あらすじ
筋肉少女帯の無二の世界観が小説に! 大槻ケンヂ、辻村深月らが描く、楽曲と小説が交差する物語。
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Posted by ブクログ
名だたる筋少好き作家達によって筋少楽曲の世界観で執筆された小説集。筋少ファンの一人として大いにニヤニヤしながら楽しませてもらいました。作家の皆さんの匂い立つような筋少愛が面白い。オーケンの小説が「これはオーケンの小説だ…!」って感じで最高でした。
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2025/8/12にSHIBUYA PLEASURE PLEASUREでの大槻ケンヂ氏のイベントに行ってきた。
20年ぶりくらいに生ケンヂに会ってきた。
彼は楽器ができない、楽譜が読めない音楽家ということで有名だったけど、
人前で弾き語りができるほどにギターを弾きこなしていて感無量だった。
途中で演奏失敗して曲が止まって「ちょっと練習するね」とか言ってたのはわざとだったはずきっと。
この本は曲の歌詞を小説にしたもの。
原曲に思い入れやイメージがかなり強かったのだけど、どの短編もいい意味で裏切られて楽しめた。
自分は辻村さんと生まれた日が近いので同じ時代を生きてきた。
藤子・F・不二雄や女神転生、よつばと、大槻ケンヂなど共通の好きなものが多くて勝手に親近感を持っていた。
この本の短編を読んで改めて若い頃に彼女と同じような感情になってたんだなあと実感。
ネットで各作者とオーケンの対談が公開されてるけど、執筆にあたってどこまでオマージュしたらルール違反かみたいなさじ加減をお互いに探り探りだったようで。
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筋少の歌詞をベースに作成された短編集。どの話も、出てくる主人公は所謂「陰キャ」と呼ばれる人たちで、世間の輪の中に上手く混ざれない人たち。
そんな彼ら(彼女ら)に起こるヘンテコな話・・・なんだけど、いや~どの話も面白かった!!
元々大槻ケンヂの書く詩(筋少の歌詞)って、物語っぽいから小説にしやすいってのは想像できましたが、ここまでドはまりして読めるとは思わなんだ。
特に心に刺さったのは、一番最初の「中2病の神ドロシー」、人間椅子の和嶋慎治さん作の「福耳の子供」、そして最後の大槻氏本人作の「香菜、頭をよくしてあげよう」ですかね。
特に、最初と最後の奴、一度喪失したモノと長い月日を経て邂逅するって展開、ホントダメなんですよ。読んでて泣きそうになりました。
話の節々にちょこちょこと織り込まれる,筋少の歌詞や、映画やSF等のサブカル系?小ネタ達、これらの元ネタが粗方分かってしまう自分に閉口しつつも、ニヤニヤしながら読んでました。
しかし、この企画、第二段第三弾と続いてくれたらなと、期待しています。小説書けそうな曲(歌詞?)まだまだいっぱいありそうですもんね。「風車男ルリヲ」とか、「リルカの葬列」とか、「最後の遠足」とか(挙げたらキリがない(笑))。
Posted by ブクログ
「そのバンド 本当はいなかった 25年見てたのは
自分の心さ 君自身の影なのさ」
“中2病の神ドロシー”より
うおぉ!筋肉少女帯の楽曲が小説に!しかも執筆陣も豪華アンド本人降臨!!
素晴らし過ぎる作品だ。筋少ファンとして思わず歓喜の涙(泣)
この作品は全6篇+装丁のアンソロジー短編集となっていて各作品のテーマとなった楽曲がタイトル(一部違うが)となっている。各執筆者はテーマとなってる歌詞を物語化しているが、まぁ、出てくる出てくる他の曲(笑)
探せば20曲くらい歌詞でてくるんじゃないかという勢い!しかもなんか大槻ケンヂの文章っぽさも感じる(寄せてる?)
筋肉少女帯愛が濃い!濃すぎる!!
物語としてはユーモア妄想日常ちょいSFファンタジーな作品揃い、バラエティ豊かで肩の力を抜いてのほほんと楽しめる。
勿論、筋肉少女帯知らない人でも楽しめる作品ではあるが、やはり各楽曲をBGMにして読むのが良いだろう。
筋少ファン、そうでない人、妄想癖とか、、暗い学生生活を送った人とか、電波受信する人とか、この世の全てを燃やし尽くしたい人とか、とにかく全人類オススメ!
