辻村深月のレビュー一覧
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ネタバレ・ひかりの母親や叔父。相手の気持ちや、背景への想像力がない(考えようとしない)と、相手をここまで不快な気持ちにさせるのかと。自分自身はそんなことはないと思っていても、気をつけたい。
・私自身は2人の子どもに恵まれた。第1章、第2章は、自分たちにもあり得たかもしれない世界線の物語として読んだ。
・第3章の途中、「トモカが、ひかりを殺してひかりになりすまそうとしたんじゃ!?」と推理して勝手にドキドキしていたが、それはなかった。ある意味では、それよりも辛く暗い救いのない物語が進んだ。
・でも、最後の最後で1点の光。その後のエピソードはないが、ひかりの現実がどうなるにせよ、ひかりの心は救われたと -
Posted by ブクログ
自分に凄く刺さるというか、身に覚えのある感情で溢れてて、感情を言語化してくれてた作品だった。
傲慢と善良。そして、劣等感や自己愛。
自己の過大評価。
凄く凄く身に覚えがあり、今26歳という年齢でこの作品に出会えて良かったと心から思った。
他者に点数をつけ、自分と同等であろうと考える人に惹かれる。
ただ、その自分の点数は過大評価にすぎない。
その通りだと思う。
私も私が可愛くて仕方がない。
だから傷つきたくないし、失恋をしたくない。
なので自分に対して好意を持ってくれていると感じる人を好きになる。とても傲慢だな自分は。
と、思いつつその人に好きでいてもらい続けられる自分でいたいしそういう自分でい -
Posted by ブクログ
ネタバレ5つの短編集で総じて読みやすかった。
一話につき、主人公の女性が変わる5つの短編集。
どの主人公も「友達にしたくない」タイプだった。
しかもその違和感の切り口がすべて違うの。こんな言語化しにくい違和感をよく描写できるなぁ、って思った。すごい。
出てくる男たちもなんだか女性を見下してて、腹が立つやつばかりで。それに戦わない主人公に腹が立ったりして。「言うこと言えや」って思ってた。
最後の「君本家の誘拐」は育児ノイローゼなりかけの女性の話なんだけど、私も9月には子供が生まれるから他人ごとではないかなぁと…
孤独が彼女を狂わせたのは確かだけど、妊娠前から自分のことしか考えていない思考回路に違和感。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ上巻の終わりになってから一気にページをめくる手が止まらなくなり、翌日に慌てて下巻を買ってすぐ読んだ。特に下巻の後半は一晩で一気読みした。
辻村深月さんの感情描写には息が苦しくなるような没入感があって大好き。
浅葱の、一人きりで強く生きる覚悟とは裏腹にある痛々しいまでの人間くさい弱さがとても愛おしくて、月子がそれを垣間見て恋に落ちた気持ちが同じ年頃の女の子としてよく分かる。こんな風に悲しい偶然が重ならず、月子という浅葱にとっての盲目な天使が彼の人生の歯止めになることができていたなら、と誰もが思うはず。
なのに、そこに実体はない。木村浅葱の中の主人格はiでありそれが本当の生来の浅葱だから。あれほど -
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ネタバレ1ヶ月かかってようやく読み終わったけど、後半は一気に読んでしまった。
いやーーー、すごい。
傲慢と善良のタイトルにこれだけ深く考えさせられると思わなかった。
架も真実も美奈子も陽子も、それぞれ"傲慢"なところがあるけど、それって結局自分の人生をより良く生きようと自分の中のルールや規範に対して"善良"に生きた結果なんだということ。
それゆえに、謙虚と自己愛が両立する、ということも共感した。
ただ陽子、モンペすぎないか?
物語の解像度が上がっていけばいくほど、ヤバさが露呈してたし、それに反発せず絶対的なルールや規範として生きてきた真実の解像度もだんだん、