辻村深月のレビュー一覧

  • 盲目的な恋と友情(新潮文庫)

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    盲目的な恋と友情。
    「恋は盲目」という言葉はよく耳にするけれど、「友情は盲目だ」とはあまり聞かない。

    恋愛は友情より優先度が高い?
    女はなんで男との幸せを願うのか。

    親友はあなただけ。でも、あなたにとって親友は何人もいるの…?
    私だけじゃないの?私だけを見てよ。
    そんな友情への執着という「友情の盲目」という感情に驚いた。
    女の生々しい感じ。解像度が凄すぎる。


    そして最後に明かされる驚愕の真実。思わず固まってしまった。
    最強のどんでん返し。
    やっぱり辻村深月さんの小説は沼る。

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    2025年09月09日
  • きのうの影踏み

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    辻村深月さんのホラー短編集。
    夜に読んだことを後悔するくらい怖かった。
    ガッツリお化けが出てくるというよりかは、じわじわと冷や汗をかくような不気味さを感じさせるお話が多かった印象。
    途中、辻村さんご本人の名前が登場し、もしかしてこれは実話なのか?とフィクションとの境があいまいになるのもゾクゾクした。

    ナマハゲのお話はトラウマ級。
    秋田県民の方特にお気をつけください‼️

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    2025年09月08日
  • ぼくのメジャースプーン

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    言葉にならない衝撃、再び。読んでいる間中ずっと心が痛く、ラストに向かうにつれ泣き崩れ、読み終わってしばらくは唖然としていた。
    PTSDという重いテーマを様々な角度から捉えた物語。ぜひ"順番通り"にどうぞ

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    2025年09月08日
  • この夏の星を見る 下

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    『スターキャッチコンテスト』開催〜終了後の彼らの話。

    新型コロナウイルスが蔓延した当時を改めて振り返ると、自分たちの『好きなこと』ができなくなり、悶々と送らなければいけなかったあの日。わたしたち大人だけじゃなく、一番辛かったのは子どもたち。新しい経験を得られる時期なのに、すべてがなくなるもどかしさ…。(上下巻ともども)ところどころ新型コロナウイルスに罹患した人の話もでてくるが、忌避反応もこの時期にあって、自分が罹りたくないからって人を避けるっていう表現も心苦しい場面もあった…。

    この物語の下巻では、いろんな『好き』も見られた気がする。人・物事・街・そして星。すべて『縁』としてつながりひろが

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    2025年09月08日
  • この夏の星を見る 上

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    コロナ禍で全国の高校生や中学生がオンラインで天体観測コンテストをやろーぜという話。
    主に3つの団体の視点で物語は進んでいく。上巻の最後には柳くんたちの所属する高校も参加し、より物語に広がりが出ることが期待される。

    自分はコロナ禍の時は大学生だったためある程度自由はあったが、高校生中学生だとそうはいかないのか、そんなことを改めて思った。ただでさえ短い学生生活がこんな一瞬で変化するなんて、当時の記憶が思い出された。そんなどうしようもなくやるせない気持ちを抱えながらも自分たちの興味の赴くままに出来ることやしたいことを探し、可能性を広げていく登場人物達に感心し応援したくなる。
    かといって皆大人びてい

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    2025年09月08日
  • スロウハイツの神様(上)

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    小説家でも脚本家でもない。クリエイティブの世界にいない私が、なぜか、読むたびに悔しさが込み上げるのが辻村先生。おこがましいのだが。その感情も含めて、今回もまた、やってくれた!しかもまだ下を読んでもいないにも関わらず!

