辻村深月のレビュー一覧

  • 冷たい校舎の時は止まる(下)

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    学生時代に初めて読んでから、もう何回も読んでるこの作品。
    久しぶりに読み返してみました。
    結末を知っているので、読み返すたびに「ああ…ここが…」となる文章が違うので面白いです。
    これがデビュー作なのだから辻村さんは本当にすごい…。
    昔は高校生真っ只中の主人公たちに自分を重ねたり胸を痛めながら読んでいたけれど、大人と呼ばれるような年齢になった今、榊さんの「いつか大丈夫になるから」と言う言葉にとても共感でき、学生時代の自分自身にも言ってあげたい言葉だなと感じました。
    ノスタルジーな気持ちになりました。
    また歳を重ねてもう一度読みたいと思います。

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    2025年09月15日
  • この夏の星を見る 下

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    上巻と下巻の間で映画を見た。
    そのため下巻は脳内が映画のビジュアルで再生されてた。

    五島の天文台のイメージとかしやすくてよかった。

    スターキャッチコンテストは意外とサクッと終わってびっくり。
    それがメインだと思っていたので、意外だった。

    あと星空案内人として活動している自分にとって、天体望遠鏡の身近な存在。だからこそ、ISSキャッチはちょっと無理がないか??ってなってしまった。
    写真に収める人もいるので絶対無理ってわけじゃないのは、分かっているけれどすごい速さで動くから導入できても一瞬でいなくなるからさ。。。

    オンラインと空で、たくさんの中高生が繋がってる姿は胸熱でした。
    そしてそれら

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    2025年09月14日
  • この夏の星を見る 上

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    星空案内人という資格をとって、天体観望会を主催して10年になる。
    たくさんの人たちに星を見せてきたし、コロナ禍もなんとかできた。

    野球場という広い屋外で開催していたこと、
    イベントをした施設の方の後押しもあったこと、
    スタッフみんなが「やりたい」ってなってくれたこと、
    イベントが次々と中止になる中、観望会を求めてくれる参加者がいてくれたこと。

    いろんな人たちの想いが、いつも以上にあった。

    そういう経験があるので、砂浦高校の天文部や五島の天文台が観望会ができない状況を自分と重ね合わせていた。

    あのときどれだけ試行錯誤したか・・・
    でも、それがあって今がある。あの時の試行錯誤は財産だ。

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    2025年09月14日
  • 冷たい校舎の時は止まる(下)

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    読み終わって感想を書くまでに間を空けるのはよくない。その時の感情が消えてしまっています。

    辻村さんの小説はすごい好きですが、これがデビュー作とは知らなかった。クオリティ高い。

    たくさんの登場人物の感情の書き分けが、当時から秀でてると思う。
    上下巻で結構なボリュームだけどあっさり読めました。
    この言葉が印象に残ったなぁ。
    「・・・お前ね、自分の痛みより先に他人の痛みに気付くようだとなかなか幸せになれねぇよ」

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    2025年09月13日
  • 琥珀の夏

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    ミライの学校という理想の教育を目指す団体の元敷地から白骨死体が発見される。小学生の頃、ミライの学校の合宿に参加した法子は弁護士になり、白骨死体発見のニュースに触れるとともに、幼い頃この団体に関わったことを思い出す。
    そして、この白骨死体の発見に伴い、孫ではないか確認したいという依頼が弁護士事務所にはいり、この件との関わりを深めていく。

    理想を追求する大人とそこで育ちその世界しか知らない子供たち。こういった集団には嫌悪感しか覚えないが、そこで過ごした人たちにはその世界が中心となる生き方しかなかったのだと思う。大人たちの都合に振り回されて、白骨死体にも責任を感じる美夏がこの裁判を通じて、団体から

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    2025年09月13日
  • 闇祓

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    これある意味ノンフィクションですよね!?
    私の周りにもいるいるいるいる!!
    闇を振りまくもの!
    団地の話なんてリアルすぎて自分に当てはめて戦慄しながら読んだ..
    ちょっと近所の雰囲気に似ていて怖すぎた、、
    うちの近所こんな感じなんですけど泣
    最後のこの物語はフィクションですのあとに書かれた文がほんとにね!!って思った。
    とりあえず私も闇ハラスメントしないように気をつけよう。
    あと竹のご利益にあやかりたいです涙

