あらすじ
一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者(ツナグ)」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員……ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。
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Posted by ブクログ
人生で1度だけ死者に会えるという最初はなんだかオカルトな感じがしてしまった。しかし読んでみると私の知らないところで本当に使者(ツナグ)が存在するのではないかと思うくらいに細かに描かれている作品。
作品ではアイドルと会う人、同級生と会う人などエピソードは様々で、その中でいろいろな事情を第三者目線で覗き見ることができる。死者に会えたから全員ハッピーエンドという訳ではなく、会って話したからこそ一生の後悔が付きまとうようになった人もいてなかなか難しいなと感じた。最後に使者目線の話もあり面白かった。
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読書が苦手な私が初めて手にした小説です。
そんな私でものめり込んでしまう位、感情表現の繊細さが素晴らしかったです。
それぞれの登場人物の姿や性格が映像として描く事ができて、まるで前から知っているみたいな気持ちになれました。
それにいろんな視点から物語を見渡せるのがよかった。そういう気持ちでいたのかとか、そうだったんだとか気づけたりするのも楽しかったです。
個人的には『待ち人の心得』が素敵で感涙してしまいましたが、それと同時に『親友の心得』は余りにも衝撃的で何故か気持ちが追いつきませんでした。違った意味で印象が深かったです。
本を読み終わり、難しいかもしれないけどできるだけ悔いを残さないような生き方をしたいなと思わずにはいられませんでした。
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私は、電車通勤中に本を読むのですが、これは、途中で読めなくなる場面が多すぎて困りました。最後は自宅で読み終えました。この作品の受賞の際に残された作者の言葉が凄く心に残ります。
『自分のために書いてもらったと幸福に勘違いしながら続けてきた読書体験が、自分の血肉となっている』
ツナグは、私にとってそんな作品の一つになったかもしれません。
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最近、「死」について考えることが増えている。
どうやって死ぬんだろう、とか。
そのとき自分はどういられるだろう、とか。
大切な人を失ったら、ちゃんと受け止められるんだろうか、とか。
『ツナグ』は、死が何か特別な出来事として描かれるというより、生のすぐそばに、当たり前のように置かれている感じ。
読んでいて、身構えることがなくて、自然と気持ちが本に入り込んでいった。
読み終わった後にしみじみとした余韻が残る、いい読書だった。
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望んだ死者にもう一度会えるという生者にとって都合のよいようにしか思えない設定で、その結果が喜びや悲しみなど、いろいろな感情に終わるところが面白かった
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深月さんの名作のひとつ、ということであたためていたものをこの年末〜年始で読みました。
ー『亡くなった人に会える』ー
数多くの作家さんや漫画家さんが扱われる、ファンタジー要素も絡めたテーマだと思いますが、深月さんの設定はリアリティを感じさせる、科学的なトリックだと思いました。
ちなみに霊とか魂とか、オカルト的なものではないということが、作中の人物の言葉で、実体験として4つのお話を通して語られてきます。
満月と鏡が1本の道を結ぶとき、両者で通い合った光が粒を寄せ合うように1つの像を結んでいく。
その像は、現世に残存するその人の記憶や欠片をかき集められた、残像みたいなもの。
あの世から呼び出す、みたいな曖昧な現象や表現ではないから、一晩分、1人への面会分しか保たない。
その仕組みを知った主人公の歩美は、生きている側のエゴではないか、と葛藤するも、『死者の目線に晒される』という体験は、あの人ならどうしただろう、という他者視点を交えて考えながら日々生き続けることに繋がり、そして辿り着く。
ー死者は、生者のためにいていいのか。ー
本書の本質的な部分に回帰し、歩美は自信を深めるシーンがとても印象に残りました。
更にエンディングの、
"俺、いつか会うんだったらばあちゃんがいいよ"
という台詞には、ぐっときました。
4つの中では個人的には、3つ目の御園と嵐の女子高生の話が一番印象に残りました。
続編も、すぐに読みます。
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大好きな作品。
この物語は死者と会っても、「それでも人生は続いていく」ということが意識されている感じがしてより現実味があった。
好きなセリフ:こういうのはね、巡り合わせなんだよ。
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身近な人の死は本当に人に影響を与えると思う。伝えたいことを伝えたいときに伝えられるということは貴重であるというのを再認識する。逃げたくなるときが多いし、事実逃げてるけど、家族・友達・会社の人とか、少しでもできる範囲で向き合えるようになりたいと思った。
