辻村深月のレビュー一覧
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詐欺に関した短編小説集。『嘘つきジェンガ』というタイトルの秀逸さよ…
1つ目はコロナ禍に地方から上京してきた燿太が、友人に誘われて詐欺に巻き込まれる話。「こういう人、本当にいるのでは…?」というリアル感。
2つ目は受験詐欺に引っかかってしまった多佳子の話。側から見ると「絶対詐欺じゃん」って感じなんだけど、普段弱さを見せない息子が泣きながら「どうしたら成績あがるの?」「受かりたいよぅ」と言ってきたら、何とかしてあげたいと必死になってしまう気持ちもわからなくもない。こういう人の心の動き・揺らぎの描写が本当にすごいなあと思った。
3つ目は「そんな詐欺ある⁉︎」って形の詐欺。これも詐欺をしている紡の -
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恋愛や結婚に関して、自分がどのフェーズにいるかで感想が分かれそうだと思った。
私は今年で33になる。
バツイチ子なしで結婚相談所に入り、1年2ヶ月ガッツリ活動をした。
それはもう、たくさん悩んだ。いいなと思っても、最終的に異性として見れず終了となったり、もちろん私が振られることもあった。
でも諦めず活動し、素敵なご縁があり結婚に至り、来年には子どもが産まれる。
そんな今の自分からしたら、私が結婚相談所でやってきたことは間違ってなかったんだなという答え合わせ的な感想しか浮かばないのが本音ではある。
失踪した婚約者の手がかりを、藁にもすがる思いで探していく架はとても好印象だった。
実家を訪れ -
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ネタバレ子どもが加害者だと言われた時に、自分の子どもの言葉を信じられるだろうか。やったと言ってくれ、そしたら謝れば済むから、の気持ちがとてもよくわかってしまって、でも朝斗の言葉を信じてあげられたのがすごい。わたしは息をつくようにすみませんでしたが出てきてしまいそう。
ひかりは悪い方に悪い方に転がっていって辛かった。教えられてないから知らない、そもそもおかしいとも思えない、相談もできない、そうなってしまう育ち方をしてしまったことはこの生い立ちならしょうがないなと思ってしまう。前半でこどものやってないの言葉が信じられないとか思ったくせに、子どもが何か困ったら親に相談してほしいとも思って矛盾! -
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ネタバレ
面白かった。
でも…自分が婚活でなかなか上手くいかないという渦中にいたらじわじわ嫌な気持ちになって読むの途中でやめてたかもしれん。
そのくらいリアルで最後まで飽きさせず読まされた。
なんでやろう、架はろくな男じゃないのにちゃんと魅力的に描けてたな。
そして架と結局結婚することを選んだわけやけど…架はみなこ達悪友と手切るつもりあんのかな?周りは関係ないとか言ってたけどあんなにしょっちゅう会ってた昔からの友達ときっぱり会わなくなるなんて現実的なのか、、、
いやー彼氏の嫌な女友達書くのうまいなー
いやさすがにあんなんおらんやろと言いたいけど…おるかもなあと思わされた。 -
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猟奇的連続殺人。
読むのが辛くなる。何が辛いと言って、被害者に明確かつ豊かな人間性、性格が与えられ、それをきちんと描写されたのちに災禍に遭わせているのが辛い。ああ、きっとこの先悲劇が待っている、フラグ立ちまくりだと思いながら読んでも、読者としての視点は被害者に寄り添っていく。そして、災禍は避けられない。残酷な描写がこれでもかと待っている。
心が寄り添わなかったのは、一人……
終わりの数ページも辛かったなあ。
だから、下巻を読まないといけないという気持ちで、今、いっぱいです。この作者なら、今の気持ちを明かしてくれる。これまでも黒い作品を読んだけど、真っ黒で終わりはしなかった。下巻で光が差すに違い -
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「良い人だけどタイプじゃない」「なんかピンとこない」
恋愛の場面で何度も使ってしまったこの言葉。悪気なんてなかったがこの本を読んだ後だと、自分の中に潜む傲慢さや身勝手さを突きつけられたようで、胸がドキッとした。
恋愛小説として手に取ったはずが、読み進めるほど「これ、自分の話では?」と何度も立ち止まってしまう。多くの人の心に容赦なく刺さる物語だと思う。
「ただこの人じゃなかっただけ」「理想が高いわけじゃない」
そう自分に言い聞かせながら、他人からどう見られるかを気にして、自分にはもっと合う誰かがいると信じて、ずっと恋人や結婚相手を“選ぼう”としてきた気がする。
SNSで他人の現状が透けて見え