辻村深月のレビュー一覧
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ネタバレドラえもん大好きなので、作中の真剣な秘密道具議論はとても大変楽しかったです。
作者もドラえもんで育ったんだなとヒシヒシと伝わってきます。
章ごとに入るイラストと秘密道具の解説も味があってとても良い。
結末が思いの外SF(少し・不思議)に着地して少し意外でもありました。
薄々感じていたこれはどう読むんだ? で答え合わせが出来た気持ちです。
序盤のSF当て嵌めはしつこすぎて食傷でした。
語る必要もないと言えばそうなのですが、若尾とその関係性の決着は描かれないんだなーとか。
映画館で見ても何度見ても途中で飽きてしまっていた、辻村さん脚本の『ドラえもんのび太月面探査記』改めて見てみようかなとか思いま -
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豪華な4人のアンソロジー
色んな「はじめて」を詰め合わせた素敵な作品集でした。
島本理生 私だけの所有者
はじめて人を好きになった時に読む物語。
誰かへの初恋のお話かと思いきや、アンドロイドとそれを所有する人間のお話。
辻村深月 ユーレイ
はじめて家出した時に読む物語。
学校でいじめを受けた女の子が死ぬことを意識して家出するお話。
宮部みゆき 色違いのトランプ
はじめて容疑者になった時に読む物語。
鏡のように自分と全く同じ顔の人間がいる世界があり、そのもう一つの世界で自分の娘が捕まってしまったら…?という話。
森絵都 ヒカリノタネ
はじめて告白した時に読む物語。
三度も告白して玉砕して -
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学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。
輝く鏡をぐぐり抜けた先にあったのは、城のような建物。
そこにはオオカミの面をつけた少女が待ち受け、こころを含め、似た境遇の7人が集められていた。
城に隠された鍵を探すことで願いが叶えられるという。
すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
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ずっと読みたかった本。
でもファンダジーは好きじゃない。
読まず嫌いはよくない。
読んでよかった。おもしろかった。
狭 -
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【 亡くなった人に会いたいですか? 】
亡くなった人に会うなんてタブーな行い。でも使者(ツナグ)を介して会いたくなる気持ちもわかる。
私だったら、亡くなった人で会いたい人は誰かな?
もし今私が亡くなったら、誰に会いに来てほしいかな?
これを読んだら、きっと考えてしまうと思います。
そうすると自然と「後悔のないように伝えたい」「大切な人との時間を大切に生きよう」と思わせてくれる、とても素敵な小説でした。
読んだ後の何とも言えない気持ち、皆さんにも味わっていただきたいです。
亡くなったはずの人に会いたい理由。
未練なのか、後悔なのか、問題解決なのか。
また、会った後の気持ちも人それぞれ違う。
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本作を読んで人間は矛盾した存在であると再認識した。
パートナーに求める年収、容姿、性格その全ては理想であり、自分に見合うかどうかの基準でもある。結局は自分の価値相応の人を求めている。そんな「傲慢」さを人々は持っている。
それに対して、周りを取り巻く環境に身を任せ、全て人の言いなりになり自分の色を持たない「善良」な人間も存在する。
しかし、善良な人間でも人一倍傲慢さを発揮する場合もある。我々は、一見対極に存在する事象が隣り合わせに存在する奇妙な生物であると感じた。
婚活が遠い存在ではないのだなぁと時の流れを感じつつ、自身が持つ傲慢と善良というモンスターを上手く扱っていきたいと感じた。 -
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ネタバレ辻村深月作品にハマった1作目の最高な作品です。
私は20代後半、これを読んでぶっ刺さりました。
これは男女で読み方と受け取り方が全く変わってくるような作品だと思います。
ぜひ、恋人&家族が居る居ないに限らず、20代後半~40代前半の人に読んでほしい指南書な一冊です。
いわゆる現代の恋愛の主流であるマッチングアプリ(婚活アプリ)を通じて出会った架と真実。
タイトルの「傲慢と善良」という相反する感情が婚活や恋人探しを行う男女にとって、相反しながら両立している感情だということがうまく描写されていると感じた。
真実の失踪直後に架視点と真実視点でその日に何があったかがわかっていく王道なスタイル。
30代 -
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深月さんの小説は近作の方が多く読んでいたため、ブクログ上でも登録数・高評価の本作品を読んでみました。これまで読んだ深月さんの中でも、群を抜いて読みやすい、早く読めるという印象でした。人物の会話(発言と発言)の間に細やかに心理描写や状況描写をされるのが深月さんの作品の特徴だと思っていたのですが、本作は人物の比較的短めな会話が続く場面が多く、スロウハイツというひとつ屋根の下に暮らす7人全員に主人公級の役割を充てた結果なのかなと感じました。
上巻を読んだ限りでは、オーナーの赤羽環でも、有名なチヨダコーキでもなく、狩野や長野といった漫画家等の卵的存在(ハイツ内の立場が上ではなく脇役的存在)の人物か