辻村深月のレビュー一覧
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身近にいる大切な人と同じ時を生きれることの尊さを感じさせられる本だった。
色んな葛藤を乗り越えて死者に会う人、逆に会わない選択をする人、それぞれの想いを読み、心打たれた。特に奈緒の話が印象に残っている。使者の存在は知らなかったのかもしれないが、死んだ父に諦められていたかもしれなくても、それを乗り越えたい、乗り越えて父の工房を残したいと思い、挑戦する姿勢はとてもかっこよかった。私もどれだけ苦しくても、それくらいの強さを持って生きていける人間でいたいと思った。
歩美の祖母が言った「もし、結婚したら、その相手には、なんでも話せるといいね。」という言葉もとても印象に残っている。私はこの言葉を読んだとき、彼氏のことを思い浮かべた。私にとって彼氏は本当になんでも話せる存在だと思う。うれしいこと、嫌だと思ったこと、悔しかったことなどだいたい全部。あまり人に心を開けない自分が、一番なんでも話せて、それをやさしく聞いてくれる。それでいて尊敬できる強さも持っていて、私のことを一番に思ってくれている。これからも彼のことを大事にしたいし、一緒に幸せになるためにがんばりたいと強く思った。
また、この本を読んで約2年前に亡くなった祖母のことを想った。2024年の9月、私がニュージーランドに1ヶ月語学留学をしている間にがんで亡くなった。留学前から余命が短いことは聞いており、8月にも2度ほどお見舞いに行ったが、まさか留学中に亡くなるとは思わなかった。祖母は何を想って亡くなったんだろうとときどき思う。亡くなる前、祖母は私に日本に帰ってこなくていい、留学をしっかり頑張ってきて欲しいと両親などに言ってくれていたらしい。それを聞いたときは、本当にいいのか?と思いつつ、祖母に甘える形で留学から帰らず葬式にも出なかった。私はそれを祖母の、人に迷惑をかけたくないという相手を気遣う気持ちからの行動だと思うが、実際私が葬式に来なかったと知ったら悲しむような気もするのだ。祖母のそういう気遣いのできるやさしさや強さが好きだったが、後悔も残っている。そんな祖母のことをかなりの頻度で思い出すし、祖母が亡くなる時に何を想ったかなどを考えると泣きそうになるが、彼女の見せてくれたかっこいい背中を忘れず、彼女に恥じない人生を送りたいと思う。 -
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自分の読書歴では初のアンソロジー。
トリック満載のミステリとコロナ禍で起きた世の中の異変に触れた作品もあり。
六者六様のお話が展開されているので、合う合わないは結構大きく分かれたかも。
やはりトップで読み応えあったのは、
辻村深月『2020年のロマンス詐欺』だった。
"闇バイト"に関する話は年月の経った今でも、
というか更に横行しているからこの作品は教科書に載せて恐ろしさを知ってもらいたいくらい。
孤立無援の環境で追い込まれていく緊張感がとにかく怖い。しんどい時期でも不逞な輩を近付けないように日頃から対策していけますように。
芦沢央『投了図』もコロナ禍が招いた事件。あの頃はみんな辛い我慢が多かったなと思い出させる作品。こんな悲しいことがまた起きてしまわないように。将棋の知識は皆無だけど読みやすかった。
のちの新作『おまえレベルの話はしてない』でも
将棋を通した人間模様が描かれているようなので
文庫化の暁にはそちらも読んでみようかなと思った。
個人的に新しく見つけた「好き」だったのは
大山誠一郎『孤独な容疑者』だった。
死角から現れたトリック!シンプルに読み物として面白かった。ネタバレは避けて読んで欲しい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ養子縁組の話。しっかりと段落わけで意味が分かれている。①今のあさとの家族の近況(幼稚園) ②子供をかえしてほしいと人が来た ③子供を産んだ人の今にい当たるまでの経緯 養子のことも具体的に理解できた。そしてしっかりと背景事情を知ることができいい勉強になった。
様々な事情で親を育てられない。中学生でこどもを産み学歴も中卒なので仕事もなく家も借りれない。また相談できる人もいない。また知識もないため詐欺も引っ掛かり借金とりに追われる。そのような人が日本にはいるかもしれない。それをどのようにして解決できるか。最後なぜ子供を産んだとその人が分かったのか、また彼氏の目線からのも欲しかったので最終的には物足りない形になった。 -
Posted by ブクログ
保活、お受験、お誕生日会。子供の成長は遅れてないか。
子供を持つ家庭なら「我が家もこんな事あったなー」と思うお話。
子供が産まれたら仕事を続けるのか、辞めるのか。いつから、どこの保育園に入れるのか。幼稚園に入れるのか。小学校受験させるのか、中学受験させるのか、高校受験にするか。離乳食の進みが遅いのではないか、言葉が遅れているのではないか、立つのが、歩き始めるのが遅くないか。
子供にとって何が良いのか、どういう風に育てたら良いのか、正解のない問題に親はいつだって悩まされてるんだ。1人では抱えきれない不安を、解決できない問題を、家族みんなで一つ一つ悩みながら、向き合っていくしかないんだ。
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Posted by ブクログ
著者が母になった後に書かれたこともあり、子どもや家族、大人になってから振り返る記憶などが怪異と結び付いた短編集という印象だった。
ホラー短編らしく、明確な答えを示さず読者の想像に委ねる終わり方が多い。
正直、不完全燃焼に感じる話もあったが、それも含めて怪談らしさなのかもしれない。
特に『ナマハゲと私』や『噂地図』は分かりやすい怖さがあり好みだった。昔からの風習や身近な噂話といった、現実の延長線上にある怪異がよく効いている。
一方でショートショートのように短い作品もあり、物足りなさを感じることもあったが、その短さゆえに怪異だけが印象として残る話もあった。
全体としては星3。ただし3と4で迷うなら4寄り。怪談や短編ホラーが好きな人には楽しめる一冊だった。