あらすじ
辻村深月の長編ミステリーから物語が飛び出した。「スロウハイツ」の住人を受け止め、支えたあの作家。物語に生きる彼らと同じ視線で、チヨダ・コーキのデビュー作を味わおう。『スロウハイツの神様』の世界へようこそ。「ねえ、ティー。一人ぼっちにならないで。アタシはあなたを愛してる」。解説・赤羽環。(講談社文庫)
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久々に再読です。やっぱり大好き、その一言に尽きますね。
「スロウハイツ」に出てくるチヨダ・コーキのデビュー作品ということで出された本作。まず装丁がいい。それから解説はあの赤羽環で発行者には黒木さんの名前もあるし、しかも本作は王子千晴監督によるアニメ化が決まってるとか。とにかく細部にまでこだわっている感じがいいですね。
辻村さんの作品とはまた違って「確かにチヨダコーキの作品だ」と思ってしまう、しかも高校生が書いた作品と言われればなるほどと思ってしまう仕上がりです。だけれどそのストーリー自体もバツグンに面白い。大好きな作品のひとつです。
そしてまた環の解説もいい!この解説も含めて、この世界観が好きです。定期的に読み返したくなる大好きな小説です。
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チヨダコーキの「V.T.R.」ようやく読めました!
(あえてこう言わせてもらいます)
いやはや…すごい。
普段の辻村さんとは違うタッチなのに、後半のスピード感と読者を驚かせる展開は辻村先生さすがすぎます。
そして赤羽環による解説も名言のオンパレードでグッときました。
あーいつか王子千晴監督によるアニメも見てみたいものだなあ…
仕事に育児に家事に追われてなかなか本が読めないけれど、隙間を見つけて少しでも読んでいきたい。
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チヨダブランドを体験できて嬉しいです。
ティーはトランスハイのティーなの?!というのと、V.T.R.はそこでつながるのね、という感想です。
環の解説がコウちゃん愛に溢れていて、また素敵でした。
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まじ最高。
記憶無くしてもう1回読みたい。
ラストに一気に回収していくスタイルがホントに好き。
チヨダ・コーキの本がこれしか読めないのが惜しいくらい。
なんだか上手く説明できないけど話のスタイルが私にはどストライクだった。暫くは余韻に浸りそう……。
Posted by ブクログ
いやー、すごい。スロウハイツの所詮はスピンオフということで、あまり期待はしてなかった。設定としてもチヨダブランドのデビュー作。デビュー作って、そんなでしょ?
いやいや、めちゃくちゃシンプルでありながら鮮烈なドンデン返しでした。表紙がね、ダサくてね、食指が動かないって方。騙されたと思って読んでみてください。
ちなみにノベルス(新書)は表紙を裏返すと作者がチヨダコーキになるリアル仕様。
文庫本に環の解説。
ファンは両方揃えましょう!
Posted by ブクログ
『スロウハイツの神様』の作中作品、チヨダ・コーキによる小説。
その位置づけを知らない時に、ずいぶん毛色の違うアニメ風の表紙だなと思っていました。
中身も装丁が凝っていて、なんと解説は赤羽環!粋な設定にワクワクです。
設定はライトノベル風なのかな?
