイヴォンヌが激昂し、牧谿の水墨画を巡る真贋対決に佐々木が巻き込まれる『どちらが属国』。
神永美有の父親や佐々木と因縁のある人物からの依頼により再び岡倉天心の真筆かを推理する『レンブラント光線』の五作品。
前作のラストで、いつまでも神永に依存してはいけないと、神永と決別をした主人公の佐々木先生がどのような経緯でまた神永と関わるようになるのか読む前から気になっていたのですが、結構なし崩し的に復縁したので佐々木先生の決意はなんだったのか・・・とちょっと思いました。
また二人の推理合戦が読めるので勿論嬉しいですが!
前作同様、今作でも、美術品の真贋を追及していくと結果的に視点をずらされたり、もっと大きな枠組に視点が拡大したりしていて趣向に富んでいました。
衒学的なうんちくが鼻につくこともありますが、登場人物たちの細やかな情感を練りこまれた文章や会話が滋昧に満ちていてしみじみと感じ入りました。
時折登場する佐々木の元教え子・イヴォンヌもインパクト大。
彼女は問題を持ち込んでくるトラブルメーカーなのですが、物語のアクセントというか、話を進行させたりひっかきまわしたり、話の締めにも使えるキャラでもあるのです。
実は話を盛り上げる一番の重要な脇役だと思うので、とんちんかんなことを言ってても憎めません。
また次作でもイヴォンヌの活躍を期待してます。
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