あらすじ
一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者(ツナグ)」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員……ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。
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Posted by ブクログ
最近、「死」について考えることが増えている。
どうやって死ぬんだろう、とか。
そのとき自分はどういられるだろう、とか。
大切な人を失ったら、ちゃんと受け止められるんだろうか、とか。
『ツナグ』は、死が何か特別な出来事として描かれるというより、生のすぐそばに、当たり前のように置かれている感じ。
読んでいて、身構えることがなくて、自然と気持ちが本に入り込んでいった。
読み終わった後にしみじみとした余韻が残る、いい読書だった。
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望んだ死者にもう一度会えるという生者にとって都合のよいようにしか思えない設定で、その結果が喜びや悲しみなど、いろいろな感情に終わるところが面白かった
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深月さんの名作のひとつ、ということであたためていたものをこの年末〜年始で読みました。
ー『亡くなった人に会える』ー
数多くの作家さんや漫画家さんが扱われる、ファンタジー要素も絡めたテーマだと思いますが、深月さんの設定はリアリティを感じさせる、科学的なトリックだと思いました。
ちなみに霊とか魂とか、オカルト的なものではないということが、作中の人物の言葉で、実体験として4つのお話を通して語られてきます。
満月と鏡が1本の道を結ぶとき、両者で通い合った光が粒を寄せ合うように1つの像を結んでいく。
その像は、現世に残存するその人の記憶や欠片をかき集められた、残像みたいなもの。
あの世から呼び出す、みたいな曖昧な現象や表現ではないから、一晩分、1人への面会分しか保たない。
その仕組みを知った主人公の歩美は、生きている側のエゴではないか、と葛藤するも、『死者の目線に晒される』という体験は、あの人ならどうしただろう、という他者視点を交えて考えながら日々生き続けることに繋がり、そして辿り着く。
ー死者は、生者のためにいていいのか。ー
本書の本質的な部分に回帰し、歩美は自信を深めるシーンがとても印象に残りました。
更にエンディングの、
"俺、いつか会うんだったらばあちゃんがいいよ"
という台詞には、ぐっときました。
4つの中では個人的には、3つ目の御園と嵐の女子高生の話が一番印象に残りました。
続編も、すぐに読みます。
Posted by ブクログ
大好きな作品。
この物語は死者と会っても、「それでも人生は続いていく」ということが意識されている感じがしてより現実味があった。
好きなセリフ:こういうのはね、巡り合わせなんだよ。
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身近な人の死は本当に人に影響を与えると思う。伝えたいことを伝えたいときに伝えられるということは貴重であるというのを再認識する。逃げたくなるときが多いし、事実逃げてるけど、家族・友達・会社の人とか、少しでもできる範囲で向き合えるようになりたいと思った。
Posted by ブクログ
死んでしまったらどうなるんだろう。
きっと一度は考えたことがある疑問。
けれど聞いたところで
「さあ…」と困った顔を見せるか、「ワタシが思うには…」と自分の意見を話すのかの二択になる
だが誰しも避けて通れない道なのは間違いない
今まで地球で生きてきた動物、人間、植物 すべてが経験しているのに
どうしても今 死者と話せる術はない。
「誰もが望んでいるはずなのに」だ
その望みを叶えたらどうなるだろう。
叶えたら喜ぶだろうか。悲しむだろうか。よくわからない。私には私達には到底わからない想像だ。
だけどもし、もしも死者と、
一度なくしてしまったものともう一度あえるなら…
その術にどうしてもすがってみたくなってしまう。
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辻さんの作品はきれいな文章なのにどこか登場人物の暗かったり、明るかったりの心情がにじみ出ていると私は感じています。
もしもにすがること。そういうのはだいたいが
