【感想・ネタバレ】東京會舘とわたし 上 旧館のレビュー

あらすじ

数々の結婚式やパーティー、この場所が見てきた百年の歴史。
社交の殿堂を舞台に描く感動小説。

大正十一年、社交の殿堂として丸の内に創業。
東京會舘は訪れる客や従業員に寄り添いつつ、その人の数だけ物語を紡いできた。

記憶に残る戦前のクラシック演奏会、戦中の結婚披露宴、戦後に誕生したオリジナルカクテル、クッキングスクールの開校――。
震災や空襲、GHQの接収などの荒波を経て、激動の昭和を見続けた建物の物語。

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Posted by ブクログ

とても感動できました。若い頃に読んでいたら、違う印象を持ったかも。読書、本との出会いも、タイミングって大事と改めて思います。
読み終わった後、東京會舘の前まで行ってみました。(中に入る勇気はなかった、、、)

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2025年09月27日

Posted by ブクログ

日本の歴史がリアルに理解できる一冊だった。教科書の情報だけではわからない、日常の歴史。
東京會舘というひとつの建物にまつわる様々な人たちのお話。
静かに、けれど熱く生きている人たちのお話。
現代ではなかなか感じることのない幸せを本を読むことで感じることができた。
この幸せな気持ちのまま、すぐ下巻を手に取ることにする。

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2025年09月23日

Posted by ブクログ

心温まるエピソードの数々。読んでいて思わず微笑んだり涙がこみあげたりしてしまうとても素敵な作品。
旧館、新館ともに大半は東京會舘で働くプロフェッショナルたちのエピソード。ホテル機能を持たない施設だけに猶更来客をもてなそうとする揺るぎなく継続されている精神を感じる。また越路吹雪のディナーショーや直木賞受賞作家などのエピソードもとても面白い。これらの話の中にも当然東京會舘のプロフェッショナルたちの気配りを知ることができる。
私は地方から東京へ出てきて30年以上経つが、残念なことにこれまで東京會舘へは行ったことがない。帝国劇場へも帝国ホテルにもパレスホテルにも行ったが、今まで東京會舘にはご縁がなかったことが本作を読んで非常に悔やまれる。旧館はともかく新館には行けたのに...と。ぜひ現在の東京會舘へ行って「プルニエ」か「ロッシニ」で食事をしてプティガトーを買って帰りたい。

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2025年05月21日

Posted by ブクログ

東京會舘にこんな歴史があるのを恥ずかしながら知らなかった。東京で一番好きな丸の内エリアにある東京會舘とパレスホテル。マロンシャンテリーや舌平目のボンファム等、似てるメニューがあるけど、どっちが正式なのかなと思ってたけど、こんなバッグストーリーがあったなんて!早く東京會舘に行って會舘ジンフィズとサンドイッチをメインバーで楽しんだり、マロンシャンテリーを食べたくなった

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2025年04月29日

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東京會舘を巡る5人の物語。東京會舘は建物なのだけれど、そこで働く人々あるいは息づく理念というものが人を成長させるということがよく伝わってきた。飾りのない辻村さんの文章が戦前戦後の殺伐とした空気の中で燦然と輝く會舘をうまく描写していた。人は1人では進めない。次に繋げる、次に繋がることの大切さを学べた気がした。大好き度❤️❤️❤️

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2025年03月18日

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東京會舘の歴史が描かれていて面白かった。これを読んで訪れてみたくなり東京に行った際に東京會舘に行ってみました!敷居が高いのでbarやレストランには入れなかったが、お菓子は買えました!格別に美味しく感じ、こちらで描かれた世界を堪能できました。

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2025年03月04日

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改めてこれフィクション?と驚きました
まるで、その時代を見てきたような物語が続きます
登場人物がみんな素晴らしい
そしてきちんと繋がるのが
さすが辻村深月さん!