    正直一人一人を丁寧に描く前半は、間延び感を感じてないわけではなかった。
    それでも辻村先生の選ぶ言葉は、自分の肋骨辺りをこそばせてきたり、耳の裏がピンとするような感覚にさせる…心だけでなく身体が思わず反応し、ページをめくる指が止められなくなる。次のページには欲しかった言葉がある気がするのだ。

    辻村先生の才能のひとつは、自分が今まで言葉にならなかった違和感や言ってはいけないと避け

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    2025年09月07日
  • オーダーメイド殺人クラブ

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    ネタバレ

    自分の状況と一致するところがあり感情移入せずにはいられなかった(訳あって成人してから学生を始め、厨二病もぶり返してきた気がする)
    「終わらせられなかった2人」はそれぞれ 勉強と美術を拠り所とし「余生」を生き始め 離れる期間があったからこそ また関係が生まれる未来があるように思う、大槻ケンヂ氏の解説にもあるように多幸感があるエンディング、とても好きでした

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    2025年09月07日
  • この夏の星を見る 上

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    思い出すな、コロナ禍。我慢して我慢して、みんながピリピリしていて、緩んだ行動をとるとソッポを向かれ・・・
    私は大人だから、ストレス回避の能力はあっただろうし、影響は小さく留められたかもしれない。子どもは、学校に行けない、部活できない、遊べない。つらさを誰にも吐露できなかった子どもは、しんどかったと思う。
    子どもたちの行動もよかったけど、この物語に出てくる先生達の誠実さ、遊び心、生徒への放任具合もとても良い。下巻も楽しみ。

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    2025年09月05日
  • この夏の星を見る 上

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    やっぱり辻村深月さんの作品を読む時間は自分にとってのご褒美と等しいんだなと、久しぶりに彼女の作品を読んで再認識させられた。

    この作品をずっと読みたいと思っていたが、映画化されているとわかり先に映画を見た。映画は役者や映像の美しさなど素晴らしかったが、原作を読むと映画化に際しカットされたやり取り楽しむことが出来る。これこそ小説の楽しさだと思う。

    主人公の亜紗ちゃんは自分と同じ学年でコロナに見舞われていて他の人よりコロナについて共感できたと思う。制限された中出来ることはないかと模索する姿勢に元気をもらえる。

    下巻も楽しみです。

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    2025年09月05日
  • この夏の星を見る 上

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    コロナ禍の2020年、あらゆる活動が制限される中、天体観測を通じてつながっていく茨城、東京(渋谷)、長崎(五島)の中高生たちの物語。まだ上巻だが、とてもよいお話だった。
    またぞろ各地で“コロナ患者の報告数が今年最多を記録”といったニュースがあがっているが、うがい、手洗い、換気…、基本的な感染対策は忘れずに続けるようにしよう。

    親が営む旅館に他県からのお客が泊っていることで親友から距離を置かれ、やりきれない思いを抱えている円華。
    いつ“いつも通り”に戻れるかもしれず自分でコントロールできない日常に、友達にも会えない孤独を持て余す亜紗。
    同学年に唯一の男子となってしまった学校に嫌気がさし、コロナ

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    2025年09月05日
  • あなたの言葉を

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    子どもの頃に出会えていたら、どれだけ心の支えになってくれたんだろう。そう思わされた1冊でした。ここまで子どもの心の気持ちを汲み取って、言葉にして伝えられる辻村さんの凄さを改めて実感。自分の心の中で考える言葉を、自分できちんと大事にしまっておこう。

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    2025年09月04日
  • ふちなしのかがみ

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    ネタバレ

    お久しぶりの辻村深月さん!
    ホラーファンタジー系のお話が5つ入った短編集。
    思ってた以上に怖い。
    グロテスクな死体が出てきたりして背筋がゾクッとなった。

    「踊り場の花子」が特に好き。
    階段の数が変化する。
    花子さんからの質問に答えてはいけない、箱を受け取ってはいけない。
    などの校内でささやかれる都市伝説。
    自分の小学校にもそんなようなのがあったなと懐かしみながら読んだ。
    後半は圧巻の畳み掛け。
    ゾクゾクが止まらなかった。

    あとがきも印象的。
    『これを読んでくださっているあなたが、できれば今、後ろめたい気持ちでありますように。』
    読んでいる間の自分の心中をズバリと言葉にされた感覚

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    2025年09月03日
  • この夏の星を見る 下

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    映画を観てから原作を読んだ。
    どちらもよかった。

