【感想・ネタバレ】ツナグ(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者(ツナグ)」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員……ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

使者(ツナグ)の歩美が研修中だったことに驚いた。
この手の案内人はベテランか、人外で生まれた時から案内人のケースが多いので、歩美もてっきりどちらかのケースかと思い込んでいた。
四話の暴走は新人時代のトラウマを刺激されたのかな?と盛大に勘違い。

つまり本作は、歩美が使者になるまでの出来事を描いた物語だったというわけだ。

研修を通して死者の正体を怪しんだり、生者と会わせる意味を深く考察したり、この時点で使者になるために生まれてきたような子だと感じたが、あまりに聡すぎて使者の力を受け着いた故に亡くなった両親の秘密に気づいてしまったのは実に皮肉である。

使者は善意のボランティアではなく、死と隣り合わせのボランティアだ。
全てを知っても使者の力を受け継ぐ歩美に目頭が熱くなった。
続編も是非見届けたいと思う。

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2026年08月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

登場人物それぞれの立場や性格が異なり、もちろん自分とは遠い境遇の人物もいる中でそれぞれに感情移入しながら読んだ。
切なくてぎゅーっと苦しくなる場面もあった。自然な涙が出た。

言葉遣いや表現の仕方が違うため短編小説と思い読み進めていたが最後にぐっと物語が繋がる長編小説であった。

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2026年07月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

死者と生者が会うことができる不思議な世界が本当にあるのなら、自分は誰に使おうか、自分は誰に使ってもらえるのか、そもそもその機会を使うのかどうか、考えさせられた。
会う方がいいのか、会わない方がいいのか、登場人物それぞれのエピソードを読んで、色々なパターンがあることを思い知らされた。
もし現実でその世界があるのならば、自分は素直に会いたいと思い、思われるような人になり、そしてその時間が幸せな時間になれたらいいなと思った。

0
2026年06月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ハートフルヒューマンドラマと思わせて胸糞もきっちりアリな作品だった。最後の方のツナグが死者を蘇らせてるのか残留物の寄せ集めなのか敢えて明かさないところは結構面白いと思った。

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2026年06月24日

QM

ネタバレ 購入済み

おもしろい

こんなからくりがあったなんてなぁ。嵐と御園のお話は、嵐の御園に対する嫉妬の気持ちややり場のない怒りみたいなものは理解できるから読んでいてとってもしんどかった。御園が生きていた間は憎くて目障りで仕方なかっただろうし、いくら凍った水が死因ではなかったものの実際は御園に敵意も殺意も見透かされ、失ってから親友の存在をありありと感じ、そのうえ親友が主役を務めるはずだった劇もやり遂げた嵐はどんなに胸が張り裂けそうなほどつらかっただろう。

#泣ける

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2024年08月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ツナグ このタイトルにひかれて
手に取った1冊。ツナグとは、死者と生者を
一晩かぎりつないで、会わせてくれる使者。

親友の心得、胸がぎゅ〜って
締め付けられるように苦しくなって涙。
嫉妬って苦しいよね。

7年ぶりに会う婚約者のところも涙涙涙。
依頼側が最初、依頼から背けてしまってたけど
無事、会えて、良かった。。。死者側も伝えたいこと
心置きなく伝えられて、良かった。。事実が
とても切なかった。

最後の使者の引き継ぎのところ。引き継ぎの過程で
両親の亡くなった過去についても分かるところ、
とんでもなく切なくて、優しくて、温かくて。。
感動しました。

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2026年08月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

生者と死者をツナグ「使者」の物語。
序盤〜中盤は使者へ依頼する人々の視点。
終盤は使者を継承する少年の視点。

終盤にある、使者は生者のエゴであるというのが一番しっくりきた。死者は生者と会ってしまったら、それ以降成仏する。(正確には描かれていない)生者は死者の最後の思いを聞いて、その後に生かすこともできるが死者はそうではない。

現実でも残された者は、死者に会えずとも生前の想いを引き継いで生きて行くしかない。改めて、自分の今と関わる人との時間を大切に生きていきたい感じた。

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2026年07月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なんだか爽やかな読後感の、でも心が暖かくなるような本が読みたい気分になって選んだのがこの本。やっぱり読んで良かった。素敵なお話。
私が1番心に残ったのはやっぱり親友の心得かなぁ。依頼者は高校生の女の子、会いたいのは最近事故で亡くなった親友。
親友なのだけど、1番近い存在だからこそ自分との違いが目について、比較して、嫉妬とも羨望とも形容できない焦りのような虚栄心と、曖昧な、でも確かにある2人の間の小さな感情の歪み。でもこれが思春期の友情のリアルだろうなという、ある種の諦観のようで逆説的にポジティブな気持ちになった。それがリアルでも、思春期の友情は美しいしかけがえのない思い出であり続けるほどの眩しさがある。
劣等感と自己肯定感の低さと同時にある、プライドと承認欲求、自己顕示欲を、ツナグの前だけでも捨てて素直でいられたら、自分の罪と罪悪感を吐き出すことができていたなら、少し楽になれたのかもしれないけど(それが身勝手な精算で死者への冒涜なのではというジレンマは置いておいて)。
必死に探して依頼できたと思ったツナグが、まさに亡くなった親友の想い人だったなんて、どんな巡り合わせだよと嵐に同情してしまう。
結果的に、嵐のささいな背伸びした気持ちが歩美を通じて御園に伝わって、意図しない形で傷つけて感情を逆撫ですることになった。
御園があの伝言を伝える選択をしたこと、どんな気持ちだったんだろう。嵐が正直に話して謝っていたら、伝えてなかった?腹を割って話したかったのかな。一見、あえて触れないことで楽しく親友として、その時間が綺麗なまま終わることを選んだようにも見えたけど、そうじゃなかった。私には、伝言を伝える選択には明確に嵐の心に対する攻撃心がある気がした。
本当に道が凍っていなかったのかどうかも分からない。もし道が凍っていたなら嘘をつく必要があったのか、そこにどんな真意があるのか。
それは御園にしか分からないし、御園は嵐が蛇口を開けたままにしたことを知っていたのだから、どちらにせよ二人の間に大した違いはない気はするけれど。
伝言を聞いた嵐の悲痛な状況のままに、待ち人の心得に移った時は、なんて救いのない…と思ったけど、最後の章でその後のことが書いてあった。まだ嵐が前を向けたとは思えなかったけど、それでもどこか覚悟が決まったような、自分と向き合ったような、痛々しい顔が瞳が目に浮かぶよう。
本当にツナグがいて私たちに死者と会う機会があっても、綺麗な再会があるのと同じくらい、綺麗じゃない、夢物語なんかじゃない夜がきっとあるだろう。歩美の祖母が、会ったところで全員が成仏できるとは思えないと言っていたように。
死者が生者のためにいていいのか、生者がこれからを生きるために死者の存在や思いを都合良く解釈することは死者への冒涜ではないのか、という迷いへのアンサーは、それでいいというもの。死者は生者のためにいていい。もし私が死んで、私の思いなどおかまいなしに残した人達が都合良く私を解釈していたら、と考えたけど、私もそれでいいなと思った。私の家族が友達が大事な人達が、それで少しでも前を向けるなら救われるならそうして欲しい。
そしていつか、生者としての地続きの私が、この小説に救われる日が来る気がしている。

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2026年06月17日

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