辻村深月のレビュー一覧

  • 冷たい校舎の時は止まる(上)

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    生徒からお薦めされた作品。

    辻村深月。名前はもちろん知っていたけどあんまり読んだことなかったな。
    この作品が高3の頃に書かれたなんて恐るべし。
    それぞれの登場人物の背景や描写が本当に丁寧。
    下巻も楽しみ。

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    2025年04月27日
  • 本日は大安なり

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    舞台はホテルアールマティの結婚式場
    大安吉日のある日、その式場で結婚式を挙げる
    4組の訳ありカップルと出席者、ウエディングプランナーがおりなすドラマ。
    それぞれのの思惑が絡み合い、結婚式に暗雲が立ち込める!
    トリック、謎解き、ミステリー、お仕事小説といろいろな要素で楽しめました。

    一番の目玉は、やはり双子の美人姉妹。
    双子の姉妹が晴れの大舞台で一世一代の賭けを行う場面はドキドキです。
    なぜこの賭けをしようと思ったか、子供の頃から遡って現在に至るまでの気持ちの揺れが複雑でややこしいのも面白い。
    なんたって新郎の映一君!素晴らしい。
    一枚も二枚も上手。
    「結婚式は花嫁のためのものだから何をやった

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    2025年04月27日
  • クローバーナイト

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    どこにでもいる親子たちの、どこにでもある事件がいかにグロテスクか。露悪的なのではない。辻村の見る世界に単純な悪人などいない。

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    2025年04月26日
  • 青空と逃げる

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    傲慢と善良の解説で朝井リョウさんがオススメされていたので購入

    夫が交通事故をキッカケに失踪、夫の行方を追う芸能事務所やマスコミから逃れるために東京から様々な地を転々とする親子(早苗と力)、失踪した理由は何か、どこに行ったのか、悶々としながら怯えながら、でも訪れる各土地での地元民の温かい親切心も受けながら過ごす日々

    自分も息子を持つ身として、また自身の少年時代の心境とも重ね合わせながら、早苗や力の心境と重ね合わせながら読み進めました

    夫のしでかしたこと、しでかしたのになにも連絡をよこさず、失踪したこと、その理由な何かわからないまま、追いかけられる理不尽な状況、ある意味早苗はパワフルで、それ

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    2025年04月26日
  • はじめての

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    audible86冊目。

    YOASOBI感はあまりなかったけれど、どの物語もそれぞれ独特の世界観やメッセージがあり、面白かったです。
    作者名をほとんど気にせずに読み始めてしまったけれど、どれも注目の作家さんばかりで後から驚きました。

    「はじめての」お話だから、中高生は共感しながら読んだり、生きるためのヒントを得られたりするかも。
    もちろん大人が読んでも、みずみずしい気持ちを思い出したり、新しい気づきがあったりして楽しめます。

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    2025年04月26日
  • 太陽の坐る場所

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    どうしてこうも 辻村さんの本は
    痛いところを的確に何パターンも用意して、見ないようにしてた気持ちを引っ張りだしてくるのだろう。

    憧れや嫉妬やずるさはもちろん、 自分を嫌いになってしまう滑稽さも、自分に自信を持てる客観性も 辻村さんの本では 全てを許してもらえるような感覚になれる。

    物心ついた幼少期から今までの自分に優しくしてあげれる素敵な本。葛藤と諦めを繰り返し、自分の限界に打ちひしがれたことも感謝できそう。ありがとう辻村先生

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    2025年04月25日
  • ハケンアニメ!

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    あんまり辻村作品っぽいミステリ要素は無かったけど、純粋に職業小説として非常に面白かった。アニメの裏にある多くの人が知らない仕事とか、アニメに対する無意識の偏見とか、色々考えさせられる部分もありつつ、こんなに夢中になれるものがあるなんて羨ましい、と思った。

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    2025年04月24日
  • V.T.R.

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    サクッと読めてすごく面白い。
    スロウハイツの神様を呼んでから、チヨダコーキの書く本がどんなものかと思い読んでみましたが予想以上に良かったです。

    展開が全然読めなくて、アールを探して会うんだろうなとか、トランスハイと戦うんだろうかとか思ってましたが全然違う(笑)

    これからティーはどうなるのか気になります。

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    2025年04月24日
  • 子どもたちは夜と遊ぶ(下)

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    ネタバレ

    下巻に続き再読です。
    最初に読んだ時には、ただただツラくて痛いてコワイ、そんな感想だったけれど、改めてゆっくり読んでみてちょっと違う見方もできるかもしれないと感じました。

    浅葱の境遇には同情はするけれど、それでもやっぱり狐塚もいうように、浅葱がしたことは到底納得できることではない。心理学的に同情と共感の違いっていうことがよく言われるけれど、これほどわかりやすい例もないな、って思ってしまった。

    辻村深月さんの作品は、過去の登場人物たちが後の作品にも出てたりするのが魅力のひとつでもあるけれど
    この作品で最後に大きな仕事をやってくれた恭司が、後の「本日は大安なり」で当たり前のように狐塚の隣にいた

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    2025年04月23日
  • ロードムービー

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    辻村深月作品7番目に読んだ。
    『冷たい校舎の時は止まる』との関わりが、ところどころで見られる作品。

    辻村作品から感じる「世代も性別も違うけど、なぜか共感する」ところが出て来ている。
    「道の先」と「トーキョー語り」でより感じた。

    『冷たい校舎…』で出てきた人の再登場に少しテンションが上がったけど、「道の先」と「トーキョー語り」の繋がりがわかった時のほうが上がった。

    作品をまたいでリンクするのはこのあたりまでなのかな。
    次作からどんな楽しさがあるのか、期待しちゃう。

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    2025年04月22日
  • 家族シアター

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    家族間の繋がりを描いた7編の短編集。
    あぁ分かるわぁ…ってエピソードが多かった。些細な意見の相違から、ぎこちなくなる感じだったり、家族だからって謝らなくても血の繋がりで許されると思っている、とか。グサグサきて、身につまされる思いで読んだ。