200ページくらいなのですぐに読めます。
国認定『マーダー』という殺人が認められている千人の殺し屋がいる世界。
その中で物語が進んでいきます。
ネタバレなしで書くのに自信がないので詳しく書けませんが、最後の二章くらい急展開でハラハラしました。
ロボットのペロッチがとても可愛いくて、そして物語の重要なキーとなっています。
しかけを作ったアールの気持ち、投影された優しい眼差し、主人公ティーの最後の心情。
やっぱりチヨダ・コーキ、愛を書く人だわ。
赤羽環による熱のこもった解説も必見です。
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第一の感想として、コウちゃんの本が読めてよかったがある。ストーリーは確かに推測しやすいし、不明な点があったり自身の推測で補う部分が多かったと思う。けれど、そのストーリーが全てティーの視点で描かれ彼の世界を見せてもらっている気がした。
彼らの関係性が見えてくるたび、アールの現状に心が苦しくなる。文章量はそう多くないものの、ストーリーは決して薄くない。再度言うが、環と同じ読者という立ち位置でコウちゃんの小説が読めてよかった。
Posted by ブクログ
サクッと読めてすごく面白い。
スロウハイツの神様を呼んでから、チヨダコーキの書く本がどんなものかと思い読んでみましたが予想以上に良かったです。
展開が全然読めなくて、アールを探して会うんだろうなとか、トランスハイと戦うんだろうかとか思ってましたが全然違う(笑)
これからティーはどうなるのか気になります。
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チヨダ・コーキのデビュー作で、赤羽環が解説を書いていて、王子千春監督で映画化も予定されているという前提を含めて楽しむ作品だった。
色々語られないことが多いけど…、
アールの「ねえ、ティー。一人ぼっちにならないで。アタシはあなたを愛してる」という言葉がすべてなのだろうと思った。
Posted by ブクログ
コウちゃんの書いた作品。辻村さんの他の小説とは違っていて、本当にコウちゃんが書いたもののようで、凄い。自分は、トランス=ハイの正体に気がつけなかったけれど、勘がよい大人は気がついてしまうかもしれない。マーダーという設定や漂う厨二感など、そんなところで"チヨダ・コーキはいつか抜ける"を表現しているのかなと思う。アールの行動の理由や、タイトルの意味、それぞれのイニシャルについてなど、そういうことか、そうも捉えられるのか、と他の読者の考察や感想を読むのも楽しかった。スロウハイツの神様が、何度も読むぐらい好きなので、この作品も読めてよかった。
Posted by ブクログ
面白かったです!
まず、辻村さんがこういう文体も書けるんだ、という面白さ。
話も面白かったんですが、なるほど確かに中高生の間にハマって、大人になったら自然と抜ける~という世界観だなって納得できたところも、面白かったです。
それは、幼稚であるとかそういうことではなく。
こういった格好いい世界観、いい女、主人公の格好悪さと格好良さのバランスっていうのが、中高生好きそう~!って感想を抱かせる。ライトノベル感がありました。
種明かしは想像通り。ようやくミステリーで先を想像する頭が養われてきたのかな?
確かにあまりにも事情をわかりすぎていたなって、後から気づきました。
また、洗濯機や乾燥機に入れられる壮絶ないじめは「子どもたちは夜と遊ぶ」から、うさぎの話は「僕のメジャースプーン」から持ってきたのかな、と思いました。見落としもありそう。
Posted by ブクログ
ファンサービスの一冊。チヨダ・コーキ先生、デビュー作でこんなカッコいい小説書いてたんですか!?天才!推せる!!!チヨダ・コーキはカッコいいし、環の解説は最高だし、辻村先生、本当にありがとうございます!!!!
Posted by ブクログ
シンプルに面白かった。最後までアールの影と足跡を追っていくのかなぁと思ってたし、最後に再会するものだとばかりだと思ってたから、最後の展開にはしてやられたし、正体もしてらやられた。
スロウハイツの神様の、上下の間に読むのがいいっていう情報を見たので、その順番にしてみたけど、下巻読むの楽しみだな。
Posted by ブクログ
チヨダコーキのデビュー作。
もちろん、辻村深月さんが書いているのは理解しているが、良い意味で辻村ワールドを感じない。
チヨダブランドとして確立された世界がこの一冊に詰まっている。
Posted by ブクログ
「スロウハイツの神様」を読み終えて、時間が経つ前に読みたいと思ってたチヨダコーキのデビュー作。
トランスハイの正体に驚愕。
結局アールが空白の3年間どんな思いで何をしていたのかよく読み取れなかった部分もあって、奥深い心の動きを全部を理解できた感じはしないけど、それでも面白かった。
スロウハイツ読んでコウちゃんの人間性をわかった上で読むと、コウちゃんはこんな作品を書いていたのかぁ、、それはスロウハイツの神様だと思った!
