辻村深月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「みやつじやくとうぐう」と読むんだそうです。
好みの作家さんが名を連ねていて、その豪華な面々に、思わず即買い。
ミステリーというよりはホラー寄り。勝手にリレー形式のミステリーだと思っていたので、連作短編集のようなものをイメージしていましたが、それぞれが独立したアンソロジーですね。
リレーだと思うと、前の作品を強引に入れ込んだでしょ感が出ちゃってる。でも、宮内さんの作品のラストは秀逸でした。リレー形式ならではの〆だと思います。
アンソロジーって、好きな作家さんの作品を、濃密に、いいとこどりしたような感覚で楽しめるのはもちろん、知らなかった作家さんや、興味はあったけれどまだ読めていなかった作家さんの作品も楽しめるのが好きです。さらに、その作家さんの作風だとか強みを出してくれるので、その作家さんの背景を知れたり。例えば東山彰良さんの作品は、「なんで中国!?」と思いもしたけれど、東山さんご自身が台湾出身だってことを知ったり。宮内悠介さんの、ド文系には何を言っているのか分からなかったプログラミング用語も、宮内さんご自身がプログラマーだったということを知ったり。今回のアンソロジーで、今のお二人の作品がすごーく刺さってきたかと言われるとお答えしにくいのですが、こんな風にお二人の背景や生い立ちを知っていると、次に本屋さんでお二人の作品を目にした時、わたしはきっと、立ち止まってあらすじと舞台を確認してしまうだろう。
他の三名の作家さんも、それぞれ作風と強みがすっっごく現れていて好きです。宮部さんは、わたしはどちらかというとミステリーが好きですが、最後たたみかけてくるところはミステリーとは別の意味でゾクゾクさせられたし、さらにそこでタイトルの「人・で・なし」の意味が激変する。この短いアンソロジーの最初に、ものすごいインパクトと個性を残して去っていく。他の作品が気にならないわけがない。辻村さんは、「母子」という根深いテーマを、このアンソロジーという短い作品の中にぎゅっと詰め込んで、スミちゃんの言葉でいちいち読者を刺してきながらも、「ちょっぴり怖い」を落としどころとしているところはお見事だし、薬丸さんはやはり少年事件を扱っていて、こんな風に、初めてその作家さんに触れる読者への自己PRのようなものも意識してるんだろうな。
で、結局やっぱり、宮部さん辻村さんがダントツ、続いて薬丸さん、という感じかなあ。 -
購入済み
下巻を読んで
下巻も読んでからレビューを書きました。
上巻だけだと話も盛り上がってないので、そんなに面白くないと感じてましたが、これは是非下巻も読んで頂きたい。
上巻はただの前菜です。メインディッシュとデザートは下巻にあります。 -
購入済み
長い双方向片思いの末に
最後は愛、で締めますか。しかも急展開、なようでいて、実はそれまでの全てが最終話の振りだったと。
最初はトキワ荘のような、作家の卵の集まるアパートでの個性的な住人にそれぞれ降り掛かる悲喜こもごもの人生劇場を描いてるのかな、と思ってたら、あら不思議。まるで関係ないように思えた1つ1つの小さなお話が、最後にミステリー小説の謎が解ける瞬間のように1つに繋がっていく、辻村深月小説の醍醐味、最終話での大どんでん返しが待ってます。
上巻は盛り上がり処に欠け、主人公の環にも共感できず、そんなに面白くないなと思ってたら、下巻になってからストーリーが深くなっていき、一気に面白くなってきます。なので最後まで読み切って欲しいです。 -
購入済み
最後は雪解けのように
上巻を読むとホラー感満載ですが、下巻を最後まで読んだ後は、雪解け後の季節のように、冷たく澄んだ、爽やかな空気が心の中を流れるようでした。
登場人物それぞれの、一見無関係のように思える過去の物語が意外にも1つに繋がっており、上巻から続く謎が解けていく様は、まさにミステリー小説さながらです。
ホラー、ミステリー、青春、恋愛と、様々な要素を兼ね備えており、誰でも楽しめる作品ではないでしょうか。 -
購入済み
続きが気になる
一言で言えば、誰かの精神世界に閉じ込められた8人の高校生のお話で、ミステリーとホラーの要素が混じってます。
そしてよくある、この中の誰か1人が実は。。。といった展開なのでしょうか、下巻を読まないと分かりませんけど。
なにより引き込まれるのが、この辻村深月という作家のストーリー作りの巧みさです。無関係に思える各登場人物の細かなサイドストーリーが、複雑に絡み合い1つの大きなストーリーの全体像を徐々に浮かび上がらせていく。それでいて一人一人のキャラクターがしっかりと描かれている。その構成のストーリー作りの巧みさは女性作家の中ではNO.1なのではないかと思ってます。
上巻を読み終えた時点ではまだストーリーは半分、話が進んで行くに連れてストーリーにドンドンと引き込まれていきます。 -
Posted by ブクログ
今回のテーマは「愛」。
うすぐら~い印象になりますね、怪談のテーマが愛だと。そういう印象持つのは、愛っていうハッピーなイメージと同じぐらいに、どろどろした憎しみのイメージがあるからでしょうね。
そんな恋愛したことないですが。
全話通じて、過ぎたるは及ばざるが如し、っていうのが思い浮かびます。なんかもう、気持ち悪いさが酷い。
怪談って、怖さなんだけども、今回は気持ち悪さです。
そういうお話になるきっかけの心の動き自体は、理解できないものではなかったりするので、余計に。
行き過ぎた愛欲の気持ち悪さ。異性・同性・家族・他人問わず。
「犬小屋のこと」が一番怖く。
「ある姉妹」「隣のベッド」で人の心が怖くなる。