【感想・ネタバレ】ツナグ(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ

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よかった〜!一度だけ望む死者と合わせるツナグという役割。どの話も良かったけど1番えぐかったのは親友を事故で亡くした女子高生の話。この連作の中で1番救われて欲しかった枠だったのに1番業が深くてつらい話になってしまった。思春期の頃の、友達に対する痛みと妬み憧れって本当に最高に人間だって思うと同時に深刻だなって思うし、こういうのを書かれるとたまらない気持ちになる。読んでる最中、『道は凍ってなかったよ』って言葉で全部が救われたって思ったのに、結局その逆で全部を無くしてしまったけども。最後にツナグ視点で、各依頼の話が読めたのはよかったな。

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2024年03月30日

Posted by ブクログ

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最初はファンタジー物で苦手だな〜なんて読んでたけど、よく出来た物語で読むのには苦ではなかった。
読んでいくとどんどんツナグである歩美が気になって。最後の章でようやく全てが繋がった。読んで良かったと思える作品だった。
死んだ人ともう一度生きてる間に会えるなら誰を選ぶのか。なぜその人を選ぶのか。
私はクリスチャンだから天国に行けると思ってるし、大切な人たちは天国に行くと思ってる。

死。誰もが呆然と考えたことがあるトピック。こういった切り込みで考えさせられて良かった。続きも読みたい。

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2024年03月27日

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【親友の心得】
『道は凍ってなかったよ』
前の2話にとても感動させられたので、この話も「亡くなった親友に会って、仲直りしてスッキリ」という展開になると軽率に思っていました...

死者との出会いは、必ずしも感動的に終わるわけではない。それが一生残る禍根になってしまうこともある。
1番しんどい話でしたが、1番心に残りました。

使者がいない世界だからこそ、大切な人が生きている内に、できるだけ素直な姿を見せたいと思いました。

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2024年05月12日

Posted by ブクログ

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アイドルの心得で、サヲリが平ちゃんに対して言った言葉「謝るのって癖?そうするのが楽なのかもしんないけど、あんまよくないよ。謝って解決しないこと世の中にはたくさんあるし、甘ったれんな。だいたい、周りの人間暗くする、そういうの」の所で、私もすぐに謝る癖があるので自分に言われてるようで心に刺さった。

友の心得は読んでいて苦しかった。友達だけどライバルで自分が上にいたい、負けたくないって気持ち、自分も学生の頃に思った事があるから分かるけどそれで殺めてしまおうか?なんて気持ちは沸いた事がないけど、最後に会えたのに嘘な終わり方に辛かった。

待ち人の心得はただ切なくて‥土谷と輝子に幸せになってほしかった。

使者の心得では、両親が事件ではなく事故だった事に辛いが少しは救われたのかな、と思った。

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2024年05月04日

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気持ち的には星3.8くらい。
私はミステリーかファンタジーが好きで、ヒューマンドラマのようなものはあまり読まないんだけど、辻村深月は時々読む。
死者と生者が満月の日に一生に一度だけの再会を叶える使者「ツナグ」。ここは非科学的だけど、あまり気にならず読み進められた。
ツナグに依頼して再会した人達の話が続く。どの章にも共通して出てくる使者が最終的に主人公的な位置付けなのかなと思ったら、やっぱり最後は「使者の心得」としてメインで登場してきた。
どうしても一番心に残ってるのは女子高生の章。
思春期特有の親友なのに嫉妬したり優越感を感じたりがすごく上手くて描かれていると思った。
悪意を持って「水を流した」ことを最後の会えた機会に謝れないままで、一生背負わなければいけなくなってしまった。やっぱり卑怯でも惨めでも自分の気持ちや過ちは謝らないといけないな。

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2024年04月04日

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最後の章を読み始めたら止まらなくなって一気に読み切ってしまった。

母親が鏡を覗いた理由が父の浮気を疑ったからだと思わせるミスリードのおかげで、両親の信頼関係と思いやり故の行動だったという解釈に感動した。

歩美が会いたい死者として両親を選ばず、最終的におばあちゃんを選んだことは素敵な終わり方だと感じた。

「自分だったらどうするか」を考えさせられる一冊
まだ会いたい故人がいるほど長く生きていないが、いずれそういう人ができたら、そして自分が死んだ時に会いたいと願ってくれる人がいたら嬉しい。

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2024年05月02日

Posted by ブクログ

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全てがいい話ではないところが良かった。嵐と御園の話は読んでて心がモヤついた。御園は人を褒めることで自分を守っていた可能性もあるし、嵐も人を下に見てる。お互い性格悪いもの同士だから、共依存だったんじゃないかな。だから御園は蛇口を止めたし、嵐と会うことにした?もしくはちゃんと親友になるために本気で話をしたかった?ただ歩美のコートの件で、死んだ後も馬鹿にされたと感じたのかも。嵐は見栄っ張りで救えない。
1番印象に残った短編は、嵐と御園だけど、アイドルも、長男も、待ち人も、使者も、必ず救えない闇や後悔があって、心に刺さった。この人の傷ついた人、傷つける人の描写はとても好きだなあ。
冷たい校舎の時は止まる、がまた読みたくなった。

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2024年03月11日

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