辻村深月のレビュー一覧

  • 時の罠

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    ネタバレ

    時の流れをテーマにした短編で面白かった。女性二人はタイムカプセルの話だったが、作風のように優しい読後感が残っている。万城目学さん、米澤さんは才能かなぁ着想が面白かった。
    ※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。

    読書は甘辛で行く。ソフトとハード。刺激と慰撫、頭とハート。その他いろいろで、ほろりとしたり、背筋が凍ったり、一日の出来事だったり何世代にもわたる大河が流れていたりする。でも日常の読書の味付けは甘辛が気分転換にいい。

    この短編集は、甘辛がミックスされそれもいい塩梅な配合で出来がよく、読後のレビューも書きやすくて、ありがとうと一礼をした。時の流れをテーマにした短編でとても面白かった。
    女性二人はタイムカプセルの話だったが、優しい読後感だった。


     タイムカプセルの八年 辻村深月
    教育熱心な担任の勧めで6年生は卒業前にタイムカプセルに記念品を入れて埋めることにした。だがそのカプセルは倉庫の隅に放りっぱなしになっていた。
    同級生の父親で作った「親父会」はその噂を聞いて、探し出すことにする。教育熱心で子供たちに慕われていた先生の実像に今は多少不安があったが、何かと行事に顔を合わす父親たちは、探してまた埋めておくことにした。父親会の付き合いと、子供たちの成長振り、環境が変わってもお父さん同志何かしら暖かい繋がりがある話だった。


     トシ&シュン 万城目学 
    「縁結び」の神様が配置換えになった。今度は「学問」と「芸能」も面倒を見る神社になった。
    付き合っているらしい二人はどちらもトシと言う名前だったが紛らわしいので男性のほうはシュンと呼ばれていた。
    小説家になりたいという男と女優を目指す女、夫々の目標が成就するように神様はヒントを与えたが。
    ユーモアたっぷりに話は二転三転、読んでいて思わず心が軽くなる。これは面白かった。


     下津山縁起  米澤穂信   
    A.D.873  遠江国に火山の噴火で、上津山に並んで下津山が出来た。下津山の横に沼が出来た。
    A.D.1180 時が過ぎ麓で武士たちが戦った。
    A.D.1783 旗沼の埋め立ての話が持ち上がったが中止された。
    A.D.1885 二つの山を測量した結果、高さは3Mの差だと判明。
    A.D.1966 旗沼で泳がないようにプールが出来た。
    A.D.1989 圧電流・地電流について百科事典より引用。
    A.D.2018 旗沼埋め立て工事を中止。
    A.D.2191 人の脳波を知性とするなら、電気で動く機械に知性はないのかという命題から、交信してみたい思う森島博士。
    A.D.2205 森島研究室のコンピュータに不明確な受信記録。
    A.D.2256 ついに下津山の半分が削られる。
    A.D.2299 研究所に解読不明な受信記録があった。
    A.D.2753 研究所のコンピュータが更に受信、山からの発信はまだ人間を認知していなかった。
    A.D.2574 すでにネットワークが見つからなくなっているということは人間の滅亡を意味したが。亡き森島博士の予言どおり「山との交信」成功
    A.D.2873 山々の裁判で上津山は下津山を殺害で有罪判決。上津山は有機知性体(以後人間と表記)を誘導して下津山を殺害させた。上津山の標高についての嫉妬心が動機、としたが控訴する予定。

    長い歴史を辿って、人と山の歴史を創造した。まさに作家の着想は素晴らしい。


     長井優介へ  湊かなえ
    高校卒業の日タイムカプセルがあけられた、中学三年生の時の事件が改めて姿を現す。何か腑に落ちないままに解決したかに見える強姦未遂事件。無罪にはなったが素行の悪い三人組が疑われた、しかし彼らには証拠がなかった。
    今明かされる、それを知っていた人物。

    面白かった。辻村さん、湊さんもほのぼのして纏まっているが、万城目学さん、米澤さんのユニークな作品は特に印象的、読んでよかった。

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    2026年02月28日
  • 子どもたちは夜と遊ぶ(下)

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    読んでみての第一声は、複雑!の一言。
    登場人物を通して、人の感情の複雑さが描写されています。
    とりわけこの作品では「愛」という感情をテーマとしたものだと思います。

    人を「愛」するがゆえに自分が必要とされた存在でありたいと芽生える恐怖心、それは捻じ曲がった脆い精神とも言えます。
    「愛したい」と「拒絶されたくない」の思いが葛藤し、「孤独」を生み出すのかなと。
    「信じること」が大事なんだなぁとしみじみ思いました。

    そういう意味では、過去の環境の影響で「信じること」ができなくなった浅葱のしたことを完全に憎めない…。
    あのとき、浅葱が月子を「信じる」ことができればなぁ…。
    エピローグは胸アツです!

