辻村深月のレビュー一覧

  • 冷たい校舎の時は止まる(上)

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    ネタバレ

    ある大雪の日に高校に登校した7人の生徒たちが、誰もいない校舎に閉じ込められ、時計が止まった冷たい空間の中で「文化祭で自殺したのは誰か」を思い出すまでを描いたミステリ。
    直木賞作家、辻村深月先生のデビュー作であり、僕はこの本の文庫版が出た頃に読んですっかりファンになってしまった。後の作品に比べると、主人公一人一人のサイドストーリーが丁寧に書かれていて、とても長い。先生自身が紹介コメントで「自己紹介代わりの作品」と書いている通り、物語本筋と同じくらい登場人物の個性が大事に書かれている。
    上巻は、ほとんど各自の自分語りのような話題が続いて青春物なのかな?と錯覚し始めたところにちょっとしたホラー展開が

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    2025年06月02日
  • V.T.R.

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    『スロウハイツの神様』の作中作品、チヨダ・コーキによる小説。
    その位置づけを知らない時に、ずいぶん毛色の違うアニメ風の表紙だなと思っていました。
    中身も装丁が凝っていて、なんと解説は赤羽環!粋な設定にワクワクです。

    設定はライトノベル風なのかな?
    200ページくらいなのですぐに読めます。
    国認定『マーダー』という殺人が認められている千人の殺し屋がいる世界。
    その中で物語が進んでいきます。

    ネタバレなしで書くのに自信がないので詳しく書けませんが、最後の二章くらい急展開でハラハラしました。
    ロボットのペロッチがとても可愛いくて、そして物語の重要なキーとなっています。
    しかけを作ったアールの気持

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    2025年06月01日
  • 光待つ場所へ

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    凍りのくじら、名前探しの放課後が大好きなので、彼らの新たな物語が読めたのが何より嬉しい!そして過去作品であまり深堀りが行われなかったキャラクターたちのその後が知れたのもよかったですね。いい作品集でした。

    物語全体としては、10代、20代のときの、周囲に置いてかれるんじゃないかと焦る気持ち、世間への焦燥感などがありありと思い出されて、かなりダメージくらいました。相変わらずこちらの心が見透かされてるんじゃないかと思うほど、人間の内面を描くのが上手い。さすが辻村先生、最高でした。

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    2025年05月31日
  • 名前探しの放課後(下)

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    ネタバレ

    「3か月後にクラスメートが自殺する」という未来を視てきた少年とその友人たちが、自殺を止めるべく奮闘する。目的を共有しながら日々を過ごす中で絆を深めた彼らはとうとう「その日」に直面する。
    タイムスリップ物の青春小説+ミステリという体裁だが、時間移動の理屈は二の次で、親友たちが荒唐無稽な話を信じ未来を変えようとする前向きな若さが主題。最後の50ページで仕掛けるトリック、それさえ脇役にする感動のラストはとても良いが、今回は仕掛けが大掛かり過ぎてさすがに無理があるようにも思う。 最後の最後に辻村ワールドのリンクが発動し、ファンは温かい気持ちになれる。

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    2025年05月31日
  • 名前探しの放課後(上)

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    ネタバレ

    「3か月後にクラスメートが自殺する」という未来を視てきた少年とその友人たちが、自殺を止めるべく奮闘する。上巻では自殺者が誰なのかもわからない中で、少しずつ協力者を増やして結束を深めていく過程が描かれる。
    上下巻ミステリの宿命として、どうしても上巻は驚きが少なく展開も穏やかでやや退屈。とはいえ、癖のある高校生たちがそれぞれ異なる理由で荒唐無稽な話に協力し、チームが出来上がっていく流れは気持ちが良い。

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    2025年05月30日
  • 冷たい校舎の時は止まる(下)

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    ネタバレ

    校舎の中の時が止まって仲の良い友人達と閉じ込められてしまう。不気味なんだけどちょっとワクワクする感じ。でも、物語が進むにつれてどんどんシリアス、なんならちょっとホラーな感じもあって面白かった。
    8人の中の誰かが亡くなったと思い込んでたから自殺したのが春子だと分かった時は驚いた。
    菅原だけずっと名字しか出て来ないのに違和感を感じてたけどまさか榊が若返った姿だとは思わなかった。榊はいつになったら出てくるんだ、ってずっと思ってた。
    あとはヒロとみーちゃんと菅原の関係が繋がった時鳥肌が立った。そういう事だったのかって繋がる感じがめちゃくちゃ気持ち良かった。
    上下合わせて1000ページ以上あるのに読む手

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    2025年05月30日
  • きのうの影踏み

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    通勤電車内でしか読書をしないので、手軽に読みたいなと思い、読みました。短文でもグッと話に引き込まれて、とても面白かったです。
    特に好きなのは①「ナマハゲと私」と②「タイムリミット」です。
    ①はこの作品の中では1番物理的な怖さがあるなと思いましたし、②は臨場感がとてもあって、短編ながらもハラハラさせられてとても好きです。

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    2025年05月29日
  • はじめての

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    島本さん目当てで読んだんだけど、宮部みゆきさんに驚いてしまった。短編でこんな世界繰り広げられるの凄い。yoasobiの曲も良かったよ

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    2025年05月29日
  • 噛みあわない会話と、ある過去について

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    やばい面白すぎた。
    4つの短編。1つ目の作品があまり刺さらなかった(★-1)ので気が進まなかったけど渋々続きを読み始めたら面白くて一気読み!アドレナリン出てしまった。

    3つ目の「ママ・はは」がグサグサ系なうえにホラーすぎてリアルに寒気。読みながら背後に気配感じてしまうレベルで怖かった。なんなんだこれは、、オカルト的な部分もあって全部を理解できたわけではないけどなんかすごい。

    あとの2つも自分に思い当たる節がないとは言いきれない話、過去の解釈歪めてしまってることはあるだろうしほんと無自覚とか傲慢さって怖い。自戒。

    そして解説が面白かった。臨床心理士の視点から、人間のトラウマや負の感情から起

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    2026年01月08日
  • はじめての

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    yoasobiとコラボした4作が詰まった短編集。「私だけの所有者」AndroidのAIの人権について考えさせられる。「ユーレイ」主人公の辛い経験も含めて青春だなと感じた。「ヒカリノタネ」タイムリープものだけど、思わぬ結果で面白かった!