Posted by ブクログ
「スロウハイツの神様」のスピンオフ作品。
まず、「スロウハイツの神様」のあの本を現実で手に取れるというのが嬉しい♡
それだけでも十分テンションが上がるのですが、本の作りにさらにテンションが上がった♪‹‹⸜(*ˊᵕˋ* )⸝›‹⸜( *)⸝›‹⸜( *ˊᵕˋ*)⸝››♪
細かいところまで、「スロウハイツの神様」の世界観で、本当に感激した…!
しかも、解説が環だなんて、最高すぎません???
これが、チヨダ・コーキの世界観なのね…!
「電撃文庫」などのラノベが大好きだった10代の頃の私だったら好みだったかも…( 'ᵕ' ; )
世界観にはイマイチ入り込みにくかったですが、短い物語ながら、先が気になる展開、チヨダ・コーキを象徴するようなテーマ、思わずジーンとしてしまうエピソード、最後には衝撃的な展開が織り込まれていて、楽しんで読めた。
何より、チヨダ・コーキの世界観を現実で体感できたことへの満足度が高かった(*ˊ ˋ*)
環の解説も最高でした!
✎︎____________
俺の意思とは関係ない。そういう突発的な成り行きの重なりが人生だ。(p.17)
Jはいい仕事をするし、俺は彼の仕事に敬意を払っている。たとえばもし、銃身の先端に小石が詰められていたとする。ひっかかっていたとする。そのまま発砲すると銃身が破裂して、大怪我をする。場合によっては、俺の頭が吹っ飛ぶような細工をすることだって、Jなら可能だろう。だけどね、俺はJが好きだから、絶対に銃の中を確認しない。Jがメンテナンスしてくれたそのままの状態で、躊躇うことなく引き金を引く。これってかなりの愛じゃない?中に何が入っていても受け入れる、至上の愛だよ。(p.82)
他人にとっては笑っちゃうような理由かもしれないけど、本人にとってみたら、ものすごく価値があって大事なことってあるからね。(p.112)
人殺しに、美学はないよ(p.187)
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(備忘)「スロウハイツの神様」の外伝。スロウハイツに登場する小説家チヨダコーキが書いた小説と、同じく登場人物であるスロウハイツの管理人環がその書評を巻末で書いているいるという異色の作品。スロウハイツを読んだからこそ、2人が自分の書いた文章にどんな想いを馳せているかが分かる、そんな作品でした。しかし、辻村先生は別人格の小説まで書いてしまうなんて本当にすごい、脱帽です。
Posted by ブクログ
政府から公式に殺人を許可された『マーダー』の1人でありながら引きこもり同然の生活を送る青年が、元カノからの意味深な電話をきっかけに彼女を探す決意をする。殺伐とした都市に生きるアウトローたちの西部劇風恋愛ライトノベル。「今を切り取る偉大なライトノベル作家」の鮮烈なデビュー作! …という体裁で、辻村先生の『スロウハイツの神様』で準主役を務めるチヨダ先生の小説を作中作的に描いたもの。
一つの作品として完結していて、意図的に崩された文体、突き抜けた世界観、過度に粗削りな展開でチヨダ・コーキの作家性を醸し出しつつ、終盤の展開は辻村作品の期待を裏切らない。煽られているほど「鮮烈」という印象はあまりしなかったが、これは荒んだ世界の中で荒んだ救いを届ける人たちの物語。
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「スローハイツの神様」のチヨダ・コーキのデビュー作という設定。さらに巻末の解説が赤羽環という手の込みよう。でも、マーダーが主役のストーリーには入り込めなかった。
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スロウハイツの神様を読んですぐに手に取ったのであちこちで感動
これが、チヨダコーキのデビュー作
もうね、解説が赤羽環ってところが最高です
愛に溢れててうっかり泣くところでした
そして発行者が黒木ですか!