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    2026年02月25日
  • ツナグ 想い人の心得(新潮文庫)

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    前作も良かったが、特に心に響いた作品。
    現実にはツナグはいないが、いつ人がいなくなるかわからない分、今生きている人たちを大事にしたいと思う。

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    2026年02月25日
  • 東京會舘とわたし 上 旧館

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    結婚式の式場選びで東京會舘を訪れ、その建築やホスピタリティの素晴らしさ、食事に感激し、今でも時々パティスリーを利用しています。
    結局式場は様々な理由からパレスホテルにしましたが、東京會舘は、私にとって東京でとても愛着のある場所の一つになりました。

    そんな東京會舘が舞台の本作。1923年から1964年の関東大震災〜第二次世界大戦〜東京オリンピックに沸く激動の日本を背景に、東京會舘に魅せられた働き手、顧客の群像劇が紡がれていきます。

    フィクションといいつつも、遠藤波津子さん(結婚式のドレスもメイクもハツコエンドウにお願いしたので登場した時は感動しました!)や今井清さん、勝目清鷹さんなど実在の人物も登場し、今の東京會舘を作り上げた先人たちの想いがダイレクトに伝わる点も素敵でした。

    読み終わった後、私たちも先人たちと同じくらい東京會舘が好きになれる、そんな素晴らしい小説です。

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    2026年02月22日
  • 子どもたちは夜と遊ぶ(下)

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    ネタバレ

    とても重く、苦しく辛い。
    あの頃の出来事が、少しのズレが、全てを崩壊させてしまう。

    最後まで驚きの連続。
    色んな要素がありすぎて追いつかない。

    たとえ許されざることをしていようとも、みんな愛すべきキャラクターばかりなのです。

    最後よかったなぁ。
    恭司ほんといいやつだなぁ。

    私は浅葱好きだよ。

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    2026年02月21日
  • 太陽の坐る場所

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    辻村さんは人の感情を描くのがとてもうまいと感じる。この本は辻村さんの作品の中でも結構初期の頃の本だったけどまだ読んた事がなかったから読んでみた。改めて辻村さんを尊敬する。人間の嫌なところとかを微妙に書き出していて共感できます。トリックにも騙されたぁ!

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    2026年02月21日
  • V.T.R.

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    スロウハイツの神様が好きすぎて続け様に読みました。
スロウハイツから、全ての登場人物に人間味があってこちらもすごく面白かったです

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    2026年02月21日
  • ハケンアニメ!

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    まさに、こういう作品が読みたかった!
    だいぶ昔に買い、本の分厚さに若干の抵抗を覚えずっと積んでいたが、ついに読めた。もっと早く読めば良かった。
    プロデューサー、監督、アニメーター、他多数の人が一つの作品に魂を込め、命を吹き込んでくれていることを改めて実感させられた。
    作品の中で、ある人をマイナスの意味でこういう人だ、と決めつけていたが、その人の良さに後で気がつく描写が複数あった。その人をよく知らないのに決めつけるのはもったいないな、自分も気をつけないとなと思った。
    登場人物の1人が働きアリであることに誇りを持っているところがとても好きで、羨ましく思った。アニメ業界とは全く違う業界で働く人でも、一つのプロジェクトを遂行する中では誰もが働きアリのような存在だと思う。自身とも重なる部分があった。
    登場人物全員がそれぞれ個性的で親しみやすく、つい応援してしまった。

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    2026年02月20日
  • 名前探しの放課後(下)

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    冷校、凍りのくじら、夜遊ぶ、メジャースプーンからの本作品を読み終えた私の心は、見事に桜が満開♡

    他作品の登場人物との再会は感無量!
    もちろん、本作品から辻村作品はじめましての方でも、十分楽しめる本作品

    いつかがあすなや他の同級生とともに始業式明けに自殺してしまう同級生を探し出し、その自殺を食い止めようと懸命になる物語

    3ヶ月後に同級生が自殺するから協力してほしいと友達から言われたら、当時高校生だった自分自身はどう思うだろう…信じられない上にその友達を変な目で見てしまうかもしれない

    でも、それを言われた友人の秀人は疑うことなくすぐに信じてしまう点はとても印象に残っている
    なぜすぐに信じたのかずっと引っかかっていたが、
    そういうことだったのか…こうくるのね
    「単なる友情で友達の言葉を信じた」としない辻村さんは流石の一言!

