辻村深月のレビュー一覧

  • かがみの孤城 下

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    ネタバレ

    中学生の頃に一度触れて内容を覚えていたからこそ、再読でさらに際立つ「完璧な伏線回収」の美しさに、ただただ鳥肌が立つような感動を覚えます。
    下巻に入り、一人ひとりが抱えていた背景や痛みが丁寧に紐解かれていく中で、登場人物たちへの愛着はよりいっそう深いものになります。不登校に至るまでの繊細でリアルな心象風景の描写はもちろんのこと、特に印象に残るのはマサムネとスバルの間に生まれた友情の物語です。自尊心を守るための虚勢がきっかけで追い詰められてしまったマサムネに対し、「だったら俺が本当にゲームを作る。そうすれば嘘じゃなくなる」と過去の世界から手を差し伸べるスバルの優しさは、孤独の底に差し込む一筋の光のようで、胸が熱くなるほどの強さとぬくもりを感じさせます。
    無駄な描写が一切存在せず、すべてのカケラが奇跡のように繋がっていく物語の仕掛けには、息をのむような驚きがあります。
    明確な訓戒や説教くささではなく、「とにかく今を生き抜いていれば、いつか世界のどこかで繋がれるかもしれない」という静かで力強い熱量だけが、読後に心地よい余韻として残ります。一度読んだ記憶すらも鮮やかに塗り替え、再び新しい感動を刻んでくれる、まさに生涯心に寄り添い続ける至高の一冊です。

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    2026年08月15日
  • スロウハイツの神様(上)

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    ネタバレ

    最後まで読んで、ああ全部、愛だったんだ、ってわかった
    たまきが、絶望の子ども時代を救ってくれた作家チヨダコーキに対して、愛で接するのに対し、
    チヨダコーキもまた、自分の小説で集団自殺を起こしたことに対しての絶望から救ってくれたたまきに対し、愛で接していた


    全部、愛だったんだーコウちゃんは全部わかってて、何も言わずに、たまきを幸せにしたかった
    自分の絶望的な子ども時代を、自分の力で物書きとして自分と同じ世界に来たたまきを、尊敬していた

    相手への尊敬と、愛

    全ての人物が愛おしくなるような、物語

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    2026年08月15日
  • スロウハイツの神様(下)

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    ネタバレ

    10年以上前に読んだはず。かすかに思い出しながらという感じだったが、最後のほうは、ああそう。そうだった、コウちゃん!そうだよなって思い出した。泣いた。コウちゃん最高にかっこいいよね。伏線回収がド級でたまらないです。
    ・環好きなのに、何も言わずでいるコウちゃんが本当にかっこいいんだよなあ。とはいえ、エピローグはこれからが書かれていてすごく嬉しい。最後の「お久しぶりです」を環は今回は本当にお久しぶりです、だよ。って思ってるのとか深いじゃんね。おしゃれだ。
    ・コウちゃんが初ストーキングしてるところの(笑)、今の顔はとてもかわいかったから、もう一度やって見せて欲しい。って、純なコウちゃん最高に良すぎる。
    ・で、環もかっこ良すぎる。天使ちゃん隠しつつ、りりあ許容出来るか?怒るべきはここなのでは?
    プリプリと外に対してしっかりと固めてるが実は泣きやすいだったりかわいいね。で、背は低いのか。コウちゃんが高すぎるだけなのかな。
    ・それ以外のキャラもしっかりと立っていておもろいよねえ。スーはマジで勘弁してよーと思うが、しっかりと立て直してくれてよかったよ。

    10年以上前に読んだときは感じなかったが、辻村深月さんの最近の文章に比べると若さを感じた。少しわかりづらい文章もあるというか。伏線回収も少しやりすぎ感もありつつ?しかし、勢いというかこれを書きたいんだ!というのをすごく感じた。帯にも本人が、「20代の辻村深月はこれが書きたかった」という小説、と書いてるね。その通りめちゃくちゃ思いました。もうとにかく本当によい小説。

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    2026年08月15日
  • 朝が来る

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    子供にとって2人の母の物語。どちらも苦しい場面はあるけど、ひかりさんは特にきつかった。どうにか助けてあげられないかと思う。まだまだ続編を読みたい気分。辻村さんの作品は余韻が残る。

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    2026年08月14日
  • 噛みあわない会話と、ある過去について