    各章の主人公たちの間で起きる家族間のトラブル。これを乗り越えた先に見えるそれぞれの心情が清々しかった。嬉しいことも嫌なことも共有したり、ぶつかりあったりして、絆が強まっていく。やっぱ家族なんだよな、ってしみじみ感じ入った。

    まだ当分先だと思うけど、『孫と誕生会』のおじいちゃんのような、カッコいいおじいちゃんになりたい。

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    2025年04月21日
  • ツナグ 想い人の心得(新潮文庫)

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    ネタバレ

    母の心得がとても素敵な話だった。
    前作は死者と会うことで前向きになるというイメージが強かったけど、今回は色々あって面白かった。死者と会わずきっとあの人ならこう言うだろうと考えられるように人と向き合いたいと思った。

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    2025年04月20日
  • ツナグ 想い人の心得(新潮文庫)

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    工房の大将が急死し奈緒に自分のできることを打ち明けて父親に会わせようとする葛藤と、そんなことは知らずに強い気持ちで立ち直っていく奈緒が良かった

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    2025年04月19日
  • 東京會舘とわたし 下 新館

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    越路吹雪さんの慣れない才能の部分が凄く共感した。
    常に全力で手を抜かない。
    すべての仕事に通じるのかなと。
    今仕事に自信をなくしているからか。。

    慣れず、常に謙虚に目の前の事を全力で頑張ろう

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    2025年04月18日
  • 太陽の坐る場所

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    昔の自分を見てるようだった。
    昔の同級生が何をしているかネットで探してみた自分と。
    本の内容ではなく、自分のことだが、、だけど、もう囚われないと決めている。人と比べても悲しくなるだけだから。今を楽しみたいと思ってSNSはやめた。

    本の話に戻ると、自分を強く、良く見せようとするキャラクターたちは自分にもそんな事あったなと思い出す。一つ一つの話は、ちょっとずつキャラクター達の勘違いからボタンが掛け違えていくようだった。

    個人的には、佐栄子と貴恵の話が良かった。大人しく、子どもを連れて電車に乗るのは周りに迷惑だからと言ってた友人が、自分と浮気をした男を殴り、夜中に子どもを乳母車に乗せて化粧もせず

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    2025年04月16日
  • 家族シアター

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    家族に関する短編集。

    価値観が違っても、長い間付き合わざるを得ないのが家族。価値観の違う登場人物の人生が交錯する話はもともと好みだが、本作は、家族というある種逃げ場のない関係性に焦点を絞っていて新鮮だった。

    特に「私のディアマンテ」、「孫と誕生会」の2編は、登場人物の距離感が他作より遠いが、そんな中でよりハートフルな結末が描かれているため、感動はひとしおだった。

    辻村作品の中でも、ダークさとハートフルさのバランスがよく、多くの人におすすめできる作品だと思う。

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    2025年04月13日
  • サクラ咲く

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    中学生と高校生。善人と悪人のような単純な物語ではなく、日々の中で悪が善に変わったり、善と思いきや悪だったり、各物語に主人公が成長して変化していくところに感動がある。

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    2025年04月12日
  • 冷たい校舎の時は止まる(下)

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    ネタバレ

    まず、これがデビュー作、そして高校生の頃から書いていたというのが凄い。

    菅原のパートがやけに多いし掘り下げるなと思ったらなるほどね。

    高校生あたりの苦悩を書かせるとさすがの辻村作品。初期からこれほどだったとは。
    そして物語を収束させる力もさすが。

    ヒロ君みーちゃんそう来るか。

    いじめや自殺そして親子心中などという重いテーマを扱って、でも暗くなるだけではなく希望も提示してくれる。
    苦悩の提示の仕方が寒さであったり閉じられた世界であったり、その様な感覚で読み手に伝えてくる。そしてそれは成功している様に感じた。
    読んでいても苦しくなったもんなぁ。

    長いけど読んで良かったな。

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    2025年04月12日
  • 冷たい校舎の時は止まる(上)

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    種を蒔きに蒔いた上巻。

    果たして下巻でこれを育ててしっかり収穫できるのか。
    でも、辻村深月なら大丈夫という安心感。

    学校の校舎に閉じ込められるというクローズドサークル。
    しかも時間も止まっているようで、クローズしてしまった理由も分からない。
    もしかしたら自殺した人物が関係しているのでは?とたどり着く。

    閉じ込められたのは男女4人ずつで計8人の高校生。
    自殺したのはその中の1人かもしれない…

    登場した8人はそれぞれ悩みや葛藤を抱えて高校生活を送っている。
    それが表面化して周りから助けられた人、自分で抱え込んでいる人。

    高校の頃ってこんな悩みあったよなと思ったり、生きていればいつになって

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    2025年04月09日
  • クローバーナイト

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    家庭を守る育児世代のお父さん騎士(ナイト)の視点から描かれる、連作(5編)ミステリー×家族小説。

    「人生の前半は親に台無しにされ、後半は子どもに台無しにされる」(P240より引用)

    こんなネガティブな言葉も、本書を読むことで、ポジティブな格言かもしれないと考えさせられ、
    「家族にとっての普通」って一体?という謎に向き合い、救いの手を差し伸べてくれる、もはや辻村さんにしか書けないのではという作品でした。

    これにて、現時点での辻村深月さんの文庫本は全て読破!(「のび太とドラえもん月面探査機」は除く)
    かけがえのない読書時間に感謝です。

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    2025年04月09日