辻村深月のレビュー一覧
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本作は辻村深月作品の初期キャラクターたちが成長した姿で登場し、青春の痛みとミステリーが見事に融合した、ファンにとっての初期「辻村ワールド」の集大成ともいえる作品。
最初はタイムリープものとして始まるが、そう単純な物語ではない。そもそも肝心の名前だけが思い出せないってどういうこと?と思いまながら読み始め、最後には「やられた!」というどんでん返しが待っている。それにしても相変わらず辻村深月が十代の内面描写が上手い。思春期特有の自意識、嫉妬、憧れ、そして言葉にできない閉塞感を、毒を含みながらも温かく描き出す筆致が存分に発揮されている。とりわけ教室という閉鎖空間で、他者の目を気にしすぎるあまり、本当の -
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ネタバレ読み終わって感じたことは、え!?ここで終わり!?続き気になる〜!!ってこと。
育ての親と生みの親とその子どもの行く末気になる!続編求む。
不妊治療の末、養子縁組で子どもをもらう決断をした夫婦とその生みの親との話。
自分は当たり前に妊娠して出産してってそうなるだろうと思い描く人がほとんどだから、そうでない側に立った時の辛さやりきれなさは当事者じゃないと語れないし語っちゃいけないよなと改めて感じた。
この物語の夫婦は品があって前向きで素敵だなと思った。
所謂毒親に育てられたひかりちゃん、自分の思う通りの良い子であって欲しいし良い子でないなら良い子になるようにコントロールしたいひかりちゃんの親 -
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様々な小説家さんの作品を経て、久々に辻村深月さん作品に帰ってきました。
前半は文庫本で、後半はaudibleで聴きました。
audibleで良かったと感じた点は、理帆子の周りの登場人物の声色が、結構キャラにハマっていたところでした。ミヤとかカオリとか、若尾とか松永さんとか多恵さんとか、あとはお母さんとか、別所あきらとか。
でもまさか、別所あきらが理帆子の父そのもの、あるいは父の面影を重ねた存在だとは思いもよりませんでした。
あまりにも高校時代のエピソードが長かったので、現代の理帆子といくやが20-30代の若者で写真家で、という設定を忘れてしまうくらい、物語に集中することができました。
深月さ -
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「嘘つきジェンガ」というタイトルが秀逸。。。バレる可能性が高い嘘・バレたらよくない未来が待っている嘘を抱えている時の心の中は、まさにジェンガのようにグラグラ不安定でぴったりの比喩。
話の中ではそんな騙す側・騙される側の嘘があって、それを読んでいると、過去の、嘘をついて苦しいときの感覚が湧き上がってきて、ずっとぎゅーっと締め付けられる感じだった。。。
本作の「騙す側」は、いきなり騙すぞ!ではなく小さな強がりからグラデーションのように騙す存在になっていたり、環境の圧力や構造上、保身のために騙す存在にならざるを得なかったり。。。最初から悪いことをしようという意思がなくても悪いことが生まれるんだか -
Posted by ブクログ
ネタバレ小学生のころ、友だちの間で怪談が流行って、休み時間とかにそれぞれ順番に怖い話をしていくんだけど、すぐに手持ちのネタなんて尽きてしまうから、その時自分で考えた怖い話を、さも本当のように話していた。最後に「これを聞いたら、毎日こういう呪文を唱えないといけないらしい」的なのをつけたら(多分そういうのが流行っていた)、少し後になって、友だちのひとりが、ちゃんと毎日呪文を唱えていて、ひやりとしたのを覚えている。
子どもの些細な嘘。
この作品の3編の主人公はみんなもっと大人だけれど、「ここはきっと大丈夫」と、ジェンガのように抜いていたら、いつの間にか塔が全部崩れてしまう、みたいな話。
タイトルが秀逸