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    面白いという言葉が正しいのかはわからないけれど、私にとっては強烈に心に刺さる一冊でした。

    自分自身で気がついていながら、事実を自分の都合の良いようにねじ曲げたり、見えないふりをしている事象を、驚くほど華麗に言語化し、内側に持っている膿を気持ちが良いほどに外に出された気分になります。

    4つのお話に出てくる出来事は犯罪なのかと問われれば犯罪ではないし、そこまで怖い思いをしなければならないほど酷いことをしたのか?と言われれば違うかもしれない。

    しかし、誰しも同じように無自覚、もしくは無自覚のフリをして他者を傷つけていないか?また逆に傷ついた経験から心にシコリを抱えていないか?

    よく考えてみる良いきっかけになりました。

    また最後の臨床心理士の方による解説が素晴らしい!
    なぜこんなにも心に刺さるのか。その答えが見つかった気がします。

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    2026年08月13日
  • 琥珀の夏

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    辻村作品は傲慢と善良、鍵のない夢を見るに続き3作品目。600ページの大作ということと題名から夏に読みたいなと思い、積読となっていました。

    読み始めるとあっという間に読み切り、もっと早く読んでおけば良かったと少し後悔。

    描写は主に過去の子供時代の話。小中学生ってこういう細かい心理的なやりとりに本当に心削られる。子どもなのに。。。そんな些細な心の揺さぶりをきれいに、自然に、読みやすく表現できるのが辻村さんの凄さだなと感じます。

    結末も綺麗に終わっていると思います。次はファイアドームも読みたい。

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    2026年08月13日
  • 傲慢と善良

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    ネタバレ

    解説で朝井リョウも書いているが、この本は登場人物全員に形の違う傲慢と善良があり、その登場人物たちのどれかには読者のもつそれと重なる部分が確実にあるため、自己啓発的な文を1行も入れずとも、読者のそう言った部分を指摘・省みさせることに寄与していると思われる。この本が文庫でこれだけ分厚く、前半〜中盤は全く物語動かないのは、それらを誘発するための登場人物の書き込みが凄まじいからだと考える。
    物語の結末的にも、明確に終わるという形で、私の好みの締めだった。

    るちありがとう

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    これは物語本体じゃなくて投げかれられてる(突かれてる)問いが読み終わった後もずっとすごく私の中で考えさる。私が興味ある方向の思考を巡らせられる感じがいい。言語化むずいけど、いっぱい自分に対して気づきと考えるきっかけがあって、本読んでしばらく経った今もこの本についての考え方とかを用いて人に話したりする。
    読んでる最中より、読み終わって自分の中で考えるのが楽しいので⭐︎4→⭐︎5に
    2026/09/30

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    2026年09月30日
  • この夏の星を見る(上)

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    新型コロナウィルスで、学校での活動が自粛になったあの頃。茨城の高校と渋谷の中学と五島の高校生たちが、スターキャッチコンテストを行うお話。
    コロナ対策は正解がないだけに各校の上の判断で活動の制限内容が違うという文面を読んで、ああそうだったなと思い出した。私は自分の判断は正しかったと思っているが、全ては結果論。あの頃、出来る限り情報を集めて対応の提案をした。だが、自分とは違う考えの人も多かった。流されず客観的に物事を見たいと思っていた。何事もなくて本当によかった。
    作中の登場人物たちも、活動が制限される中自分たちでできることを模索する。様々な立場で、それぞれの悩みを抱えながらも、星を見ることで一致団結していく姿がすごくいいなと思った。
    下巻が楽しみだ。

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    2026年08月13日
  • 琥珀の夏

    匿名

    購入済み

    久しぶりに読んだ辻村美月さんの書籍。やっぱり好きだと思いました。子供の心の深い所まで綺麗に表現してくれる。何が悪いとか良いとかではないと、自分の心と他人の心を大切にしなきゃと思わせてくれる。
    子供達の環境にはとても良いと思える所も沢山あったけれど、徐々にこれはおかしいと思える出来事が何度もあり、何が正しいのかもわからなくなったりもしたした。子供の事を考えてるようで、それを強要している環境は善ではない気もしました。

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    2026年08月13日
  • スロウハイツの神様(下)

