辻村深月のレビュー一覧
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ネタバレ「スロウハイツの神様」や「かがみの孤城」、「冷たい校舎の時は止まる」がすごく好きなのですが、この作品は今まで読んできた作品とは違いかなりグロテスクな描写があり驚きました。
個人的には主要登場人物の誰かがiなのでは、と思ってどきどきしながら読み進めていたので、突然出てきた上原愛子の関与や、翼くんの「iは浅葱とは似ても似つかなかった」という証言が早々に嘘だったと判明し結局二重人格だったという顛末には少し物足りなさを感じました。
ただ、物語全体を通して重い過去を背負った浅葱のキャラクターと徐々に崩壊していく心情の描写には惹き込まれました。特に、浅葱が月子を殺しかけ絶望する場面は、教室の中で立ち尽くす -
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ネタバレ不妊治療を経て特別養子縁組を貰った沙都子と、中学生のころに妊娠してしまいそこから人生の歯車がくるってしまうひかりの物語。
文庫の後ろの解説にもあった通り、同じ分量にも関わらず、確かに読み終えるとひかりのストーリーが強く印象に残った。
中学生で妊娠をしてしまう状況、そしてその後徐々に家族や親戚から離れていってしまう状況。
その時のひかりの心境をここまで具体化して書くことができる辻村さんはただただ凄いなと思った。
親が厳しくしすぎてしまってもダメ、子育ては非常に難しいものだなと改めて感じた。
大人になって状況を見ていると、ひかりを妊娠させた男子(名前を忘れてしまいました。。泣)はどうしようも -
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この作品は、ある女子高生のSF(少し、不思議)な物語。ドラえもんの大好きな父親と女子高生になった主人公、未来の道具に準えて物語は進んで行く。私は以前に比べると涙脆くなった。それは映画やTVドラマなど映像からの情報だった。知らぬ間に頬に伝わる温かいモノに気付く。小説を読んで泣いたのはこの作品が初めてでは無いだろうか。
この物語は、「共感(シンパシー)」と「感情移入(エンパシー)」だと解説の瀬名秀明さんは言う。
SF(サイエンス フィクション)と藤子・F・不二雄先生は読み替える。主人公はスコシ、ナントカとSFを読み替えて知り合いに当てはめる。映画などで辻村深月さんの作品を見たことはありましたが、小 -
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ネタバレ人気作という評判が先になっているものもあるが、若さを感じさせながらも、いい作品を書く作家だと改めて思った。
「仁志野町の泥棒」
中学生のころ、友人の母親は泥棒だった、小さな被害にあった人たちも多かったが、まわりはそんなに騒ぎもしなかった、どこに住んでもしばらくすると引越しをして出ていく、でも住処は近隣から離れる様なことはなかった。出合い頭に、彼女が盗みに入って居るのに出くわした。顔を真っ赤にして震えながら帰っていったことが苦い記憶に残っている。
成人して出会ったとき、彼女はこちらの名前を思いだすのに手間がかかった。訝るようにしながらやっと思い出したが、些細な影でも彼女の心には残っていなかった