辻村深月のレビュー一覧
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久しぶりの辻村さんの作品
なんというか、
女性ならではのややこしさや
どろどろした感じに
なんというかめんどくささを感じながら読んでいました。
同級生という立場 母という立場
先生という立場
いろいろな女性のいろいろな
しがらみやひずみ、ゆがみが
複雑にからまってからまって
いろいろな人をどんどん巻き込んでいきます。
最後には、いろいろなものが削げ落ち究極なところまで追い詰められ、親友 ちえみとみずほの友情だけが残り
温かく二人を包むように終わった感じが良かった。
私には理解が難しいところもありましたが、
誰しもが、いろいろ複雑な一面を持っていて一つ間違えたら
同じようにからまっていく気がし -
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夏の物語を夏に読めた。夏だけでは無いけど。
五島列島、渋谷、茨城が舞台。コンテストがキーワードだから、どこで繋がるのだろう…と思っていたけどコロナ禍で普及したリモートコミュニケーションが遠い場所を結ぶ
コロナ禍のあの不安感、閉塞感が土台にある。私は人と話をしなくて良くて、人と会わなくて良くて心の平安が守れたのだけど、学生や観光業の人はさぞ辛かったろうな。また10年くらいして、コロナ禍を知らない子供がこの本を読んだら、歴史の教科書で読んだことあるって感覚になるのだろう
辻村深月さんの本の読み易さはありつつ、舞台があちこち&色んな人が出てくるためにちょっと混乱…没入感は欠けるかも。 -
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青春の歴史を追いながら、ミスリードにかかってしまいました。
辻村深月さんは、どうしてこんなにも心理描写を描くことができるのか不思議でならない。
とても楽しめました。
高校卒業から10年。クラス会で再会した仲間たちの話題は、人気女優となったクラスメートの「キョウコ」のこと。彼女を次のクラス会に呼び出そうと目論む常連メンバーだが、彼女に近づこうと画策することで思春期の幼く残酷だった“教室の悪意”が、まるでかさぶたを剥がすようにじわじわと甦り、次第に一人また一人と計画の舞台を降りてゆく……。28歳、大人になった男女5人の切迫した心情をそれぞれの視点から描き、深い共感を呼び起こす。圧巻の長篇心理サ -
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ネタバレ◾️record memo
私たちの間で、「先輩」と言ったら、神原先輩一人のことを指すようになるまで、澪は神原に憧れたし、夢中になった。
けれど、その神原一太とはどんな人だったのだろう。憧れていたけれど、澪も神原のことを------この人のことを、何も知らない。こんなふうに澪を「わかってる」「知っている」と断言してしまうような人だなんて、思わなかった。
こんなふうに、友達のために真っ当にやるせなさから涙を流せる、そういう世界に、わたしは帰ってこられたんだから。沙穂のこの正しさを、優しさを、誰にも否定させたくなかった。
けれど、花果は行ってしまったのだ。
澪が気弱さを繰り返し、神原に責められ -
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ネタバレ辻村深月さんの『ツナグ』
本作の世界では、ある特殊な職業として、使者(ツナグ)が存在します。使者は、生きている人(依頼人)と亡くなった人(死者)との再会を、一生に一度だけ実現させることができます。死者の側にも、その面会を了承する必要があり、その機会を一度しか持てません。
物語は、複数の依頼人たちの物語を連作形式で描いていきます。
「アイドルの心得」
依頼人、平瀬愛美の視点で語られます。平瀬愛美は、かつて路上でアイドルのサヲリに救われた経験があり、心の支えとしていました。サヲリは突然死してしまい、愛美はその死後、心の拠り所を失っていました。依頼を受けた使者は、サヲリの了承を得て、愛美とサ -
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ネタバレ不妊治療の末、特別養子縁組で子どもを迎えた夫婦と、その子どもの本来の産みの親である女の子の話。
現実にこういうことってあるんだろうなぁ…
私は学生時代を通り過ぎ、この本で言えば特別養子縁組で子どもを迎える夫婦側の年齢に近いことや、自分は経験してないけれど、自分の周りには不妊治療を長く続けた人が何人かいるので、どちらかといえば夫婦側の方の気持ちがわかりやすかったです。
一方で本来の子どもの産みの親である女の子、ひかりちゃんに関しては彼女自身の両親がかなり彼女の人生を左右した存在であるなぁと思いました。
学生とはいえ彼女に子どもを産み育てる権利はある(と、私は考える)…けど、それは周りが相当協