【感想・ネタバレ】ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。のレビュー

あらすじ

地元を飛び出した娘と、残った娘。幼馴染みの二人の人生はもう交わることなどないと思っていた。あの事件が起こるまでは。チエミが母親を殺し、失踪してから半年。みずほの脳裏に浮かんだのはチエミと交わした幼い約束。彼女が逃げ続ける理由が明らかになるとき、全ての娘は救われる。著者の新たな代表作。(講談社文庫)

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

衝撃と救われたという気持ちが最後にドンと来た。

女性間にある関係性と地方にある閉ざされた関係性。
実際はわからないけど、周囲からはそう見える、そうなんだろうなと想像してしまう、そんな物を提示される。読んでいて、うわぁドロドロだとひきながらもどこかでそうなんだろうなと勝手に同意してしまう。そんな共感を感じさせるのは辻村深月さんは上手だよなぁ。そんな中で事件が起きてそれについても非常に興味を持たされる。
追う探偵役と逃亡者が親友の女性だったり、なぜ事件は起きたのか、逃亡者は本当に犯行を起こしたのか、果たして二人は再会するのか、どんな逃亡生活なのか。読んでいて興味は尽きず面白かった。
そしてタイトル回収が素晴らしかった。
衝撃と救われた気持ち。これをここまで与えてくれるのは辻村深月だよなぁ。

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2025年06月14日

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ネタバレ

女友達同士の複雑でドロドロした関係が、もうやめてくれ!と本を閉じたくなるくらい鮮明に描かれていた。
解像度の高すぎる心理描写が迫真。

過保護な母親とその娘。
その間で起こった衝撃的な殺人事件。
真相が明らかになっていくたび、こちらまで胸が苦しくなった。
翠の存在が本当に救われる。
どん底に落ちてしまったとき、誰が手を差し伸べてくれるのかで大きく未来は変わるのかもしれない。

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2025年06月08日

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主軸はサスペンスだがアラサー女性の恋愛、結婚、友情が怖いくらいリアルに描写されている

傲慢と善良を読んでいても感じたが
周りが結婚、出産と人生を進めているときに自分は何もない、と思う気持ちや
相手に共感しながらも無意識に自分より格上か格下かジャッジしている会話や内面の描写が自分の出来事かのように思える
自分の中の言い表せない気持ちが言語化されている

その中にも主人公とチエミの間には確かに友情が存在していて救いだった

タイトルの意味を知ったときが一番衝撃だった

少し時間をおいてまた読みたい作品

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2025年05月20日

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“傲慢と善良”で辻村深月ファンになった私には、ぐっと突き刺さるものがありとても面白く読めました。“傲慢と善良”しかり、母と娘、友人との言葉にできない距離感やわだかまりを言語化しているので、まるで自分の物語を読んでいるような部分があり、途中から一気読みしてしまいました。

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2025年03月05日

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意味深なタイトルが目を引きます。
母娘のドロドロと、悲しい優しさが描かれていて、ラストは本当に胸が痛くなりました。激痛。
何を書いてもネタバレになってしまいそうでかけないけど、一気読みしてしまうテンポの良さと何とも言えない苦しい読後感が忘れられない。

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2025年03月01日

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親と一緒に辻村深月さんにハマる笑。
題名の由来も、自他ともに認める仲良し親子なチエミと母親との揉め事も後半にそーいうこと?とびっくりした。
1番は女性の心情がよく描かれてて。。分かるかもと思ってしまった。大好きな友達でも妬みもあれば尊敬もあるし見下すこともある。。友達が良い仕事をしていれば他人に自慢したくなるし。女友達の中でランク付けする人がいるのも分かる。私はみずきと違って辞めるよう説得しちゃうかもだけど。。ダメな男と恋愛してる友達に何を話してもダメだろなーというのも分かる。
傲慢と善良を書いた人!って感じの作品でした!

