辻村深月のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
バタバタした日が続き、久々のレビューとなった(._.)
ひょんなことなら思わず軽い嘘をついてしまい、さらに重たい嘘を塗り重ねて、どうにもならなくなった3つのストーリー。2つ目の「5年目の受験詐欺」は、騙される側の話だが、子供への愛情に付け込まれて騙されていることへの疑惑を長年抱え続ける葛藤はスリリングであった。「恋愛」と「受験」と「推し」、どれも冷静な目で見ると不合理な要素なのに、相手を麻痺させて正常な感覚を奪い取るパワーがあり、嘘の世界に飲み込まれていく様子が生々しく描かれ、ページをめくる手が止まらなかった。
会社のコンプライアンス研修で「不正のトライアングル」という言葉を学んだ。機会、動機、正当化の3つが揃うと、不正が常態化して後戻り出来なくなるとのこと。どの話も、自分の中でこのトライアングルに当てはめながら楽しませてもらった。 -
Posted by ブクログ
ある大安の日、同じホテルで結婚式を挙げる4組のカップルを描いた物語です。
辻村深月さんは直木賞受賞作家であり、人気作家であることは知っていましたが、本作『本日は大安なり』が初めて読む作品となりました。
以前から辻村深月さんの作品に挑戦してみたいと思っていましたが、この本を手に取ったきっかけは、最近読んで感動した原田マハさんの『本日は、お日柄もよく』と題名が似ていたことです。
物語では、4組それぞれの新郎または新婦に事情があり、現実にはこれほど問題を抱えた結婚式が同じ日に重なることはなかなか考えにくいと思いました。登場人物の中には、実際にはあまり関わりたくないと思うような人もいましたが、その一方で展開が気になり、ほぼ一気読みでした。
最後はハッピーエンドで締めくくられたことにも救われました。
山井ウェディングプランナーが『本日は、お日柄もよく』の二ノ宮スピーチライター同様、どんな困難にも誠実に向き合うプロフェッショナルな姿勢も印象的で、読後感の良さにつながりました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最後の最後に名前やニックネームに隠されたトリックに気付いて、読んでいて感じていた分かりにくさには訳があったのかと納得がいった。それを踏まえた上でもう一度サーっと読み返してみたら、発言の真意や作者の伝えたいことがようやく見えてきた感じがして、読み返してよかった、そして自分の読解力の低さも感じた笑
◾️過去の栄光とトラウマ、恨みに取り憑かれた人たち
むしろ今が充実していないと足が遠のく印象だったが、年に数回会うだけなら、多少の誤魔化しがきくから、過去に取り憑かれた人たちの安心の場になっているパターンがあるのか。。。
そんな人たちが、キョウコに諭されたり?、自ら悟ったり、他のことに興味が出たりして、次々舞台から降りていく。一見ネガティブなように見えて、むしろ今を生き始めたわけで、よかったよかった。
あと過去の出来事って、思い違い、記憶違い、誤解の嵐。だからこそそんなものに囚われたって意味がない。
◾️主要メンバーの読後の印象
聡美: 応援したい!
意外と物事の本質が見えていない、タイムリミットを感じながらも自分を信じてるピュアさ、素直さ。聡美以降は毒が強過ぎて、一章が聡美なわけがわかる。だからこそ映画には登場せず驚き。
成功してほしい!
さえこ: 非常に痛い
本気で修と関係を持っている自分をみんなが羨むと思ってる。そんなわけがない!!!何年前の話?おまけに不倫だぞ!目が覚めて本当に良かった。物事をうがって見過ぎ
ゆき:嘘つきすぎでしょ。。
とはいえ子供の時からの一貫した思い(洗練された女性、ティファニーに行きたい)を持ち続け、正社員登用試験を受け続け、実は努力家なのかもしれない。救われてほしい。特に映画オリジナルの今ニューヨークにいる、って一言、虚しかった。叶えてほしい
島津:現実世界でやっていけるぞ!
