辻村深月のレビュー一覧

  • きのうの影踏み

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    辻村先生のホラー短編集。
    よく意味がわからない短編、直感的な恐怖に訴える短編から、心温まる怪談まで。
    「ナマハゲと私」「7つのカップ」が好きだった.

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    2026年04月17日
  • 子どもたちは夜と遊ぶ(下)

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    ネタバレ

    上巻の終わりになってから一気にページをめくる手が止まらなくなり、翌日に慌てて下巻を買ってすぐ読んだ。特に下巻の後半は一晩で一気読みした。
    辻村深月さんの感情描写には息が苦しくなるような没入感があって大好き。
    浅葱の、一人きりで強く生きる覚悟とは裏腹にある痛々しいまでの人間くさい弱さがとても愛おしくて、月子がそれを垣間見て恋に落ちた気持ちが同じ年頃の女の子としてよく分かる。こんな風に悲しい偶然が重ならず、月子という浅葱にとっての盲目な天使が彼の人生の歯止めになることができていたなら、と誰もが思うはず。
    なのに、そこに実体はない。木村浅葱の中の主人格はiでありそれが本当の生来の浅葱だから。あれほどまでに人間らしい彼の人格が、その姿形は生きているのに表情や口調には明らかにもういないこと、それが少なくとも社会的な死とは定義されないことが、ふわふわとして現実味を帯びないけれど確かな現実で。
    彼の壮絶な過去が作り出した「浅葱」は、まさに実体を持たない虚数の「i」、でも、iは現実で観測できる実数解ではなくても、もっと多次元的な世界ではたしかに存在するといえる数。
    確かに彼が生きた数年と、狐塚や月子や恭司や萩野やたくさんの人にとっての彼と過ごした日々は幻じゃなく、月子を含めたみんなの記憶に残るんだと思う。

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    2026年04月17日
  • この夏の星を見る 上

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    去年の夏に映画を見て即原作を買いました。
    ようやく読みましたが映画も原作も改めて好きな作品だなと思いました。
    映画が原作を大事に作られたことがよくわかりました。

    「夏を迎え撃つ」「星をつかまえる」という章題だけで鳥肌が立ちます。

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    2026年04月17日
  • かがみの孤城

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    前知識なくお薦めされたので読んでみたら、読み進めてると『子供向けの本なのかな』と思って、謎もこういうことかな?と想像できた部分もあるけど、それ以上に伏線回収があり最後まで読んでよかった。
    いじめの部分は読んでてちょっとしんどくなる部分もあるけど、幅広く多くの世代で楽しめる小説だと思う。

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    2026年09月17日
  • 太陽の坐る場所

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    私の高校時代はもう15年前くらいになるけど、特にクラスカーストのことは何も意識したことかなく、毎日が楽しくてただ爆笑して過ごして....って本当に平和な学生時代を送れていたなと思う。今これを読んで学生時代を送るのはちょっと怖い。でもすごく身近ですごくわかる気もする。辻村深月さん天才だな。映画も見たけど映画は微妙だった。

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    2026年04月15日
  • ツナグ 想い人の心得(新潮文庫)

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    ネタバレ

     前作に引き続き、とても感動した作品だった。続きということもあり、物語のつながりを感じながら読むことができて、とても面白かった。

     特に印象に残ったのは、「一人娘の心得」と「歴史研究の心得」の章。それぞれの人物の想いや選択が丁寧に描かれており、1巻目とまた違う面白さがあって、印象に残った。また、主人公・歩美の成長にも感動し、さらに新しく登場した杏奈もすごく好きになった。はっきりとした性格で、自分の軸を持っているところが魅力的だと思う。