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使者(ツナグ)を仲介として、生きる者と死んだ者が1夜限りの再会を果たす。死者は生者に一体どのような思いを伝えるのか、それぞれ三つの視点で描かれ物語は進んでいく。
初めてこの作者の本を読んだが、人間の心理、心情を描くのが上手い人なんだなと思った。登場人物がどのような性格をしているのか簡単に想像できるので、とても読みやすかった。
自分の中で一番印象に残ったのは3章の 親友の心得 だ。なかなか救われない終わり方だったが、生者と死者が会うことの重みを感じれたので良かった。
この小説は綺麗事だけで終わらないからこそ、人間の生々しさの先にある感動を味わうことが出来たのだと思う。
結果としてめちゃくちゃ面白かった。またこの作者の本を読んでみようと思った。
おもしろい
こんなからくりがあったなんてなぁ。嵐と御園のお話は、嵐の御園に対する嫉妬の気持ちややり場のない怒りみたいなものは理解できるから読んでいてとってもしんどかった。御園が生きていた間は憎くて目障りで仕方なかっただろうし、いくら凍った水が死因ではなかったものの実際は御園に敵意も殺意も見透かされ、失ってから親友の存在をありありと感じ、そのうえ親友が主役を務めるはずだった劇もやり遂げた嵐はどんなに胸が張り裂けそうなほどつらかっただろう。
つなぐ使者
亡くなった人に会ってその声を聞きたい悩める依頼人と死んだ人間と生きた人間を会わせる窓口の使者、そのツナグ物語には引き込まれるものを感じる。
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扱っている内容は重いのに、現実の重さをあまり感じない。設定はファンタジーなのに、日常に起きていることかのような重力を持っている。
そんな本でした。
月夜にだけツナグを通して死者に会う。
最後に、少年に呼びかけた「声」は何だったのか。
その余韻も、月夜のように心地よい終わり方でした。
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依頼者側のお話と、依頼を受ける側のお話が交錯する物語。こういうパターンは読む側には非常にストーリーが理解しやすく、なるほどそうだったのかと完全に納得できるので良いと思う。たまに著者の思い込みで細かい内容がよく分からない事があるが、そういう取りこぼしみたいな事が起こらない。中身としては日向キラリの話が一番感動した。「死んだことが分かると忘れられてしまう」という考え方にハッとしてしまった。孫が物分かりが良すぎるというのが少々鼻についたが、純粋な人たちの話だと思い、穿った考え方は捨てて読めた。面白かった。
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設定や描写があまりにもリアルで読み入ってしまった。命の儚さ、生きている者としての責任について考えさせられる。死者にはもう2度と会うことができない現実だからこそ、今生きている人たちを大切にしようと思える。
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再読。結構忘れてたからこそ楽しめた。
キラリと土谷さんの話が一番好きだったかな
キラリの「ありがとう。」に、こういう場面でのありがとうって、愛してるとか大好きよりももっと伝わることがあったりするよなぁと思ったりした。
私も最後に大切な人に伝えたい言葉って、ありがとうかもしれないな。愛してるはとか大好きは、言わなくても伝わってる事実って感じがするけど、ありがとうは改めて伝えたいというか、なんというか。
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ちょっと切ない。連作長編。
死者との再会を叶えてくれる「使者(ツナグ)」
死者と一生に一度だけ会うことができる。
誰と、何のために会うのか。
大抵の人間には、果たせる役割がある。
誰かのために、自分のために、大切なことを伝える。
生きている間に聞けたら。伝えられたら。
後悔は失ってから始まるから。
そんなことが心得になってます。
「アイドルの心得」「長男の心得」「親友の心得」「待ち人の心得」
「死者の心得」
親友の心得が、切ないですね。青春の思い出に生き死にが混ざるとぐっときます。
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この本を読んで、感想を一言くださいと言われたら、「すごい」。
想像上の世界であるはずなのに、設定がしっかりしてて、描写が生々しくって最後の章で全ての伏線が回収されて、、ってたくさんの要素を含めて一言出てくる言葉が「すごい」。
自身が本を読み終えて、平瀬さんが「アイドルってすごい。」って感想を述べたその言葉の意味がわかった気がする。
親友の怪我を願う、どうにか貶めて自分の思い通りにしたいっていうところ。正直に言うと私も、自身の向上よりも相手が劣っていたら、という考えに至ってしまう時がある。なんて卑しい人間なんだろうと自己嫌悪に陥ってしまうのだけれど、数々の作品でそういうシーンがある以上、このような負の感情は人間持ち合わせているものなんでしょうか。
愛と憎しみは紙一重なんてよく言うけれど本当にその通りだなあ。きっと大好きで大好きで期待して、最後まで愛するつもりだったのに、死んでもなお、親友から期待通りの愛がもらえなくって、御園ちゃんは嵐に最後に呪いをかけたんだろうな。苦しい
ダメなとこが見せられなかったのは、乙女心
そう言えてしまうキラリちゃんの天然さと素直さは感無量だね。あんなにも嘘だらけの人間だったはずなのに、あの素直さを感じられるのはなんでなんやろう。土谷くん目線で読んでしまってるから?乙女心で納得できてしまうから?