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    2025年09月11日
  • 図書室で暮らしたい

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    幼い時から本と小説が大好きで、作家になることをどれほど夢見てきたか。大きな賞を取り、小説を書き続けられていることがどんなに幸せか。作家として自分を成長させてくれたたくさんの読者や周りの人たちへの感謝…等々が誠実で謙虚な言葉で綴られている。夢を叶えて作家になれた自分を心から幸せだと言い切れる。その素直さ、潔さに憧れるし、そんな作家を読者は応援せずにいられない。これからもいい作品を書きつづけて、たくさんの人たちに届けるのだという、作家の強い決意表明がソフトな文章の中にも随所に見え隠れする。この本を読む前と後とで、辻村作品の楽しみ方がわたしの中で増幅したような気がする。

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    2025年09月09日
  • 冷たい校舎の時は止まる(上)

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    ネタバレ

    辻村深月さんのデビュー作品、デビューとは思えない。伏線の張り方だけじゃなく一人一人、特に目立たない子のうちに抱えたものの心情があまりにリアル…

    雪の日、クラス委員だけ学校に閉じ込められる。学祭の最終日にクラスメイトが飛び降り自殺したのにその人が誰か思い出せない。時刻も自殺のときに止められたが充の消失を機にまた動き始める。
    4、5階が増えた

    クラス委員
    辻村深月 角田春子に嫌われ摂食障害に。
    鷹野廣嗣 深月の幼馴染。陸上部 生徒会長 榊の従兄弟 B級特待生
    片瀬充 リスカする子に告白される。明るい絶望。最初に消える 梨香が好き。
    梨香 元々ヤンキー気味だが榊を好きになり更生。妹二人おり両親の

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    2025年09月08日
  • この夏の星を見る 上

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    映画を先に見て、原作を読みました。映画も素晴らしかったけど小説もいい。映画のサントラ(大好きなharukanakamuraさん、ヨルシカのsuisさんも主題歌に参加)を聞きながら小説を読むと映画の場面も思い出し相乗効果に。映画にはたしか出てこなかったけどキノコのエピソード好き。

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    2025年09月08日
  • はじめての

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    直木賞受賞作家による競演。YOASOBIの曲を聞き直さなければ。宮部みゆきさん、森絵都さんの作品は特に楽しく読みました。同じお題でこんなに違うアイデアで読ませるとはお見事

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    2025年09月07日
  • 東京會舘とわたし 下 新館

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    ネタバレ

    東京會舘、この本を読むまで存在すら知らなかった。
    読んでみて思う。行ってみたい。
    きっと高級でうんと背伸びして行くんだろうけど、その緊張を解きほぐしてくれるような人たちと素敵な時間を過ごせるのではないだろうか。小説に出てきたモチーフもあわせて体感してみたい。

    上巻のはじめこそ眠くなりながら読んだが、歴史が紡がれ人の繋がりを感じ始めてからはじっくり味わいながら読むことができた。
    金婚式。
    東日本大震災と料理教室とカレー。
    直木賞と親子。
    どれも、「くるぞくるぞ」とわかっていても泣いてしまった。

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    2025年09月07日
  • ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。

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    辻村深月の作品で読んだことがないと思って読み始めたが、過去に読んだことがあると途中で気づいた。
    それでも物語の展開と伏線回収は面白く、最後まで一気に読み進めてしまった。

    地方の女性社会や、家庭の母娘という閉鎖的な環境が題材。仲の良すぎる母娘と世間一般とのズレ、またそれによる周囲の苛立ちが描写されており、問題は価値観の違いを受け入れられないことであると描かれていると感じた。程度に差はあれど、友達、恋人との価値観の相違は必ずある。価値観の違いで喧嘩になったり、苛立ちを覚えた経験もある。違いを受け入れられればストレスが減ることはわかっているが、それがまだできないあたりまだ大人になれていないのかもし

