辻村深月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読んでみての第一声は、複雑!の一言。
登場人物を通して、人の感情の複雑さが描写されています。
とりわけこの作品では「愛」という感情をテーマとしたものだと思います。
人を「愛」するがゆえに自分が必要とされた存在でありたいと芽生える恐怖心、それは捻じ曲がった脆い精神とも言えます。
「愛したい」と「拒絶されたくない」の思いが葛藤し、「孤独」を生み出すのかなと。
「信じること」が大事なんだなぁとしみじみ思いました。
そういう意味では、過去の環境の影響で「信じること」ができなくなった浅葱のしたことを完全に憎めない…。
あのとき、浅葱が月子を「信じる」ことができればなぁ…。
エピローグは胸アツです! -
Posted by ブクログ
ネタバレ「かわいいなぁ」と彼が言った。
その瞬間、思った。
恋に落ちるように、と聞いた、あの表現とは少し違う。けれど、佐都子ははっきりと思った。
朝が来た、と。
終わりがない、長く暗い夜の底を歩いているような、光のないトンネルを抜けて。永遠に明けないと思っていた夜が、今、開けた。
この子はうちに、朝を運んできた。
すごい作品だった。とてもリアリティがあった。
不妊治療に悩む夫婦と中学生で妊娠し子供を手放した少女の目線から、描かれる本作品。
不妊治療に悩む夫婦の苦しみはもちろん、中学生で妊娠した少女:ひかりの境遇が苦しくて苦しくて…。
小さな選択が大きな過ちにつながってしまい、悪いサイクルの中に取り -
Posted by ブクログ
読書が苦手な私が初めて手にした小説です。
そんな私でものめり込んでしまう位、感情表現の繊細さが素晴らしかったです。
それぞれの登場人物の姿や性格が映像として描く事ができて、まるで前から知っているみたいな気持ちになれました。
それにいろんな視点から物語を見渡せるのがよかった。そういう気持ちでいたのかとか、そうだったんだとか気づけたりするのも楽しかったです。
個人的には『待ち人の心得』が素敵で感涙してしまいましたが、それと同時に『親友の心得』は余りにも衝撃的で何故か気持ちが追いつきませんでした。違った意味で印象が深かったです。
本を読み終わり、難しいかもしれないけどできるだけ悔いを残さな -
Posted by ブクログ
いや、辻村深月やばいね。
めちゃくちゃ面白かった。
迷う余地なく5点満点の評価をつけられる稀有な作品。
【以下、個人的感想】
ヒロインの暗い自己評価/他者評価や心情が頻繁に描かれてる。
こういう評価は誰しもやっていることと思うけど、なかなか他人に話すような話じゃないから、小説の登場人物といえど他人の話を聞ける(読める)のはとても面白い。
そういう個人の内面をよく描いているという意味ではドストの罪と罰を思い浮かべる(昔読んだ印象だから全然違ったかな、、、?)けど、あんなに鬱々とした内容ではなく、とても読み進めやすい。
読者それぞれがヒロインの自己評価/他者評価に共感できる部分があるのではないだ -
Posted by ブクログ
結婚式の式場選びで東京會舘を訪れ、その建築やホスピタリティの素晴らしさ、食事に感激し、今でも時々パティスリーを利用しています。
結局式場は様々な理由からパレスホテルにしましたが、東京會舘は、私にとって東京でとても愛着のある場所の一つになりました。
そんな東京會舘が舞台の本作。1923年から1964年の関東大震災〜第二次世界大戦〜東京オリンピックに沸く激動の日本を背景に、東京會舘に魅せられた働き手、顧客の群像劇が紡がれていきます。
フィクションといいつつも、遠藤波津子さん(結婚式のドレスもメイクもハツコエンドウにお願いしたので登場した時は感動しました!)や今井清さん、勝目清鷹さんなど実在の人