     そして、この作品を通して新たな気づきもあった。それは、「必ずしも死者と再会しなくてもよいのではないか」という考え方である。

    「死者に会うことは、誰かの死を消費することと同義の、生きている人間の欺瞞なのではないか」

    この言葉から、死者との再会は必ずしも前向きなものではなく、生きている側の都合や欲求によるものでもあるのではないかと感じた。
    ただ、

    「見たことのない神様やお天道様を信じるよりも切実に、具体的な誰かに、見ていてほしいと願う」

    という言葉から、人は誰かに見守られていると感じることで、自分の行動を正そうとしたり、前を向こうとしたりするのだと気づかされた。

     このように、死者とのつながりは単なる再会ではなく、生きている人の在り方や行動にも影響を与えるものなのだと感じた。

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    2026年04月13日
  • あなたの言葉を

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    愛読書は?という問いには「星の王子様」と答えています。
    冒頭、サン・テグジュペリは「大人はみな子供だった。しかし、それを覚えている大人は少ない」ということを書いています。この言葉が星の王子様の大きな魅力になっているとずっと思ってきました。
    ここに、かつて自分が子供だったことを大切にしている作家に会いました。
    これまで辻村さんの小説を読んできて、その根底にある人間を信じる気持ち、と言いましょうか、本当の優しさ、やはり信頼かな、そういうものを感じてきましたが、その基になっていることが書かれているのがこの本だと思います。
    もしも、この先、辻村美月という作家を研究する人が現れたとしたら、この本は第一級の資料となるはずです。
    小学生向けの新聞に連載されていた文章ですが、この大切な内容を心に持っている大人がどれほどいるかというと、そんなに多くはないことが考えられるでしょう。大人が読んだとき、ある意味での懐かしさを感じるとともに、書いてある内容の重大さ、気高さを新たに見つけるのではないかと思います。
    人の心の美しさ、優しさ、そして、大いなる可能性。
    また、言葉の持つ不思議、言霊の存在。そういうものがたくさん盛られた大皿料理です。
    私はイチゴにまつわる言霊のような言語が好きです
    読書感想文について書かれた先生とのやり取りが好きです
    ああ、小学生向けの本と、小学生相手に閉じ込めてしまうのは実にもったいない。自分が子供だったことを忘れている大人を中心に読んでもらいたい一冊でした。

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    2026年04月13日
  • スロウハイツの神様(上)

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    クリエイターの卵が登場する小説というだけで、読む前からワクワクが止まらなかった一冊。
    チヨダコーキの特異なのに愛のあるキャラクターに引き込まれ、一瞬で読み終えてしまった。なぜ辻村深月は人の心情を言語化するのがこれほど上手いのか。。正確ピンポイント過ぎて惚れ惚れしてしまう。。

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    2026年04月12日
  • サクラ咲く

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    中学と高校を舞台にしたSF(少し不思議)も入った青春短編小説が3作
    忘れかけていたあの頃の気持ちを思い出すような温かい気持ちになれる作品達に作中の人物達の今後も見守りたいという気持ちになる
    現役の中学生や高校生に読んでもらいたい
    そしてその親となった大人にも読んで思い出してもらいたい
    素敵な作品でした

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    2026年04月12日
  • 東京會舘とわたし 下 新館

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    大正十一年、社交の殿堂として丸の内に創業した東京會舘を舞台に、訪れる客や従業員にまつわるお話し。
    時代の背景とともに描かれるエピソードがどれも素晴らしかったです。
    章立てされていますが、少しずつお話が続いていて、それぞれ登場人物のその後も垣間見える内容となっています。特に心に残った作品は『あの日の一夜に寄せて』で、東日本大震災のときの東京會舘の対応に感動しました。辻村さんの作品は重ためな作品が好きですが、さわやかなこの作品も最高でした。

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    2026年04月11日
  • 名前探しの放課後(下)

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    辻村作品を読んでみようと腰を据えて、
    子どもたちは夜と遊ぶ、凍りのくじら、ぼくのメジャースプーン、そして名前探しの放課後の順で読んだ。
    ここにたどり着くために、ここまで読んだんだ!と清々しい気持ち

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    2026年04月10日
  • 琥珀の夏

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    オカルトとか集団心理とか新興宗教とか、エンタメ満載の設定。優しい風景とちょっと寒気が漂う場面が言ったり来たりしているうちに、険悪なムードへ。なんかもやっとするけど、どこがもやっとするのか。その感じは、気持ち悪いもやっとでは無かったかな。

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    2026年04月09日
  • 小説集 筋肉少女帯小説化計画

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    辻村深月のがファン小説として破格の5000万点を叩き出しており、他のも悪くはないが可哀想であった。でも筋少に限らず世のアルバムは2曲目に一番の強カードをぶつけるからね。仕方ない。
    オーケンの歌詞を小説に落とし込むと、自ずから頭の弱い女をあてがわれたサブカル陰キャが主人公になりがちで、筋少は過去のものだから愛せるんだなとよく分かった

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    2026年04月09日
  • スロウハイツの神様(上)

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    登録は上巻ですが、もちろん上下纏めての感想文ってことで(^ ^

    いや、何と言うか、こんなに「笑かし」も「外連味」もなく、ストレートに人の気持ちを描き切る作品は、本当に久しぶりに読んだ感じ。何の根拠もなく、もっと「面白要素」がある本かと思って読み始めたのですが、どこまで行っても「大マジ」(^ ^; いやもちろん、それが悪いわけでも何でもないですが(^ ^;

