辻村深月のレビュー一覧
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学生時代に初めて読んでから、もう何回も読んでるこの作品。
久しぶりに読み返してみました。
結末を知っているので、読み返すたびに「ああ…ここが…」となる文章が違うので面白いです。
これがデビュー作なのだから辻村さんは本当にすごい…。
昔は高校生真っ只中の主人公たちに自分を重ねたり胸を痛めながら読んでいたけれど、大人と呼ばれるような年齢になった今、榊さんの「いつか大丈夫になるから」と言う言葉にとても共感でき、学生時代の自分自身にも言ってあげたい言葉だなと感じました。
ノスタルジーな気持ちになりました。
また歳を重ねてもう一度読みたいと思います。 -
Posted by ブクログ
上巻と下巻の間で映画を見た。
そのため下巻は脳内が映画のビジュアルで再生されてた。
五島の天文台のイメージとかしやすくてよかった。
スターキャッチコンテストは意外とサクッと終わってびっくり。
それがメインだと思っていたので、意外だった。
あと星空案内人として活動している自分にとって、天体望遠鏡の身近な存在。だからこそ、ISSキャッチはちょっと無理がないか??ってなってしまった。
写真に収める人もいるので絶対無理ってわけじゃないのは、分かっているけれどすごい速さで動くから導入できても一瞬でいなくなるからさ。。。
オンラインと空で、たくさんの中高生が繋がってる姿は胸熱でした。
そしてそれら -
Posted by ブクログ
星空案内人という資格をとって、天体観望会を主催して10年になる。
たくさんの人たちに星を見せてきたし、コロナ禍もなんとかできた。
野球場という広い屋外で開催していたこと、
イベントをした施設の方の後押しもあったこと、
スタッフみんなが「やりたい」ってなってくれたこと、
イベントが次々と中止になる中、観望会を求めてくれる参加者がいてくれたこと。
いろんな人たちの想いが、いつも以上にあった。
そういう経験があるので、砂浦高校の天文部や五島の天文台が観望会ができない状況を自分と重ね合わせていた。
あのときどれだけ試行錯誤したか・・・
でも、それがあって今がある。あの時の試行錯誤は財産だ。
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ミライの学校という理想の教育を目指す団体の元敷地から白骨死体が発見される。小学生の頃、ミライの学校の合宿に参加した法子は弁護士になり、白骨死体発見のニュースに触れるとともに、幼い頃この団体に関わったことを思い出す。
そして、この白骨死体の発見に伴い、孫ではないか確認したいという依頼が弁護士事務所にはいり、この件との関わりを深めていく。
理想を追求する大人とそこで育ちその世界しか知らない子供たち。こういった集団には嫌悪感しか覚えないが、そこで過ごした人たちにはその世界が中心となる生き方しかなかったのだと思う。大人たちの都合に振り回されて、白骨死体にも責任を感じる美夏がこの裁判を通じて、団体から -
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幼い時から本と小説が大好きで、作家になることをどれほど夢見てきたか。大きな賞を取り、小説を書き続けられていることがどんなに幸せか。作家として自分を成長させてくれたたくさんの読者や周りの人たちへの感謝…等々が誠実で謙虚な言葉で綴られている。夢を叶えて作家になれた自分を心から幸せだと言い切れる。その素直さ、潔さに憧れるし、そんな作家を読者は応援せずにいられない。これからもいい作品を書きつづけて、たくさんの人たちに届けるのだという、作家の強い決意表明がソフトな文章の中にも随所に見え隠れする。この本を読む前と後とで、辻村作品の楽しみ方がわたしの中で増幅したような気がする。
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ネタバレ辻村深月さんのデビュー作品、デビューとは思えない。伏線の張り方だけじゃなく一人一人、特に目立たない子のうちに抱えたものの心情があまりにリアル…
雪の日、クラス委員だけ学校に閉じ込められる。学祭の最終日にクラスメイトが飛び降り自殺したのにその人が誰か思い出せない。時刻も自殺のときに止められたが充の消失を機にまた動き始める。
4、5階が増えた
クラス委員
辻村深月 角田春子に嫌われ摂食障害に。
鷹野廣嗣 深月の幼馴染。陸上部 生徒会長 榊の従兄弟 B級特待生
片瀬充 リスカする子に告白される。明るい絶望。最初に消える 梨香が好き。
梨香 元々ヤンキー気味だが榊を好きになり更生。妹二人おり両親の -
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辻村深月の作品で読んだことがないと思って読み始めたが、過去に読んだことがあると途中で気づいた。
それでも物語の展開と伏線回収は面白く、最後まで一気に読み進めてしまった。
地方の女性社会や、家庭の母娘という閉鎖的な環境が題材。仲の良すぎる母娘と世間一般とのズレ、またそれによる周囲の苛立ちが描写されており、問題は価値観の違いを受け入れられないことであると描かれていると感じた。程度に差はあれど、友達、恋人との価値観の相違は必ずある。価値観の違いで喧嘩になったり、苛立ちを覚えた経験もある。違いを受け入れられればストレスが減ることはわかっているが、それがまだできないあたりまだ大人になれていないのかもし -
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第31回メフィスト賞受賞作品。
雪の降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた8人の高校生。
止まない雪、内側から開かない扉、繋がらない携帯電話、無人の教室、5時53分で止まった時計。
凍りつく校舎の中、2ヶ月前の学園祭の最終日に死んだ同級生のことを思い出す。
しかし、それが、誰だったのか、思い出せない。
どうして、忘れてしまったんだろう。
どうやら、自死した人物の精神世界に閉じ込められたらしい。
この世界から脱出するためには、早く、誰が自死したのか、思い出さなければ・・。
591ページ。ようやく読み終えた先に、
(下巻につづく)の文字。
長い・・。
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Posted by ブクログ
短編集。語り手が過去に交友のあった人、かつ語り手が一因となって心に傷を負わせた人に再会し、当時の心情を解説されたり、考察したりする物語。
傷つけた方にはそんなに悪意があるわけではない。でも受け取り方やその時その人が見えている世界によっては、深く傷ついて、心を殺すような出来事になるのだなと。
傷ついただろうけど、しっかり言語化して相手に150%ぐらいに膨らませて想いをぶつけられたのだから、彼らの傷も少しは浄化できたのかなとも思う。その言葉で今度は逆に語り手に傷を負わせたけど、それは良いのだろうか。みんな傷ついてもその傷に向き合って、大人になってしっかり言語化できるようになっててすごい!
ナ