辻村深月のレビュー一覧
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裏表紙に書いてある通り、珠玉の6作だと思いました。
アンソロジーは初めて読みましたが、1冊で様々な話を読めて非常に楽しかったです。
どの話も面白かったんですが、特に有栖川有栖さん作の話と辻村深月さん作の話が印象に残りました。
有栖川有栖さん作の話は主人公たち推理研がパズル研の人たちから出題された論理パズルをお互いに知恵を出しながらパズルを解いていく、というものでした。
探偵役はずば抜けた推理力であっさりとパズルを解いてしまいます。
この探偵役の鮮やかな推理も痛快で面白いのですが、探偵役でないその他の推理研メンバーがお互いに知恵を出し合ってパズルを解こうとしている様子を見るのが非常に楽しかった -
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東京會舘
辻村さんのエッセイで彼女にとって特別な場所であるとは知っていたが、それ以外の知識はなく読み始めた
東京會舘の創業開始から3代目の新館が出来上がるまでの建物を主役とした大河ドラマ
建て替えをしつつも、同じ位置に立ち続けた建物目線でこの国の変遷を追うことができて、とても楽しい読書だった
時代の流れに関わらず本作で東京會舘に関わる人は皆「あたたかい」人ばかりだ
一度も足を踏み入れたことがないのに読んだあとには東京會舘のファンになっている
いつか表紙にもイラストが入っているシャンデリアを眺めたり、「舌平目の洋酒蒸ボンファム」や「コンソメスープ」、「會舘風ジンフィズ」「パピヨン」などを味わ -
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四人の作家によるアンソロジー。「時」を題材にした作品集。
タイムカプセルの八年 辻村深月
主人公は大学教授だが、自身の研究に没頭し、父親らしい姿は今まで見せられた事がない。
どことなく自分に投影できてしまう人物で、息子のクリスマスプレゼントを買い忘れた際のいい訳もある意味で納得してしまった(笑)。父親というだけで煩わしい人間関係やコミュニケーションに巻き込まれていく事への疑問は自分勝手に感じるが通じる部分もあり彼の人間臭さを感じたが、合わせて「タイムカプセル」の事実を知り、行動してしまう矛盾、もう一度父親の会メンバーが集合し、意気投合する様子に温かみと少し滑稽な感じがした。
彼自身が見る彼 -
Posted by ブクログ
「ハケンアニメ」(前作)の続編かと思って読み始めましたが、最後の一編を除いて、基本的にはスピンオフでした。
登場人物たちの過去の1日を描写したり、成長過程を振り返ってみたり。前作のストーリーに幅が出てきたような気がしました。前作のレビューを書き終わってすぐに読み始めたので、登場人物たちの背景が頭の中に残っており、とても楽しむ事ができました。この三連休何も予定がなかったので良かった。下記の六篇で構成されています。
「九年前のクリスマス」
「声と音の冒険」
「夜の底の太陽」
「執事とかぐや姫」
「ハケンじゃないアニメ」
「次の現場へ」
一つ一つのストーリーがアニメを作る人、観る人に関係してい