辻村深月のレビュー一覧
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ネタバレ【あらすじ】
・「タイムカプセルの八年」辻村深月
大学講師の孝臣には妻の温子と小学校の教諭になった幸臣という息子がいる。
幸臣が小学6年の時に親父会に参加することになった孝臣は、小松ユカリの父親や洋菓子屋の主人、沢渡などと交流をもつようになる。その時の担任が比留間先生で、彼に憧れて幸臣は小学校の先生になりたいと話すようになる。タイムカプセルを埋めるといっていた比留間は土に埋めずに学校を移ったと知った孝臣は(幸臣は後輩に知らされる)、息子達に黙ってに親父会のメンバーでタイムカプセルを探しにいき土の中に埋めた。息子が憧れていた比留間先生が埋めてくれたことにして。
親父会メンバーで時々集まることになり、幸臣は孝臣に憧れをもっていたこと、幸臣はユカリと付き合っていること等知らされる。
・「トシ&シュン」万城目学
縁結びの神様が昇進試験を受ける。
カップルの俊と瞬(どちらもシュン)の願いを叶えるため、俊は小説家、瞬は俳優として成功する夢をみせる。「カラス」「ビニール袋」「おじいさん」のキーワードがきっかけで成功していく2人のシュン。成功する2人は破局してしまうと聞かされた縁結びの神様は、それでも2人での幸せを願う。その選択をした縁結びの神様は、学問・芸能の神様の手伝いもしつつ新たなかたちの「縁結びの神」を目指すようVIP上位神に言われる。
・「下津山縁起」米澤穂信
A.D870年~A.D2873年の山の話。2205年、地球物理学博士の森島不来敗は、山には知性がある、と話す。2873年、下津山を殺害したとして訴追されていた上津山にたいする裁判で、富士山裁判長は有罪の判決を下す。検察側の阿蘇山は人類を使って下津山を殺害させたと主張し、弁護側の榛名山は荒唐無稽な主張と反論。
・「長井優介へ」湊かなえ
15年前に埋めたタイムカプセルの中の青酸カリ(国立大学生の緑川明という家庭教師にもらった)を取りに行くために小学校の同窓会に向かう長井優介。3歳上の姉の友人の弟寺田浩太とは同級生で小学生の頃は仲良くしていたが、聴力が悪いせいでリーダー格の矢部敏生にはいじめられていた。腐った牛乳をのませられて病院に運ばれた出来事をきっかけに優介の親が激怒し学校と矢部の母親に話をしたおかげで嫌がらせはなくなる。運動会の日に教室に閉じ込められてリレーに参加出来なかったのは矢部や寺田のせいだと思い込んで心を閉ざしていた優介だったが、同窓会に向かう途中再会した元同級生の島本あおいと浩太の話を聞いて勘違いだったと知る。浩太は自分の母親の作ったたこ飯で優介はお腹を崩してトイレに居たと思い込んでおり、教室に誰も居ないと思って(寺田のハチマキをとりに優介は教室に居た)鍵を閉めたのは委員長をしていた島本だったのだ。そして優介がタイムカプセルに入れたチョコレートの箱に入っていたのは青酸カリではなく砂糖で、食べ物はタイムカプセルに入れておけないという理由ですでに島本に捨てられていた。
就職もうまくいかず青酸カリで死のうとしていた優介だったが、小学生時代の誤解が解けて心が軽くなる。当時浩太が、耳が聞こえない優介に書いた謝罪の手紙や、2人で書いた漫画が入ったタイムカプセルを開けに行く。 -
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ネタバレ二章の紗江子、三章の由希のストーリーが抜群に良い。
ここからかぁ。辻村深月の十八番、ありふれた心の動きを言語化してドラマを成立させる技術。素晴らしすぎる。
今回は名前の叙述トリックですね。響子と今日子。リンちゃんは倫子じゃなく、鈴原今日子。
女優になったから「キョウコさん」と呼ぶ。めちゃくちゃうまい。
そうは思うんだけど、でも、各主観人物の思考の中で、キョウコの話題の後で響子の回想をするシーン多かったような。別人て分かってたらそんな思い浮かべ方はしないはずだと感じ、ミスリードのために思考の流れが不自然になってる気がした。
それに、叙述トリックは、もうお腹いっぱい。
冷たい校舎の〜でも、子どもたちは〜でも、凍りのくじらでも、名前探しの放課後でも。
さすがに、頻度が多くて、またか、と思ってしまった。
最終章の主観人物が響子で。