「あのコは夏フェス焼け」藤田和日郎
オーケンの皮を被っていたのは…美少女!?
素敵表紙で期待感を高めてくれます!
藤田先生の別短編の「空に羽を…」という作品は
筋少の「機械」という曲をモチーフにしているので、コチラもオススメです!
「中2病の神ドロシー」辻村深月
好きだったはずのバンドが突如世界から完全に消えて無くなってしまった。彼女は存在しないバンドを探し求めて…
メッチャ綺麗にまとまってる!友達と協力してバンド探し求める姿はまさに青春小説!爽やかさを感じる作品。
「十光年先のボクへ」柴田勝家
名曲サンフランシスコ10イヤーズアフターをモチーフとした作品。
主人公ケンちゃんはこの世界は全部作り物で周りの人間に自分がそのことを知っていると気付かれてしまうと今の世界が崩壊してしまうと信じており、日々凡庸に生きているのだが…
楽曲サンフランシスコとリンクさせつつの展開にファン歓喜!楽曲もそうなのだが切なさと余韻を感じるラストが良い!
「日光行わたらせ渓谷鐵道」滝本竜彦
レティクル座行超特急をモチーフにした作品。
クラスの陰キャな主人公はその有り余るリビドーを秘密ノートに書き溜めていたのだが、クラスの陽キャ女子、踏子にそのノートを拾われてしまい…
うおぉ!オーケンのグミチョコ的なアングラ青春小説やんけ、ニヤニヤしながら読んじゃったよ。
「ディオネア・フューチャー」空木春宵
人間がハエトリグサに見えるボクと、球体関節ヒロイン“ドリュー”のSFカタストロフィ青春恋愛小説。
ライトな文体ながら切ないエンディング。
オーケンを連想させるキャラジローさんがいい味出してる。
「福耳の子供」和嶋慎治
バンド人間椅子のギタリスト和嶋慎治の筆による小説。実際の曲調は不気味な雰囲気なのだが、ほのぼのとした感じに表現されており、津軽弁がいい味出してる。
見た目の通り文学っぽい作品書くんだなぁ…
「香菜、頭をよくしてあげよう」大槻ケンヂ
満を持してのオーケン作品!曲もそうなのだが、まぁいつもの、オタク系のほほんアンドちょっぴりセンチな恋愛物な感じ。
しかし実際「頭をよくしてあげよう」って言われたら引くよね(笑)
Posted by ブクログ
面白かったです。
どの人も、筋少の曲に対する想いが溢れていた。もっと他にも、あの曲やあの曲もあるやろ!と思ったら、そう言った曲の歌詞もちゃんと話の中に登場していた。
また是非いろいろな曲を小説化してもらいたいなぁ。
辻村深月さん
中二病の神ドロシー
ある意味一番それっぽい小説化だった。
滝本竜彦さん
レティクル座行超特急。
自分は、暦15年ぐらいのにわかファンだけど、レティクル座妄想のアルバムは車の運転中に相当な回数きいている。
そのアルバムの一曲目なので、容易に脳内再生できた。
それにしてもNHKにようこそ
柴田勝家さん
サンフランシスコ10イヤーズアフター
サンフランシスコは大好きなんだけど、あえて10イヤーズアフターの方を持ってくることにまず驚き、そして読んでみて、ああ、10イヤーズアフターだ、と納得。実に筋少っぽい。
空木春宵さんのディオネア・フューチャー
ディオネアって、ハエトリグサのことだったのか。なんとなく格好いい響きだと思ってたので意外。
歌詞を改めて見ると、確かになんとなく、「トリフィドの日が来ても二人だけは生き抜く」の世界観と似たものが感じられる。
脳Wi-Fi!
この話特に面白かった。
そして人間椅子の人の書いた、福耳の子供の小説。
想像してたより、優しい話だった。
俺だったらもっと怖い話にしちゃうかも。
思いながら読んでました。
最後はオーケンの「香奈、頭をよくしてあげよう」
これは、小説、なのか?変化球なエッセイじゃないのか?
