辻村深月のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ感想が蘭花視点の「恋」編でなく、瑠利絵視点「友情」編に沢山の感想が溢れてきたのは私が瑠利絵側だからなんだろうな。
辻村深月さんの本を読むと、人間への観察眼が鋭すぎてどうしてこんなにも人間は"自分の物語"が強いのかと思ってしまう。
例えば瑠利絵がチケットを茂実経由で用意してもらったことにその価値以上に自分というフィルターを通した価値を付随させて大喜びしていた。
けど、蘭花視点だと『私は確かに星近の知り合いに頼んだけど、公開練習は普通に新聞とかでも観覧募集があるし」あまり知られていないだけで、注意していれば、募集の記事はよく見かける。しかし、感極まった様子の瑠利絵〜』と他愛も -
Posted by ブクログ
「特別養子縁組」という言葉は知っていても、その制度や具体的手続き、そして親の心情を理解している人は少ないだろう。それだけ我々が考える“普通”とはかけ離れたところにあるのが実情だし、世代が上がるに連れて血の繋がりを親子の愛情と同質視する風潮は根強い。
この特別養子縁組によって新しい家族をつくった子どもには、当然2人の母親が存在する。生みの親と育ての親、どちらが真の親であるかという問題は存在しない。特別養子縁組の場合には戸籍から生みの親の情報は抹消されており、通常の場合そこに繋がる道はない。一方で実際に腹を痛めたのは生みの親の方であり、多くの場合は若くして望まない妊娠をしてしまったケースであろう -
Posted by ブクログ
死者と生者が一度だけ会える…。
その案内人としての使者を「ツナグ」という。
生きている者の願いで死者を呼び出すのは
意味があることなのか?
と、主人公は悩む。
…どうなのだろう?
今までの人生でそこまでして会いたいと思った人は
私には幸いいない。
文中にある
『死んでからも会いたいと思ってもらえるなんて私の人生も捨てたもんじゃないのかも』
と、あるように会う会わないは別としてもそれはそれで良い人生を歩んできた証拠かもしれないな…と、思う。
(Word)
やりたいことは、生きてるうちに全部やった方がいいよ。私は、全然、できてなくて、心残りだらけだから
-
Posted by ブクログ
辻村さんの作品は個人的に当たり外れがあって、実は途中で読むのをやめちゃったものなんかもある。これはとても読みやすく、あっという間に読み切ってしまった。これの1つ前に佐藤正午さんの「熟柿」を読んで、わたしの中では皆さんほど響かなくて、きっと読むタイミングが違ったのだなと思っていたから、同じ母親をテーマとしたこちらを次にチョイスした。
不妊治療の末に養子を迎える「佐都子」と、中学生で妊娠してしまう「ひかり」、その二人を繋ぐ男の子「朝斗」の物語。
文末の映画監督さんの解説に、「同じ出来事が「佐都子」「ひかり」「朝斗」の視点で描かれる場面があることで、人生には自分の想いだけではどうにもならないことが存