辻村深月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ中学生の頃に一度触れて内容を覚えていたからこそ、再読でさらに際立つ「完璧な伏線回収」の美しさに、ただただ鳥肌が立つような感動を覚えます。
下巻に入り、一人ひとりが抱えていた背景や痛みが丁寧に紐解かれていく中で、登場人物たちへの愛着はよりいっそう深いものになります。不登校に至るまでの繊細でリアルな心象風景の描写はもちろんのこと、特に印象に残るのはマサムネとスバルの間に生まれた友情の物語です。自尊心を守るための虚勢がきっかけで追い詰められてしまったマサムネに対し、「だったら俺が本当にゲームを作る。そうすれば嘘じゃなくなる」と過去の世界から手を差し伸べるスバルの優しさは、孤独の底に差し込む一筋の光のようで、胸が熱くなるほどの強さとぬくもりを感じさせます。
無駄な描写が一切存在せず、すべてのカケラが奇跡のように繋がっていく物語の仕掛けには、息をのむような驚きがあります。
明確な訓戒や説教くささではなく、「とにかく今を生き抜いていれば、いつか世界のどこかで繋がれるかもしれない」という静かで力強い熱量だけが、読後に心地よい余韻として残ります。一度読んだ記憶すらも鮮やかに塗り替え、再び新しい感動を刻んでくれる、まさに生涯心に寄り添い続ける至高の一冊です。
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Posted by ブクログ
ネタバレ10年以上前に読んだはず。かすかに思い出しながらという感じだったが、最後のほうは、ああそう。そうだった、コウちゃん!そうだよなって思い出した。泣いた。コウちゃん最高にかっこいいよね。伏線回収がド級でたまらないです。
・環好きなのに、何も言わずでいるコウちゃんが本当にかっこいいんだよなあ。とはいえ、エピローグはこれからが書かれていてすごく嬉しい。最後の「お久しぶりです」を環は今回は本当にお久しぶりです、だよ。って思ってるのとか深いじゃんね。おしゃれだ。
・コウちゃんが初ストーキングしてるところの(笑)、今の顔はとてもかわいかったから、もう一度やって見せて欲しい。って、純なコウちゃん最高に良すぎる。
・で、環もかっこ良すぎる。天使ちゃん隠しつつ、りりあ許容出来るか?怒るべきはここなのでは?
プリプリと外に対してしっかりと固めてるが実は泣きやすいだったりかわいいね。で、背は低いのか。コウちゃんが高すぎるだけなのかな。
・それ以外のキャラもしっかりと立っていておもろいよねえ。スーはマジで勘弁してよーと思うが、しっかりと立て直してくれてよかったよ。
10年以上前に読んだときは感じなかったが、辻村深月さんの最近の文章に比べると若さを感じた。少しわかりづらい文章もあるというか。伏線回収も少しやりすぎ感もありつつ?しかし、勢いというかこれを書きたいんだ!というのをすごく感じた。帯にも本人が、「20代の辻村深月はこれが書きたかった」という小説、と書いてるね。その通りめちゃくちゃ思いました。もうとにかく本当によい小説。 -
Posted by ブクログ
面白いという言葉が正しいのかはわからないけれど、私にとっては強烈に心に刺さる一冊でした。
自分自身で気がついていながら、事実を自分の都合の良いようにねじ曲げたり、見えないふりをしている事象を、驚くほど華麗に言語化し、内側に持っている膿を気持ちが良いほどに外に出された気分になります。
4つのお話に出てくる出来事は犯罪なのかと問われれば犯罪ではないし、そこまで怖い思いをしなければならないほど酷いことをしたのか?と言われれば違うかもしれない。
しかし、誰しも同じように無自覚、もしくは無自覚のフリをして他者を傷つけていないか?また逆に傷ついた経験から心にシコリを抱えていないか?
よく考えてみる良いきっかけになりました。
また最後の臨床心理士の方による解説が素晴らしい!
なぜこんなにも心に刺さるのか。その答えが見つかった気がします。
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Posted by ブクログ
ネタバレ解説で朝井リョウも書いているが、この本は登場人物全員に形の違う傲慢と善良があり、その登場人物たちのどれかには読者のもつそれと重なる部分が確実にあるため、自己啓発的な文を1行も入れずとも、読者のそう言った部分を指摘・省みさせることに寄与していると思われる。この本が文庫でこれだけ分厚く、前半〜中盤は全く物語動かないのは、それらを誘発するための登場人物の書き込みが凄まじいからだと考える。
物語の結末的にも、明確に終わるという形で、私の好みの締めだった。
るちありがとう
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これは物語本体じゃなくて投げかれられてる(突かれてる)問いが読み終わった後もずっとすごく私の中で考えさる。私が興味ある方向の思考を巡らせられる感じがいい。言語化むずいけど、いっぱい自分に対して気づきと考えるきっかけがあって、本読んでしばらく経った今もこの本についての考え方とかを用いて人に話したりする。
読んでる最中より、読み終わって自分の中で考えるのが楽しいので⭐︎4→⭐︎5に
2026/09/30 -
Posted by ブクログ
新型コロナウィルスで、学校での活動が自粛になったあの頃。茨城の高校と渋谷の中学と五島の高校生たちが、スターキャッチコンテストを行うお話。
コロナ対策は正解がないだけに各校の上の判断で活動の制限内容が違うという文面を読んで、ああそうだったなと思い出した。私は自分の判断は正しかったと思っているが、全ては結果論。あの頃、出来る限り情報を集めて対応の提案をした。だが、自分とは違う考えの人も多かった。流されず客観的に物事を見たいと思っていた。何事もなくて本当によかった。
作中の登場人物たちも、活動が制限される中自分たちでできることを模索する。様々な立場で、それぞれの悩みを抱えながらも、星を見ることで一致団結していく姿がすごくいいなと思った。
下巻が楽しみだ。 -
Posted by ブクログ
今となってはたかが仲間はずれにされたくらいで、なんて考えてしまうかもしれないが、自分も中学生の時に仲間はずれなんてされていたら、世界の終わりだと思っていたと思う。
中学生の時はあまりにも世界が狭くて、中学校の中でのことが全てに感じてしまうが、こころが受けた理不尽なことは、大人になった今でも胸がドキドキしてしまった。
「不登校」なんて言葉で全てをカテゴライズするのも違う話だなと思った。
特に伊田先生のトンチンカン具合には腹が立った。
大人になったとしても、人の心が分からない人は一定多数いるなと思うし、人の心が分からない方が普通に生きていけたりもすると思う。
母親に理解があるのは救いだった。
すごい気になるところで終わったのでこのまま下巻も読み進める。