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時は平安。都では、東宮と契った女は物怪にとりつかれるという噂が流れていた。東三条家、温子姫の女房・弥生は、母・近江の死に関する妙な噂を耳にする。真相を探るため、旧知の人々を訪ねる弥生。母の遺した和歌が二つの噂に関係しているらしいと突き止めるが、周囲で次々と怪死事件が発生し……。愛憎と欲望渦巻く宮中を舞台に描く、時代ミステリー。『まやかし草紙』改題。
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Posted by ブクログ
かつて帝に寵愛された母の秘密 たぐいまれな美貌の東宮の光と闇 忌まわしい過去の事件と香と琵琶 ばらばらに見えるすべては、一つの糸に
多少、登場人物の話し言葉に疑義を差し挟む余地はあれど、モチーフをうまく活かして壮大なストーリーにつなげている点は見事。 最後の最後でだまされかけた……。読後感を大事にする私としては、そうきたか、と目を見張る思いがした。
馴染みのない名前が、数多出てくるので、何度も、頁を戻したり、巻頭にある宮中人物関係図を、参照したりで、なかなか、進まず。 それもそのはず、重要人物は、全て、作者のフィクションであるとの事。 物語の、要になる、歌は後撰和歌集の中の「詠人知らず」の歌を用いる所等、流石、諸田玲子さん。 類稀な美貌で...続きを読む、歌の才に秀で、宮中の公達と、次々と浮名を流したが、やがて、帝の寵を得、御子を孕ったところが、 火事に見舞われ、焼死したと言う、母親の、死の真相を調べる弥生。 父親が、無実の罪を着せられ、公卿の子息から一転して、流浪の民となり、殿上人に恨みを抱いている、音羽丸。 故事、慣例に通じて、「陶化坊の白楽天」と呼ばれている楽天爺さん。 この三人が、物怪や、迷信や、貴族の愛憎や、恋愛等、微妙にこんがらがっている事件を見事に、解決していく。 最終章は、ようやく、ホッと肩の力が抜けました。 宮中の雅な描写。それに対する、市井の人の困窮。 皇位継承問題。継母の虐め等を絡めて、読み応えのある本でした。
挿入される小話がなるほどとなって、面白い。 登場人物が実在しないと知り、驚き。リアリティーあるのに。
平安ミステリ。なので歌の謎賭けやら宮中でのあれこれやらちょっとなじみないものが多めです。が、すらすら読めてぐいぐい引き込まれました。ミステリ部分も歴史部分も面白かったです。
平安時代が舞台の時代小説。ミステリー・ロマンス分有り。 平安時代は絢爛豪華な中に渦巻く闇が魅力的で大好きなのです。 その中でもお気に入りの1冊になりそう。 主人公コンビ(じじ様入れたらトリオ?)も元気いっぱいで良いのですが、脇役の結果的にハッピーエンドなロメジュリがいい味出してました。 平安ミステ...続きを読むリー、もっともっと読みたいぞう! 手持ちはどっちかというと、平安ホラーの方が多いので。 陰陽師系は定番よね…。
舞台は平安時代。宮中の権力闘争と愛憎劇を題材にしたミステリー。 意外な展開もあって面白かったけど、真相がはっきりしないところもあった。特に気になったのが、 ①山吹の首に琵琶の弦が巻き付いていたのは何故か。 ②琵琶の中に柘榴石が入っていたのは何故か。 あの人の関与をほのめかしながらも、あえてはっきり書...続きを読むかなかったのかな~とは思うが、ちょっと消化不良な感じがする。
厚い本だけどサラリと読める。 王朝ものが好きなので手に取ったけど、他ではあまり描かれない市井が描かれていて、それが面白い。 「人」って思われていたのは一握りだったんだなあ。。。 道端に捨てるってけっこうすごい。山に囲まれてるけど、そこまで捨てに行くということにはならないんだ。 事件はわりと早い...続きを読むうちに犯人がわかってしまう。 登場人物が少ないから、すぐに当たりがついちゃうっていうか。。。 なので、ラストはかなりアッサリ終わった感じ。 ハッピーエンドでよかったけど。
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