辻村深月のレビュー一覧
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ネタバレ三年前に別れたアールからの電話は唐突だった。
「ティー、あなたは今からアタシの話をたくさん聞くことになる。ひどいこともたくさん。だけど覚えておいて。アタシは変わってない。」
そして俺に届いた「トランス・ハイ」に関する噂。
辻村深月の長編ミステリー「スロウハイツ」に登場する小説家・チヨダ・コーキのデビュー作。
作中作に分類される作品だと思ってるけど、チヨダコーキらしさが前面に出てて、辻村深月さんの作品とはまた違った形で楽しめました。
3年間に別れたマーダー・アールからの不穏な電話から始まる物語。
トランス・ハイという唯一無二の天才的な殺人鬼に、殺され傷つけられた友達にアールの行方を尋ね真相に近づいていく主人公・ティー。
しゃべり口調で物語は進んでいくんだけど、テンポよくてするする読めるし、話に緩急があって楽しめた。
たぶんところどころに伏線は張っていたんだろうけど、
私みたいな鈍いやつは全然分からなかったな。
それでも終盤にかけて違和感が出てきて読み返してより物語を深く楽しむことができた。
あのチヨダコーキの物語を読めるという価値はかなり高いものだと思います。 -
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豪華な4人のアンソロジー
色んな「はじめて」を詰め合わせた素敵な作品集でした。
島本理生 私だけの所有者
はじめて人を好きになった時に読む物語。
誰かへの初恋のお話かと思いきや、アンドロイドとそれを所有する人間のお話。
辻村深月 ユーレイ
はじめて家出した時に読む物語。
学校でいじめを受けた女の子が死ぬことを意識して家出するお話。
宮部みゆき 色違いのトランプ
はじめて容疑者になった時に読む物語。
鏡のように自分と全く同じ顔の人間がいる世界があり、そのもう一つの世界で自分の娘が捕まってしまったら…?という話。
森絵都 ヒカリノタネ
はじめて告白した時に読む物語。
三度も告白して玉砕している相手に四度目の告白をして成功させるため、三度目までの失敗は全て彼の記憶から消してやろう!と、タイムトラベルするお話。
なにより凄いのは、この作品たちをモチーフにYOASOBIが楽曲を作っていてこの小説のイメージ音楽を聴けるということ。
とても素敵でウルウルしました。 -
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ネタバレ
伏線やミスリードが含まれていて最後まで読んだ後すぐに最初から読み返した
響子と今日子がいるとは、、予想もしなかった
途中で1人1人集まりから離れていくのをマイナスに捉えていたけれど
島津や聡美は過去の居場所より今の自分を受け入れて一歩踏み出したのかな、と感じた
ミステリーとしても面白かったが
紗江子の男と縁がなさそうなのにイケメンでクラスの一軍に相手にされている、だけど本当は小物の男だとわかっていて離れられない描写がリアルだった
どんな環境でも自分という芯があり誰にでも同じような態度で接するキョウコは太陽のような存在だな、と思った
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猟奇的連続殺人。
読むのが辛くなる。何が辛いと言って、被害者に明確かつ豊かな人間性、性格が与えられ、それをきちんと描写されたのちに災禍に遭わせているのが辛い。ああ、きっとこの先悲劇が待っている、フラグ立ちまくりだと思いながら読んでも、読者としての視点は被害者に寄り添っていく。そして、災禍は避けられない。残酷な描写がこれでもかと待っている。
心が寄り添わなかったのは、一人……
終わりの数ページも辛かったなあ。
だから、下巻を読まないといけないという気持ちで、今、いっぱいです。この作者なら、今の気持ちを明かしてくれる。これまでも黒い作品を読んだけど、真っ黒で終わりはしなかった。下巻で光が差すに違いないと思うのです。
途中で、これが伏線でしょう、さりげなくまぶしてるようですがわかりましたよ、と思う描写・セリフが出てきて、物語の行方がわかったような気がしますが、それは絶対ミスリードを誘ってる罠だと考え、その逆を考え、秋山研究室の中で一緒に考えようとしますが、結局、頭の中は掻き回され、混乱するだけでした。少しでも早く下巻を手に取らなくては。
つまりはこれが辻村ワールドってことなんですね。
人間を裏切らない作者に期待と信頼をもって下巻に進みます。 -
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以前読んだ「ハケンアニメ!」のスピン•オフ短編集。
①前作の主人公三人の過去を描いた「九年前のクリスマス」
②前作第一話の監督の成長過程を描いた「声と音の冒険」
③前作第ニ話の女性監督を、登場した小学生側から見た「夜の底の太陽」
④前作第一話で登場した、フィギュア製作会社員と造型師の物語「執事とかぐや姫」
⑤長寿アニメ制作社を描いた「ハケンじゃないアニメ」
⑥これまでの登場人物総出演の「次の現場へ」
発表は①④③⑥②の順で、⑤が書き下ろし。
楽しく読めました。
ただし、前作と照らし合わせないと『誰だっけこの人?』となる事が多く、二冊とも手元に用意して読みました。単なる記憶力不足か?『登場人物一覧』がほしいです。
混乱する最大の原因はCLAMPのイラストのせいです。“場面の状況”は伝わるけど“個人の特定”には役に立たない挿絵。なんだかなぁ(笑)
