辻村深月のレビュー一覧

  • 噓つきジェンガ

    Posted by ブクログ

    「鍵のない夢を見る」の流れを汲んだ短編集。
    タイトルよろしく様々な嘘をついた人々が主人公の一冊。
    どの話もやむにやまれない事情を抱えた人たちばかり。
    自分も同じ立場に立たされたら彼ら彼女らと同じ轍を踏まないとは言い切れない。
    そんな風に思うと、どの話の主人公もどこか憎めない。

    0
    2026年09月02日
  • 子どもたちは夜と遊ぶ(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    上下巻計1000ページがあっという間でした。
    第九章を読んだときの衝撃が忘れられません。すっかりミスリードされました。
    この感じは「スロウハイツの神様」に近しいものを感じました。

    0
    2026年09月02日
  • ツナグ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    死者と一度だけ再会できる「ツナグ」を訪ねて、さまざまな事情を抱えた人々が大切な相手との再会を願う連作短編。
    会えたことで救われる人もいれば、新たな迷いや後悔を抱える人もいて、再会が必ずしも幸福だけをもたらすわけではないところが印象的だった。
    どの話も切なく温かい余韻があり、特に「待ち人の心得」が心に残った。欲を言えば、物語全体が反転するような伏線回収や驚きももう少しほしかったが、人を想う気持ちや、今を生きることについて静かに考えさせられる作品だった。

    0
    2026年09月02日
  • オーダーメイド殺人クラブ

    Posted by ブクログ

    読み終わってから題名を見るとよく考えられてるなぁと思う。
    中2という多感な時期。運動部で友達や彼氏がいてキラキラしたように見えるけれど実は少年事件や退廃的なものが好き。
    中学生活は仲良し3人組で固まってるように見えつつ、一歩対応間違えるとボス女子から村八分にされるという閉塞的なもの。
    ひょんな事からクラスメイトが同じく死に惹かれることをしり、自らの命をもって世間を賑わす事件をつくろうとしはじめる。
    家や学校がどれだけ辛くても、もうすぐ終わりがあるから理想的な死に方ができるからと支えに頑張る姿には「それきっと一時的なものだから一度落ち着きなよ」
    とは言えない。本人たちはいたって真剣
    どうなるのかはらはらして読んでいた
    題材が題材なのでおすすめ!って強く言いにくいけど辻村作品の中でもかなり好きかもしれない

    0
    2026年09月02日
  • 凍りのくじら

    Posted by ブクログ

    主人公の理帆子は、周囲の人を冷静に観察し、「スコシ・○○」と分類するような少女。自分は人よりも物事がよく見えていると思っている一方で、実は母のことも、若尾のことも、そして何より自分自身のことも、本当には理解できていなかった。

    この作品のテーマの一つは、「人を理解するとはどういうことか」なのだと思う。人を客観的に分析することと、その人を本当に理解することは違う。そして、自分のことなら自分が一番分かっているとも限らない。

    タイトルの「凍りのくじら」は、一見すると自分の世界に閉じこもる郁也を指しているように見える。しかし読み終えてみると、理帆子自身もまた「凍りのくじら」だったのではないかと思った。人と関わりながらもどこか距離を置き、「スコシ・フジザイ」な自分を冷静に受け入れていた理帆子。しかしその氷の内側には、自分でも気づいていなかった「本当は人とつながりたい」という思いが閉じ込められていた。

    郁也を凍りの中から救おうとしていた理帆子自身もまた、凍りの中にいた。そしてさまざまな人との関わりを通して自分の内面に気づき、最後には自分自身をその氷の中から救い出していく。その反転がとても印象的だった。

    「凍りのくじら」というタイトルの意味が、読み終えたあとに違って見えてくる作品。ドラえもんをモチーフにしながら、人とつながることや、人を理解することの難しさを描いているところが面白かった。

    0
    2026年09月02日
  • ハケンアニメ!(下)

