辻村深月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
リニューアルした三省堂書店の神保町本店で面陳されているのを見て購入。
辻村深月さんはヒトの心の暗い部分を日の目に晒すのがとても巧み。
解説の東畑さんの「噛み合わなかった過去は凍結され、私たちはその後の人生、幽霊を抱えて生きざるをえなくなる。」「過去の薄暗いところから、幽霊が這い出てきて、噛みつく。」「幽霊たちの攻撃は苛烈だ。」という本書の読み方は、さすが臨床心理士だと思った。
幽霊は突然顕れ、その場に立ち会ったものに強烈な傷痕を残して、ふっと消える。
ヒトとヒトの関係がある限り、幽霊の誕生を阻止することはできない。
その苛烈な攻撃に耐えるためには、踏み止まり幽霊にこちらから噛みつく。愛憎 -
Posted by ブクログ
ネタバレ傲慢と善良は矛盾せず両立する、ということを結婚を軸に据えたストーリー。
最初に男性側の視点で話が進んでしまうから、女性側の視点が語られた時に若干偏見が入ってしまう。逆順だとこれが反転すると思う。
ダイナミックなイベントは特に起きず、ただひたすらに心理描写の濃度が濃い。
あと気持ちの良いキャラが少なく、皆腹に一物抱えすぎ。
登場人物の割合がほぼ女性だったため、男性側の傲慢さももう少し見たかったところ。
ここまで忠実なマリッジブルーを描いた作品はあまりないのでは。
マリッジブルーというか自立というか。
少子化が促進するようなラストじゃなくてよかった。 -
Posted by ブクログ
過去の出来事や人とのつながりに悩む若者たちが、それぞれの葛藤を乗り越えながら、自分の進むべき道や希望を見つけていく姿を描いた連作短編集。
本作は短編集だが、登場人物の考えの深さに感動しました。
天才がゆえに、周囲の考えが浅く見え、本音で付き合うことができない孤独な人。
他人との関わりを断ち切って海外へ渡航する人。
世間に認知されていない芸能事務所でくすぶっていても、自分は他の子とは違うと言う人。
みんな、自分は他人とは違うと思い、悩み、繋がりを拒んでいます。
しかし、はたして本当に他人と違うと言えるのでしょうか。
思春期のころは、やっぱり自分は特別で他人とは違うと考えてしまうものです。
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Posted by ブクログ
ネタバレ中高生が主人公だったので共感しづらいかなと読まずにいたが、同僚に勧められて。
コロナ禍当時、教育関係者だったので、子どもたちのいろんな活動が制限され、その一方で一部の大人たちが自由に振る舞っていることに憤りを感じていたことを思い出した。ルールが場所によって異なるというのも。また、身内をコロナで亡くしていることもあり、今でこそコロナと共存しているが、本当に怖い病気であったことにも改めて思いを馳せながら読んだ。
上巻は各地の学校の登場人物たちそれぞれの視点で心情が描かれ、ちょっと分かりにくいところもあったが、これぞ群像劇という感じ。下巻はスターキャッチコンテストが山場なのかと思いきや、本番はほとん