あらすじ
この島の別れの言葉は「行ってきます」。きっと「おかえり」が待っているから。 瀬戸内海に浮かぶ島、冴島。朱里、衣花、源樹、新の四人は島の唯一の同級生。フェリーで本土の高校に通う彼らは卒業と同時に島を出る。ある日、四人は冴島に「幻の脚本」を探しにきたという見知らぬ青年に声をかけられる。淡い恋と友情、大人たちの覚悟。旅立ちの日はもうすぐ。別れるときは笑顔でいよう。
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Posted by ブクログ
人口3千人の瀬戸内海の島が舞台の作品。
田舎ならではの住みやすさや逆に田舎故の人間関係の難しさなどを描きつつも、故郷を愛する高校生4人の視点で爽やかに描かれている。
単なるふるさと万歳な話ではなく、必死に存続をかけた地方都市の戦いも生々しく書かれている。
主人公の少年少女はずっと4人でいれたらと思いつつ、時間や環境、人間関係などのあらゆる変化と向き合っており、その度に読んでいる自分もよりリアルな感情になった。
こういう体験ができることこそ小説の醍醐味。
読後感もよく、素敵な作品でした。
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スロウハイツの神様→島はぼくらと、の順番で読むのを勧められた理由がわかったときは、思わず声が出そうになりました。
冴島で暮らす高校生と大人たちの心情を綴ったおもしろい作品でした。
網元の娘であり島から出ていくことができない衣花の将来を案じていましたが、結末を読んで、なるほどそう来たかと思いました。
辻村深月先生の作品を読むたびにますますファンになります。
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最初はかなり読みにくかった…
シングルマザーとかIターンとか、そういった人が生きやすい場所があるというのは救い。自分自身の努力もすごく必要だけど、受け入れ態勢が整っているかどうかもすごく大事。
いま、私には島での暮らし含め、地方の暮らしというのは選択できないけど、長期休みとかでそれを体験出来たらすごくいいな。と思う。
最後はなんなら物足りなかった。もっと読みたい。もっと4人の関係を、その後を知りたい。続編とか出てほしいな...番外編とかも出してほしいな...東京バンドワゴンみたいにできないかな...
ヨシノみたいな仕事が自分にできるとは思わないが、とても憧れる。こういう人間になりたい。
Posted by ブクログ
今更高校生の話もと思いながら読んだのですが、裏切られました!もっと色々な側面で考えることの出来る内容で引き込まれる本です。そんな上手い偶然は現実にはないだろうと思いつつ、細かい伏線回収もありそれもまた魅力的です。
初の辻村深月さんだってので、他もぜひ読みたくなりました。
Posted by ブクログ
「自分には故郷があるのか、あるとしたらその土地と自分はどんな関係か、そして自分はこれから、どの土地でどんなふうに生きていきたいのかを、どんな読み手にも問いかけてくる作品なのだ」解説/瀧井朝世
大学から地元を出て、そのまま東京で就職して、結婚を考えるような人と出会って東京で同棲。地元に帰るのか東京で生きるか、仕事はどうするのか、パートナーとのすり合わせ、親からのお願い、妹たちはどうする?20代後半もうアラサーに差し掛かる今すごく刺さりました。
Posted by ブクログ
爽やかで、ドキドキする本。
瀬戸内の美しい景色が、ありありと浮かんでくる。
4人の高校生が、それぞれの悩みを抱えながら、全力で生きていることに感動した。
島で4人だけの同級生で幼馴染。
真っ直ぐで美しい作品だった。
最高評価
星が5までしかないのが残念と思うほど、素敵な作品に出会えました。オチは行き過ぎかもしれませんが…好みの問題でしょうか
楽しかった!
島の高校生4人。卒業したらほとんどが島を離れる。昨今の若者にしては爽やか過ぎる感もあるけどとても楽しく読みました。個人的にはヨシノが気になってて、ビジネスを見せないビジネス。そしてまさかシンママだったとは!
大人の友情もよかった。続きを思わせる余韻も素敵でした。
Posted by ブクログ
青い空、広く澄んだ海、私はいいなぁと思う、でも島の人々はそれが当たり前なのでしょう。
生活の不便さも、みんなひっくるめてそれぞれに、良さがあるのかも知れません。
主人公は、4人の高校生。
4人は本土の高校へと、フェリーで通学している。
だから、部活はできない。
島の大人たちは、様々な人間関係を繰り広げる。
修学旅行の場面も、また面白い。途中で抜け出して・・・・そんなことできる?と思うが、4人には訪ね人がいた・・・・
島の子どもは、学校を卒業するとほとんどが島を旅立つ。だから、親の子育てはそれで終わりだという。親はそれを承知で、可愛い我が子を育てあげる。
・・・・私には考えられない。
ただ一つ、網元の子供は島を出てはならない、という決まりがあった。
4人の中に、網元の娘がいた。
それぞれ皆将来について、悩み、迷い、大学のこと等を話し合う。網元の娘は自分の立場を思い、葛藤する。
さぞかし、島を出て自分の可能性を試してみたかったのではないだろうか。
そして、とうとう皆の前で感情を爆発させ号泣してしまう・・・・・
この場面で、涙してしまった。
丁度、息子が高校生の時に読んだ本でどこの大学に進むか、将来はどういう職種に進めるか、などを考え始めた頃だった記憶がある。
ラストはとてもびっくりさせられ、「え~っ」と声に出してしまった。この言葉は、嬉しさの籠もった「え~っ」で同じ場面を何度も繰り返し読んでしまいました。
さわやかで、読者にとってうれしくなる終わり方でした。
辻村深月さん、ありがとう!
