辻村深月のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
お受験、ママ友、保活、実母との衝突。子育てをしていると実際によくある問題。それがリアルだが少しミステリー感もある形で描かれている。
実際に子供がいる私にはとても読みやすいが、「そんな世界も本当にあるのかなぁ、、、、」と自分と比べ、別世界を覗いているかのような気分に。
本当にその渦中にいる人としては当たり前の価値観になり、視野が狭くなり、周りの人から見ればどうして?と思うようなことに夢中になってしまう。子供のこととなれば尚更なのかもしれない。
少し引いた目線から、物事を見ることの大切さ。
核家族化が進む中、自分たち親がクローバーナイトとして、子供達を守っていかなければならないのだと思った。 -
人間の本音が浮き彫りに
この作家さんの本は8割は読んでると自負してるが本当にリアルな人間模様を描くのに長けてると思う。いる!いるよ、こういう奴!とか、人が抱える矛盾とか綺麗事ではどうにもならないリアルを描き出すから刺さると思う。
が!本当に思うのが恋人やパートナーや伴侶の側に自分より遥か昔から側にいるその相手にとって恋愛対象になりうる性を持つ友人や自分とは真反対で自分をあまりよく思わなそうな人間がいるのは実に厄介だという事、分かっていたが改めて痛感した。
そういう奴らは自分達の思想や言動が善良だと何ら疑いなく動き、実に傲慢な行動に出て時には、彼、彼女の為!と未来さえ破壊しにかかる。
関わると碌な事がない。
だから何か -
Posted by ブクログ
しあわせのこみち、チハラトーコの物語、
樹氷の街に出てくる登場人物は、過去の
辻村作品の登場人物とリンクしていると
いう情報込みで読破。
樹氷のーは、名前探しの放課後。
チハラトーコは、スロウハイツの神様。
とピンと来たが、しあわせのこみちは、
冷たい校舎の時は止まると分からなか
った。(読んだのがだいぶ昔だった)
そのことがあったのか、しあわせのー
は、あまり印象に残らず。
アスファルトも、あまり乗らなかった。
しかし、チハラトーコと樹氷の街は、
引き込まれた。
登場人物の性格や生き方、考え方が、
とても上手く描写されていて、それぞ
れの人間性が伝わってくる。
辻村深月は、ミステリーより青春 -
Posted by ブクログ
ネタバレロックフェスの誘致に成功して、財政的には潤ってきた田舎の村に住む高校生、宏海。閉塞感のある田舎の村に嫌気はさしながらも、柔軟で音楽を愛する父や、医師として村に帰ってきた従兄弟の光弘を尊敬していた。
復讐のために村に帰ってきた女優、由貴美と出会い、彼女との恋に溺れて、企てに巻き込まれる中で、村の知らなかった事実を知ってしまう。
村長戦の裏で動くお金や、村全体の隠蔽体質、父の不倫、地域による格差など、後ろ暗い事実がどんどん出てきてしまう。
読後感は悪いけれど、なんだか惹かれてしまってあっという間に読んでしまった一冊だった。
辻村さんの田舎への想いは根深いなと思う。