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    2026年02月19日
  • ツナグ 想い人の心得(新潮文庫)

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    前作と共に大好きな本となりました。自分自身にも、大切だと思う人にも、誰にでも、いつ何が起こるかは分からないことだと改めて思い直します。限りがある時間のなかで、忙しくとも、会いたいと想う人には会う時間を作りたいです。

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    2026年02月18日
  • 名前探しの放課後(下)

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    終盤にかけての怒涛の展開は驚きよりも感動が勝って思わず涙ぐんでしまった。歪みを繰り返して正方形になる、きっとそこから何十年と繰り返して角が取れて丸くなっていくのだと思う。

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    2026年02月18日
  • 家族シアター

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    辻村美月による家族をテーマにした短編集。

    天才作家×家族 は外さないとは思っていましたが、やはりというか何というか、予想以上に良かったです。

    家族というものに対して、万人が、家族って良いもんだよなって思っているなんてことはないと思っています。いろんな事情があると思いますし。
    それでも、これを読んだ後は、久しぶりに両親に電話してみよっかなという気にさせる力がある本だと思います。

    どの短編も甲乙付け難いのですが、「タマシイム・マシンの永遠」がコンパクトながら、グッとくる内容でした。

    愛が不足してるなーって時に読んでみてください。最高のサプリメントですよ笑

    ◾︎「妹」という祝福
    p36「どうして、広瀬先輩とケンカしたの。何で、わたしをかばったの」
    「わかんない」姉が薄く微笑んでいた。恩に着せる様子もなく、いたって静かに。それを見た途端、すとん、と急に理解した。私はどうしようもなく妹なのだと。
    →なんだろう、この優しくて切な泣ける文章は。兄弟の行いに理屈なんてないというかのような。すごくいい。
    p46由紀枝のかっこいい妹でいることは、私の役目であり、姉への祝福。悪くない、と胸を張る。

    ◾︎1992年の秋空
    名言と名シーン多めで最高の短編。読んでほっこりするし、兄弟姉妹っていいなぁって素直に思う。
    はるかが自分と重なるところがあるからかな。姉はるかは、何となく周りの目を気にした行動をしたりするのに対して、周りの目を気にしない自分の考えや好きなものがしっかりとある妹。
    自分の弟との関係と似てる気がしてて他人事に思えませんでした笑
    p276「集合の合図がかかって、先生のもとに走り出すとき、うみかが私の腕をすっと掴んだ。柔らかい手の感触と体温を感じた途端、無性に、この子は私の妹だ、と思った。考え方が似てなくても、姉より頭がいいかもしれなくても、無条件で私の腕を頼っていいのは、この地球上で、この子だけだ。」
    →この文章家族への愛が溢れてて素敵過ぎませんか?
    あと、貝殻の音は海の音ではなくて、お姉ちゃん自身が奏でてる音だよ。のくだり。
    好きだなぁ。
    みんながみんな本編のような兄弟姉妹ばかりではないと思うけど、兄弟姉妹って心のどこかでお互いのことを思い合ってる無二の関係なのかもと考えてしまいます。

    ◾︎孫と誕生会
    無条件で、好き、味方でいてくれるのって素敵な家族の在り方のひとつだよなって感じられる作品。
    こんなおじいちゃんに憧れます。

    ◾︎タマシイム・マシンの永遠
    p365俺は大事にされ、愛され、いろんな人に成長を見たいと、それが叶わないなら覚えていてほしいと、祈られ、祝福されながら、この家の中心にいた。
    →p363のおばあちゃんがひ孫である伸太(赤ちゃん)に「覚えててね」って言ったところから綴られる本文は、本書随一の泣きポイントと思います。愛されていることを自覚できることは、愛することと同じくらい幸せなことと思います。

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    2026年02月05日
  • サクラ咲く

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    中学生の時にこんな本に出会いたかった。
    大人になった今読んでも、当時の自分の背中を押してもらった感覚になった。

    「サクラ咲く」のお話が1番好き。
    気弱な主人公が少しずつ成長していくのを応援しながら読んだ。
    こどもにもおすすめしたい。

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    2026年02月03日
  • 青空と逃げる

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    辻村深月さんの作品5冊目。『傲慢と善良』でどハマりし、関連作品を読んできて、なぜ早苗と力が仙台にいるのか、自分たちの話をしたがらなかったのかが繋がった。作品間だけでなく、ひとつの物語の中でもまるでミステリーのように伏線を回収していくのが辻村さんの作品のすごさであり楽しみだと思う。『青空と逃げる』は私にも息子が居ることもあり、母と妻と両方の目線で感情移入し、涙を流しながら読み終えた。タイトルも秀逸。

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    2026年02月02日
  • ロードムービー

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    もう少し続きがあったら良いのにと思っていた、「冷たい校舎〜」の登場人物が出てくるお話。最初のお話は、現在と過去が交互に展開され、どちらも先が気になるから読む手を止められなかった。終盤で発覚する驚きの事実によって、さらに面白さが増す。そのほかのお話も、面白くてするすると読めてしまう。作者の、登場人物たちへの愛情が伝わる心温まるお話ばかり。最後の「エピローグ、またはプロローグ」という言い回しがまたゾクゾクとさせてくれて、思わず「冷たい校舎〜」のはじまりを読み返して、ニンマリしてしまった。この先もずっとずっと読んでいたいと思える一冊。