仕事もできて、合コンにも誘われて、高校時代が人生の黄金期と思っているようだが、そんなことないぞ!最後は気づけたようでなにより。
響子:
本ではずっと日陰の存在だっただけに、水川あさみの印象がめちゃ強い。彼女も島津と同じで今の世界で羽ばたいてる。恥晒しって言ってたけど、そのプライドと忍耐強さはとりあえず素晴らしい。自戒の念もあったのかな。
修: 人生舐めてそう
映画にもほぼ出てこないし、本でも独立した章がない。修には夢や意思を感じないし、見栄っ張りな小物だけど今を楽しむっていうマインドは持ち合わせてそう。実家も太そうだし、さえこからの依頼がなくなっても飄々と生きていくのかな。
いやまてよ、作者からも見放された存在って可能性も、、、?怖
◾️私は過去に囚われてるか?
忘れっぽい性格だからかそんなことはなさそう。いくら学生時代に達成したことがあっても、でも今の自分は思い描いていたようにバリバリキラキラは働けてないなって。どうしたって大事なのは今!
学生時代の痛い行動も29にもなると、まあそれでも仲良くしてくれてる友だちがいるからいいか、って感じ
◾️共感ポイント
☀︎自分は選んでここにいる、そういうことにしておきたい
☀︎居場所がなくなってきてる。タイムリミットの音がする
☀︎突き抜けた美しさは別格
あとは過去への執着であれ、強い意志を持った人たちが多くてそこは憧れたかも
-
Posted by ブクログ
今のご時世、なんでもかんでもハラスメントにしてしまう。
そもそもタイトルが闇を祓うで、ヤミハラ・・・
冒頭の説明を読むと・・・
ヤミ-ハラ【闇ハラ】 闇ハラスメントの略。
(; ̄ー ̄)...ン? タイトルの闇祓は、ハラスメントじゃない?
どういうこと??と思いながら読んだのですけどね。
これ、第一章からして、下手に触れないことに気付いた。
ネタバレになるから不用意に書けない(;^_^A
ホラー小説だから、ある意味、誇張されてますが
友人やクラスメイト、職場、恋愛、マウント、承認欲求で
自分以外の標的を蝕み続ける輩はいる。
ものすごくリアルな闇の描写。
リアルだからこそ、感じる恐怖が大きくなる。
モヤモヤした恐怖が大きくなっていきますが、
最後の章で、怒涛の伏線回収があるのでご安心を。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ評価:3.5
事前調べの通り上は下で回収するための伏線の散りばめと、人物像の掘り下げのために進んでいく
日常パートがそもそも好きなので、特に退屈することなく読めた
作品作りに譲れないこだわりのある狩野と正義
働きたくもないが自身の作品の営業もできない性格のスー
環に憧れたが越えられないことに耐えられず、家を出ることにしたエンヤ
もちろん黒木や環やコーキもそれぞれの悩みがあったが(黒木は知らんけど)、作家の卵組の悩みの方がリアルで自分には刺さった
また正義とスーの恋愛についても、作家同士ならではの悩みがあった(正義は「女に全力で仕事をさせてやれない男はダメだ」的なことを言っていた)
以上の日常パートの他に、
エンヤが出ていくところ
莉里亜が住人に加わるところ
コーキの炎上に対する発言「作家冥利に尽きます」
最後のダークウェルの原稿がスロウハイツ宛に届くところ
この辺りは見ど頃だったと思う
特に最後の原稿を環が目にしてしまうシーンで上が終了したときは、続きが気になりすぐ下を読んでしまった
-
Posted by ブクログ
ふとしたキッカケで「傲慢と善良」という作品を読んだ。こーれがもう面白くて、辻村深月さんに即ハマってしまった。
彼女の作品は「クロスオーバー」といって、ある物語の登場人物が、他の作品にも登場することがある。
その情報を知って次に選んだ作品が、この「島はぼくらと」。
自分は旅が好きで、たまに離島に行ったりもするのだけど、「子どもは生まれる場所を選べない。離島に生まれた子たちは、日々何を思って暮らしているのだろう」と、いつも思っていた。
舞台は瀬戸内の島ということで、数年前に訪れた、小豆島、豊島、男木島といった数々の島や、そこで会った地元の方々を思い出しながら読み進めた。
途中で心にグッとくるポイントが幾つもあって、思わず涙が出てしまった。
自分なりに調べたところ、辻村作品の中では、それほど人気が高いものではないようなんだけど、個人的にはめちゃくちゃ刺さった。
高校生にも読んでほしいなあ。