辻村深月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
振られて初めての読書は短編集に決めた。長編ドカーンだと続かないと思ったからだ。
読み始めてみると、家族を題材に心温まる話が主だったが、どこかフィクションのような円満な解決も少ないリアルな家族の暖かさが上手く表現されてると感じた。
特に記憶に残ったのは「1992年の秋空」と「孫と誕生会」だ。大切な身内なのにどこか疎ましく、どこか接し方に苦労し、でもやはり大切なことに気づくというとてもリアルで心に染みるお話でした。
辻村先生の作品はかがみの孤城を映画で見たくらいで、東海オンエアの虫眼鏡が動画の企画の中でてつやに勧めていた作家さんでしたので、今回読むことに決めました。読んで良かったです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこれはやられました。
終盤での盛り上げが凄まじい。
序盤はひっかかるところが多かった。
同じ段落で主語が変わることがあるのが分かりづらい。
鉤括弧内での改行が多用されているのも読みづらい。
彼や彼女が誰を差しているのかがわかりづらい
そして、iの正体。
月子か?違った。恭司?違う。秋山先生でも狐塚でもない。
浅葱が乖離性同一性障害。読めたし、少しチープに感じた。
これが決定打だと思った。
ところが。
月子が妹という叙述トリック、上原愛子の関わり、赤川翼、そしてラストの恭司と浅葱。
すごすぎた。ここまで練り上げて超長編としてまとめ上げた、若き辻村深月さんに脱帽した。
時たま、キレッキレの -
Posted by ブクログ
辻村深月の2作品目。
デビュー後の初作品で上下巻の大作。さすがです。
ただ、冷たい校舎〜で感じた読みづらさを冒頭から感じた。
描写が詩的というか、抽象的というか。場面を想像するのにエネルギーを使う。
過去形よりも現在形が多いのも特徴。最近の作品からは感じないから、書きまくってるうちに彼女の文体が完成していったんだろうか。
やはりアラは見える。
・教授と学外でも会うくらい親しくなる理由が不明
・時が2年経過しているのが分かりづらい
・三人称多視点における視点の変化が多いように感じて読みづらい
でもそれを吹き飛ばすほどに入り組んだストーリーと人物の深掘り。
藍と翼の公園のシーンには心震わされ -
Posted by ブクログ
ネタバレ不妊治療の末に特別養子縁組を選択した夫婦と、若くして子供を手放さざるを得なかった生みの親を描くヒューマンミステリー。
序盤の不妊治療の描写がとにかく辛い。夫婦が地獄の中でもなんとか希望を掴み取ろうともがく様子が、とてもリアルに描かれていた。
そんな地獄を乗り越え、養子縁組を選択した夫婦のもとに、6年後に突如現れて金を無心してくる生みの親である片倉ひかり。読者の誰もが「なんだこの無責任な母親は」と片倉ひかりに反感を持ってしまう。
しかし、その後に語られる片倉ひかりの人生で、読者の誰もが表面的に人を判断してしまうことを反省させられる。
教師の両親のもとで厳格に育てられ、姉のように勉強もできず、誰に