辻村深月のレビュー一覧
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SFかつ スポットライトが当たる いわゆる青春を描いた一作目に それほど感情移入できなくて、二作目、三作目の彼女たちの コンプレックスに抗いながらも一挙手一投足に付随する小さな悩みや決意を積み重ねた青春の方が個人的には刺さった。
でも この一作目が三作目のテーマとうまく対比になっていて、しかもその主人公同士の関係性に驚く。
すごいなあと思った。
最終的にあまり刺さらなかった一作目もまんまと愛おしくなり 見事に術中にハマってしまった。
個人的には「サクラ咲く」が一番好き。
マチのまっすぐな気持ちと少しずつ成長していく様子が読んでいて気持ちよくて 素直に応援したくなる。
けど もしかしたら一番 -
Posted by ブクログ
物語の設定が面白かった。
後半は勢いある展開で引き込まれた。
思っていることの半分も大人に伝えることができず、もやもやした時期もあったけど
大人になってすっかり忘れてた。
記憶は時間と共に薄れたり忘れたりしながら、でも奥の方に残っているものが、未来に少し影響したり、ビビッときたりするのかなー
え?もしかして自分もお城に行ってたのかなぁ。
なんて考えたら、それはそれで不思議な楽しい妄想が広がるー笑笑
あ、感想に戻ります。
喜多島先生が、喜多島先生になれたのは納得。
そう思うと、どんな事も未来に繋がる意味のあることと捉えられる。
苦しみの渦中には難しいけど、仲間や居場所があれば信じるチカラ -
Posted by ブクログ
派閥は大人になると政を治める仲間かもしれない。対峙する集団もまた派閥。それが少年時代では特定の一人を窮地に追い込む集まりでしょうか。
「冷たい校舎の時は止まる」のキャストが登場してたようです。メンバーや物語りはすっかり記憶の奥底に埋もれてしまった。だから、辻村さんが提供してくれた楽しみの一つは逃してしまったかも。
主眼となるテラーの名前が出て来ないのは、結末まで引っ掛かりを覚えながら読み進めるので、何か不安を覚えながら文字を追う。その感覚と登場人物達の不安が重なってよりのめり込む感じがあった。
名前が一箇所しか無かったり、アンコンシャスバイアスが裏切られる瞬間が幾つもあったり、禁断の関 -
Posted by ブクログ
この本は辻村深月さんの初期作品です。
表題作のロードムービーはみんなからの人気者のトシと怖がりなワタルが子供だけで旅をするという話。物語には旅のシーンとトシの回想のシーンがあります。この話は今のあらすじではわからないと思いますがテーマは「いじめ」です。
いじめとはなんだろう?と思いました。いじめは一人の人を対象にいじめる。そして 周りの人はそれをただ眺めるだけ。でもいじめの首謀者がいなくなれば途端に他の人は話しかけてくるようになる。そう考えるといじめって本当にひどいとおもいました。でも、自分がもしいじめを眺める側ならどうしていたんたのだろうと考えると答えは見つからない気がします。 -
Posted by ブクログ
積読本のなかからようやく。
表題作含む、さりげなく繋がっている3作。
中高生の独特な環境、中高生時代の不思議な?感じ方捉え方、中高生ならではの素直さ、思い悩む恋……。
あの頃が浮かぶようでした。
私自身は学校と自宅の往復しかしておらず(親が厳しくて……)本作を読むと、なんて勿体ないことをしたのだろうと悔やまれてしまう。
恥ずかしげなく夢を語れることの素晴らしさ。
友人のための薬、がさりげなく描かれていて、グッときてしまった。
学校は団体行動のため、どうしても目立つ子、意見を言える子が優位になってしまうけれど、ヲタクだろうと、何が得意で何が好きだろうと、好きなことがあることに自信を持ってほ