残されて生きる者はどうしようもないほどにわがままで、またそうなるしかない。
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死者ともう一度だけ話ができるなら、誰と話したいか。死んだ人と再び会う中で、感謝だったり、後悔だったり、懺悔だったり、全ての物語が良く出来ています。
生きていれば誰にだって1人はもう会えないけどもう一度会いたい人がいると思います。もしくはこれからそんな人に出会うかもしれません。全ての人の共感を得れる題材を見つけ出した著者は、さすがだなと思いました。
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死者と生者が一度だけ会える…。
その案内人としての使者を「ツナグ」という。
生きている者の願いで死者を呼び出すのは
意味があることなのか?
と、主人公は悩む。
…どうなのだろう?
今までの人生でそこまでして会いたいと思った人は
私には幸いいない。
文中にある
『死んでからも会いたいと思ってもらえるなんて私の人生も捨てたもんじゃないのかも』
と、あるように会う会わないは別としてもそれはそれで良い人生を歩んできた証拠かもしれないな…と、思う。
(Word)
やりたいことは、生きてるうちに全部やった方がいいよ。私は、全然、できてなくて、心残りだらけだから
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もし一生に一度だけ死者に会える権利があるとしたら。。短編として描かれる5人それぞれ動機も違えば、結末も違くて、自分の場合いつどのタイミングで誰に対してその権利を使うのか、あるいはそもそも使わないのか等、色々考えさせられながら読みました。短編ということで辻村先生の長編に比べると1話1話の感動はやや浅めなものの、最後に全てが繋がる構成は見事で素敵なラストでした。
Posted by ブクログ
生者と死者を一夜限りだけつなぐ物語。
初めは使者(ツナグ)がただの高校生?なぜホテルで?など、ファンタジーだとしたらそれっぽくない現実的な設定に入り込めなかったけど、最後の章まで読んで腑に落ちた。
もしかして、現実でもあったりするのかなとも思ったり、自分だったらどうするか、を考えてみたりする。
まだ自分にとって、身近で心から大切な人を亡くした経験がない私は、現実的にいま誰と会いたいというのはなくて、それは幸せなことだと思った。
ただその分、これからの人生では必ず大切な人を喪失する経験をするんだと思うと怖いなと。その前に自分の人生が終わるかもわからないけれど、そしたら誰が一番私に会いたいと願うのだろう。
人生のいつ読むかでまた印象が変わる物語だと思った。
Posted by ブクログ
1章ごとに話はしっかり独立しているのに全体を通しての流れは綺麗で、まるで連ドラを見ているかのような小説でした‼︎依頼をする生者と依頼を受ける死者、どちらの側からも会えるチャンスは1回だけという設定が、いかにお互いがその人に会いたいと思っているのかという強い気持ちを表すのに効果的だったと思います。特に「長男の心得」の話が印象的でした。最初は「ツナグ」の存在など全く信じておらず典型的な頑固親父のイメージだった依頼者の長男が、死者である母と再会し泣いてしまう様にはぐっとくるものがありました‼︎
Posted by ブクログ
一生に一度だけ亡くなった人に出会えるとしたら
誰にその権利を使うのだろうか。
いつかまた、もっと会いたくなる人が
出てくるかもしれないと自分だったら
使えないだろうなと思いながら読んでいた
一つずつの話が一気に繋がる後半。
すごく面白かった。
生きてるうちに、伝えたいことは伝えないとね
Posted by ブクログ
死んだ人に会える、短編のようでいて最後に綺麗に全てが繋がる、上手な構成。死とは、生きるとは、考えさせられる。やや、考察が欲しいところがあった。
Posted by ブクログ
死者との再会がテーマということで重い話なのかと思っていたけど、切なくも心に染みる内容だった。
短編集的な感じで読みやすい。
もし私が今「使者」に出会えたとしても、会いたいと思う人がいないのはすごく幸せなことだよね。
Posted by ブクログ
とある読書会でお勧めしてくださった本です。
ツナグを読んで、残されて生きる者の大きな義務に気づかされました。
この本の主題は「死者と一度だけ再会できるなら、誰と会い、何を話すか」というものです。そんな大切な人と再び会える嬉しさがある反面、必ずしも幸せが待っているとは限らないことが強く心に響きました。特に、親友の心得の話。生きる者として、あの出来事を一生背負っていくんだと考えると何と残酷なんだと考えました。しかし現実と向き合って前進しなければいけない、そんな人生の難しさをとても感じました。
Posted by ブクログ
辻村さんの手に掛かると、死、というデリケートで難しい概念もこんなに優しい。各エピソードはとてもよかったけど、最後のまとめで少し間延び感を感じたのでマイナス2。