「迷信」「詐欺」などに値するものです。
そんなデメリットしか見えないような「死者と会える」という使者に依頼した 登場人物たちはきっと並大抵の気持ちではなかったのだと想像できます。
次作もぜひ読んでみたいです。
今作に出会えた後縁に感謝します。
Posted by ブクログ
死者と生きる人を繋ぐ役割である使者(ツナグ)
自分は死んだ人と再会したいと思ったことはあるだろうか。
今はないが、死んだ人とまた会いたいと思ったことはあると思う。
一生のお願いとよく子供の時に言っていたが、本当に一生のお願いを使うことで、叶うのならどんなにいいだろう。
フィクションの中でも表現が難しい設定をここまで素晴らしく書いていただいたことにとても感謝です。
Posted by ブクログ
亡くなった大切な人に一度だけ会える
依頼した人たちの目線と使者(つなぐ)の目線で描かれてて
涙なしで読めやんかった、、、
うちにはまだたった1回を使おうと思える人はおらんけど
今会えるうちに後悔しないように大切にしていきたいって思えた
Posted by ブクログ
死と生、というより、自分の人生を深く考えさせられる。
もし自分の大切な人のうちの1人が亡くなったら、会いに行くのか。自分にとって「一番」大切な人って誰なのか。自分が死んだ後、会いに来てくれる人がいるような生き方をしているのか。
誰しもが持つであろう後悔や懺悔、不安、感謝。明日何があるか分からないのだから、伝えたいことは伝えて、会いたい人には会って、やりたいことはやっておかないと、と言うが、実際そんなつもりで毎日を過ごせる人は少ないだろう。どうせまだしばらくは生きるだろうし、と大部分では思っている。それでも、後悔のないように生きたいと改めて思わせてくれる。
ファンタジー要素のある物語が苦手で避けていた、辻村深月の人気作。この人の小説が好きだなと気づいた。
Posted by ブクログ
死者との面会をさせてくれる使者(ツナグ)の話が5話収録された。連作短編集。
最後がツナグ視点の話で、そこまでの4話を受けての見事な構成。圧巻でした。
一人称小説のお手本のように、主人公ごとに言葉遣いやものの見方がガラッと変わる。
デビュー作から順に読んできて、久しぶりにわりと最近のを読んだら、文章が明らかに洗練されていた。
読みやすく、没頭しやすい。以前の作品に感じられた僅かな違和感や引っかかりがほとんどなくなっている。
このレベルの作家でも、書くほどさらに進化していくんだな。
・アイドルの心得
引っ込み思案の平野愛美が、若くして亡くなったアイドルに会いたいと、使者に出会う。
終盤、さすがの辻村深月さんでした。
・長男の心得
地主家系の頑固な長男と柔和な次男。その息子のパッとしない太一と、優秀な次男の子供たち。癌で亡くなった母。
これは泣ける。二重に泣かされた。一人称が頑固ジジイ感があるからこその感動。
・親友の心得
最後の悔恨が複雑で、頭で考えているうちに感情移入できなくなってしまった。
・待ち人の心得
キラリの言葉ももちろんだけど、それ以上に使者の言葉にかなり心揺さぶられた。
連作短編集ならではの盛り上げ方ですね。
・使者の心得
ツナグ視点。亡くなった両親やおばあちゃんとのことを、依頼者たちとの関わりを通して考えていく。
見事なまとめ方でした。
Posted by ブクログ
亡くなった人に会うことで、生きる希望を見いだせた人、一生大きな十字架を背負いつつづけることになった人、恋人が亡くなったことを受け入れなければいけなくなった人。
会いたかった人に会っても幸せになれるとは限らない
私はこの先の人生で誰に会いたいと思うのだろう。
私が死んだあとは会いに来てくれる人がいるのだろうか、
おもしろい
こんなからくりがあったなんてなぁ。嵐と御園のお話は、嵐の御園に対する嫉妬の気持ちややり場のない怒りみたいなものは理解できるから読んでいてとってもしんどかった。御園が生きていた間は憎くて目障りで仕方なかっただろうし、いくら凍った水が死因ではなかったものの実際は御園に敵意も殺意も見透かされ、失ってから親友の存在をありありと感じ、そのうえ親友が主役を務めるはずだった劇もやり遂げた嵐はどんなに胸が張り裂けそうなほどつらかっただろう。
つなぐ使者
亡くなった人に会ってその声を聞きたい悩める依頼人と死んだ人間と生きた人間を会わせる窓口の使者、そのツナグ物語には引き込まれるものを感じる。
Posted by ブクログ
死者と生者が一度だけ会える…。
その案内人としての使者を「ツナグ」という。
生きている者の願いで死者を呼び出すのは
意味があることなのか?
と、主人公は悩む。
…どうなのだろう?
