辻村深月のレビュー一覧
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読み終わってから題名を見るとよく考えられてるなぁと思う。
中2という多感な時期。運動部で友達や彼氏がいてキラキラしたように見えるけれど実は少年事件や退廃的なものが好き。
中学生活は仲良し3人組で固まってるように見えつつ、一歩対応間違えるとボス女子から村八分にされるという閉塞的なもの。
ひょんな事からクラスメイトが同じく死に惹かれることをしり、自らの命をもって世間を賑わす事件をつくろうとしはじめる。
家や学校がどれだけ辛くても、もうすぐ終わりがあるから理想的な死に方ができるからと支えに頑張る姿には「それきっと一時的なものだから一度落ち着きなよ」
とは言えない。本人たちはいたって真剣
どうなるのかはらはらして読んでいた
題材が題材なのでおすすめ!って強く言いにくいけど辻村作品の中でもかなり好きかもしれない -
Posted by ブクログ
主人公の理帆子は、周囲の人を冷静に観察し、「スコシ・○○」と分類するような少女。自分は人よりも物事がよく見えていると思っている一方で、実は母のことも、若尾のことも、そして何より自分自身のことも、本当には理解できていなかった。
この作品のテーマの一つは、「人を理解するとはどういうことか」なのだと思う。人を客観的に分析することと、その人を本当に理解することは違う。そして、自分のことなら自分が一番分かっているとも限らない。
タイトルの「凍りのくじら」は、一見すると自分の世界に閉じこもる郁也を指しているように見える。しかし読み終えてみると、理帆子自身もまた「凍りのくじら」だったのではないかと思った。人と関わりながらもどこか距離を置き、「スコシ・フジザイ」な自分を冷静に受け入れていた理帆子。しかしその氷の内側には、自分でも気づいていなかった「本当は人とつながりたい」という思いが閉じ込められていた。
郁也を凍りの中から救おうとしていた理帆子自身もまた、凍りの中にいた。そしてさまざまな人との関わりを通して自分の内面に気づき、最後には自分自身をその氷の中から救い出していく。その反転がとても印象的だった。
「凍りのくじら」というタイトルの意味が、読み終えたあとに違って見えてくる作品。ドラえもんをモチーフにしながら、人とつながることや、人を理解することの難しさを描いているところが面白かった。 -
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前半は悪く言えばよくあるダメ男に依存する女性の話で、後半は自分のコンプレックスから執着してしまう女性の話。
最初はただの純粋な恋愛だったのにいつしか身を削り相手に依存してしまう危うさがあった。だんだんと男性自体の魅力は減っていくのに依存してしまう。依存されてもむしろ嬉しくなってしまう。典型的な共依存。
盲目的な友情は幼少期のトラウマが大人になっても大きく影響することはよく知られているが心の距離がおかしくなっていきいつしか周りにしか価値を見出せなくなってしまう。
人間っていつしかしてあげたことのお返しがないと不平不満が募っていく生き物。それをここまでどす黒く表現できるのはさすがとしか言いようがない。
辻村作品は女性の解像度が高いという感想だったが本作は男性の解像度も高くてなかなかにいいクズ男っぷりだった。 -
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ネタバレ小さい頃のミカやノリコの心情の動きを見て、人の顔色を気にしすぎてたり、人間関係が自分の全てかのように考えてたりで初めはなんでそんなにと不思議に思ったけれど、それは自分が大人になったからそう思うのであって、自分も小さい頃は周りの人の顔色を伺ったり、誰々ちゃんに嫌われたかもと思うだけで世界の終わりのように思っていたなあと思い出した。自分の懐かしい記憶も呼び覚まされるような感覚があった。溌剌としていて、とても良い子で、でも泉に絵の具を全色流すほど両親に会いたいと強く願っていたような少女だったから、田中がミカだと知った時は衝撃が走った。誰が彼女をこんな大人に変えてしまったのか…あのときミライの学校の大人たちが、両親が、ミカの気持ちに真正面から向き合ってくれたなら。隠蔽などせずに本当の意味で守ってくれていたのなら。その上で法子のように「あなたは悪くない」と言ってくれたのなら。彼女のミライはまた違っていたんじゃないのかなと悲しいし虚しくならずにはいられなかった。ミライの学校の子供達のことには熱心な大人たちが、じゃあ一番身近な自分の子供のことについてはどうだったのか?という作中で何度か子供達が自分の親に繰り返す問いが辛くて痛かった。一方で、一度は途切れてしまったしもう友達という関係には戻れないかもしれないけれど、時を経てもう一度交わる美夏と法子の物語に胸が熱くなり、後半頁を捲る手が止まらなかった。夜の泉に寄り添い佇む幼い二人の後ろ姿が、読み終えた今も瞼の裏に浮かんでいる。
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Posted by ブクログ
ネタバレ鏡の世界に集められた7人が、それぞれ異なる時代を生きていたということに驚かされた。さらに、リオンのお姉ちゃんを中心に7人が繋がっていたことが明らかになり、とても綺麗な終わり方だと感じた。
この本を読んで、人を表面的な部分だけで判断してはいけないと改めて感じた。その人が表には出さない辛い経験や置かれている状況を察することは難しい。しかし、相手のことを知ろうとしたり、親身になって関わったりするだけでも、その人の助けになることがある。自分も相手の見えている部分だけで判断せず、相手の気持ちや背景を考えながら人と関わっていきたいと思った。