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2025年02月09日

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東京會舘をまったく知らず、「この本に出てくるお菓子が買えるのよ」と小耳に挟んだ程度の知識だけで読み始めたけど、上巻を読んだだけで東京會舘が好きになってしまった。
長い歴史の中で地震に遭いGHQに接収され、想定外の憂き目にあってきた東京會舘だけれど、そのときそのときにこの建物を愛し守ってきた人たちがいたということを感じられてジーンとした。

強い想いをもって守ってきた人たちがいなければ、その建物も料理も菓子も、伝統も雰囲気も、今残っていなかっただろうということが小説という形だからこそ生々しく伝わってきた。


お客としてあるいは従業員として、立場のある人でもそうでなくても名前のつかない小さな出来事ひとつひとつにドラマが生まれるような特別な場所だったんだろう。

自分が生きているこの瞬間も、大それた意味なんて考えなくてよくて、どこかで誰かが作ってくれた小さな幸せに気づきながら過ごしていきたいなぁなんて思ったり。

今度、ガトーアナナとプティフールお取り寄せしよう。
パピヨンも食べたいなぁ。
グッドモーニングフィズも飲みたい。
レストランプルニエにも行ってみたい。
考えるとワクワクする。

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2025年02月08日

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東京會舘へ行きたい!
東京會舘への愛が溢れていて、素敵だった。
演奏会での忘れられない衝撃や、しあわせの味の記憶など愛おしい思い出が詰め込まれた宝箱のような物語だと思った。

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2024年10月19日

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全然知らない建物だったが、東京會舘に行ってみたくなった。章を跨いで登場人物が出てくるのもうれしく、東京會舘と人々の繋がりがとても感じられた。暖かい話が多く、上下巻ともよかった。どの話も好きだけどお土産菓子の章が好き

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2024年07月02日

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東京會舘に訪れた客や従業員の短編物語。
上巻では大正12(1923)〜昭和39(1964)年まで、
戦前、戦後の荒波を生きる者たちの全5編を収録。

フィクションとは思えないほどに生々しく、非常に良い雰囲気を纏った作品だと思いました。

前の年代の話で出てきた人物が、次の年代の話でも経験を経て成長した姿で登場するのが嬉しく、下巻も楽しみです。

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2024年06月29日

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大正から昭和前半まで、空襲や震災、GHQの接収など、激動の時代を経験してきた東京會舘が紡ぐ物語。
全体的に東京會舘の荘厳でクラシカルな雰囲気を感じられて、スーッと背筋が伸びるような厳粛な気持ちになった。

登場人物の東京會舘への熱い想いがビンビンに伝わってきて、フィクションであることが信じられない。

GHQに接収されてからも、バーテンダーとして米軍に真摯に接客を続けた人や、大戦中に結婚式を行う花嫁に、安心して式を挙げられるよう気遣い、職務を全うする人。
当時の東京會舘で働く人の気概と静かなる熱い思いが直球に胸に刺さって、何度も目頭が熱くなった。

短編集だけど登場人物が少しずつ繋がっていて、時代の流れとともに世代も移り変わっていく様相が描かれていて、こうやって歴史が紡がれていくんだと感慨深い気持ちにさせられた。

この世界観に浸れるのが幸せすぎて、下巻もあるのがとても嬉しい。

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2024年05月30日

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東京會舘に縁のある人たちの人生の一頁が綴られていて、そのどれもが沁みる。
ここまでの時代の荒波を越えて、さらに迎える東京會舘の未来がとても楽しみ。
感想はまとめて下巻へ!