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    2025年05月27日
  • 青空と逃げる

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    過酷な状況にありながらも、「生きること」「愛すること」に真正面から向き合う親子の姿が眩しく見えた。

    この本を読んでいる間、何度も自分自身の家族のことを考えた。大切な人と向き合っていく勇気をもらった気がする。

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    2025年05月26日
  • ロードムービー

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    作者のデビュー作『冷たい校舎の時は止まる』の彩度ストーリを集めた短編集。他愛なく、そして誰にでも覚えのある日々を悩みながら一生懸命に過ごす "彼ら" の近況報告。
    単体エピソードとして見れば大掛かりな伏線もなく、仕掛けられたトリックもやや突飛な印象を受ける。ただ、スピンオフ作品として読めば納得の仕掛けになっていると思うし、何より作品のキャラクターたちがとても大事に扱われていることがわかる。あの時の彼らが地続きで元気に生きていることがわかって嬉しい、そんなファンに向けた贈り物。

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    2025年05月25日
  • あなたの言葉を

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    ネタバレ

    「自分の気持ちを大切に」
     自分の気持ちを常に、正直に明かすこと。それだけが正解ではないと思います。自分は実はこう思っているけれど、とその気持ちを大事に思うからこそ、気持ちを守るために口に出さない選択もきっとあります。
     世の中には正解があるような気がしてしまうけど、実は、正解がないことがほとんど。

     正解がない世界の中で、自分に一番しっくりくる方法をその時々に探して見つけていくこと。

     相手の気持ちを曲げないように、自分の本心とは違う返答をしてしまうと自己嫌悪に陥ってしまうが、その必要はないと言ってもらえた気がした。

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    2025年05月25日
  • あなたの言葉を

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    コロナって大変だったなと思い返しました
    子供はもっと大変だったんだなと思います
    良い天気とはの話が印象的、そうだよね!

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    2025年05月25日
  • はじめての

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    4人の作家による4つの「はじめての…」をテーマに書かれた短編小説集。
    明確に異なる文体を楽しみながら、どれも適度に短くて読みやすく、これらの作者の他の作品を読んでみたいと思いました。

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    2025年05月25日
  • ふちなしのかがみ

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    ネタバレ

    どこにでもありそうな現代の学校や山里を舞台にした理系怪談百物語。超常現象や霊がはっきり描写されるシーンはほとんどないのに、ザラッとした不気味な読後感が残る短編集。
    正統派ホラーとして一番きれいにまとまっているのは1本目の『踊り場の花子』だが、個人的には『おとうさん、したいがあるよ』が印象に残った。タイトルからして異常なのに、その異常さが加速しながら日常が進んでいく、じわじわと怖さが染み出すようなそんな一作。

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    2025年05月24日
  • オーダーメイド殺人クラブ

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    アンや徳川ほどではなくても、自分でも今思い返すとイタイなと思う青春時代がある。
    大人になっても、どんなにたくさんの記憶ができても、忘れられない、上書きされない記憶がある。
    辻村深月さんの、学生の心情の描き方がとても好きです。懐かしさとともに、あの頃はもう戻らないのだなと少し切なくもなります。

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    2025年05月22日
  • V.T.R.

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    ネタバレ

    第一の感想として、コウちゃんの本が読めてよかったがある。ストーリーは確かに推測しやすいし、不明な点があったり自身の推測で補う部分が多かったと思う。けれど、そのストーリーが全てティーの視点で描かれ彼の世界を見せてもらっている気がした。
    彼らの関係性が見えてくるたび、アールの現状に心が苦しくなる。文章量はそう多くないものの、ストーリーは決して薄くない。再度言うが、環と同じ読者という立ち位置でコウちゃんの小説が読めてよかった。

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    2025年05月22日
  • 東京會舘とわたし 下 新館

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    東京會舘といえば、官庁系団体に勤めていたうん十年前、隣で経理を担当していた先輩が東京會舘レストランプルニエの請求書が届くと、「良いわねぇ、経費でご馳走がいただけて」と言っていたのを思いだす。時代に翻弄されながらも、古き良き伝統を受け継ぐ歴史ある建物だと改めて知る。心温まる9編の物語。建物に思い出を持つ実在架空の人々の物語がバトンを受け渡すが如く時代背景と共にドラマチックに描かれている。若き作家がこれほどに深く広い知識、豊富な語彙、取材力、想像力と感性を持って作品を紡ぎ出すことに驚かされる。

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    2025年05月24日
  • 東京會舘とわたし 上 旧館

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    東京會舘といえば、官庁系団体に勤めていたうん十年前、隣で経理を担当していた先輩が東京會舘レストランプルニエの請求書が届くと、「良いわねぇ、経費でご馳走がいただけて」と言っていたのを思いだす。時代に翻弄されながらも、古き良き伝統を受け継ぐ歴史ある建物だと改めて知る。心温まる9編の物語。建物に思い出を持つ実在架空の人々の物語がバトンを受け渡すが如く時代背景と共にドラマチックに描かれている。若き作家がこれほどに深く広い知識、豊富な語彙、取材力、想像力と感性を持って作品を紡ぎ出すことに驚かされる。

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    2025年09月12日