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2025年07月08日

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チエミの感覚が自分に似ていて、苦しくなった。だからみずほちゃんみたいになりたいという感覚にとても共感して読んだ。打算的じゃない人ってどう生きればよいんだろうなと少し虚無になった。

p164「本当に反抗期がすごかった家は、やり合っちゃった後でもう戻れないんだよ。チエちゃんの家、みんな子供みたい」

p182 山梨に戻って、チエミと再会したとき、驚かされたのは、彼女たちの圧倒的な関心のなさ、考える力のなさだった。 

この二文が印象に残った。

自分の家の事のように思えてドキッとした。僕の家庭環境はチエミ側だろうなと気づかせてもらえた。

自分の知らない世界に飛び込む事を恐れないようにしようと思った。

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2025年06月21日

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心理描写が細かく、生々しく、共感を呼びやすい。
女性同士の格差や価値観の違いから、女性同士のつきあいがリアルに描かれているので、とても面白い。
母娘の矛盾した複雑な感情が目に見えて描かれるので、人の面倒臭さ、人間らしさみたいなものが滲み出ている。だからこそ人間ドラマとして面白くなる。

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2025年06月10日

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この本は第142回直木賞候補作になった小説、著者はこの数年後、『鍵のない夢を見る』で第147回直木賞を受賞。
期待して読み始める。辻村深月は期待を裏切らない!

物語は、幼馴染の望月チエミと神宮寺みずほを中心に展開される。チエミの母親が殺害され、チエミが失踪した。みずほはチエミの行方を追う。地元の友人たちに聞き込みをする中で、チエミの過去や彼女の家庭環境が次第に明らかになっていく。なぜチエミの母親が殺害されたのか。事件の背景には、どんな秘密があるのか。
彼女の失踪の理由が判明したとき、読者はどんな気持ちになるのか。

ネタバレなしで感想を書くのは限界があるが、著者の描く女性たちの心の描写は鋭いものを感じさせられる。読後の余韻は強烈なものがある。

印象的な文章を1つ抜粋する。
「メロンパンって、どうあがいても単なる菓子パンで、メロン本体になんかなれない。もともと違うものなのに、パンがメロンになれなんて試練や宿命を背負わされてるのは悲劇だし、一歩間違えればジョークだって、果汁を入れたところで、そんなのメロンのエゴなりよ」

これは第2章に登場する翠の言葉。チエミの幸運は翠に出会えたことにある。

p417のチエミと翠の会話。この会話の伏線に気づいた人いるのかな?僕は読後にそういえばと思いパラパラと日付を探すまで気づくことができなかった。

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2025年06月10日

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【我慢ならない。あなたは私をバカにしてるよね】
地方都市を舞台に、母と子の歪な親子関係と女同士の友情の奥底に蠢くグロテスクな感情が生々しく描かれている。アラサー女性特有の焦りや他人との比較といったありがちな設定だけでなく、表向きには仲の良い友達同士だけど、頭の中では友達を値踏みして見下す描写はリアルで身に覚えがあり背筋がゾワッとする。チエミの親子関係は異常かもしれないが、人に迷惑かけていないのであれば、他人は干渉すべきではないと個人的に思う。結婚や子供の有無や家庭事情、人はなぜそこまで干渉したがるのか?

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2025年06月03日

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再読。三宅香帆さんの『娘が母を殺すには?』で名前が上がってたので気になって読み返しました。
前回は女同士の確執とか格付けとか、そんなところに気を取られていて母親のことは軽視してました。ミステリーの後半は結末を知りたくて読み飛ばしがちだしね。母娘に注目して読むと、話の重さが際立ちます。

望月家の母娘の問題は性格の悪い及川亜里紗の指摘が的を射ていると思います。常に自分の守備範囲内に娘を留めようとする母親と、その狭い範囲内でのみぬくぬくと過ごす娘。

そう考えると、『母娘関係の回復』と思えたラストのチエのセリフが怖くなります。
「わたしーー、お母さんに会いたい」
母親が死んでも何も変わらない。またあの世界に戻っていくのでしょうか。

雑記
それにしてもお父さんの扱いは軽いなぁ。
そして、進学校出身者にもいい奴はいると思うよ。

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2025年06月02日

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自分が男としてなかなかわからない感情はたくさん。でも、これほどまでに迫りくる格差、しかもそれはただの貧富の差ではなく、経験というか人生の格差。
最後までジクジクした気分の中で、キラッと一瞬の光が見えて終わります。ツラい話ではあるし、解決策なんかない、ある種の救いさえないけど、自分の生きることを考えさせられます。

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2025年05月29日

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次が気になって仕方ない
久しぶりに一気に読み終えた

30歳前の女子たちの
微妙な気持ちの揺れや他者との比較で
自身の立ち位置を探り合う心の機微が描かれている

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2025年05月21日

Posted by ブクログ

つらい。読むのがつらい。
でもページをめくる手が止まらない。
そんな作品だった。

タイトルの意味をずっと考えてたけど、最後まで気づくことがなく(勘が悪い)、最終的に回収されたところで、この物語の真相を理解できた。

自分は男だし東京で生きてきた人間だから、このストーリーに始めから100%共感したわけではないが、人の心の描き方が上手くて、生々しい彼女たちの感情をリアルに受け止めることができた気がした。