世界観が素晴らしい
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チヨダコーキのデビュー作
というテイの作品
これは少年向け雑誌に連載されていたんだっけ?
中学生がちょっと大人になったつもりで読むくらいにはちょうどいいのかも
偽チヨダコーキは更にドギツい作品だったはず
それは中高生向けとしてよかったのかな…
ある世代に刺さりまくる作風というのは何となく分かる。これ理解する俺かっけーみたいな。
とは言え、更に上の世代が読んでも感じるものがあるのも分かる。
チヨダブランドは抜けた様で、やっぱりいいなぁと再確認するんだろうな。
解説を環が書いていたり、奥付まできっちり作ってあるのもいいね。
チヨダコーキの作風を使いながら辻村作品と成るのはさすがだ。
スロウハイツを先に読んでいたほうが間違いなくいい。しかし、すを読んでいなくても、読めないものでは無い。さすが辻村深月である。
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スロウハイツのチヨダコーキが17歳で書いた作品として上梓された体で書かれた企画ものの書籍。
スロウハイツの赤羽環が解説を書いていたり、発行者が黒木になっていたりとファンには堪らないつくりになっている。
作品自体は中庸であり、文体も厨二病を感じさせる。
ただ、これも、辻村深月が書いたのではなく、17歳の男子高校生を憑依させて描いているのだから。文体も自在とは、驚きだ。
Posted by ブクログ
スロウハイツの神様にでてくる作家チヨダコーキのデビュー作
解説が赤羽環でエモかった。スロウハイツの神様読んでから読んだのでチヨダコーキと赤羽環の関係性や思いを知って余計に。
TがRの情報収集してる間のRに対しての感情、ラストでしてやられたなって感じた
Posted by ブクログ
『スロウハイツの神様』のスピンオフ作品。本編で登場するチヨダ・コーキのデビュー作で、17歳の時に書かれたという設定だからか、荒削り感をあえて出したような作風に感じた。
物語は主人公ティーが、元恋人アールの情報を探りながら迫っていくお話で、二人ともマーダーという国から殺人を公認されている闇稼業を生業としている。どこかディストピアな世界観が、コーキのダークな部分を醸し出していて興味深い。ティーのアップテンポな行動や思考のノリで進行し、ラストはしっかりとミステリー感を味わえた。
作中作ということで、装丁も凝った作りになっているし、解説も赤羽環という演出の効いたこだわりが嬉しい。しかも環の解説のチヨダブランドを想う熱量がハンパなくて、読んでいてこっちまで熱くなった。言葉の引き金のくだり、とっても刺さる。自分は鈍化しちゃってるかも、と思うとギクリとした。
チヨダ・コーキの才能、赤羽環の想いが垣間見れる貴重な作品だった。
Posted by ブクログ
スロウハイツの神様に登場する、チヨダ・コーキのデビュー作。
ラノベなのでとても読みやすかったです。
物語の設定や構成も面白かった。ただ、Rの真相はぼんやりとしたまま終わってしまうので、そこがもう少し知りたかったなぁと思いました。
コウちゃんはこういう物語を描き、環はこれを読んで励まされていたのかと思うと、堪らない気持ちになりました。スロウハイツの神様ファンは必見です。
Posted by ブクログ
物語の中から生まれた物語
自分の中でとてもしっくりくる(表現が合ってるかわからない)若きこうちゃんが書いた物語としてしっくりきた
短めの小説だけど何度も環がこれを読んでたんだとこの物語に支えてもらってたのだと、どこかアールの優しさと強さがあの環の面影と重なってて泣いた
解説の方は言いたいことは分かる気がするんだけどなんとなくでわからなかった気もした
流されすぎず初心を忘れずにいきたい