    Posted by ブクログ

    アニメの聖地巡礼の任された並澤、唯一の協力者課の宗森と共に奮闘するも心折れかかる。境地を救う者が現れるのか?イベントは成功するのか?手に汗握る怒涛の展開は圧巻

    0
    2026年09月01日
  • 盲目的な恋と友情(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    前半は悪く言えばよくあるダメ男に依存する女性の話で、後半は自分のコンプレックスから執着してしまう女性の話。

    最初はただの純粋な恋愛だったのにいつしか身を削り相手に依存してしまう危うさがあった。だんだんと男性自体の魅力は減っていくのに依存してしまう。依存されてもむしろ嬉しくなってしまう。典型的な共依存。

    盲目的な友情は幼少期のトラウマが大人になっても大きく影響することはよく知られているが心の距離がおかしくなっていきいつしか周りにしか価値を見出せなくなってしまう。

    人間っていつしかしてあげたことのお返しがないと不平不満が募っていく生き物。それをここまでどす黒く表現できるのはさすがとしか言いようがない。
    辻村作品は女性の解像度が高いという感想だったが本作は男性の解像度も高くてなかなかにいいクズ男っぷりだった。

    0
    2026年09月01日
  • 琥珀の夏

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    小さい頃のミカやノリコの心情の動きを見て、人の顔色を気にしすぎてたり、人間関係が自分の全てかのように考えてたりで初めはなんでそんなにと不思議に思ったけれど、それは自分が大人になったからそう思うのであって、自分も小さい頃は周りの人の顔色を伺ったり、誰々ちゃんに嫌われたかもと思うだけで世界の終わりのように思っていたなあと思い出した。自分の懐かしい記憶も呼び覚まされるような感覚があった。溌剌としていて、とても良い子で、でも泉に絵の具を全色流すほど両親に会いたいと強く願っていたような少女だったから、田中がミカだと知った時は衝撃が走った。誰が彼女をこんな大人に変えてしまったのか…あのときミライの学校の大人たちが、両親が、ミカの気持ちに真正面から向き合ってくれたなら。隠蔽などせずに本当の意味で守ってくれていたのなら。その上で法子のように「あなたは悪くない」と言ってくれたのなら。彼女のミライはまた違っていたんじゃないのかなと悲しいし虚しくならずにはいられなかった。ミライの学校の子供達のことには熱心な大人たちが、じゃあ一番身近な自分の子供のことについてはどうだったのか?という作中で何度か子供達が自分の親に繰り返す問いが辛くて痛かった。一方で、一度は途切れてしまったしもう友達という関係には戻れないかもしれないけれど、時を経てもう一度交わる美夏と法子の物語に胸が熱くなり、後半頁を捲る手が止まらなかった。夜の泉に寄り添い佇む幼い二人の後ろ姿が、読み終えた今も瞼の裏に浮かんでいる。

    0
    2026年09月01日
  • 闇祓

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読み始めはイヤミスっぽい展開で進みつつ、その「イヤ」が魔物のような存在の仕業で、そしてフィクション上の安倍晴明のごとく魔を祓う存在が現れ、ある意味ほっとしながら読んだ。 この魔のような存在は、タイトルにも含まれる通り「あらゆる『〇〇ハラ』が魔の仕業だったら」といったテーマをもって表現されていた。 最終的には色々と伏線回収や意外な結末など。大長編の第一作といった感じの内容で、良くも悪くも読みやすかった。 しかし、相変わらずこの作者の書く性格の悪い人間が本当に悪くてムカついてきますな。

    0
    2026年08月31日
  • 鍵のない夢を見る

    Posted by ブクログ

    短編集なのに一つ一つのストーリーの登場人物の雰囲気がよく伝わってきた
    特にあの育休のときの友達とのやりとりとか感じ方とかリアル

    0
    2026年08月31日
  • かがみの孤城 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    鏡の世界に集められた7人が、それぞれ異なる時代を生きていたということに驚かされた。さらに、リオンのお姉ちゃんを中心に7人が繋がっていたことが明らかになり、とても綺麗な終わり方だと感じた。
    この本を読んで、人を表面的な部分だけで判断してはいけないと改めて感じた。その人が表には出さない辛い経験や置かれている状況を察することは難しい。しかし、相手のことを知ろうとしたり、親身になって関わったりするだけでも、その人の助けになることがある。自分も相手の見えている部分だけで判断せず、相手の気持ちや背景を考えながら人と関わっていきたいと思った。