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2025年05月09日

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ネタバレ

タイトルの意味の気付いた時は鳥肌でした。改めて心理描写が上手いと思いました。読む手が止まらなかったです。強い痛みが伴う内容だったけど、それでも希望があるようなラストでよかったです。

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2025年05月06日

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高校卒業後に、田舎から都会に出たので主人公の気持ちが分かりすぎて胸が苦しかった。

『私が県外に出て学生時代を過ごしていた間、別の場所にもまた等しい時間が流れたのだ。』

地元を出て10年以上経った今、この文章の意味が胸に重くのしかかった。私が変わったように、地元の友人も変わっていったのだと再認識し、なぜか少し寂しくなった。


だけど、

『ずっと話つづけていること、義務のように頻繁に会うのばかりが友達でないこと、それがわかる年になったことが感慨深かった。』

というセリフにも共感した。

会わない時間か長くても、本当の友達とは繋がれる。それが身に染みて分かる歳になったことが感慨深い。

タイトルはなるほど〜という感想。
最後まで楽しめた小説

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2025年05月06日

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今回のテーマは女性についてです。私も女性なのですごく共感できることがいっぱいでした。やっぱりどれだけ仲が良くても友達と比較して落ち込んだりすることもありました。そんな女性の心情を上手に表現したのがこの本です。この本は地元を飛び出したみずほと妊娠して母親を殺し逃げているチエミの話です。なぜ、チエミは逃げるのかという真相がわかった時には驚きでしかありませんでした。

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2025年04月27日

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お話の流れはわかるのだけど、なにかしら裏があり、秘密がありそうな。みずほはいったい何がしたいのか?
誰が正しくて誰が間違っているか、正解のないいざこざ、心のすれ違いや、心のつながり。
友達同士であったり、母と娘であったり、歪みあったり愛し合ったりすれ違ったり。
誰よりも打算的で正しくて、自分のこと以外で動くはずのないみずほ。
いったい何に突き動かされて必死にチエを探しているのか?わからないまま読み進め、感動のラスト。
人の心の中はわからない。時には冷ややかに、時には自分勝手に突き放したり知らんぷりしたり、だけどそれが心の全てではないのでしょう。友情というものは自分勝手で傲慢で、でも温かく熱いものなのでしょう。

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2025年04月19日

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裏は読めたのに、さらに裏があるなんて。


私は昔から母と仲が良く、友達のようだと良く言われます。
親離れ、子離れをしないといけないと分かっていながら心地よい関係から抜けられない。
そんな私には少し痛みがあるおはなしでした。


みずきのみんなとは違うって気持ちも、チエミのなにも持ってないって気持ちも分かってしまいます。

男に生まれたかったと常々思ってしまう私ですが、柔らかく女性の人生を楽しめるようになりたいですね。


What do you feel when you realize the title?
Is it a curse or a wish?

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2025年03月27日

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はじめは誰が何のことを話してるんだろう?という感じでしたが、物語が進むにつれていろんなことが繋がっていきます。
タイトルの意味が分かった時には、そういうことだったのか!と感動しました。

女性の心理がよく描かれていて、自分にもこういうところあるなと感じることが多々ありました。
母娘の関係も色々あるけど、どれも距離感が難しいとのだと感じました。
女って面倒くさい…

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2025年03月21日

Posted by ブクログ

意味深なタイトル。その意味が分かるクライマックスは驚き泣きそうになりました。第二章で畳み掛けるように明らかになる事実は残酷すぎました。みずほがそうしたように、チエのこと抱きしめて励ましたい。
辻村深月作品はどれも好きですが、何がいいって言葉にできない感情を表現してくれるのが好き。本作で描かれる登場人物は9割が女性。女性ってこんなこと考えながら生きてるんだと勉強にもなりました。

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2025年03月05日

匿名

購入済み

女の友情、恋愛、みんな口と腹の中は違うよなって思う。本音だけでは人と上手く付き合っていけない。
ほんとは正直に真っ直ぐに生きていきたいのに。
チエは絶望的だけど最後にみずほちゃんがいてくれてよかった。

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2023年08月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 なるほど、タイトルはそういうことか…と終盤に納得。最後はあまりにも辛い現実。しかし、ずっと親に守られ甘えていた人生の代償かとも思う。