    原作は心理描写が丁寧で、登場人物の心理により近づくことができた。

    中高生もそれを取り巻く大人たちもいい人ばかり。人間の持つ善性にあふれた爽快なストーリー。儚くて切ない青春のキュンとくる場面も多く、心に沁みた。

    おとぎ話みたい?夢見る少女マンガみたい?
    いいじゃないかそれで!お話の中だけでもせめて!
    と思った。

    映画は時間の制約もあり、ロマンチック青春要素を抑えめにした、同時代を生きる仲間の物語という面にフォーカスした感じだった。
    この全部載せの原作からその世界を編み直してまとめ上げたことに改めて感動した。

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    2025年09月03日
  • 本日は大安なり

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    面白くて続きが気になって、一気に読みました。オーディブルの聞く読書なので、たまに、ながら聞きして、聞き逃して?とおもって、前に戻ったりしながらも、とても楽しめました。

    責任転嫁して、延々と文句や、不満や、不安を述べる登場人物の感情の流れの表現が、すごいなあと、いつも思います。共感できなくても、「なるほど〜そういう流れでそんな考え方になるのか」と、納得しながら。だから、私にとって、辻村深月さんの小説は、面白いのかも。

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    2025年09月03日
  • ぼくのメジャースプーン

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    罪と罰。どの程度の悪意があって、それをどの程度だと見計らって、どの程度の罰が相応しいとするのか。
    人間にそれが判断できるのかな。

    辻村深月、好きなのに、読む順番があったなんて知らなかった^^; ところどころ、ん?と思う箇所があるが、そのせいか。関連する本を読んでみよう。

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    2025年09月02日
  • ぼくのメジャースプーン

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    我が子が小学校中学年くらいになったらぜひ読んでほしいと思える1冊。

    不思議な能力を持つ主人公が、ある事件をきっかけに心を閉ざしてしまった同級生の心を取り戻すため奮闘する。
    同じ能力を持つ親戚の「先生」との対話で、罪、罰、正義、復讐とは…思考を深めていく様はそのまま道徳の授業になりそう。

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    2025年08月31日
  • 鍵のない夢を見る

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    長くて重たい本の後は軽いものが読みたいということで短編集!
    ただ内容は軽くなかったです笑
    これぞ辻村深月ワールドといった感じで人物の1人1人の性格や言動がリアル過ぎて知り合いの話を見ているような感覚になります。しかも絶妙に嫌な感じで終わるのでやみつきに。
    特に今回は「芹場大学の夢と殺人」と「君本家の誘拐」が個人的に好きで最高に嫌な気持ちになりました笑(もちろん良い意味で)
    ゾワッとする一面やうわっと嫌悪する一面など短編ごとに色々な面をもちあわせたこの作品は直木賞受賞納得の作品でした!

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    2025年08月30日
  • 凍りのくじら

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    先が知りたくて一気に読んでしまいました
    お母さんの経緯には涙が出ました
    理帆子にはわからなくてもお父さんとお母さんには深い絆があったんだね
    最後はまさかの展開にびっくりしました
    あきらの存在 肉親の死についてはこんなことが起きたらいいな…と夢のように思い巡らせてしまいました まさにSFの世界….ドラえもん私もその道具欲しいです
    そして、幸せな結末にほっとしました
    なんだか改めてドラえもんが観たくなりました

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    2025年11月16日
  • 冷たい校舎の時は止まる(下)

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    デビュー作をやっと読んだ。みんなの過去の中でも菅原のところが一番好き。ホストの予想も外れた。伏線回収がこの頃から素晴らしくまたやられたと思った。

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    2025年08月29日
  • はじめての

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    仕事に追われて精神的にしんどかったここ数ヶ月。
    ライトな本に出逢いたくて無理やり読んだ。

    ささくれだった心に優しい物語は心に響きました。

    イライラしていた心を落ち着かせて、深呼吸して、もうちょっと人に優しく穏やかに日々を過ごして生きたいなと思いました。

    「ユーレイ」と「ヒカリノタネ」がかわいくて温かくて好きです。

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    2025年08月29日