辻村深月のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
舞台はホテルアールマティの結婚式場
大安吉日のある日、その式場で結婚式を挙げる
4組の訳ありカップルと出席者、ウエディングプランナーがおりなすドラマ。
それぞれのの思惑が絡み合い、結婚式に暗雲が立ち込める!
トリック、謎解き、ミステリー、お仕事小説といろいろな要素で楽しめました。
一番の目玉は、やはり双子の美人姉妹。
双子の姉妹が晴れの大舞台で一世一代の賭けを行う場面はドキドキです。
なぜこの賭けをしようと思ったか、子供の頃から遡って現在に至るまでの気持ちの揺れが複雑でややこしいのも面白い。
なんたって新郎の映一君!素晴らしい。
一枚も二枚も上手。
「結婚式は花嫁のためのものだから何をやった -
Posted by ブクログ
傲慢と善良の解説で朝井リョウさんがオススメされていたので購入
夫が交通事故をキッカケに失踪、夫の行方を追う芸能事務所やマスコミから逃れるために東京から様々な地を転々とする親子(早苗と力)、失踪した理由は何か、どこに行ったのか、悶々としながら怯えながら、でも訪れる各土地での地元民の温かい親切心も受けながら過ごす日々
自分も息子を持つ身として、また自身の少年時代の心境とも重ね合わせながら、早苗や力の心境と重ね合わせながら読み進めました
夫のしでかしたこと、しでかしたのになにも連絡をよこさず、失踪したこと、その理由な何かわからないまま、追いかけられる理不尽な状況、ある意味早苗はパワフルで、それ -
Posted by ブクログ
ネタバレ下巻に続き再読です。
最初に読んだ時には、ただただツラくて痛いてコワイ、そんな感想だったけれど、改めてゆっくり読んでみてちょっと違う見方もできるかもしれないと感じました。
浅葱の境遇には同情はするけれど、それでもやっぱり狐塚もいうように、浅葱がしたことは到底納得できることではない。心理学的に同情と共感の違いっていうことがよく言われるけれど、これほどわかりやすい例もないな、って思ってしまった。
辻村深月さんの作品は、過去の登場人物たちが後の作品にも出てたりするのが魅力のひとつでもあるけれど
この作品で最後に大きな仕事をやってくれた恭司が、後の「本日は大安なり」で当たり前のように狐塚の隣にいた -
Posted by ブクログ
家族間の繋がりを描いた7編の短編集。
あぁ分かるわぁ…ってエピソードが多かった。些細な意見の相違から、ぎこちなくなる感じだったり、家族だからって謝らなくても血の繋がりで許されると思っている、とか。グサグサきて、身につまされる思いで読んだ。
各章の主人公たちの間で起きる家族間のトラブル。これを乗り越えた先に見えるそれぞれの心情が清々しかった。嬉しいことも嫌なことも共有したり、ぶつかりあったりして、絆が強まっていく。やっぱ家族なんだよな、ってしみじみ感じ入った。
まだ当分先だと思うけど、『孫と誕生会』のおじいちゃんのような、カッコいいおじいちゃんになりたい。 -
Posted by ブクログ
昔の自分を見てるようだった。
昔の同級生が何をしているかネットで探してみた自分と。
本の内容ではなく、自分のことだが、、だけど、もう囚われないと決めている。人と比べても悲しくなるだけだから。今を楽しみたいと思ってSNSはやめた。
本の話に戻ると、自分を強く、良く見せようとするキャラクターたちは自分にもそんな事あったなと思い出す。一つ一つの話は、ちょっとずつキャラクター達の勘違いからボタンが掛け違えていくようだった。
個人的には、佐栄子と貴恵の話が良かった。大人しく、子どもを連れて電車に乗るのは周りに迷惑だからと言ってた友人が、自分と浮気をした男を殴り、夜中に子どもを乳母車に乗せて化粧もせず -
Posted by ブクログ
ネタバレまず、これがデビュー作、そして高校生の頃から書いていたというのが凄い。
菅原のパートがやけに多いし掘り下げるなと思ったらなるほどね。
高校生あたりの苦悩を書かせるとさすがの辻村作品。初期からこれほどだったとは。
そして物語を収束させる力もさすが。
ヒロ君みーちゃんそう来るか。
いじめや自殺そして親子心中などという重いテーマを扱って、でも暗くなるだけではなく希望も提示してくれる。
苦悩の提示の仕方が寒さであったり閉じられた世界であったり、その様な感覚で読み手に伝えてくる。そしてそれは成功している様に感じた。
読んでいても苦しくなったもんなぁ。
長いけど読んで良かったな。 -
Posted by ブクログ
種を蒔きに蒔いた上巻。
果たして下巻でこれを育ててしっかり収穫できるのか。
でも、辻村深月なら大丈夫という安心感。
学校の校舎に閉じ込められるというクローズドサークル。
しかも時間も止まっているようで、クローズしてしまった理由も分からない。
もしかしたら自殺した人物が関係しているのでは?とたどり着く。
閉じ込められたのは男女4人ずつで計8人の高校生。
自殺したのはその中の1人かもしれない…
登場した8人はそれぞれ悩みや葛藤を抱えて高校生活を送っている。
それが表面化して周りから助けられた人、自分で抱え込んでいる人。
高校の頃ってこんな悩みあったよなと思ったり、生きていればいつになって