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    めちゃくちゃ良かった

    重大な事件が起こるわけではないけど少しずつされていく伏線回収に心がぽっと温かくなる気がした

    スロウハイツでの生活って本当かけがえのない時間なんだろうなって本の中にいる気持ちになれた

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    2026年08月12日
  • かがみの孤城 下

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    メルヘンチックな設定と思いきや、そうでもない。すごくわかりやすい、そして面白い。最後まで「そこまで伏線回収できるの」の驚きが続く。

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    2026年08月10日
  • 朝が来る

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    本を手に取った時、これは不妊治療→そのあとの養子縁組のことがメインだと思っていたら、その話は序盤だけだった。

    でも、この物語に吸い込まれていき、親子関係を改めて考えさせられる1冊になった。
    すごく映画向きな内容な気がするので、映画化しないかなー。と期待します。

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    2026年08月10日
  • かがみの孤城 上

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    今となってはたかが仲間はずれにされたくらいで、なんて考えてしまうかもしれないが、自分も中学生の時に仲間はずれなんてされていたら、世界の終わりだと思っていたと思う。

    中学生の時はあまりにも世界が狭くて、中学校の中でのことが全てに感じてしまうが、こころが受けた理不尽なことは、大人になった今でも胸がドキドキしてしまった。
    「不登校」なんて言葉で全てをカテゴライズするのも違う話だなと思った。

    特に伊田先生のトンチンカン具合には腹が立った。
    大人になったとしても、人の心が分からない人は一定多数いるなと思うし、人の心が分からない方が普通に生きていけたりもすると思う。
    母親に理解があるのは救いだった。

    すごい気になるところで終わったのでこのまま下巻も読み進める。

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    2026年08月09日
  • 名前探しの放課後(上)

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    何故戻ったのか。
    関わる人のことが明らかになってくる過程が面白くて読むのが止まらなかった。
    いろんな結末を考えながら読む。
    自分が想像する結末は暗くなってしまうので、素敵な結末を迎えて欲しいな。

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    2026年08月08日
  • ぼくのメジャースプーン

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    純粋にめっちゃ面白かった!!伏線回収っぷりも、さすが辻村さんの一言。最初から最後までずーーーっと楽しんで読めました!結構分厚いけど一瞬で読み終わっちゃいます。
    辻村深月さんのこと少しでも気になっているなら絶対読んで欲しいです!!!!

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    2026年08月08日
  • 鍵のない夢を見る

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    ・仁志野町(にしのちょう)の泥棒
    ・石蕗(つわぶき)南地区の放火
    ・美弥谷(みやたに)団地の逃亡者
    ・芹葉(せりば)大学の夢と殺人
    ・君本家の誘拐

    どれも展開が予測できなくてドキドキハラハラしながら読んだ。面白かった〜
    辻村さんってやっぱりサイコー✨️

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    2026年08月09日
  • あなたの言葉を

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    辻村さんのエッセイは、初めて読んだけどとても読みやすくて、スラスラ読み進めることができた。
    子どもの時に感じていたことを再確認することができ
    あの時感じていたことは、こういうことだったんだ、
    と思った。
    他の小説とかもよんでみたいと思った。

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    2026年08月08日
  • 噓つきジェンガ

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    偽りの中より生まれる真実がある。
    どん底に思える出来事にも救いがある。
    事実を暴くだけでは成り立たない、人は物語の中を生きていく。

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    2026年08月06日
  • はじめての

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    ネタバレ

    はじめて…したときに読む物語
    島本理生
    辻村深月
    宮部みゆき
    森絵都
    4人のアンソロジー
    どれも面白かった~

    私だけの所有者
    アンドロイドが恋した人は…

    ユーレイ
    家出した《のどか》を助けてくれたのは…

    色違いのトランプ
    国も人も全て同じなのに、全く違う次元にある世界。

    ヒカリノタネ
    小さい頃から何度も告白して、振られ続けた由舞(ゆま)
    タイムトラベルをして過去を塗り替えてきて、最後の結末は...

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    2026年08月05日
  • ぼくのメジャースプーン

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    大切な人のためなのか、それとも自分のためなのか。
    少年が必死に考えて出した答えに、その後の感情に泣きそうになった。

    秋山先生との会話で思考を深めていく過程が読み心地よかった。ひとつのことを多角的に考えていく姿勢は見習おうと思う。

    あと、少年が女の子のために頑張る姿がペンギンハイウェイと少しだけ重なった。

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    2026年08月04日