今までの人生でそこまでして会いたいと思った人は
私には幸いいない。
文中にある
『死んでからも会いたいと思ってもらえるなんて私の人生も捨てたもんじゃないのかも』
と、あるように会う会わないは別としてもそれはそれで良い人生を歩んできた証拠かもしれないな…と、思う。
(Word)
やりたいことは、生きてるうちに全部やった方がいいよ。私は、全然、できてなくて、心残りだらけだから
Posted by ブクログ
もし一生に一度だけ死者に会える権利があるとしたら。。短編として描かれる5人それぞれ動機も違えば、結末も違くて、自分の場合いつどのタイミングで誰に対してその権利を使うのか、あるいはそもそも使わないのか等、色々考えさせられながら読みました。短編ということで辻村先生の長編に比べると1話1話の感動はやや浅めなものの、最後に全てが繋がる構成は見事で素敵なラストでした。
Posted by ブクログ
【 亡くなった人に会いたいですか? 】
亡くなった人に会うなんてタブーな行い。でも使者(ツナグ)を介して会いたくなる気持ちもわかる。
私だったら、亡くなった人で会いたい人は誰かな?
もし今私が亡くなったら、誰に会いに来てほしいかな?
これを読んだら、きっと考えてしまうと思います。
そうすると自然と「後悔のないように伝えたい」「大切な人との時間を大切に生きよう」と思わせてくれる、とても素敵な小説でした。
読んだ後の何とも言えない気持ち、皆さんにも味わっていただきたいです。
亡くなったはずの人に会いたい理由。
未練なのか、後悔なのか、問題解決なのか。
また、会った後の気持ちも人それぞれ違う。
物語の面白さはありつつ、生と死について考える良い機会となりました。
Posted by ブクログ
生と死を考えさせられた。
自分だったら、誰に会うか
生存者は死者のために生きる
個人的には親友の心得の、親友への羨ましさが憎しみに変わり、不幸を望んでしまう人間らしさを描く章が印象的だった。自分が親友を殺してしまったのではないかという罪悪感を晴らすために親友と会ったが、使者を通じて親友の発言に一気に心情の急変化があり、安堵、申し訳なさ、悔い、人としての弱さが止まらなかった。
死を新しいカタチで表現し、死を身近に感じさせつつ、生の儚さを感じた。
Posted by ブクログ
記憶力儚いこの私がいまだに公開当時観た映画の内容を覚えているので(貴重すぎ)
せっかくだから小説も読んでみようといきなり思い立って読んだ本。
どう考えても嵐美砂、性格悪いよな〜〜
映画では嵐が御園を常に見下してる・しもべかよ・なんでそもそも仲良いの?としか思えない関係になってるけど、
小説には2人がBL好きという共通点があった
&
嵐がやや疎ましい存在になってる(先輩から、御園が話すとみんな聞いちゃうから練習が止まっちゃうけど、嵐は勝手にしゃべってるキャラじゃんwみたいなあれ。)
というのが描かれていて腑に落ちた。
マウント取りがち女子とわかっていながらも、BLというコアな(?)共通の趣味があったから色々目を瞑っていたんだな、御園。
そんな優しい御園だけど、
コムデギャルソンのコートのくだりでプチっといった時は、そう!!!!最後くらいやり返さないとね!!!!!
と私はテンションがぶち上がりました。
親友ってね、上下関係があるものじゃないから。
御園は来世では対等な関係でいられる親友ができますように。
映画でも泣いた「待ち人の心得」はやっぱり良すぎた。
あの時の桐谷美玲が可愛すぎて最高
Posted by ブクログ
辻村さんの作品を読むのは初めてでした。ひと作品ずつ読めて読みやすかったです。どうゆう終わりになるかなど想像していませんでしたが、こう終わるとは、、。先の先?奥の奥?へと想像される方なんだと思い、他の作品も読みたいです。
Posted by ブクログ
かなり前からこの本を読もうと持ってはいて、ただ、途中まで読んで、また期間が空いて読み直して、、、を繰り返してやっと最後で読み切れた!