    0
    2026年08月30日
  • 島はぼくらと

    Posted by ブクログ

    網元の一人娘の衣花に感情移入した。
    周りの人たちは島を離れたり、逆に島にやって来たりと変化していくのに、自分はこれからも島に残ることが生まれたときから決まっている。
    周りは変わっていくのに自分は変わらない。その焦りや諦め、寂しさ、孤独が胸に刺さった。

    読み終わって、いい話だったなと思える一冊だった。

    0
    2026年08月30日
  • ツナグ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    死者との再会を描く物語だけれど、読後感は決してすっきりとはしなかった。特に「親友の心得」は、嫉妬や意地、言わなくてもよかった一言のような、誰にでもあり得るささやかな後悔を、鋭く研いで突きつけてくる感じが印象的。心の奥にどろっとしたものを残していく一冊だった。

    0
    2026年08月29日
  • かがみの孤城 上

    Posted by ブクログ

    ここから下巻でどんな展開になるのかたのしみ
    読みやすいけれど、考えさせられる内容だった
    真田の意図、知れたらいいな〜

    0
    2026年08月29日
  • ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。

    Posted by ブクログ

    再読だったけど、全然、あらすじを覚えてなかった!辻村さんのドロドロ系にずーっと引き込まれて、結末が知りたくてとらわれた。息苦しくて長い旅…
    母親の愛は、むごいまでに残酷で深い。
    「すべての娘は、自分の母親に等しく傷つけられている」そう、だって母娘も、女同士だものねー。
    しばらく小説を読むのをやめたくなった。
    (やめないんだけど!笑)

    0
    2026年08月28日
  • 冷たい校舎の時は止まる(上)

    Posted by ブクログ

    すごい長かったけど読んだ後の満足感すごい!
    久々の上下巻だけど、読めば読むほどとまらん、、

    辻村さんワールド全開でした

    0
    2026年08月27日
  • 噛みあわない会話と、ある過去について

    Posted by ブクログ

    タイトルの通りのお話が短編で全4話
    一見かわいい装丁に見えるんだけどこれもまたタイトルにちなんだ装丁になってる

    人こわ要素を含んだ感じだった

    解説にもある通りどんなに近しい間柄であっても、心は別々なのだから、噛みあわないことはたくさん起こる。だからこそ、噛み合っていないことを訴えたり訴えられたりしながら、噛み合わせを調整していくのが人間関係と思う。

    0
    2026年08月27日
  • 冷たい校舎の時は止まる(上)

    Posted by ブクログ

    青春ミステリーかと思いきや少しホラー要素も入ってて面白い。これを高校3年生が考えた物語である事を知った時は驚いた。辻村深月の表現力と言語化能力の高さにも驚き。ただ少し物語の展開が遅いと個人的には感じた。後半から読むスピードが止まらなくなる。

    0
    2026年08月27日
  • 噓つきジェンガ

    Posted by ブクログ

    ひさびさ良かった!
    3本建ですが、最後の『あの人のサロン詐欺』はすごく好きな作品でした!地味に大好きなチヨダコーキがちらりと出てきてよかったし、さすがチヨダコーキさんのお友達だなって思った。
    初期の良さを久々感じれて嬉しかった。

    0
    2026年08月27日
  • かがみの孤城 上

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    鏡の世界のルールやオオカミさまの存在など、不思議な設定に惹き込まれた。また、こころと同じような境遇を抱えている5人と、少しずつ心を通わせていく様子もおもしろかった。
    こころは学校に行けず、周囲から見れば怠けているように思われてしまうかもしれない。しかし、喜多嶋先生の「こころちゃんは悪くない、闘っている」という言葉は、そんなこころの苦しみや頑張りをすべて肯定しているように感じた。この言葉が特に印象に残り、相手に寄り添う言葉の伝え方の大切さを改めて感じた。

    0
    2026年08月27日