辻村深月のレビュー一覧
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ネタバレ運動部で友達が多くて恋愛もして、順風満帆な学生生活を送っている人たち。
それにたいして運動が苦手で地味で女子とあまり会話すらしたことがない映画同好会の一平。
一平はずっと、いわゆるキラキラした青春を送れないことに引け目を感じている。
ただ、映画に対する熱意は人一倍。
胸に突き刺さる映画と出会ってしまったときの感動は、一平にとってかけがえのない思い出となる。
その体験を誰が馬鹿にできようか。
物語に触れて感情を大きく揺さぶられ、価値観を大きく覆されるような豊かな体験を、周りは「地味」という言葉で片付けてしまっていいのか。
映画同好会の仲間たちと奮闘しながら映画の撮影に臨む彼は美しかった。
「学校 -
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ネタバレBOOKOFFで購入した本。
長いこと本棚に積読されていた本。読み始めるとしかし、すらすらと読み進められ、そのまま引き込まれ、割と一気に読み終わってしまった。
一生に一度だけ、死者との再会をかなえてくれる使者(読みは「つなぐ」)。お話は短編集になっている。最初に使者に再会を希望してきた女性と、次に再会を希望してきた男性のタイプがまるで異なり、飽きずに読めて面白いと感じた。
個人的に一番じーんときたのは「待ち人の心得」で、共感するところが大きかった。一番しんどかったのが「親友の心得」。自分はあまり抱かない嫉妬が事件の原因となるようだ。嫉妬であのような行為をするのか?まったく意味がわからない -
Posted by ブクログ
まさしく今の自分と照らし合わせて読めた1冊。
今の若者は、「こうべき姿であってほしい」「こういうことをしていてほしい」と相手に傲慢に要求するが、誰かまかせにして流れで第三者に決めてもらう。
柔軟?の中に頑固さがあり、だからこそ自分自身も生きづらい。だからこそ一人で苦しむ人が多いのだと思う。
自分も含めてそんな心になった場合どうすればいいのか、主人公は1人旅に出ていた。
今までの善良の気持ちを捨てて、自分を見つめ直して行動にでた。物事に対して1歩引いた時あるべき所や姿を初めて自覚できたのだと思う。
自分の中の結論が出た時初めて相手と向き合い心を通わせていた。
いい人に見られたくて誰かの言うこ -
Posted by ブクログ
死者と一度だけ再会できる──そんな不思議な設定なのに、物語の空気はとても静かで、日常のすぐ隣にある“気づかないままのファンタジー”にそっと触れられるような一冊でした。
読み始めたら止まらなくて、一日で読み切ってしまうほど引き込まれました。
辻村深月さんの作品はいくつか読んできましたが、日常の中にひっそり潜んでいそうな不思議を扱う物語が多くて、今作でもその魅力をじっくりと堪能することができました。
登場する4つの物語では、それぞれが違う理由で“もう一度会いたい人”を思い浮かべます。誰がどんな想いを抱えているのかは、ぜひ予備知識なしで読んでほしいところです。
「本当に望んでいたのは何だった -
Posted by ブクログ
ネタバレまず、ありきたりな感想かもしれないが、生と死について非常に考えさせられる作品だった。
死後の世界は誰にも分からない(作中では死者当人も死んだことに気付いていない描写もあった)が、生者の時間は1分1秒変わらぬペースで進み続けるのが自然の理だ。
そんな生者にとって、「死者をどのように扱うか?」というのが本作の大枠のテーマだったように思う。
・自分とは遠い存在の有名人に会いたいと願った女性→故人の言葉により生きる意味を見つけられた(かもしれない)。
・母に会いたいと願った田舎の本家の50代長男
→母の真意を知り本家の長男としても人間としても多少丸くなった(かもしれない)。
・親友に会いたいと -
Posted by ブクログ
苦しい経験から行動することを恐れていたこころが、皆のことを理解しようと少しづつ自分から行動していく成長がみられ、今子育て中の自分として親の立場的に見て嬉しかった。
アキの単独行動で皆が巻き込まれる形で大きく状況が変わり、最終的にこころがみんなの心に触れてそれぞれの心の痛みを抱えながら勇敢に立ち向かう様は素晴らしいと思った。
最終的な伏線回収でアキの人生が救われていて、そのアキに皆が救われるという構造が綺麗にまとまっていて良かった。
この本は読書会の課題本として読んで、この作者の本も初めて読んだが心情の表し方が素晴らしくて泣きそうになりながら読んだ。
人の心の機微な部分を書くのが上手だと