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小説とYOASOBIの曲、MVと…合わせて楽しむことでそれぞれの魅力が何倍にもなる、すごい組み合わせ。まさに「はじめての」読書体験だった
アンドロイドと所有者の話を描いた島本理生の「私だけの所有者」、鏡写しのような同じ見た目だけど全く状況・中身が違う世界を描いた宮部みゆきの「色違いのトランプ」は、ちょっと切なく、悲しくもあり、愛もありと心動かされた。
そこにYOASOBIの「ミスター」「セブンティーン」という楽曲があり、歌詞全体はもちろん、細部の言葉遣いやMVのアニメーションも原作をしっかり解像度高く表現していて、感動がそのまま音楽でも忠実にあって、何回も聴いてしまう。
森絵都の過去3回同じ人に告白し玉砕済だけと4回目の告白をする一途な女子高生の話「ヒカリノタネ」はとても可愛らしかったし、
辻村深月の家出した女子中学生の話「ユーレイ」は読後優しい気持ちになったし、特にMVの映像表現が好きでより感動した
総じて良かったし、YOASOBIの原作リスペクトと音楽への落とし込み、再現力はすごいと思った -
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短編3集
なんだろ先生が大好きすぎて毎回称賛から始まる
といっても解説あさのあつこ氏が全ての感想を書かれてるので割愛
辻村氏の作品は長編が多く普段本を読まない人でもこの作品なら辻村ワールドもありおすすめしやすそう
本人視点より何故か他の視点から この本人はどういう心境なのかを模索し繊細に描くのがやはり抜群にトップ
好きなフレーズ引用
こんなのあんたの偏った主観に基づいた ただの詮索趣味じゃないか
ものづくりが徒労に終わるかもしれないなんて 決めるのは結局誰かの主観でしかない
そっぽを向かれたのかと思ってあわてて立ち上がりかけたそのとき 先輩の顔の前に 涙の粒がまるで朝露のように光って飛んだ
快哉を叫びたい気持ちで図書室の天井を振り仰ぐ -
Posted by ブクログ
面白かったです。
どの人も、筋少の曲に対する想いが溢れていた。もっと他にも、あの曲やあの曲もあるやろ!と思ったら、そう言った曲の歌詞もちゃんと話の中に登場していた。
また是非いろいろな曲を小説化してもらいたいなぁ。
辻村深月さん
中二病の神ドロシー
ある意味一番それっぽい小説化だった。
滝本竜彦さん
レティクル座行超特急。
自分は、暦15年ぐらいのにわかファンだけど、レティクル座妄想のアルバムは車の運転中に相当な回数きいている。
そのアルバムの一曲目なので、容易に脳内再生できた。
それにしてもNHKにようこそ
柴田勝家さん
サンフランシスコ10イヤーズアフター
サンフランシスコは大好きなんだけど、あえて10イヤーズアフターの方を持ってくることにまず驚き、そして読んでみて、ああ、10イヤーズアフターだ、と納得。実に筋少っぽい。
空木春宵さんのディオネア・フューチャー
ディオネアって、ハエトリグサのことだったのか。なんとなく格好いい響きだと思ってたので意外。
歌詞を改めて見ると、確かになんとなく、「トリフィドの日が来ても二人だけは生き抜く」の世界観と似たものが感じられる。
脳Wi-Fi!
この話特に面白かった。
そして人間椅子の人の書いた、福耳の子供の小説。
想像してたより、優しい話だった。
俺だったらもっと怖い話にしちゃうかも。
思いながら読んでました。
最後はオーケンの「香奈、頭をよくしてあげよう」
これは、小説、なのか?変化球なエッセイじゃないのか?
どちらにしてもテンポが良い40年の話だった。
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挫折や屈辱、恐怖の体験があるからこそ、囚われてしまう過去。いつか見返してやりたい、そんな気持ちを原動力に前へ進んだ経験も一度や二度はあるはず。
高校卒業から大学、社会人と時を経て、仕事や私生活の端々で徐々に差が顕れる20代後半。傍流に生きた過去をコンプレックスに持ち、現在まで縛られてきた聡美、島津、紗江子らが、目の前の日々に新たな価値を見出だし、クラス会メンバーを降りていく姿が印象的でした。
最も恐れるべきは、変わり行く周囲と変われない自分。成功を目の前に見せてしまったのは、自分の責任ではない、と無関心さを醸し出せるほどに今を生きるキョウコこそが真の太陽なのかもしれません。 -
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スクールカースト、序列、女王様など学生の時の立ち位置や自分の居場所、関係性などを形容する言葉はあるが、アマテラスの神話を織り交ぜこの関係を表したのは、なるほどうまいなと思いました。
太陽は信仰の対象でもあり、畏怖の対象、天上にあって強烈な光を放つ唯一の存在。スクールカーストの頂点に立つ者を表現するのに、これほどピタっとハマるのはないのではないかと思うぐらい自分の中でストンときました。
女王だった同級生を語るクラスメートは太陽神アマテラスの伝説や寓話を語る市井の人々のようで面白かった。
このまま太陽の元で蠢く人々の話で終わるのかな、と思いましたが、その太陽が…という展開はさすがでした。
最後に物語の中心となった2人が邂逅する場面は映画のワンシーンのような、絵画、ある意味宗教画のような美しい場面が想像できて好きでした。
しかし…同窓会はこだわりや、プライドや、わだかまりが消えた50代以降が俄然楽しいですよ(笑)