辻村深月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「人・で・なし」
宮部みゆき上手いよねえ。
極めて普通の(もしかしたら宮部自身が遭遇したかもしれない)居酒屋の、よくある話から、「人でなし」のワードを引き出して、ひとつの現代の「怪談噺」が始まる。まあ、やり過ぎ(ありきたり)のオチだったけど。リレー・アンソロジーどうなるんだろ?
「ママ・はは」
宮部からバトンを受け取ったのは、辻村深月。話の導入方法と「表題」「写真」というキーワードを引き継いだようです。果たして何処を引き継いで何処を引き継がないのか。ちょっと推理したくなりました。
「わたし・わたし」
辻村からバトンを受け取ったのは、薬丸岳。初めて読む作家。確か実際にあった犯罪に取材した小説 -
Posted by ブクログ
東京會舘に携わったお一人お一人の『プロジェクトX』のような心温まるストーリー。戦前、戦中、戦後、震災‥2度の建て替えと、今回3度目の建て替えを前にして物語は回想に入っていきます。
作中に出てくる“小椋”という小説家は辻村深月さんでしょう。ここで行われた直木賞授賞式‥それにこんな秘話があったとは。作中に登場するそれぞれの時代の東京會舘の内装などをネットでググりながら画像を見るとさらに印象がわかります。そんな楽しみを兼ねて読んでいけます。
『いつかきっと今日のことを、また思い出す。この灯りや、建物の姿とともに。思い出の余韻は、そうやって、ずっと、誰のもとでも平等に続いていく。建物の時間は流れて -
Posted by ブクログ
ネタバレ作家も進化するんだ。と思わせられた作品。
あとがきの対談で辻村さんと林さんが話していた。自分はまだまだと思いながら模索し続けたり、直木賞を取った後でさえも成長している。と。私はこの本の中で著者が進化していくのを感じた。1話、2話は少し物足りないけど片鱗は感じて、3話から5話で一気にその成長が加速する。
どの話にも犯罪が絡めてあり、大人びている印象。というのは、ツナグを読んだ時、ファンタジーよりの中高生にウケそうな文体とお話だなぁと思ったから。そういう感じの作家さんなのだと思い込んでいたから意外だった。
また、田舎の空気と閉塞感の中で生きる人たちが上手に描かれている気がする。私は田舎育ちでは -