辻村深月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
楽しかった!
いいもの読んだとか面白かったというより、この作品を読んでいる最中ずっと楽しかったというのが真っ先にでてくる感想です。
アニメ業界を辻村節で見事に描き、一流のエンタメとなっている。
各職種での苦労ややりがい、達成感、喜び色々と表現している。
しかし、単なるお仕事小説ではなく、エンタメとして素晴らしい読み物でした。
王子が出てくれば「やった!出てきた!待ってました!」って思うし、監督と声優が仲良くなればホッとするし、子どもがアニメを楽しんでいればこっちも嬉しくなるし。
辻村作品ぽくないなと思いつつ楽しく読んでいたら、あらあらとやっぱりあちこち繋がってきて、なるほどやっぱり辻村深 -
Posted by ブクログ
辻村深月先生の作品は、本当に不思議だ。何回も色々な人の人生を経てきているとしか思えない解像度の高さ。だからこそ、読むと琴線に触れ、考えざるを得なくなる作品を生み出すことができるのだと思う。
全7編の短編集だが、これから読む方にはぜひ、できるだけ通して読んでほしい。どの家族も「家族」だからこそのぎこちなさを抱えており、それでも色々な出来事を経て「家族」として生きていく姿が描かれている。
これはフィクションだけれども、きっとこの世のすべての家族に物語があるのだろう、もっと知りたいと思える本だった。
「トラブルを回避するのではなく、トラブルから何を学び何を得るのか」
頭ではわかっていても、ついつ -
Posted by ブクログ
めっちゃ良かった!
大人になったからこそグッとくる7つのお話
自分にも何だか覚えのある様な話があって、あぁ私の家族はこうだったなとか、お姉ちゃんってこんなだったなって。
辻村さんなんでこんなお話書けちゃうんだか
ほんと凄い
私にも年子の姉がいて、まさにヤンキーで同じ学年の子からも一目置かれる存在だった。
暴力(笑)もあったし、妹の物は私の物!みたいなジャイアニズムな人だけど『何かあれば私に言えよ!あんたに何かされたら私が馬鹿にされた気がするから』と、少し照れて話す姉がとてもカッコよくて大好きだった。
ヤンキーな姉は恥ずかしいと思っていた反面、守られている安心感もあったな。
家族ってどう -
Posted by ブクログ
「家族」をテーマにした7つの短編集。
この短編に出てくる家族たちは、ドラマや映画なんかに出てくる明るく団結力のあるような家族じゃありません。でも、本当の家族ってこうじゃない?と辻村さんが教えてくれているようです。
中でも好きだったのは『「妹」という祝福』、『タイムカプセルの八年』。
また、辻村さんのドラえもん愛が見える『タマシイム・マシン』も共感の涙が出ました。
(子どもの名前が「伸太」…「のびた」なのはニヤニヤしちゃいました)
素直になれないし、好きとかじゃない。でも心も体も健やかであって欲しいと願うのが家族なんじゃないかなと感じました。 -
Posted by ブクログ
やばい。。。やばいって。。。。。
最後の最後でもう色々。もう本当色々。
下巻はいろんなところでたくさん泣いた。河野が池の前で泣くところもみんながかけつけるところも。苦しくて苦しくて。クリスマスイブのパーティーは、おじいちゃんとあすなの掛け合いが泣ける。本当のことがわかってからのバイクとか病室はもう涙止まらないよ。ううぅぅ。
そして「ぼく」と「ふみちゃん」………………………。どういうこと?衝撃すぎる。「ぼくのメジャースプーン」とここで繋がってくるのか。こんな最後の最後に。あの力をどうやって発動したの?タイムスリップしたという妄想を植え付けたの?????
なんでいつかは「坂崎さん」って呼ぶんだろう -
Posted by ブクログ
ネタバレずいぶん前に読んでいたものを再読。
漠然と「面白かったはず」との記憶はあった。
読んでいるうちに、上巻の段階で「あすなを助ける話だっけ」と思い出した。
でも、細部をごそっと忘れていたので、楽しく読めた。
最後病院に向かうシーンで、全員であすなを送り届ける。
お前もかい!というトモハルまで一緒に。
答え合わせのように、各シーンの裏が明らかになるのはいい。根底に善意があるのがいい。
一番興奮したポイントは、『ぼくのメジャースプーン』の2人が素晴らしい高校生になっていたこと。
たぶん、前読んだときは、エピローグは流したんだろうな。
「ふたりとも、立派になって…ふぐぅ。」と泣きそうになった。
よ