辻村深月のレビュー一覧
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ネタバレ引き込まれて一気に読みました。
3組に1組は不妊と言われる時代、子どもによって幸せがもたらされた夫婦と、堕ちるところまで堕ちていく生みの親。
その対比が見事で、ただ最後に佐都子がひかりの手を取った場面は数ページの描写でしたがはっとしました。
子どもがいた方が幸せ、子どもありきの結婚、そんなことはないはずなのに、そういった固定概念が根底にある人は多いはず。私もこうして客観的に考えていると思いながら、結婚相手との子どものことを考えてしまいます。そんな当たり前に来ると思っていた未来が来なかった時、夫婦の葛藤、苦しみ、もがき、全てが前半に詰まっていました。そしてそれを乗り越える夫婦の強さもよく描かれ -
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重大な選択の際に起こる葛藤、
選択するまでのプロセスや
その後の覚悟などを
高い解像度で描写した小説。
誰しも持っている「傲慢さ」。
それは「良い悪い」ではなく
自分を尊い者として扱う際にも
他者を見下す際にも使われる機能の一つ。
架が傲慢、真実が善良と一見
正反対の者のように見えるけど
架にも真実にも、傲慢と善良の両方ある。
それより二人に共通しているのは
主体性や自信、覚悟の無さのように感じた。
でも、その葛藤や苦しさは
個人だけに帰属できないのでは?とも思う。
個人の生き苦しさ、悩み、葛藤は
文化、政治、経済などの社会環境に
大きく影響されているなぁ、と改めて感じた。
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Posted by ブクログ
ネタバレ使者(ツナグ)の歩美が研修中だったことに驚いた。
この手の案内人はベテランか、人外で生まれた時から案内人のケースが多いので、歩美もてっきりどちらかのケースかと思い込んでいた。
四話の暴走は新人時代のトラウマを刺激されたのかな?と盛大に勘違い。
つまり本作は、歩美が使者になるまでの出来事を描いた物語だったというわけだ。
研修を通して死者の正体を怪しんだり、生者と会わせる意味を深く考察したり、この時点で使者になるために生まれてきたような子だと感じたが、あまりに聡すぎて使者の力を受け着いた故に亡くなった両親の秘密に気づいてしまったのは実に皮肉である。
使者は善意のボランティアではなく、死と隣り -
Posted by ブクログ
ネタバレこの小説は「善良」がキーワードであると思う。
真実=善良であるため、真実に共感できるかがこの小説を楽しめるかどうかだと思った。
私は優柔不断であり、元恋人にも自分の意見ないよねと言われた事のある自分には共感できる部分が多くあった。
この小説の凄いところは優柔不断なところ、決断できないところという悪い部分を「善良」と表現したことによって多くの読者を共感に引き込むテクニックだと思った。
また私が特に凄いなと思ったのは登場する女性陣はみんなストーカーによる誘拐ではないと思っている所である。架のために真摯に話を聞くが、彼女の友人と姉は、どちらも真実の意思で居なくなったと考えている。この描写に気づいた時 -
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ネタバレ上巻では考え込んだり、内省したりして、なかなか読み進められませんでしたが、下巻は一気に読んでしまいました。
やるせない部分はもちろんありますが、それでも救いのある終わり方でした。
人には人の事情があって、正義もあって、完璧な親も完璧な教師も完璧な警察官も存在しないのは重々承知しているわけですが、それでも完璧を夢見てしまいます。
他者に対しても自身に対しても、もっとああだったら、こうだったら、そうできていたら……過ぎたことについて思い悩んでしまうものですよね。
でもそれは、真剣に生きて、真剣に職務に取り組んでいるからだと思いますので、決して悪いことだとは考えていません。 -
Posted by ブクログ
2ヶ月前の学園祭で自殺した同級生。その生徒の顔と名前が思い出せない。どうして忘れてしまったのか、誰が死んでしまったのか。下巻がどうなっていくのか続きが気になる。
ホラー描写も結構あって、ホラーが苦手な自分には結構怖い場面もあった。
角田春子のことを擁護するつもりはないけど、ストレスなどからくる自分の不安定さの原因を自分ではなく他者のせいにしてしまいたい気持ちも理解できるからとても心が抉られた。春子からの被害妄想からなる嫌がらせを、自分自身のせいだと自分を苦しめ続ける深月、春子のことを嫌いになることもできず周りに相談もできず自分の内に溜めてしまう深月の善人さ。深月の心を軽くしてくれる友達が周り