辻村深月のレビュー一覧
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猟奇的連続殺人。
読むのが辛くなる。何が辛いと言って、被害者に明確かつ豊かな人間性、性格が与えられ、それをきちんと描写されたのちに災禍に遭わせているのが辛い。ああ、きっとこの先悲劇が待っている、フラグ立ちまくりだと思いながら読んでも、読者としての視点は被害者に寄り添っていく。そして、災禍は避けられない。残酷な描写がこれでもかと待っている。
心が寄り添わなかったのは、一人……
終わりの数ページも辛かったなあ。
だから、下巻を読まないといけないという気持ちで、今、いっぱいです。この作者なら、今の気持ちを明かしてくれる。これまでも黒い作品を読んだけど、真っ黒で終わりはしなかった。下巻で光が差すに違い -
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ネタバレコロナ禍で不自由を強いられながらも、スターキャッチコンテストをきっかけに地方の壁を超えて人と人がつながっていく話。
コロナ禍当時、私自身はもう学生ではなかったし、この作品はフィクションではあるけれど、この作品に登場する中高生のように、学校に行くことはもちろん、友達とすら会えないことに泣いてしまうほどの不安を抱えた子、居づらさにが原因で学校に行きたくなかったのに登校日を迎えて、でもサボることもできない子、両親の職業柄 県外の人を迎えることによって周りからこそこそと陰口のようなことを言われてしまう子etc…は実際にいたんだろうなと、ある程度うまくコロナと付き合うことができるようになった今改めて思い -
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以前読んだ「ハケンアニメ!」のスピン•オフ短編集。
①前作の主人公三人の過去を描いた「九年前のクリスマス」
②前作第一話の監督の成長過程を描いた「声と音の冒険」
③前作第ニ話の女性監督を、登場した小学生側から見た「夜の底の太陽」
④前作第一話で登場した、フィギュア製作会社員と造型師の物語「執事とかぐや姫」
⑤長寿アニメ制作社を描いた「ハケンじゃないアニメ」
⑥これまでの登場人物総出演の「次の現場へ」
発表は①④③⑥②の順で、⑤が書き下ろし。
楽しく読めました。
ただし、前作と照らし合わせないと『誰だっけこの人?』となる事が多く、二冊とも手元に用意して読みました。単なる記憶力不足か?『登場人 -
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小説とYOASOBIの曲、MVと…合わせて楽しむことでそれぞれの魅力が何倍にもなる、すごい組み合わせ。まさに「はじめての」読書体験だった
アンドロイドと所有者の話を描いた島本理生の「私だけの所有者」、鏡写しのような同じ見た目だけど全く状況・中身が違う世界を描いた宮部みゆきの「色違いのトランプ」は、ちょっと切なく、悲しくもあり、愛もありと心動かされた。
そこにYOASOBIの「ミスター」「セブンティーン」という楽曲があり、歌詞全体はもちろん、細部の言葉遣いやMVのアニメーションも原作をしっかり解像度高く表現していて、感動がそのまま音楽でも忠実にあって、何回も聴いてしまう。
森絵都の過去3回同 -
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短編3集
なんだろ先生が大好きすぎて毎回称賛から始まる
といっても解説あさのあつこ氏が全ての感想を書かれてるので割愛
辻村氏の作品は長編が多く普段本を読まない人でもこの作品なら辻村ワールドもありおすすめしやすそう
本人視点より何故か他の視点から この本人はどういう心境なのかを模索し繊細に描くのがやはり抜群にトップ
好きなフレーズ引用
こんなのあんたの偏った主観に基づいた ただの詮索趣味じゃないか
ものづくりが徒労に終わるかもしれないなんて 決めるのは結局誰かの主観でしかない
そっぽを向かれたのかと思ってあわてて立ち上がりかけたそのとき 先輩の顔の前に 涙の粒がまるで朝露のように光って飛んだ
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面白かったです。
どの人も、筋少の曲に対する想いが溢れていた。もっと他にも、あの曲やあの曲もあるやろ!と思ったら、そう言った曲の歌詞もちゃんと話の中に登場していた。
また是非いろいろな曲を小説化してもらいたいなぁ。
辻村深月さん
中二病の神ドロシー
ある意味一番それっぽい小説化だった。
滝本竜彦さん
レティクル座行超特急。
自分は、暦15年ぐらいのにわかファンだけど、レティクル座妄想のアルバムは車の運転中に相当な回数きいている。
そのアルバムの一曲目なので、容易に脳内再生できた。
それにしてもNHKにようこそ
柴田勝家さん
サンフランシスコ10イヤーズアフター
サンフランシスコは -
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挫折や屈辱、恐怖の体験があるからこそ、囚われてしまう過去。いつか見返してやりたい、そんな気持ちを原動力に前へ進んだ経験も一度や二度はあるはず。
高校卒業から大学、社会人と時を経て、仕事や私生活の端々で徐々に差が顕れる20代後半。傍流に生きた過去をコンプレックスに持ち、現在まで縛られてきた聡美、島津、紗江子らが、目の前の日々に新たな価値を見出だし、クラス会メンバーを降りていく姿が印象的でした。
最も恐れるべきは、変わり行く周囲と変われない自分。成功を目の前に見せてしまったのは、自分の責任ではない、と無関心さを醸し出せるほどに今を生きるキョウコこそが真の太陽なのかもしれません。 -
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スクールカースト、序列、女王様など学生の時の立ち位置や自分の居場所、関係性などを形容する言葉はあるが、アマテラスの神話を織り交ぜこの関係を表したのは、なるほどうまいなと思いました。
太陽は信仰の対象でもあり、畏怖の対象、天上にあって強烈な光を放つ唯一の存在。スクールカーストの頂点に立つ者を表現するのに、これほどピタっとハマるのはないのではないかと思うぐらい自分の中でストンときました。
女王だった同級生を語るクラスメートは太陽神アマテラスの伝説や寓話を語る市井の人々のようで面白かった。
このまま太陽の元で蠢く人々の話で終わるのかな、と思いましたが、その太陽が…という展開はさすがでした。
最後 -
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辻村ワールドすごろく5マス目の下巻。
浅葱とiの殺人ゲームはクライマックスを迎える。
上巻で感じたやるせなさは、下巻で更に大きくなる。人間の痛ましさ、愚かさ、精神的脆さが詰まった物語だった。
他者からの愛を渇望するあまり、刹那的な感情に駆られ歪んだ行動に出てしまうけど、取り返しのつかない行為に悔やむ心の叫び、この時の描写が何とも気持ちを抉られた。
っていうか、iの正体…そうきたか。。
相変わらずお上手な伏線の回収で、ラストは綺麗に着地した感じ。やるせなさは消えないけど(汗)
読後は切なすぎて、ふーっとため息が出た。
辻村先生の作品は、これまでどちらかといえば白い方の作品を読んできたからか