辻村深月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
10年くらい前は辻村さんの心理描写が細かすぎてしつこく感じたのだけれど、今読むと、心の中を見透かされてるように感じる。描写されている思考回路が全部理解できるし、デジャブの感覚。辻村さんと出身地や年齢が似ているのは関係あるのかな...。
また、信仰団体というのではないけど、最近の出来事を思い出した。友達だと思っていた人に久し振りに誘われて、ネットワークビジネスの勧誘だった。彼女は悪い人ではないし、本気でその商品をすすめてくれているし、彼女自身も信じている。でも目の前の私が困っていることが見えないのか、見ないようにしているのか、話が噛み合わなかった。
ネットワークビジネスのような世界は極端な例 -
Posted by ブクログ
怖い。こんなに怖い小説久々に読んだ。
何が怖いって、ある過去について当事者から真正面から追求された時、加害者(という表現が正しいか分からないけれど)はちゃんとダメージを受けていること。過去の時点ではあんなに馬鹿にしていたのに、反省も後悔もしなかったはずなのに、ちゃんと悪いという意識があるのに見えていないのか、あるいは見ようとしていないのかその時まで忘れることだってできているのに。
要は他者の認識がすごく弱いんだと思う。表面では理解しているけれど、自分と同じように感情があり感性を持ち合わせていることを感覚的に理解できていない。だから反抗された時に一気に思い出す、見下していたことを。
そしてこれが -
Posted by ブクログ
コロナ禍で、活動が制限される中、『スターキャッチコンテスト』で、茨城、東京、長崎の中高生たちがつながっていく。
平常な時ならつながらなかっただろう、つながりが広がっていく…
『COVID-19』パンデミックによる『緊急事態宣言』、2020年4月から何度発令されたことか…
春の甲子園、夏の甲子園は中止、東京オリンピックは延期、中高生の修学旅行や行事は軒並み中止…
わすか5年ちょっと前のことなのに。
そんなこともあったというように、今、何もなかったように生活している。
コロナ禍だからこそ、できたこと、気づいたことがあっただろう。
それをこれからの人生に活かしてくれたら、と願う。
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Posted by ブクログ
仕事やプライベートで色んなことが押し寄せてきているため、違う世界にどっぷり浸かりたくて辻村美月の本屋大賞作品をチョイス
【あらすじ】
主人公はクラスの人間関係が原因で不登校になった中学2年生、こころ。ある日家の鏡が光り出し、城がある別世界につながる。そこにはこころ以外にも少年少女が集まっていた。
不登校であることをどうにかしないといけないというのは分かってはいるが、中々動けない現実世界と別世界での生活を行き来する中で少しずつこころの心境に変化が生まれる。
【こんな人にオススメ】
・不登校やいじめといったキーワードに想いを持つ人
・学生の子を持つ親
【感想】
ハズレなしの辻村美月とハズレな -
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Posted by ブクログ
辻村作品をデビューから追うチャレンジ中。
ずいぶん進んだ。
家族のツンデレ集。
2作目くらいから、読んだことあることに気づいた。
手に取るまで(というか手に取ってからも)全く気付かない。
でも楽しめた。
家族という関係に甘えて、言わなくていいことを言ってしまうこと、ある。
きちんと謝ることが大事だし、他の家族がいることで、素直になれることもある。
最後の作品、短いけれど、これで終わるのがいい。
作風は全然違うけど、村上春樹の『神の子どもたちはみな踊る』の中の「蜂蜜パイ」的なポジションだな、と感じた。
色々あるだろうけど、未来に期待しようよ、と言うスタンス。 -
Posted by ブクログ
2020年4月、『緊急事態宣言』。
コロナ禍で、これまでのような学校生活が送れなかった中高生たち。
砂浦第3高校天文部2年生、亜紗は、コロナ禍でくラブ活動が制約される中、『スターキャッチコンテスト』ができないかと、考えていた。
渋谷区立ひばり森中学に入学したたったひとりの男子、真宙は、クラブ活動もできず、コロナ禍でこのまま学校の休みが続けばと、考えていた。
長崎県五島列島の和泉高校3年生、円華は、吹奏楽部の活動が制約され、家業の旅館であるために、友だちとの関係もぎくしゃくする中、同級生・柊から島の天文台に誘われる。
離れた場所に住む中高生たちが、『スターキャッチコンテスト』でつながって