 みずほの厳しすぎる(ほぼ虐待)親の躾とチエミの過保護とも言える親の躾。どちらも子どもの為とはいえ、度を超えていた。適度な親子関係が最も良いが実はそれが一番難しいのかと思った。

 子どもが幼い頃はその躾が成立したとしても、子どもが大人になるにつれ、自身が周囲と違い、親の異常性を理解出来る様になり、その代償は親にかえってくる。
 しかしその時、親が後悔しても、もう遅い。

 作風は最近読んだ、傲慢と偏見と少し似ていると感じました。

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2025年06月05日

購入済み

家族とは

家族の繋がり方に正解はないけど、それを考えさせられる作品でした。

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2022年01月19日

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この著者の作品をデビュー作から順番に読んでいる。
タイトルからは、全く内容がわからない。

これまでの作品と少し変わり、直木賞受賞作や『傲慢と善良』に通じる作風だと感じた。

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2025年06月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読みやすかった。
共感できる部分もあればできないところもあり、面白かった。
母親から逃げろと言われたとはいえ、殺してしまったことは事実なわけで、チエはこのあとどうなるんだろう?閉塞的な世界で育ったからこうなってしまったのか、誰のせいともいえないけれど、罪は罪。2人が再開できたときは感動したけど、チエにはきちんと罪を償って欲しいと思った。

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2025年06月17日

Posted by ブクログ

女性のドロドロがつらい…笑顔で話していてもドロドロなんですね!
まぁそれはさておき楽しく読めました!

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2025年06月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

母親を殺して失踪してしまった昔の友達の行方を捜して知人を訪ね歩くうちに、女性特有の悩みや地方都市と東京を隔てる歪みが見えてくる。華やかな都会と地方都市の呪縛を対比させた世界の中で、優越感,閉塞感,妬みや打算など色々な負の感情を爆発させながらも友情を確認する女性たちの話。
タイトルをここで回収するのか!という驚きなど、ミステリの技巧が散りばめられてはいるものの、この本の主題はきっと女性の内面。徹底的に女性視点で描かれ、女性でなければ理解できない部分が多々あるように感じる物語だった。その中でも僕が汲み取ることができたのは、「あなただってこういう汚いものを持っているでしょう?」という痛烈なメッセージ。

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2025年05月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

わたしがチエミ寄りの性格だから耳が痛かった。仕事もなんとなくで決めた事務職だし結婚してないと親離れできてなかっただろうし。
たまたま住んでたところが大学にアクセスのいい地域でたまたま微妙に進学校の高校に入学したから大学にも行ったけど、チエミ側の気持ちに共感した。
親子関係って難しい。「普通」は家庭によって違うから、夫婦基準で普通を作っていくのも難しいしどうしたら子どもにとっていいのかも結局わからない。

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2025年05月05日

Posted by ブクログ

山梨県を舞台に、30歳前後の女性たち特有の“息苦しさ”や互いに親娘離れできない家庭が描かれている。

直木賞候補作ということで期待していましたが、辻村深月さんの作品を色々と読んでみて、『朝が来る』と『傲慢と善良』の足して割ったような内容だったかもと感じました。

地方の婚活や結婚観の話であれば、個人的には『傲慢と善良』の方が同年代の女性として共感できる内容もフレーズも多くて好きでした。

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2025年04月22日

Posted by ブクログ

女性と男性では感じ方が結構違う作品なのではないかと思いました。
冒頭は自分の読解力がないからかwあまりよく分からないまま物語が進んでいき…。
その為か途中は正直ちょっとしんどい部分もあったけど、終盤はあまりに切なくて何とも言えない感情になりました。
しかしタイトルの回収の仕方はさすが!

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2025年03月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

お母さんを殺してしまった?チエとその友達のみずほの話。ちゃん付けして読んでるあたりが周りとの特有の距離感な感じがする。親との関係、友達との関係、自分の立ち位置とか色々と葛藤を抱えながらみんな生きているんだなあと。でも2人が愛に近い友情を持ってるのがちょっと疑問。わたしは友情は時と共に風化すると思ってるので、、、
翠ちゃんが本当に救いだなあ。

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2025年02月24日

匿名

購入済み

なんとも言えない

登場人物たちの気もちがどれもわかる感じがしました。特にタイトルの意味がわかった時、チエママが最期に思ったであろう気もちを想像すると、自分の母親も同じなのかなぁと思い、なんだか胸がしめつけられました。

#共感する

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2024年07月15日

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