辻村深月のレビュー一覧
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上巻に引き続き、下巻が怒涛の面白さ!
行方不明の子供、周囲の大人達、繋がる情報と事件、
揺れ動く衝撃の真実!!!
とても読みやすくテンポよく展開される物語で次々に読み進めてしまう。
嘘と噂が作り出す複雑な心理模様や人間関係の変化、些細な感情の揺らぎ等を見事に表現されていて、上下巻通してファイアドームの世界観にどっぷり引きずり込まれました!
なんと言ってもこの緻密な描写は筆舌に尽くし難いですね、だって読者の感じ方によって様々な感じ方を出来るだろうなと思えるので。
内容については触れません、是非読んでこの世界観を体験して欲しいです。
僕はこの世界を彩る文字のひとつひとつが自分を包むファイアドームに感じる程楽しみました!!! -
Posted by ブクログ
ハケンアニメ!を再読、おさらいしてからのレジェンドアニメ!
続編があると知ってからずーっと文庫化を待っていました。期待に違うことなく、仕事にまっすぐな彼らにまた出会えます。
王子、行城さん、香屋子、瞳、和奈ちゃん。
ハケンアニメ!の本編のセリフや場面の裏に、こんな経緯や想いがあったのかと、各短編に繋がってるのもまた嬉しい。
王子の絵コンテの言葉、瞳の猫とミスドに繋がる物語。ニイ太(これはドラえもんが浮かぶ…)のハケンじゃないアニメ。
どんな現場でも、どんなに迷っても、自分に誇れる仕事がしたい。そんな彼らに憧れるのです。
辻村作品お馴染みの赤羽環にも会えて、ああー、読めてよかった! -
Posted by ブクログ
「人の噂も七十五日」と言うが、本作における噂は二十年という歳月が過ぎてもなお、消え去ることはない。二十年前に誘拐致死被害に遭った紗瑛は、根も葉もない噂によって、同時期に起きた晋也のひき逃げ事件の加害者という疑惑を向けられ続けてきた。そして、その悪意ある噂はさらなる悲劇を引き起こす。
悪質な噂に対峙したとき、人はどう傷つき、どう振る舞うのか。心を閉ざす者、吹聴する者、自分に都合よく解釈する者、そして必死に食い止めようとする者。それぞれの立場から生まれる人間心理が交錯し、見事に描かれていた。自分なら、浅はかで不確かな情報には関わらない。それくらいしか思い浮かばなかったが、作中で真実と誠実さをもって噂に立ち向かっていく姿には、大きな救いを感じた。
帯にあった「噂は軽薄で残酷な娯楽」という言葉通り、被害者である紗瑛のみならず、美冬にまで噂の刃が向けられた展開には身につまされる思いがした。だからこそ、人は悪意ある噂の前にただ無力なだけではないのだと知らされ、心から胸を撫でおろした。 -
Posted by ブクログ
誘拐、交通事故、行方不明。それぞれの事件の真相や繋がりもさることながら、私の心を強くザワつかせたのは、作中に描かれる「噂を巡る心理」だった。
自分が経験したことのない大きな事件を見聞きしたとき、関心が高まり、より多くの情報を得ようとすることは自分にもよくある。未知の事態を自分なりに解釈し、理解することで、無意識のうちに不安や恐れを払拭しようとしているのだろう。
しかし、本当にそれだけなのだろうか。そう我が身を振り返らずにはいられない。ネットやニュースで事件を調べる際、被害者や加害者のプライベートなエピソードや知人の談話に、つい目が向いてしまう。信憑性も確かめないまま自分なりの解釈に組み込んだり、誰かに話したりすることさえある。
この心理の正体は何なのだろう。自分とは関係のない世界だと切り離すことで安心したいのだろうか。悪意がないとはいえ、真偽不明の噂が当事者を傷つける可能性にまで想像が及んでいない自分に気づく。もしそれを指摘されたとしても、「自分が少し話したくらいで」と開き直ってしまうかもしれない。
そこまでして知りたがり、語りたがってしまう人間の心理とは一体何なのか。我が身の軽率さに、チクリと胸が痛んだ。