辻村深月のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
友人に勧められて、最後の話だけを読みました。
子供の頃、自分がついた嘘が本当になればいいのにって経験をしたことがあったと思い出した。
特に、嘘が原因で怒られた時なんかはそう思ったな。
今思えば子供の時にしかそんな気持ちは味わえなかったんじゃないかなって思う。
自分に都合の良いおかしな展開や、人を作っては妄想して楽しんでいたけど歳を重ねるにつれて現実から離れたことはしなくなってしまった。
昔は不思議な夢もたくさん見れたのになって。
少し逸れてるかもしれないけれど。笑
辻村さんの後書きはすごく良くて共感できました。
紹介してくれた友人に感謝です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ久々に再読しました。辻村深月さんの作品の中で唯一と言っていいほど、どういう感想を持ったらいいのかが未だにわからなくなるお話です。
当たり前にこのお話はフィクションなんだけど、それでも浅葱の境遇はフィクションであって欲しいと作中の狐塚と同じ思いを願ってしまうほど感情がリアルで痛くて光がない。
まだ上巻ではそこまで重要な登場人物でもない真紀ちゃんや恭司や紫乃だけれど、それぞれのエピソードを通して狐塚や月子の人となりがよく分かるし、それがまたリアルな感情で余計にフィクションであることを忘れてしまい余計に気分が滅入ってしまう気がします。
前作「冷たい校舎の時は止まる」の菅原の件もそうだけど、本作も -
Posted by ブクログ
作者のデビュー作「冷たい校舎の時は止まる」のエピローグまたはプロローグに当たる短編集。
少し大人になった彼らのその後が愛おしい。
事前に前作を読むとより楽しめるが、本作から入っても問題ない。特に誰が前作の誰とは明示されず、終盤にヒントが出る構成であり、作者の力量と読書体験の素晴らしさが秀逸だった。
特に「トーキョー語り」がおすすめ。著者特有の壮絶なクラス内闘争からの、加害者側も含めたさわやかな大団円が新鮮だった。少ないページ数ながら、どの登場人物も瑞々しく、描かれている。
本作はスピンオフのスピンオフに該当するが、彼らのその後もまた、気になるなあ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ第六章 金環のお祝い
第七章 星と虎の夕べ
第八章 あの日の一夜に寄せて
第九章 煉瓦の壁を背に
第十章 また会う日まで
新章 「おかえりなさい、東京會舘」
第八章は東日本大震災の時の話。料理教室に通い始めても決して料理を作らなかった旦那さんが、遥か逗子までようやく帰った奥さんにカレーを初めて作るラストシーンは泣けた。
第九章は直木賞受賞作家の話。辻村深月本人と若干オーバーラップしているような?デビュー年同じに設定されてるよね。直木賞受賞日も、田舎出身っていうのも、親が公務員だっていうのも同じだね。
母親の性格がなんとなく、辻村深月が他作品で描いている母娘の独特な関係性を暗示させるような雰 -
Posted by ブクログ
ネタバレ第一章 クライスラーの演奏会
第二章 最後のお客様
第三章 灯火管制の下で
第四章 グッドモーニング、フィズ
第五章 しあわせな時の記憶
ミステリー仕立てというより、歴史を舞台にしたストーリー。第三章あたりまで「好みじゃないなぁ」と読むのが若干苦痛だったのだが、第四章で多少持ち直し、第五章は「いい話だなぁ」となった。
我ながら現金なものである。
第五章から、私の好きな箇所を抜粋。
「合理性よりおいしさを。ロスが出ても、それが東京會舘(うち)らしさなのだと思います」
合理的、効率性に流され支配されがちな現代において、大事にしたい精神ではないだろうか。
それにしても、美味しいクッキー食べた -
Posted by ブクログ
ネタバレ良かった。登場人物一人ひとりの心が感じられて何度も泣かされた。
それぞれの時代に時代ごとに、さまざまな立場から見え東京會舘の姿を切り取った短編小説集だと思っていたら、最終話で見事に伏線回収してきた。
まさか出だしのあそこがここに繋がるとは。
それぞれが人生を物語にしようだなんて思っていなくて、ただ必死に生きてきただけのはず。それが、自分の意図していないところで「縁」となってつながっていく。その事実になんだか生きる希望を感じる。
この物語は東京會舘というフレームで切り取った人生の集まり。個人はただ必死に生きることしかできないしそれでよくって、それはちゃんと縁としてつなかっていく。何かのフレ