「ツナグ」を介していろんな登場人物の人生が描かれており、それぞれ個人のストーリーがありつつも、最後のツナグ視点での章で、点と点を結ぶような伏線回収があり、人情味溢れるような暖かさを感じつつも、ミステリーで感じるような驚き?というのだろうか、そことそこが繋がるのね、と読めば読むほど世界観に呑まれるような作品だった。
Posted by ブクログ
生者と死者を一夜限りだけつなぐ物語。
初めは使者(ツナグ)がただの高校生?なぜホテルで?など、ファンタジーだとしたらそれっぽくない現実的な設定に入り込めなかったけど、最後の章まで読んで腑に落ちた。
もしかして、現実でもあったりするのかなとも思ったり、自分だったらどうするか、を考えてみたりする。
まだ自分にとって、身近で心から大切な人を亡くした経験がない私は、現実的にいま誰と会いたいというのはなくて、それは幸せなことだと思った。
ただその分、これからの人生では必ず大切な人を喪失する経験をするんだと思うと怖いなと。その前に自分の人生が終わるかもわからないけれど、そしたら誰が一番私に会いたいと願うのだろう。
人生のいつ読むかでまた印象が変わる物語だと思った。
Posted by ブクログ
1章ごとに話はしっかり独立しているのに全体を通しての流れは綺麗で、まるで連ドラを見ているかのような小説でした‼︎依頼をする生者と依頼を受ける死者、どちらの側からも会えるチャンスは1回だけという設定が、いかにお互いがその人に会いたいと思っているのかという強い気持ちを表すのに効果的だったと思います。特に「長男の心得」の話が印象的でした。最初は「ツナグ」の存在など全く信じておらず典型的な頑固親父のイメージだった依頼者の長男が、死者である母と再会し泣いてしまう様にはぐっとくるものがありました‼︎
Posted by ブクログ
短編集に近かったのが残念。
それぞれの登場人物のことをもっと知りたいと思いました。
私が使者に会うとしたら、もっとおばあちゃんになった時だろうなと思います。
Posted by ブクログ
祖母が代々やってきた、満月の夜に死者と一晩だけ再会できるボランティア活動「ツナグ」の手伝いをする少年の話。
一度会ったら、会った死者も、会った生者も二度とツナグのサービスを利用できなくなる制限がある。
それでも会いたい理由がある、4人の搭乗人物
みんなから愛されるギャルタレントに会う、死のうと思ったOL
弟家族に劣等感を感じている男と母
親友と嫌な別れ方をした高校生
フィアンセが行方不明になった男性
そして主人公自信
死者と会いたい、というのは生きるもののエゴであり、自己満足かもしれない。
後悔から解放されたい、と思う願いからかも。
自分がこれから一度しか会えないとしたら、誰と会うのか?
これから会いたいと思う相手が増えるかもしれない、という視点を踏まえるとなかなか決められないと思うからこそ、会いたいと思える人がいることがすごく大事な気がした。
いつ会えなくなるかわからないから親とか彼女とか大事にしなきゃと思う。
Posted by ブクログ
死者と生きた人を繋ぐ「使者(ツナグ)」という役目についてのお話。
短めのエピソードが何編かの構成なので、長編と比べるとエピソードの浅さが気になりました。
そのため、個人的にはいまひとつでした。が、どんでん返し的なものがいくつかあり、面白さを感じたポイントもあったので、★3としました。
人間関係モノが好きな人には刺さると思います。
Posted by ブクログ
初めの方の話は断片的だったが、それらが繋がっていったとき、良いなと思った。
個人的には嵐と御園の話、キラリの話が好きだった。
歩美の家庭に起こった過去の不幸は悲しかったが、その詳細を本人が知ることができて良かったなと思った。
Posted by ブクログ
自分だったらどうかと凄く考えた。
生死、これからの人生について考えさせられる。
作品中の、「親友の心得」ではゾワッとした…
怖かった…。
またいつか読み返したい。
【心に残った箇所】
p47
世の中が不公平なんて当たり前だよ。
みんなに平等に不公平。
フェアなんて誰にとっても存在しない。
p251
人間は、知らないことを知っているふりして語るのはたやすいくせに、知らないと認めることの方はなかなかできない。
Posted by ブクログ
「使者(ツナグ)」に依頼すれば、一生に一度だけ死者に会えるお話。4つのケース、いろんな死者との再会が描かれていたけれど、四者四様でした。
ファンの平瀬愛美に会わないと、彼女は死ぬつもりだと見抜いたアイドルの水城サヲリ、長男はただ寂しくて再会を望んでいるとお見通しな母。気持ちがすれ違ったまま別れることになった親友と、7年前に失踪した婚約相手。
一番印象に残ったのは交通事故で亡くなった御園奈津とその親友嵐美砂のケースです。最後に御園の一言でひっくり返されました…!嵐は御園を自分の引き立て役と思っている時点で、御園の親友とは言えないなと思ったけど、御園が嵐に一生の悔いを背負わせたのが痛快でした。
土谷功一と日向キラリのケースは土谷にビシッと叱る歩美がよかった。
歩美の両親の死の真相がわかって、歩美も最後救われたのがよかった。
Posted by ブクログ
すごく歩美の洞察力には驚かされた。
何度かウルっとくるシーンがあった。
自分が死んだ後に自分に会いたがってくれる人は果たしているのか、自分はもし会えるなら誰に会いたいかをすごく考えさせられた。
いつ誰がどこで亡くなるかわからないから今を大事に生きたいと感じた。