辻村深月のレビュー一覧
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『傲慢と善良』のあとがきで関連作品として挙げられていたので読んだ。おそらく順序はどちらから読んでも問題無い設計のようだけど、『傲慢と善良』→『青空と逃げる』の順がおすすめ。
ボリュームがあるのにスラスラと読めるのが不思議。どんな結末を迎えるのか全く予想がつかないから気になってついページをめくる手が止まらない。辻村深月氏は物語を読ませるのが上手いな〜と改めて思った。
母子の逃避行劇。母・早苗の葛藤よりも息子・力の人との接し方や成長ぶりが伺えるところに心が動かされた。子供は日々親の目の届かぬところでも気持ちに折り合いをつけて判断力を身につけている。
案外、親が子を見て育つように描かれている。
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Posted by ブクログ
お守りみたいな本だなと思いました。小学校高学年向けの本でしたが、大人になった自分が読んでも心に響くフレーズがあったり、小学生頃に感じたモヤモヤを噛み砕いてくれて、心が軽くなったような気がしました。読み進めながら何度もこの本を私が小学生の頃に読んでいたらどんな気持ちだったかなと思いました。
『自分の本当の気持ちはどうか、他の人からの言葉に引きずられることなく、「自分の言葉で」考えてみてください。』という言葉に、SNS等情報や誰かの言葉や思いが常に溢れ出ている現代にとって大切な事だなと感じました。
小学校高学年以上のお子さんにはもちろんですが、大人にもおすすめです。
転職活動を終え、5月から -
Posted by ブクログ
ネタバレ「嘘つきジェンガ」ってタイトルが秀逸。
嘘を嘘で塗り固めて得られるものは、丁寧に積み重ねられたジェンガのように綺麗だけど、些細なきっかけでバラバラになる。読んでいるだけなのに、登場人物に心情がリンクして、ジェンガをしてるかのようにハラハラさせられた。
辻村さんの作品が好きな理由は、どんな話のどんなぶっ飛んだ内容でも、心情が等身大に書かれる所にあるなと実感した。特に「五年目の受験詐欺」の、大貴が涙を流すシーンでは、多佳子の気持ちが痛いほど伝わってきた。
ありのままの気持ちを丁寧に書いてくれるから、登場人物の「人間くささ」を感じられるのが辻村作品の魅力のひとつと感じている。 -
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コロナによる緊急事態宣言、自粛、マスク生活。
当たり前だったことが当たり前でなくなり、取り組んでいたこと、取り組みたかったこと、楽しみだったことが「不要不急」に分類されていった日々。
物語の中心は中学生・高校生だけれど、取り巻く大人を含め、特定の人物に強く感情移入するというよりも、それぞれが抱える思い・言葉・言動に共感しながら読み進めた。
オンライン会議の場面で、お互いのマスクのない顔を見て「そうだった、この人はこんな顔だった」と思う描写がある。
その一文を読んだとき、私自身の記憶がふっと蘇った。
あの頃、本当にそんなふうに感じていたことを思い出した。
制限される日々の中で人を思いやる姿