この本は辻村深月作品の中で、
私の一番のお気に入りです。
Posted by ブクログ
田舎、島、狭くてプライベート筒抜けの環境のなか、若者たちは色んな悩みを抱えて、それでも時期が来たら、外へ前へ歩み出さなければならない。
都会の雑踏では誰も気にしないこと。それは人の心地よい温かみであり、時に妬みや嫉妬の不快な温度でもある。Iターンであれ、Uターンであれ、もともとの故郷であれ、同じ土地で暮らすというのは、その場所で色んな温度が交わるということ。
心地良さに浸かって過ごしていくのか、不快に感じて風にあたりにいくのか、選択肢は自分にしか決められない。
それぞれの葛藤や、成長や未来が見えて、爽やかな読後感でした。
Posted by ブクログ
離島の難しさと素晴らしさの両面が描かれていて、いろいろ考えさせられた。
私は疾患持ちで生まれたので、専門医がいる県に(親が)引っ越した経験を持つ。だから本作に出てくるような離島では絶対に暮らせないと思っている。
それでもその土地を愛する人がいて、そういうところは憧れというか羨ましい気持ちがする。
高校生4人はみんな素敵だった。それぞれがこれからも島と共に生きられることを願わずにはいられなかった。特に衣花ちゃん、彼女に幸あれ。
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ふとしたキッカケで「傲慢と善良」という作品を読んだ。こーれがもう面白くて、辻村深月さんに即ハマってしまった。
彼女の作品は「クロスオーバー」といって、ある物語の登場人物が、他の作品にも登場することがある。
その情報を知って次に選んだ作品が、この「島はぼくらと」。
自分は旅が好きで、たまに離島に行ったりもするのだけど、「子どもは生まれる場所を選べない。離島に生まれた子たちは、日々何を思って暮らしているのだろう」と、いつも思っていた。
舞台は瀬戸内の島ということで、数年前に訪れた、小豆島、豊島、男木島といった数々の島や、そこで会った地元の方々を思い出しながら読み進めた。
途中で心にグッとくるポイントが幾つもあって、思わず涙が出てしまった。
自分なりに調べたところ、辻村作品の中では、それほど人気が高いものではないようなんだけど、個人的にはめちゃくちゃ刺さった。
高校生にも読んでほしいなあ。
Posted by ブクログ
瀬戸内の島での物語。
本土の高校に通う高3の仲良し4人組。
幻の脚本を探しに来た胡散臭い青年から
物語が更に広がっていく。
島は、
はつらつとしていて誰からも好かれているヨシノの奮闘のお陰で、
移住する人も沢山いる。
とある日、
取材させてほしいとの話が本土から。
思いがけないテレビの密着取材の打診で、
喜ぶ人もあれば、
島の成功体験を自分1人のお陰だという風に
取材してもらおうと目論む人、
大事な友達を守ろうとする人などで
島はゆれる。
中学までしかない島で避けられない
出会いと別れ。
結末まで爽やかに読みきれる小説だった。
辻村深月さんの小説は
色々リンクしているらしく、本作でも、
赤羽環という人物が他小説とリンクしているらしい。
Posted by ブクログ
青春メインでありつつも、島で住むということが自分の暮らしといかに異なるのか、コミュニティデザイナーというものについて知ることができた。
東京で暮らしてきて、故郷というものに対する思いが自分には薄く、本書を通してその想いがいい面だけでなく辛く悲しい面もあることを知ることができた。
環の一言には悶えましたね!!ここが辻村作品の一つの楽しみですね。
Posted by ブクログ
自分の絶対的な仲間だと思っているメンバーが外の世界を持っていたり、故郷を離れることが決まっていたり、メンバー外の人と付き合ったりすることのどうしようもない寂しさにはとても共感した。
去る者はいようと、iターンはじめそれぞれがピースを持ち寄って島が続いている。それは一見うまく回っているようだが、各々事情を抱えて辿り着いた結果だから人のご縁ってすごいなと思う。
Posted by ブクログ
辻村さんの作品のなかでは、
私ランキング!3番目の秀作傑作です。
良かったです。面白かったです。
この作品の数年後に出された、「この夏の星を……」
も良かったんですケド、私は本作の方が
お気に入りです。
基本的に、高校生モノが好きです。
自分がろくな高校生カツを送って来なかった呪縛が
あるからかもしれません。
でも、どんな高校生活を送ろうとも、
そこに正解などあるわけなく、
それでもあの3年間は、人生のなかで
最も濃密な時間
だというコトは誰にでも共通したことです。
その時期の体験値、人それぞれですが、
その時の,"感じる心は最も感受性豊かです。
こんな物語を読んでいる最中は、自分も高校生になった気分に浸れるのが、イイです。
けっしてあの頃には戻れないのですから。
Posted by ブクログ