最も感情移入しづらい人でフィニッシュなのも、ちょいひっかかった。
それでも感情表現のリアリティは圧巻。さすがです。
ちらっと環が出てきたかな。スロウハイツの。 -
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ネタバレ初詣くらいまではすごく良かった。
水泳も、河野も、クリパも、ピアノも。
でも、終盤のネタバレが好きになれなかった。
あすなが自殺者だっていうのは、無理があるように思えた。もしそうならいつか主観のパートでの思考の描写は、あのようにはならないんじゃなかろうか。
友春と河野が協力者だったってのも、無理がある。絶対に、二組の生徒から話が漏れるはず。
友春がカースト上位の天木やいつかに粛清されなかった理由は納得できたけど。
「凍りのくじら」の郁也と理帆子が出てきたのはファンサービスですね。無理なくストーリーに馴染んでて良かったです。
一方で長尾秀人と椿が、「ぼくのメジャースプーン」の「ぼく」とふみちゃんだったのは、少しどうかと思った(椿のフルネームは椿史緒)。六年ぶりに力を使った、とか突然出てきても読んでない人にはちんぷんかんぷんだろう。 -
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辻村ワールドすごろく5マス目の上巻。
4マス目までの作品を読んだから手にとってみたって感じで、あらすじや前情報など大して把握しないまま読み始める。
ん?これはどうやら先生の黒寄りの作品だぞって、そこで初めて気がついた(汗)
序盤はなぜだか波に乗れずに苦労した。登場人物の関係性や立ち位置を整理しながら、ようやく主要なキャラを把握する。その後は、この作品の世界観が見えてきて、没頭することができた。
カバーイラストから受ける印象とは違い、少しエグい殺人の描写が含まれている。大学生たちが織りなす青春モノって感じだけではない、ダークな雰囲気にザワザワさせられる。過去の虐待経験から復讐心を抱いた人物が、相手を求めるために犯罪に手を染めて行く過程がやるせない。誰か止めてくれー、って思ってしまう。
下巻はどういう展開が待っているのだろう。
iの正体には一捻りあるのだろうか。
上巻の終盤に向けて、ミステリアスかつサスペンスフルな展開が加速する。
高まる緊迫感とともに下巻へ。 -
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青春の歴史を追いながら、ミスリードにかかってしまいました。
辻村深月さんは、どうしてこんなにも心理描写を描くことができるのか不思議でならない。
とても楽しめました。
高校卒業から10年。クラス会で再会した仲間たちの話題は、人気女優となったクラスメートの「キョウコ」のこと。彼女を次のクラス会に呼び出そうと目論む常連メンバーだが、彼女に近づこうと画策することで思春期の幼く残酷だった“教室の悪意”が、まるでかさぶたを剥がすようにじわじわと甦り、次第に一人また一人と計画の舞台を降りてゆく……。28歳、大人になった男女5人の切迫した心情をそれぞれの視点から描き、深い共感を呼び起こす。圧巻の長篇心理サスペンス。 -
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「スロウハイツの神様」のスピンオフ作品。
まず、「スロウハイツの神様」のあの本を現実で手に取れるというのが嬉しい♡
それだけでも十分テンションが上がるのですが、本の作りにさらにテンションが上がった♪‹‹⸜(*ˊᵕˋ* )⸝›‹⸜( *)⸝›‹⸜( *ˊᵕˋ*)⸝››♪
細かいところまで、「スロウハイツの神様」の世界観で、本当に感激した…!
しかも、解説が環だなんて、最高すぎません???
これが、チヨダ・コーキの世界観なのね…!
「電撃文庫」などのラノベが大好きだった10代の頃の私だったら好みだったかも…( 'ᵕ' ; )
世界観にはイマイチ入り込みにくかったですが、短い物語ながら、先が気になる展開、チヨダ・コーキを象徴するようなテーマ、思わずジーンとしてしまうエピソード、最後には衝撃的な展開が織り込まれていて、楽しんで読めた。
何より、チヨダ・コーキの世界観を現実で体感できたことへの満足度が高かった(*ˊ ˋ*)
環の解説も最高でした!