あらすじ
地元を飛び出した娘と、残った娘。幼馴染みの二人の人生はもう交わることなどないと思っていた。あの事件が起こるまでは。チエミが母親を殺し、失踪してから半年。みずほの脳裏に浮かんだのはチエミと交わした幼い約束。彼女が逃げ続ける理由が明らかになるとき、全ての娘は救われる。著者の新たな代表作。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
ああ、すごい、さすが辻村深月さん、と思った。まず、中学まで公立。高校は私立で、大学は東京、という設定。一方で地元で残ってただ周りの力で普通の幸せを掴みたかった親友。
その主人公が親友にずっと感じてる気持ちが、無意識のうちにそれを私も持っていたことが、痛いくらい共感してしまった。共感などしたくないのにしてしまった。ここの他人の力に任せっきりの人たちとは、わたしは違う。
でも、それを共感させたうえで、突き放さない。親友側の気持ちもそれを全部わかってたことも開示したうえで、自分はなんでも自分の力で手に入れたのに、それでも手に入れられないものを親友は持ってる、と認める。その過程が丁寧に描かれていて、最後は全員救われる。
辻村深月さんは、大学も出て総合職に就職した側の人が主に、自分の作品を読むことを知っている。本を読まない、読めない人達に対して、無意識に持つ感情を揺さぶってくる。なんて作品だ、そしてなんて素晴らしい。
最後、タイトルがキャッシュカードの暗証番号、そして主人公の誕生日だと分かったシーンはおおお〜〜〜と声を上げてしまった。
Posted by ブクログ
「家族だからと何かを許し、あきらめ、呑み込み、耐え、結びついた家。形は違っても、どこも皆、共通に抱える病理のような。」
「すべての娘は、自分の母親に等しく傷つけられている」
Posted by ブクログ
みずほの母がまるで自分の母そのもので、手紙のシーンは本当に息ができなくなってしまった。
様々な性格の女性たち、全てに見覚えがある。
その後はやはり出頭するのだろう、お父さんがわかっていてくれて良かった。
Posted by ブクログ
辻村氏の作品は久しぶりです(高くて…)。
本作、女友達グループのじとじと・ジメジメした人間関係、そして母子のどうしようもなく歪んでしまった関係、そういう所が一冊通して通底するテーマだったと思います。
そして、あれほど仲が良かったと思えた母を殺し逃亡したチエミ。彼女の失踪先とその理由を追うサスペンス要素。そこもまた読み応えに重厚感を加えたと思います。
チエミを助けた大学生の翠ちゃんが少しずつ心を開く様子も良かったですね。あと大地のゲスさも悪い意味で絶品でしたねー。
ただ、全体的にはイヤミスっぽい感じでしたかね。母子関係・女子グループのドロドロというと、湊かなえ氏のテイストとも似ていたと思います。
・・・
ということで久方ぶりの辻村作品でした。
今後も少しずつ渉猟してゆきたいと思います。