著者を共にする"傲慢と善良"に登場する谷川ヨシノ繋がりで手に取った著作。瀬戸内海に浮かぶ冴島で同学年の仲良し高校生4人(朱里、衣花、新、源樹)の目線から島で生きることの何たるかであったり、UターンやIターン、観光で島と本土を行き交う人々の有様などが、切なくもハートフルな物語に乗せて綴られている。
残りのページがもう僅かなところまで「え、これオチどうなるの?」と読み進めたが、ちゃんとしっくりくる結末が待っていた。4人の中でもし生まれかわれるのなら、私は新がいいな。
Posted by ブクログ
元同僚におすすめされて読んだ。
透明感のある辻村深月も良いものですね…島暮らしに憧れがあった身としては刺さる部分が多かった。
決して良いところばかりではない離島という環境も人間の二面性も、とても丁寧に描かれていたのが好印象。
大きな起伏のない、短編エピソードのようなつくりなのに、読み終わった後の満足感は不思議と大きかった。こういう故郷を持っていることってとても素敵な財産だなあ…と思った。
Posted by ブクログ
伊豆大島に行ったことが思い返された。
自分は東京育ちだけど、小さい頃は、確かに地元コミュニティはあった。大人になり、行動範囲が広くなると、だんだん薄れてきたけど、家庭を持ったらまたコミュニティに属したい。人間1人で生きるには、世界は、単純すぎる。
Posted by ブクログ
孤島で暮らすことのしんどさも素敵さも描かれてて感動した。
4人の表面上には現れない固い固い絆に心揺さぶられた。衣花の別れに対する悲しみと島への深い愛情との葛藤の末の涙は本当に泣いた。
故郷と呼べるものが欲しいなと感じた。
Posted by ブクログ
「傲慢と善良」からのヨシノさんが登場するとの事で読みました。青春小説なのかな、と思っていたけど島に住む人々や訪れる人々のあれこれが飽きさせず面白かったです。高校生4人の事をもう少し掘り下げたらもっと良かったかな。
Posted by ブクログ
去年宮島訪問した後にたまたま手に取り読み始め、今年桜島に訪問し、帰ってきたところで読み終えた。物語の舞台はその2つを合わせた様な設定の島であることがタイムリーで印象に残った。他の島に行ったとしても重なるものだろうか?
Posted by ブクログ
「傲慢と善良」の巻末解説をきっかけに読んだ。
あの小説とは正反対の、明るくて甘酸っぱいような物語で、振れ幅が印象的。
続編も期待してしまうが、これ以上の終わり方はないのだろうなと思ってしまう。あってもスピンオフかな‥
登場人物みんな、幸せになってほしい。
ほっこりする島の話
島で生きる少年少女の物語
『冒険』というほどの事件も、謎も、ないけれど
少女と少年たちは一緒に日常を過ごして、
色々なことを感じながら成長していくんだなと思いました。
もはや紛れもなく『冒険』がそこにある。
んじゃないかな。
閉鎖的な島だから苦労することもあるし、
そんな島だからこそ得られる絆もある。
とても良い話です。
Posted by ブクログ
登場人物一人一人の心理描写が細かく描かれていて、すごく読みやすかった。
自分自身が島ではないけど、田舎の育ちだから共感できるところが多くて、物語にすんなり入り込めた。
スロウハイツは絶対先に読んだ方いいです。
Posted by ブクログ
自分にとっての故郷ってどこなんだろう
島だからこそ
ここまで故郷に思い入れがあり
永遠ではない未来のことを考えられているのかな
いってらっしゃい、いってきます
その言葉にどれだけの想いが込められているのか
島の暮らしもとっても素敵だなって思った
Posted by ブクログ
辻村さんらしさ溢れる内容。
これって実話?と思い込んでしまうほどのリアリティ溢れる描写や人間関係、高校生のある意味繊細な心理表現の言語化の上手さはさすが辻村さんという感じ。
多分、この本を執筆するにあたり相当な取材を重ねたんだろうなと思う。
Posted by ブクログ
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』というフレーズがチラつく新年度。まとまった読書時間を作り出せていなくて、細切れの時間では読書にのめり込むことができないなぁ、と残念に思っている。だから、この本の感想は、気になったフレーズを引くだけに留める。
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人の中に入り込むことと、自分の庭に人を入れること。人に、自分の中に入ってきてもらうこと。
それはたぶん、どちらも等しく時間が必要で、そしてまた時間だけではどうにもならないものでもある。
人が乗っかるのは、栄誉だけではない。人間は、自分の物語を作るためなら、なんにでも意味を見る。
精一杯軽い声で、冗談めかして言わないととても口にできない。それくらいの不安は、衣花の胸にも常にある。