辻村深月のレビュー一覧
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ネタバレ初めて辻村深月さんの本を読んだのは中1のとき、2018年の本屋大賞がきっかけで手に取った、かがみの孤城。
まだ20歳だけど、今まで私の成長のそばにはいろんな本がいて、それだけで豊かな世界が自分の内側に形作られていることが、友達との思い出とは別ベクトルですごく幸せな経験だと思っている。読書は人生のいつ読むかで感じることが全く変わるところこそが醍醐味とよく言われるけれど、私も例に漏れず、小学生のころ、中学生のあの時、高校生のあのタイミングで、読めて良かったと思う本がいくつかある。20歳になった今もう一度読み返したいと思う本も、もう少し大人になってまた読みたいと思う本もまたあって、「かがみの孤城」は -
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『子どもたちは夜と遊ぶ』の次に読みました。
読む前は、タイトルの、ぼくのメジャースプーンの意味の想像がつかなかったのですが、読み終えてとても納得したというか、メジャースプーン――計量スプーン――の使い方に感嘆したというか。初めはふみちゃんが持っていて、それを1本譲ってもらって、さらにふみちゃんのを拾って3本とも持って、最後にはふみちゃんに渡り、そしてきっと…。
心が人を響かせる。
主人公や登場人物の価値観やさじ加減にそれぞれの個性と信念があり、そして、秋先生の言うようにどれも正しくて正しくない、そこに正解など存在しないということを、しみじみ考えさせられました。
辻村深月さんの、道徳的倫理的な思 -
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最高に面白いし、自分の行動を考えさせらるけど二度と読みたくない作品。自分も自然と記憶を改竄しているかもと思うと本当に怖いです。ある意味ホラー小説と言ってもいいかも。
なかでも印象的な作品は「パッとしない子」。言ったほうは覚えていないけれど、言われたほうは強烈に印象に残っている。そんなつもりはないのに、言葉はしっかりと棘として残るよというメッセージを残す作品。佑の気持ちはめっちゃ分かりますし、実際自分も学生時代、先生や同級生のちょっとした行動に傷ついた経験もあるので共感もできます。ただ先生の気持ちも分かるんですよね。個性がありすぎるクラス全員に対し、平等にいい人であるなんてできるはずないし、繊 -
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「ツナグ」の続編、やっと読めましたー٩(๑´3`๑)۶
つくづく不思議な設定だよなと思いつつも、あっという間に話に惹き込まれてしまう。辻村深月さんが作るストーリーの、大好きなところです。
『運命が少し違って、今の自分の店も家族も持てなかったとしても、それでも、選べるならあなたの生きている世界で、私は生きたかった。他の人だって同じです。皆、そう思ってずっと絢子さまと一緒に生きてきました。-想い人の心得-』
文庫解説まで読んで良かった。病気で早くに亡くなってしまった娘と母親の話と、別作品の「東京會舘」のあの1編と、モデルになっていた方が同じとは…Σ(゚∀゚ノ)ノキャー
2025.9 -
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ネタバレ上巻に引き続き、早速、拝読。
あぁ、面白い。素敵な世界だ。
最後の結末には、感動でき、そしてまた、伏線回収が見事だった。
二月二十九日のお別れの日、こころとリオンが再会した日、喜多島先生の正体、真実が分かった瞬間、最終局面に向かうにつれて、とにかく泣ける。
学校に行けない子、いわゆる不登校。学校に行けないことには、必ず理由がある。両親の思想、影響によるかもしれない、はたまた両親がいなくて拠り所がないのかもしれない、周りからの期待や重圧で、居場所がないのかもしれない、いじめや、いじめに近いことが起きたのかもしれない。
教職を目指している者として、不登校や学校に行けない、行きにくい子達のこ