辻村深月のレビュー一覧
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ネタバレコロナ禍が学生達の話でとてもリアルで最初は読んでいて辛かった。
当時自分は既に社会に出ていたがもし学生だったらなにをしていたか。何ができていたか。
住んでる土地が違っても今のネット社会どこでも繋がれるメリットもあり、主人公達が自ら人生においての選択をしているところがすごく苦しくも感じた。
作中の宇宙飛行士花井うみかの『「好き」や興味、好奇心は手放さず、それらと一緒に大人になっていってください』というセリフが大人の私にもとても刺さった。
自分も住んでいるとこは違うが同じ趣味を持った友達はいて、今は好きなものもバラバラになっているがそれでも繋がっていて連絡を取ったりもしていてSNSやネッ -
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Posted by ブクログ
作家として経験を重ねてきたからこそ生まれる成長や、そのたびに揺れる気持ち。
辻村深月さんは、その細かな心の動きをひとつずつ丁寧に拾い上げていて、読んでいるこちらまで息づかいが伝わってくる。作家・辻村深月という存在が、少し近くに感じられるようなエッセイだったなぁ。
仕事と育児のあいだにある境界線について書かれた章も印象的で、迷いや葛藤がそのままの言葉で綴られているのも共感できた。
それでも、育児を通して仕事の成長を実感できるようになったこと。
仕事と育児がゆっくり溶け合って、自分の中で無理なく共存できるようになったこと。
その変化を受け入れていく過程に、1人の人間としての強さを感じられて良かっ -
Posted by ブクログ
ネタバレ
妊娠や出産、不妊治療をテーマにしたものを読むと、女性であることの辛さとか、男性は他人事だとか、自分の中での男女の対立を深めるような感覚になる。
でも栗原夫婦を見ていると、清和の辛さが想像できないほどのものだったことがわかるし、男性目線で描いたものももっと読みたいと思った。
「この人が自分の夫でよかった。」
こういう人もいるんだって思ったし、現実にもいるって信じたい。
ひかり側の話は辛かった。
「相談してくれればよかったのに、と言われた。確かに相談しなかったのはひかりだ。けれど理不尽な気持ちになる。だって、誰も助けてくれなかった。返さなくていい、と教えてくれなかった。」
ひかりの辛さは本人 -
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ジェンガ、仲間と集まった時に罰ゲームをするためのツールとして遊んだ記憶がある。イメージとして失敗する人を意図的につけるためのゲームと思っていた。
ロマンス詐欺、ハニトラとも言うのだろうか。話の軸は今時の流行りと言ってはなんですが、匿名流動型犯罪に巻き込まれる話だと思っていた。雲行きが途中から変わって、沼ハマったのに更に奥深くハマる沼に足を入れてしまったと思った。終わった、と思った後の展開は嬉しさも感じられて安堵した。
子供の進学に関する詐欺は、騙されたご本人を思うと苦しくなった。まだ無邪気な印象を持つ我が子の進路に親心とは言えやましい気持ちを優先させた羞恥は消せない過去として記憶に残り続 -
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中学生のひかりは、はじめてできた恋人との子どもを妊娠してしまう。「早く大人になりたい」という思春期の中学生誰もが抱く感情で宿してしまった命を、世間体から隠そうとする大人たち。親からの子どもとしての理想像・エゴを押し付けられ、その道を外れてしまったひかりは大人の保護から脱却するように孤独へと堕ちていく。その先での同じく堕ちてしまった人間(おそらく彼女にも同情される理由はあるのだろう)からの裏切り、逃走、いよいよひかりは追い込まれてしまう。
かつて憧れた大人の支配からの脱却の先に行きついた本当の孤独に気づいたひかり。彼女を救う存在はあるのか…
ひかりは堕ちていかないためにはどうすれば良かったの