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2024年04月28日

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出会えて良かったと思える一冊。
読み終わって本抱きしめました。
全体的に厳かな雰囲気が漂っていて、上品でありながらも熱い想いを持った登場人物たちの織りなす物語に何度も何度も目頭が熱くなりました。
カトレア缶や東京會舘の当初の外観など画像検索して、実在した事にまた感動したりしました。
登場人物がまた驚くほどに魅力的です。
これで終わりではなく、この後にまだ下巻が
あることが踊りだしたいほど嬉しい(笑)

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2024年02月18日

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東京會舘に携わってきた人の歴史を読むと、激動の時代を乗り越えてきたんだなぁと、覚悟を感じられた。今この瞬間をもっと楽しく情熱的に生きられるようになりたいと思わされた。

会館のバーについての話が、特に惹かれて、一気読みしてしまった。モーニング・フィズとマティーニを飲んでみたくなった。

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2025年07月09日

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東京會舘といえば、官庁系団体に勤めていたうん十年前、隣で経理を担当していた先輩が東京會舘レストランプルニエの請求書が届くと、「良いわねぇ、経費でご馳走がいただけて」と言っていたのを思いだす。時代に翻弄されながらも、古き良き伝統を受け継ぐ歴史ある建物だと改めて知る。心温まる9編の物語。建物に思い出を持つ実在架空の人々の物語がバトンを受け渡すが如く時代背景と共にドラマチックに描かれている。若き作家がこれほどに深く広い知識、豊富な語彙、取材力、想像力と感性を持って作品を紡ぎ出すことに驚かされる。

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2025年09月12日

Posted by ブクログ

久しぶりの辻村さん。
ずっと積読状態だったのですが、やっと手に取りました。

東京會舘で働く人や訪れる人の物語でした。
上巻は大正12年から昭和39年までの様子が描かれていました。
戦前のクラシックコンサート
戦中の結婚披露宴
戦後のバーでのオリジナルカクテル
それからしばらく経っての、東京會舘のお土産用オリジナル菓子
5つの物語が収められています。
そして、続きは下巻へ続きます。
下巻は昭和51年から平成31年の様子が描かれているそうです。
では、続きを読みましょう(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)

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2025年05月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第一章 クライスラーの演奏会
第二章 最後のお客様
第三章 灯火管制の下で
第四章 グッドモーニング、フィズ
第五章 しあわせな時の記憶

ミステリー仕立てというより、歴史を舞台にしたストーリー。第三章あたりまで「好みじゃないなぁ」と読むのが若干苦痛だったのだが、第四章で多少持ち直し、第五章は「いい話だなぁ」となった。
我ながら現金なものである。

第五章から、私の好きな箇所を抜粋。
「合理性よりおいしさを。ロスが出ても、それが東京會舘(うち)らしさなのだと思います」

合理的、効率性に流され支配されがちな現代において、大事にしたい精神ではないだろうか。

それにしても、美味しいクッキー食べたいなぁ。

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2025年03月07日

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再開発の予定の丸の内界隈の歴史を知ることができた。東京會舘は偶然通りかかったことがあるが、容易に入れないオーラのようなものを纏っている建物。でも大切に思うたくさんの人々の温もりがある建物と思った。ひょっとしたら私なんかでも温かく迎えてくれるかもしれないな。

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2025年02月20日

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数々の歴史を紡いできた東京會舘。上は大正〜戦後の激動の時代。上流階級の社交場としての面もありつつ、あくまで庶民のお客様にも喜んでもらうように奮闘した職員達の姿が丁寧に描かれていて、その当初からの理念がとても素敵だと思った。各章で登場人物が繋がっている部分があるので、下の現代ではそこがどう繋がりを持つのかも気になる。會舘フィズ、パピヨンetc...どれも素敵だな。

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2024年12月17日

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フィクションなのでどこまでが本当にあったことかはさておき、戦中戦後の日本でやってやろうという敗戦したにも関わらず前向きに生きる人々に感動。

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2024年10月22日

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とっても良かったー!特にすごい事件がおきるでも,すごくそれぞれの話がつながっているでもないのですが,どの話も心がホッと暖かくなる。読み終わった後も,とても幸せな余韻の残る作品でした。
なんて事ない話をこんなに心に響く言葉で一つの作品にしてしまう、作家さんの筆力に脱帽です。
東京会館も、この作品を読んで初めて知ったので,機会があればぜひ訪れてみたいとおもいました。

