辻村深月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
家にあったのでちょっと読んでみたら、身につまされる話ばかりだった。
巻末に筆者と林真理子さんの対談が載っていたが、「石蕗南地区の放火」の主人公の女を「なんかいやぁな感じがする女性」と言っていたのが違和感だった。最後の展開も、あそこまで男が距離感無しで近づいてきていた事実があれば、そう考えてしまってもおかしくないかも。それより、どうしてこんな男しか寄ってこないのだろうという切実な悲しみに共感した。嫌な女ではなく、一歩踏み出せなかった為にいろいろと悪循環に陥る、人生を振り返った時、どこで間違えたかと考える誰にでも形を変えてあることのように思えた。
あと「君本家の誘拐」は、主人公の女が、周りに配 -
Posted by ブクログ
上下巻で800ページを超える長編作品。
辻村深月作品はページ数が多くて、上下巻に跨るものが多いですが、どの作品も非常に読みやすく、今回も例外なくスラスラと読めました。
この作品はミステリでもあり、SFでもあり、青春ものでもある。
こんなにてんこ盛りなのに、それを感じさせない物語。
さすがです…。
失敗を恐れず、さらには失敗することが分かっていても挑戦する、その勇気は相当なものだと思います。
自分は実際、そんなことができないと思う…。
そんな、一歩を踏み出す勇気をこの作品の登場人物からもらったような気がしました。
一言でいうと、「優しい物語」でした。
ネタバレギリギリですが、この作品を読む -
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ネタバレめちゃめちゃ良かった、泣いた!!
1つの家に暮らす登場人物の背景や個性が丁寧に描かれていて、それぞれに愛着が湧く。
そして伏線回収のされ方や、見えない部分での物語の交差が美しい…!!
公輝のあの事件後、2年も廃人になっていた彼に光を与えたのが、環だった。彼女の純粋で切実な想いとそれによる行動。そしてそれを知って、自分が出来る精一杯を陰ながら行動に起こして環の生活に光を与えていたのが、公輝だった。
会ったこともない人気作家に、そして自分の存在を伝えることができない一人の少女への純粋な愛情が、ここまで双方に活力を与えてくれるのかというのにも心打たれた。
そして、思いもよらない再会による「 -
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ネタバレ世界一好きな作家、辻村深月さん。
多数のヒット作を生み出し続けている作家さんですが、この「水底フェスタ」はあまり目立っていなかったので、気になって読んでみました。
•高校生の広海視点で物語が進んでいきますが、広海からみた由貴美のもつ、美貌と大人の女性の魅力がとにかく凄くて、正体が分からない女の虜になってしまいます。
しかし、閉鎖された村のネットワークにより、次第に広海と由貴美の関係性が住民たちにバレていきます。
•由貴美とは離れろと言う住民から聞く話と、実際に会って由貴美から聞く話の中で、広海は
「誰を信じればいいのか?」
「生まれ育った村を守るため復讐を阻止するべきなのか?」
「それとも悪 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ時の流れをテーマにした短編で面白かった。女性二人はタイムカプセルの話だったが、作風のように優しい読後感が残っている。万城目学さん、米澤さんは才能かなぁ着想が面白かった。
※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。
読書は甘辛で行く。ソフトとハード。刺激と慰撫、頭とハート。その他いろいろで、ほろりとしたり、背筋が凍ったり、一日の出来事だったり何世代にもわたる大河が流れていたりする。でも日常の読書の味付けは甘辛が気分転換にいい。
この短編集は、甘辛がミックスされそれもいい塩梅な配合で出来がよく、読後のレビューも書きやすくて、ありがとうと一礼をした。時の -
Posted by ブクログ
読んでみての第一声は、複雑!の一言。
登場人物を通して、人の感情の複雑さが描写されています。
とりわけこの作品では「愛」という感情をテーマとしたものだと思います。
人を「愛」するがゆえに自分が必要とされた存在でありたいと芽生える恐怖心、それは捻じ曲がった脆い精神とも言えます。
「愛したい」と「拒絶されたくない」の思いが葛藤し、「孤独」を生み出すのかなと。
「信じること」が大事なんだなぁとしみじみ思いました。
そういう意味では、過去の環境の影響で「信じること」ができなくなった浅葱のしたことを完全に憎めない…。
あのとき、浅葱が月子を「信じる」ことができればなぁ…。
エピローグは胸アツです!