辻村深月のレビュー一覧
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気になっていたベストセラー作品。どんな内容か全く知らずに読みました。
「婚活小説」は読んだことがあるような、ないような。独身時代に読むのと結婚して読むのとではだいぶ印象が違いそう。自分もどこかで違う選択をしていたら、主人公達のような婚活をしていたかもしれない。今の自分とは縁遠い内容だけれど、この小説の登場人物と似た部分が自分にも周りの人にもあって、色々考えさせられました。
もし婚活をするなら、この小説を読んでから挑むのと、読まないで挑むのとでは心の持ち方が違うと思うので、子供達には、ぜひ社会人になるくらいの頃に読んでみてほしいと思います。
面白かったけど、今の自分が求めているのは軽くて楽 -
Posted by ブクログ
ネタバレコロナ禍で不自由を強いられながらも、スターキャッチコンテストをきっかけに地方の壁を超えて人と人がつながっていく話。
コロナ禍当時、私自身はもう学生ではなかったし、この作品はフィクションではあるけれど、この作品に登場する中高生のように、学校に行くことはもちろん、友達とすら会えないことに泣いてしまうほどの不安を抱えた子、居づらさにが原因で学校に行きたくなかったのに登校日を迎えて、でもサボることもできない子、両親の職業柄 県外の人を迎えることによって周りからこそこそと陰口のようなことを言われてしまう子etc…は実際にいたんだろうなと、ある程度うまくコロナと付き合うことができるようになった今改めて思い -
Posted by ブクログ
ネタバレすごく惹き込まれた...!
前半は不妊治療の末、特別養子縁組という形で養子を育てる夫婦の話で、不妊治療の大変さとか養子の仕組みとか、とても勉強になった。
養子に関しては、周りに反対されるけれど、どちらの意見も分かって、難しい問題だなあと思った。
血ってどこまで大事なんだろうかと思うけど、いざ当事者となると、赤の他人の子どもに愛情を注げるのだろうかとも。
この夫婦は本当に立派だと思う。
後半は中学生で妊娠した女の子の話。
複雑な心情がとてもリアルに描かれていた。
妊娠発覚するまでの、周りに対する優越感なんかが非常に中学生らしくて現実味がありました。
あまりにも不憫だったけど、最後は報われた気 -
Posted by ブクログ
以前読んだ「ハケンアニメ!」のスピン•オフ短編集。
①前作の主人公三人の過去を描いた「九年前のクリスマス」
②前作第一話の監督の成長過程を描いた「声と音の冒険」
③前作第ニ話の女性監督を、登場した小学生側から見た「夜の底の太陽」
④前作第一話で登場した、フィギュア製作会社員と造型師の物語「執事とかぐや姫」
⑤長寿アニメ制作社を描いた「ハケンじゃないアニメ」
⑥これまでの登場人物総出演の「次の現場へ」
発表は①④③⑥②の順で、⑤が書き下ろし。
楽しく読めました。
ただし、前作と照らし合わせないと『誰だっけこの人?』となる事が多く、二冊とも手元に用意して読みました。単なる記憶力不足か?『登場人 -
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ネタバレ小学生の復讐劇を、哲学的かつ情緒的に書き上げた、素晴らしい作品。
デビューから4作目。明らかに化けた。
過去作品と共通の登場人物が出てくるのも、順に読んできた人にとっては驚かされる仕掛け。
秋山先生は「子どもたちは夜と遊ぶ」の先生だった。動物園に行く人は、月子と恭司か。
先生の、殴られた女学生を助けようとした、って言葉でやっと気づいた。
「子どもたちは〜」の該当箇所を読み返したら、完全につながってた。これ、キャラ設定の時点で、秋山先生が言霊的な能力持ってるって決めてたんだな。その種明かしをこの作品で行う。スケールでかいぜ。
もしかしたら、元々は「子どもたちは〜」で触れる予定だったけど、要素 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読む前にこの本のジャンルを調べたら「ミステリー」と出てきたのでちょっと身構えてたけど、ミステリー要素はほんの少しで、ほとんどは家族や自分を取り巻く人たちの中に自分の存在を認める、というお話。
主人公は年齢の割には達観した思想を持ち、周囲を見下していたものの、疎外されないために八方美人的な行動をとって、その結果手に負えない自体に発展したりもしている。
家庭環境に起因するものでもあるが中二病みたいなものだと私は解釈している。上記のようにそれが原因で他者に危害が加えられたりしてるからそんな簡単に片づけていいもんでもないけども……
各章はそのときの状況に当てはまるドラえもんのひみつ道具の名前をタイ