    ストーリーは、梁山泊的なシェアハウスに集う若きクリエーターたちの群像劇、って感じ。それぞれの登場人物に、みなそれなりの山あり谷ありのストーリーがあり、その良い面も悪い面も、しょーもない依怙地な姿なども丁寧に描いていく。その中で、それぞれのキャラクターの過去のつながりなどが見えてきたり、騙されたり(^ ^; 

    各登場人物で一冊の小説が書けそうな、濃密なストーリーをギュッと濃縮し、さらにその中でコウちゃんと環のエピソードが徐々に浮き上がってくる。後半のクライマックスは、ある意味「ベタな」展開と言えんくもないが、そこまで丁寧に描かれたストーリーのおかげで、すっかり皆に感情移入してしまっているので、細かいことは気にせず滂沱の涙(^ ^;

    これこそが「筆力」というものだ、と打ちのめされるような大作(^ ^ もっと若いうちに読んでいたら、もっと「人生を変えられた」かも、という一冊である(^ ^

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    2026年04月08日
  • 冷たい校舎の時は止まる(下)

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    こんな分厚いのにすぐ読みおわる
    『HERO』すごく感動したとてもいい
    本当におもしろかったまだ読んでない人すぐ読んで欲しい

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    2026年04月07日
  • はじめての

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    「初めて」何かをした日、その時の気持ちって覚えてますか?

    初めて
    恋した日
    家出した日
    容疑者になった日
    告白した日
    が収録されてます。

    個人的には「家出した日」の「ユーレイ」が最後の展開が綺麗で好きです。

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    2026年04月05日
  • 水底フェスタ

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    終盤の展開がまるで読めなかった。一つの村に潜む悪を暴く、と書けばハードボイルド的な作風を彷彿とさせるが、どこかきな臭い。その悪を暴く側が十二分に怪しすぎるからだ。
    痛々しい経験、特に思い込みに関しては男女ともに青春時代に経験するのではないだろうか。それがこうも展開されてしまうとは。この結末には天を仰ぎたくなった。
    イヤミス、と言われればそうなのだろうが、一口にイヤミスとはくくれない。単に読み終えて、ズンと嫌な気持ちになって沈む、そういった形式だけのお話から本作は頭二つ分抜き出ている。

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    2026年04月04日
  • 名前探しの放課後(下)

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    ネタバレ

    ぼくのメジャースプーンを先に読んでおいて良かった。途中から誰が本当の自殺者だったのか、みんなの気配りからこの人がどうなるのかなんとなく予想がついて、ふんふんやっぱりねと思いながら読んでいたら思わぬところにいろんな要素が詰まっていて驚き、、。河野と友春の演技力の高さは一体、、。そしてこれが能力によるものだったことは想定もしてなかった。主人公をあえて「ぼく」とすることで次の作品での驚きにつなげてしまうって凄すぎる〜(><)それにしてもふみちゃんが元気そうで良かったな!
    郁也も多恵さんもまだ元気でよかった!
    こうもいろんな人が出てくると、なんか聞いたことある、、知り合いだったっけ、、?(現実)となってしまう。

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    2026年04月03日
  • はじめての

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    いろんな初めてが詰められたアンソロジー。

    YOASOBIの歌にもなってるので、読みやすい人はいるかと思いますが、以前「想うた」の感想でも書きましたが、歌詞を物語に、物語を歌詞にするのはめちゃくちゃ大変だということです。歌詞にしても短編にしても、そこへの解像度が作者と一致しないと、自己満足になってしまう。広く言えば、創作の世界とは自己満足になるわけだが、異なるアートをリンクさせようとすると、リンクさせる側の自己満足は喪失する。我流を押し通せば非難されるし、かといって落とし込むだけであれば、したためる必要がない。料理と同じだ。サンプリングしたものがイタリアンで、和洋折衷に拵えたものがナポリタンである必要があるわけだ。

    また豪華なラインナップです。ファンの方々はぜひ読んでみてください。

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    2026年04月02日
  • スロウハイツの神様(上)

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    傲慢と善良→かがみの孤城で辻村深月先生のおもしろさに気付き、この作品に辿り着きました。
    辻村作品は読む順番があると聞いたので、勧められたとおりにスロウハイツの神様から読み始めました。

    スロウハイツの住人たちの人間模様がおもしろいなーと読んでいたところ、最後の引きが気になりすぎて、即下巻を読むことに決めました。

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    2026年04月02日