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    2026年01月29日
  • かがみの孤城 1

    無料版購入済み

    有名な作品でずっと読んでみたいと思っていました。期待を裏切られずにとても考えさせられる作品でした。学生にぜひ読んで欲しい。

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    2026年01月27日
  • この夏の星を見る 上

    購入済み

    青々とした強さを感じたいなら

    星のように各学生たちは体格・興味関心・経験値等それぞれ違う1人1人であって、一緒くたにされるべきものではなく、個々人が自分の意思・気持ちのもとに物事を進めていきながら成長するのだということを訴えていると感じた作品。誰かから与えられた漠然とした命題に対して取り組むのではなく、知りたい・やってみたいという純粋な欲望のもとに突き進むことの強さを受け、思わずこんな学生生活送っていたかなと自分自身の学生生活を振り返っていました。毎日同じような日々を過ごしているなあとぼんやり感じている方に、「何か新しいことやってみようかな」と思わせてしまうような、学生たちからの刺激を感じてもらえると嬉しいです。

    #アツい #共感する #感動する

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    2026年01月28日
  • 青空と逃げる

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    ネタバレ

    『傲慢と善良』で辻村さんの作品を読み漁りたいと思い、あとがきに倣って『島とぼくらと』、そしてこの『青空と逃げる』を手に取りました。

    物語に対する感想ではありませんが、ひとつ驚いたことがありました。

    「谷川ヨシノ」という名前を目にした時、案の定鳥肌が立ちましたが、驚いたのはその後です。「写真を撮るだけでなく、震災で汚れた写真の復元もしている」という樫崎写真館の話を聞いた時に、森の中の古びれたお寺のような景色が頭をよぎりました。

    すぐにはなんの景色か思い出せず、だんだん読み進めるうちに、視点が女の子だったこと、なにか重大なものを見つけたこと、それが『傲慢と善良』の話だったことなどを思い出しました。(※後で確認したらお寺ではなく神社でした。)

    つまり、「文字」ではなく「景色」で覚えていたんです。小説は、文字でしか構成されていないのに。

    確かに、読みながら景色を想像していることはしっかりと認識してきました。しかしまさか、思い出す時に文字そのものではなく、景色が真っ先に出てくるとは思っても見ませんでした。

    非常に貴重な体験をできて、とても嬉しいです。

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    2026年01月23日
  • 名前探しの放課後(下)

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    上下巻で長いと感じても、是非是非読み切ってほしい。何か釈然としないと、上巻で感じたのなら諦めずに下巻最後まで読み切ってほしい。その感触はきっと良い意味で当たってるから。


    “ミステリー”とか“自殺者”とか“タイムスリップ”なんて大きな単語が飛び交う作品できちんと少年少女たちの成長まで描き切っているところがすごい。

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    2026年01月21日
  • 図書室で暮らしたい

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    辻村深月先生の小説はずっと好きで読んでいたけど、初めてエッセイを読んでみた。

    ミステリー作家という肩書きから勝手にイメージしていた人物像とはかけ離れていて、ご結婚されていてお子さんもいらっしゃる家庭的な方だった。

    文も読みやすく1日で読み切ってしまった。小学生の頃からずっと本が好きでずっと作家を目指していたというのもかっこいい。全部読み終わったあと、単行本の装丁を見て全部辻村深月に関連するものだとわかって気分が上がった。

    これからもずっと世の中に辻村先生の本を生み出してほしいです、応援してます。

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    【心に残ったフレーズ】

    保育園で知り合ったお母さんの一人に、お迎えに向かう時のことを「毎日、デートの待ち合わせをしてるよう」と喩えた人がいた。迎えに行った子どもと目が合った瞬間、ぱっと顔を輝かせてこっちに来るのを見ると、仕事の疲れが一気に吹き飛ぶのだそうだ。

    「アンパンマンはみんなの太陽。アンパンマンは輝くヒーロー・・・・・・」みなさんだったら、この後に、何と続くと思われるだろうか。私はてっきり、「気にくわない」とか「いまいましい」とか、そんなところだろうと思った。しかし、我らがバイキンマンは毅然とこう言い放った。
    「そんなやつに、この俺様が負けてたまるか!」

    室生犀星の詩の、「ふるさとは遠きにありて思ふもの」という一節を思い出す。母校もまた、自分と遠くなって初めて愛おしく思い出せる存在なのかもしれない。

    謝る、というのも、それはそれで「謝ったから許してください」という気持ちを押しつけるような気がして、躊躇いながら、それでもいたたまれなくて、謝った。

    自分のために人が集まってくれる機会は、一生のうちで、生まれた時と、結婚式と、お葬式。そのうち自分の記憶に残せるのは結婚式だけだから

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    2026年01月21日