辻村深月のレビュー一覧
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ネタバレ学校に行くことができなくなってしまった主人公のこころ。ある日自分の部屋のかがみが光はじめ、かがみの向こうの世界へと。 自分が中学生のときにタイムスリップしたような懐かしさと、当時の記憶。何でも願いを叶えてくれる部屋の鍵を探せるのか?願いを叶えられるのはたった1人。かがみの中の世界で出逢う、自分と同じ立場の6人と共に過ごすうちに、こころもみんなも少しずつ変わり始めていく。私にもあったな、こんな頃が…と懐かしいような切ないような気分で、気がつくと物語の中にハマってしまっていた。
オオカミさまは赤ずきんちゃんじゃない、で鍵の在り方はわかってしまった。現実の世界に帰りたくなくなってしまう気持ち。絵本の -
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不登校の子に対しては、もっとひりひりする書き方があっていいはずだ
本書の語り手は主人公の中学生。その設定で物語を書くのは、かなり難しいはずだ。
その場面にいる主人公であるときは言葉足らずの未熟な女の子で、地の文を語る部分では分析力のある大人のようになっている。表現の下手な人間は心の中でも表現できていないはずなのに、心の中では次々言葉を紡ぎ出している。人物設定にちぐはぐさを感じる。
その結果、中学生の同世代の会話に迫力が出ていない。表現できないもどかしさのぶつかり合いが生じていない。それは語り手が地の文ですぐに説明してしまうからだろう。
子ども向けの本としては、いいのかもしれないけれど、 -
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2025年15冊目『傲慢と善良』
「傲慢」な架と「善良」な真実。ふたりのイメージが少しずつ反転していく過程がとても面白かった。
読み進めるうちに、最初は「やばい人…?」と思っていた真実が、私と同じ年代の女性には共感できる部分も多いんじゃないかな、と思うように。
たとえば、自己肯定感は低いのに自己愛は強いところとか、なかなか自分で決めきれないところとか。
辻村さんの描写の巧さもあって、気づいたら真実にすごく感情移入していたし、彼女はすっかりお気に入りのキャラクターになった。
この物語は、結婚や婚活についてはもちろん、傲慢さについてもものすごく考えさせられた。傲慢と善良って実は表裏一体で、日頃の -
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「自分はそんなに傲慢じゃない」と思っている人ほど、読んでほしい一冊だ。すごく打ちひしがれる。
傲慢と善良 は、婚活を軸にしながら、人が無意識に抱える“傲慢さ”と“善良さ”を描き出す物語である。登場人物はごく普通の人たちだが、その言葉や選択の中に、自分自身の価値観や思い込みが映し出される。
特に印象に残ったのは、「大恋愛じゃない?」と言われた瞬間に、はっとさせられる場面だ。それまで真実は、周囲との比較という限られた物差しの中でしか自分を見ていなかった。しかしその一言によって、視野が一気に開かれるスイッチになっている。他人軸ではなく、自分軸で物事を捉えることの大切さに気づかされる瞬間だった。