辻村深月のレビュー一覧
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読み始めは、ストーカーやモラハラの話かと思った。しかし読み進めるうちに、人の心に巣食う「闇」を祓う物語だという輪郭が見えてきた。
章ごとに視点や舞台は変わり、学校、職場、家庭など、それぞれ異なる人間関係の中で現代社会の闇が描かれる。一見バラバラだった出来事が少しずつ繋がり、「神原」という存在の役割も見え方を変えながら一本の物語へ収束していく構成が印象的だった。
読みながら感じたのは、怪異そのものよりも、パワハラやセクハラ、モラハラなど、人が生み出す悪意や歪みのほうがよほど恐ろしいということ。だからこそ、この作品はホラーでありながら、人間の闇を極端な形で描いた虚構空間ホラーという読後感だった -
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バタバタした日が続き、久々のレビューとなった(._.)
ひょんなことなら思わず軽い嘘をついてしまい、さらに重たい嘘を塗り重ねて、どうにもならなくなった3つのストーリー。2つ目の「5年目の受験詐欺」は、騙される側の話だが、子供への愛情に付け込まれて騙されていることへの疑惑を長年抱え続ける葛藤はスリリングであった。「恋愛」と「受験」と「推し」、どれも冷静な目で見ると不合理な要素なのに、相手を麻痺させて正常な感覚を奪い取るパワーがあり、嘘の世界に飲み込まれていく様子が生々しく描かれ、ページをめくる手が止まらなかった。
会社のコンプライアンス研修で「不正のトライアングル」という言葉を学んだ。機会、 -
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ネタバレ2026/07/06
山田詠美の『蝶々の纏足・風葬の教室』が辻村深月の「あの人の、一生ものの愛読書」として選書されており、先月読破した。
余韻に浸っていたら、辻村深月の積読本から『名前探しの放課後』を手に取っていた。
第九章までは、「いつかがあすなに相談してからの1週間の空白期間はなんだったのか」「なぜ、原付の免許をとっているのか」「河野基を救い出すための作戦が完璧のように見えないのはなぜか」「小瀬友春以外のいじめっ子が描かれず、あすな以外の視点から友春が悪者に映らない瞬間が垣間見えるのは何故か」といった若干のずれを感じて淡々と読み進めた。
第十章「青い鳥」と第十一章「石のスープ」からは、明ら -
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前半は不妊治療を経て、特別養子縁組を選んだ夫婦、妻目線の話、後半はその養子となった子を産んだ女性の話。2人の女性の目線からの、家族に対する考え方、想い、生き方を描く作品。
世代間の考え方のギャップ、年代による考え方の偏りのようなものをうまく描く、流石辻村さんと言いたくなる文章。特にひかりの話は、朝斗との対比もあり、読んでいて苦しかった。
全てを理解し合えている家族って、この世の中にどのくらいいるのだろう。
ひかりがこの後どうなったかは分からないが、血の繋がらない関係性、朝斗を介して繋がった関係の縁が、血縁を越えて、理解してくれる、理解し合える関係となったのなら、ひかりにとっても「朝が来た」と思 -
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ある大安の日、同じホテルで結婚式を挙げる4組のカップルを描いた物語です。
辻村深月さんは直木賞受賞作家であり、人気作家であることは知っていましたが、本作『本日は大安なり』が初めて読む作品となりました。
以前から辻村深月さんの作品に挑戦してみたいと思っていましたが、この本を手に取ったきっかけは、最近読んで感動した原田マハさんの『本日は、お日柄もよく』と題名が似ていたことです。
物語では、4組それぞれの新郎または新婦に事情があり、現実にはこれほど問題を抱えた結婚式が同じ日に重なることはなかなか考えにくいと思いました。登場人物の中には、実際にはあまり関わりたくないと思うような人もいましたが、その一方