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    2025年09月07日
  • 島はぼくらと

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    島で育った友達同士、どんなに絆が深くても島を出てしまうと朱里のおばあちゃんみたいに疎遠になってしまうだろうなと思うと切ない。
    網元の一人娘であるために島から出ることが許されない衣花が、友人たちが離れて行ってしまう寂しさを募らせていくところに涙が止まらなかった。
    本土にしか高校や病院がなく、フェリーの運行が天候に左右されたり、時間で部活動に参加できないなど厳しさがあり、私が享受してきたものが当たり前じゃないんだと思った。
    Iターンの人やコミュニティーデザイナーが島の人たちとの友好的な関係を築いているのがよかった。

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    2025年09月07日
  • 本日は大安なり

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    400Pくらいあったけど面白くて一気に1日で読んだ!
    正直うまく行きすぎ感というか、そこ幸せになっていいのか、、!?みたいなのはあるんだけど
    まあ物語だしね、、て感じだった笑

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    2025年09月06日
  • 光待つ場所へ

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    ネタバレ

    辻村深月先生の初期作サブキャラクターたちの織りなすスピンオフ集。本編でも煌めきを放った彼らの魅力をもう一度。
    個人的には、青春を絵画に捧げる少女、清水あやめの長い長い失恋と大恋愛を描いた「しあわせのこみち」がとてもとても良かった。孤高の天才であり、故にどうしようもなく不器用な若者たちの言葉には、一つ一つ鮮烈な光が宿る。これが若さか。

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    2025年09月06日
  • 冷たい校舎の時は止まる(上)

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    第31回メフィスト賞受賞作品。

    雪の降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた8人の高校生。

    止まない雪、内側から開かない扉、繋がらない携帯電話、無人の教室、5時53分で止まった時計。

    凍りつく校舎の中、2ヶ月前の学園祭の最終日に死んだ同級生のことを思い出す。

    しかし、それが、誰だったのか、思い出せない。
    どうして、忘れてしまったんだろう。

    どうやら、自死した人物の精神世界に閉じ込められたらしい。

    この世界から脱出するためには、早く、誰が自死したのか、思い出さなければ・・。

    591ページ。ようやく読み終えた先に、
    (下巻につづく)の文字。
    長い・・。

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    2025年09月05日
  • 噛みあわない会話と、ある過去について

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    短編集。語り手が過去に交友のあった人、かつ語り手が一因となって心に傷を負わせた人に再会し、当時の心情を解説されたり、考察したりする物語。

    傷つけた方にはそんなに悪意があるわけではない。でも受け取り方やその時その人が見えている世界によっては、深く傷ついて、心を殺すような出来事になるのだなと。

    傷ついただろうけど、しっかり言語化して相手に150%ぐらいに膨らませて想いをぶつけられたのだから、彼らの傷も少しは浄化できたのかなとも思う。その言葉で今度は逆に語り手に傷を負わせたけど、それは良いのだろうか。みんな傷ついてもその傷に向き合って、大人になってしっかり言語化できるようになっててすごい!

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    2025年09月05日
  • ツナグ 想い人の心得(新潮文庫)

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    ネタバレ

    前作の「ツナグ」を読んでからかなり経つのもあって、どう繋がってくるのかと思ってたけど、読み始めると感動したあの時の記憶が戻ってきた。前作では高校生だった歩美くんは社会人になり、働きながらもツナグとしても活動していた。今作も様々な人が会いたい人と出会うが、特に印象的だったのが娘さんと再会し、ドイツ語で会話した時子さんと蜂谷さん。時子さんの考え方は素敵で、蜂谷さんの温かさにもほっこりした。これまではツナグでの再会で話が広がってきたけど、例外だったのが奈緒で、この話も好き。奈緒の芯の強さには驚いたし、憧れる。

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    2025年09月05日
  • 噛みあわない会話と、ある過去について

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    わたしの、言葉にできない過去の気持ちとか、考え方をぴったり文章にしてくれている、
    短編で読みやすい。

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    2025年09月04日
  • 子どもたちは夜と遊ぶ(下)

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    後半になればなるにつれ楽しくてサクサク読んでしまった。今までの辻村美月さんの本とは少し違う雰囲気だったけど楽しかった。月子が生きていてよかった。

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    2025年09月03日