辻村深月のレビュー一覧
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ネタバレ
伏線やミスリードが含まれていて最後まで読んだ後すぐに最初から読み返した
響子と今日子がいるとは、、予想もしなかった
途中で1人1人集まりから離れていくのをマイナスに捉えていたけれど
島津や聡美は過去の居場所より今の自分を受け入れて一歩踏み出したのかな、と感じた
ミステリーとしても面白かったが
紗江子の男と縁がなさそうなのにイケメンでクラスの一軍に相手にされている、だけど本当は小物の男だとわかっていて離れられない描写がリアルだった
どんな環境でも自分という芯があり誰にでも同じような態度で接するキョウコは太陽のような存在だな、と思った
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ネタバレ大学生である浅葱は、論文コンテストをきっかけにネット上で兄である藍と再会を果たす。生き別れた兄と再会することを希望に生きてきた浅葱は、すぐにでも会いたいと伝える。しかし兄の藍からは、まだ会うことはできない、会うためには人を殺す必要があると殺人ゲームを持ちかけられ…といったストーリー。
辻村美月さんでこうも殺人が起こる作品は初めてで、新鮮だった。浅葱が兄に会いたいと気持ちとこれ以上人を殺したくない気持ちの間で揺れ動いているのは、読んでて心が痛かった。そんな中救いの手を差し伸べようとしてくれた月子に、月子に対する誤解から浅葱は手をかけてしまうが、それでも月子が命懸けで浅葱を庇おうとするシーンには -
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直木賞を受賞した小説。五つの短編オムニバスで構成される。いずれも物語の中で犯罪を取り扱うもののミステリーやサスペンス要素は少ない。ただ主人公達のモノローグが、緊迫感と緊張を高めていく。
なんて嫌味なダメな主人公達、と割り切れない。誰もが何かの拍子にその穴に落ちる可能性がある。そういう怖さがこの小説にあり、それだけ辻村さんの書く描写が真に迫ってくる。
タイトルの「鍵のない夢を見る」、五つの短編に共通するタイトル。辻村さんの小説のタイトルは読み終わった後になるほどこのタイトルはこういう意味だったのか、といつも感心するのだが、ただこの短編の中には鍵に関するものは出てこない。読んだ後もタイトルの意味 -
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ネタバレ眉目秀麗な蘭花と容姿にコンプレックスを持つ留利絵。
前半と後半に分かれてそれぞれの視点で進む物語。
自分にとっては人生を大きく揺るがすような重大な出来事であったとしても、相手からすると些細で小さな出来事だったりする。
自己肯定感やプライドは傷ついた経験や称賛された経験によって構築されていき、それが客観視できないまま増幅していくと執着となっていつしか抜け出せなくなる。
留利絵が容姿を貶されてきたトラウマから、自己防衛のために曲解した受け取り方しかできなくなってしまっているのが痛々しかった。
被害妄想という言葉だけで片付けてはいけないような、哀れで残酷な心情。
もしそういうトラウマがなければ、留利 -
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ネタバレ傲慢と善良。
これは婚活だけではなく、大きな括りで言うと人間関係でもあることなんじゃないかなって思った。
架の傲慢さ(真美に対して100点をつけなかったこと)は、自分の過去の恋愛と比較してできたもので、真実の傲慢さ(婚活相手への評価)は独自の評価基準で定められたもの。2人は同じ「傲慢さ」を抱えていながらも、物差しが違うことでお互いのすれ違いや解釈の溝が生じちゃう。
だから恋愛、友人、結婚など対人関係は「価値観が合う」ことが重要だし、反対に別れる理由にもなりうると感じた。
また、善良も同じことが言える。自分と相手とでは善良の捉え方や表れ方が異なる。良かれと思ってした行動が、必ずしも相手にとっ