どちらにしてもテンポが良い40年の話だった。
Posted by ブクログ
筋肉少女帯は前に聞いていた時期があるし、辻村深月が読みたかったので手に取った。
辻村深月が別格。
それは仕方ない。
同じような仕掛けをストーリーに仕込んでも、感じ方がまるで違う。
他の人のがカクカクのポリゴンだとしたら、辻村深月は実写みたいななめらか3D。
意外と、和嶋慎治の文体が好きだった。
もしかしたら人間椅子が好きだから、フィルターかかってるのかもしれない。
オーケンの作品も好き。
東京の街は知らないけど、不思議と懐かしい。
Posted by ブクログ
いわゆるジャケ買いでした「筋肉少女帯小説家計画」。
表紙は漫画家の藤田和日郎さん。彼をはじめとして、多くの創作に関わる人々にファンが多いのは知っていたけど、本家である筋肉少女帯の歌を聞いたことはあんまりないです。アニメ「うしおととら」のOPぐらいか。
興味はあれど、聞く機会を求めてこなかったので、聞くきっかけになるかな、と思って購入しました。
10代というか思春期が感じる違和感、疎外感、万能感、危機感、無敵感、嫌悪や潔癖、夢想に妄想、強圧や抑制、純真に偽悪、憧憬に共感、拒絶と承認。そういったもののごった煮の中から、その時の、初めて聞いた時の自分が一番欲しがっていたもの、共感できるものを見出すことができる素材だったのだろうな、と思います。
青春の一時期、何者でもないけど何者にもなれる。そういう文言だけを頼りに、うまくいかない日常をやり過ごすだけの日々を送り、文言を知ることで望んでいた何かになることができた、と勘違いをしていた自分には、現実を突きつけてくるなかなか厳しめの小説集。
踏み出す勇気を持ち得なかった自分には、サブカルクソヤロウの若かりしオーケンの独白が、羨望から生まれた尊敬と憧憬と嫉妬と冷笑となります。
自分の弱さをさらけ出し、恥をかきながら、正道や王道でなくても自分の選んだ道を歩むことをやめない強さを与えてくれたかもしれない。
その人が持っている、決意と覚悟の発露の煌めきがたまらなく好きで尊敬するのだけども、その行為の結果が好きなだけで、そこに至るまでの葛藤や逡巡には目を逸らしてきた傾向が自分にはあります。
泥の中からこそ綺麗な花は咲く、というのに。
自伝の趣がある大槻ケンヂの「香奈、頭を良くしてあげよう」で、19歳も59歳もオーケンはオーケンであるように、人間は幾つになってもその本質というものは変わらないのだとは思う。だからこそ、その本質に何らかの変化を与えるような存在と出会った喜びが、とてつもない成功体験となって肉体や精神、魂の記憶に刻まれるのだと思う。
収録されている6作品全てにおいて、それぞれの登場人物、いや作者の体験を描いたのだと思います。羨ましい。
「香奈、頭を良くしてあげよう」中の言葉を借りれば、『自分も金星人には遭っていない』年齢なので、まだ何かのきっかけがあるかもしれないなぁ。
この言葉が、ダイエット用品になりませんように。
Posted by ブクログ
筋肉少女帯のコンサートに行ったっけ…懐かしいです。一緒に行った人たちにこの本の存在を教えたい!知らない曲もあったけど、世界観は筋少。選ぶならやはり福耳の子供かなー。大槻ケンヂさんのは筋少の演奏まで頭の中で蘇りましたよ。そうそう、オーケンって呼んでたわ。藤田和日郎さんの装画も効いてる。
Posted by ブクログ
筋肉少女帯すき、オーケンがすき。そりゃあ読みます。冒頭の辻村深月が、楽曲の世界観も保ちながらストーリーだけ見ても独立していて解像度の高さと気合いが伝わってきた。オーケン「香奈〜」はホッコリして、楽曲への世界観も押し付けてくる感じがなくて嬉しかった。(好きな楽曲なので、解釈がこれです!と断定されるのが怖かった。)