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2024年10月17日

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東京會舘を舞台にした連作短編、という感じ。なのだけど、なんだか、出てくる登場人物や空気感がとても強く伝わってくるようで、ワクワクしたりドキドキしたり、予想以上に素敵な作品だった。

上巻終盤の話はとても良くて、読んでいてグッとくるものがあった。そして、きっと東京會舘を好きになる、そんな作品な気がする

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2024年09月26日

Posted by ブクログ

大正11年に皇居の見える丸ノ内に誕生した社交場、『東京會舘』。

旧館を舞台に、関東大震災や第二次対戦など激動の時代から東京オリンピックへと、そのなかで誇りをもって働くスタッフ、利用したの方々の人間模様。

ほのぼのとした時間が流れていく。
そして、少しずつつながっている。
『東京會舘』は本当の社交場だったんだと。

『パピヨン』をきっかけに、『東京會舘』を知り、『東京會舘』に来た夫婦。
田中の願いが叶ったんだと。
勝目の喜びが。
本当に『ベストセラーよりロングセラーを』だと。

『パピヨン』と『ガトー』、食べてみたくなった。
勝目がこだわりにこだわりぬいた。
今も売っているんだろうな…

そして、『東京會舘』に行ってみたくなった。

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2024年04月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

再読。
震災や、戦時・戦後の接収など、東京會舘と歴史が絡んだ物語で読み応えがある。
特にバーと、お菓子の話が好き。努力が報われる一瞬にぐっとくる。
この本を読むと、とても東京會舘に行きたくなる。
シャンデリア、ジンフィズ、パピヨン…!
本作では、辻村深月ならではの毒はないかな?

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2024年03月02日

Posted by ブクログ

マロンシャンテリーが好き!で手にとった本。
地方出身の私は、こんな風に幼いときから東京會舘が身近にあった人たちに羨望も。
読み進めていくうちに、あれ?そう言えば、私の結婚式も、本館ではないけれど運営は東京會舘、着付けは遠藤波津子美容室だったのだわ、娘たちの着付けをお願いしてきたのもいつも遠藤波津子美容室なのだし、と。
還暦を迎えた今年、上京した18才からの42年間を振り返りつつ楽しみました。

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2024年01月20日

Posted by ブクログ

東京會舘の近くに勤めており、ケーキや鉄板焼を食べた事あったけど、こういう歴史があったのかーと興味深い。
戦時中の厳しい情勢が入ってるけど、誰も死んだりせず平和に進むから安心する。
御伽噺のように良い人しか出てこないのには少し物足りなさを感じるけど、ハラハラせずに読めて良かった。

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2025年04月15日

Posted by ブクログ

なんだろう、ストーリーは面白いんだけど、全然前の男性が「…と強く感じた」と書かれてると、だって会ったことないんでしょ⁉︎と違和感を感じた。穿ち過ぎ?
読み進めて時代が近づくにつれ、かなり違和感は払拭されて面白くなってきた。
最初は読まないつもりだった下巻も読もう。

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2024年08月21日

Posted by ブクログ

東京會舘という場所に誇りと親しみを持って生きてきた人たちの心温まる物語、歴史的背景も加わってとても味わい深い内容に仕上がっている。
東京會舘の周辺、この本にも出てくる帝国ホテルやパレスホテルの辺りをゆっくり散歩するとこの物語の情景が浮かんできそう。
近いうちに下巻も読もうと思う。

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2024年07月12日

Posted by ブクログ

東京會舘を舞台にした、それぞれの人のお話。バーテンダーと菓子職人の話には引き込まれた。東京會舘のパピヨンと言うパイ菓子を食べてみたいと思った。

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2024年05月03日

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