辻村深月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「占いですか?」と尋ねた私に、彼は曖昧に笑って、「これは占いではないです」と答えた。
「別口で感じたものですから」
──その“別口”が一体何だったのかを、私は今も知らない。(『私の町の占い師』より)
『傲慢と善良』『かがみの孤城』等の作品で知られる、人気作家・辻村深月氏の全13篇のホラー短編集。と、一口にホラーと言っても、怪異っぽいのもあるし、ヒトコワ系もあるし、不思議系もある。なので、一辺倒ではないところが読み手を飽きさせない。
短編なのにディテールがすごい。メチャ引き込まれる作品がわんさか。
個人的には『手紙の主』『私の町の占い師』『だまだまマーク』『噂地図』『七つのカップ -
Posted by ブクログ
5つの短編
すごいとしか言えないかもしれない、子供と大人の境を描く苦しくも輝きある辻村氏の十八番
物語は優しいだけじゃない理不尽とも呼ぶべきものが重なって目を背けたくなる。それでも真っ直ぐ向かう姿がとても輝いて映る
解説でもあったように今と過去の自分を繋ぐ思い出のスイッチがそこにあった
読んでて学生のころ外されてた子を助けてあげられなかったそんか後悔がずっと残ってることもあり、さくらみたいになるべきだったと悔しいる自分もいる
そしてロードムービーには冷たい校舎〜との繋がりがあり、その記憶がほぼないなってたので哀しかった。薄っすらとこんな人物だったはずとしか思い出せず…
表題作の叙述トリックや雪 -
Posted by ブクログ
ネタバレエンタメのジャンルにしましたが、ミステリーの要素を十分に含んでいました。
学生時代からの幼馴染の友達から成るストーリーで、これぞ「辻村小説」っていう感じでした。青春時代の難しい年頃の時代を経て社会人になり、一人が失踪し親友といわれた女性が探すというあらすじでした。
短大・四年制大学、未婚・結婚、契約社員・正社員の中での無意識の差別意識の中で女性たちが団結して強く生きていくことの素晴らしさを感じました。「すべての娘は、自分の母親に等しく傷つけられている」っていう言葉が印象に残っています。確かに事件も母親の言葉がきっかけで起こってしまったのですから。
「チエミ」という女性が母を刺殺してしま -
Posted by ブクログ
アニメを作ることに関わる人々の、リアルな生活や日常の人間関係がよくわかって、読んでて楽しかった。アニメ監督とプロデューサーのタッグ、信頼関係の濃密さも面白かった。
王子千春や斉藤瞳といった「才能のある人」が、一生懸命に仕事に打ち込んで、凄まじいプレッシャーと戦いながら悔いのない作品を完成させようと1話1話格闘しながら絵コンテをつくり、関わるスタッフたちが同じ思いを持って全力で形にしていく。
自分がまるでアニメ業界で働いているような感覚になれて、なんだか読むのが楽しかった。
原画を描く、アニメーターという仕事のすごさもわかった。神原画を描く和奈は、あくまで監督の世界観を体現する「働きアリ」とい