辻村深月のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ眉目秀麗な蘭花と容姿にコンプレックスを持つ留利絵。
前半と後半に分かれてそれぞれの視点で進む物語。
自分にとっては人生を大きく揺るがすような重大な出来事であったとしても、相手からすると些細で小さな出来事だったりする。
自己肯定感やプライドは傷ついた経験や称賛された経験によって構築されていき、それが客観視できないまま増幅していくと執着となっていつしか抜け出せなくなる。
留利絵が容姿を貶されてきたトラウマから、自己防衛のために曲解した受け取り方しかできなくなってしまっているのが痛々しかった。
被害妄想という言葉だけで片付けてはいけないような、哀れで残酷な心情。
もしそういうトラウマがなければ、留利 -
Posted by ブクログ
ネタバレ子どもが加害者だと言われた時に、自分の子どもの言葉を信じられるだろうか。やったと言ってくれ、そしたら謝れば済むから、の気持ちがとてもよくわかってしまって、でも朝斗の言葉を信じてあげられたのがすごい。わたしは息をつくようにすみませんでしたが出てきてしまいそう。
ひかりは悪い方に悪い方に転がっていって辛かった。教えられてないから知らない、そもそもおかしいとも思えない、相談もできない、そうなってしまう育ち方をしてしまったことはこの生い立ちならしょうがないなと思ってしまう。前半でこどものやってないの言葉が信じられないとか思ったくせに、子どもが何か困ったら親に相談してほしいとも思って矛盾! -
Posted by ブクログ
猟奇的連続殺人。
読むのが辛くなる。何が辛いと言って、被害者に明確かつ豊かな人間性、性格が与えられ、それをきちんと描写されたのちに災禍に遭わせているのが辛い。ああ、きっとこの先悲劇が待っている、フラグ立ちまくりだと思いながら読んでも、読者としての視点は被害者に寄り添っていく。そして、災禍は避けられない。残酷な描写がこれでもかと待っている。
心が寄り添わなかったのは、一人……
終わりの数ページも辛かったなあ。
だから、下巻を読まないといけないという気持ちで、今、いっぱいです。この作者なら、今の気持ちを明かしてくれる。これまでも黒い作品を読んだけど、真っ黒で終わりはしなかった。下巻で光が差すに違い -
Posted by ブクログ
ネタバレコロナ禍で不自由を強いられながらも、スターキャッチコンテストをきっかけに地方の壁を超えて人と人がつながっていく話。
コロナ禍当時、私自身はもう学生ではなかったし、この作品はフィクションではあるけれど、この作品に登場する中高生のように、学校に行くことはもちろん、友達とすら会えないことに泣いてしまうほどの不安を抱えた子、居づらさにが原因で学校に行きたくなかったのに登校日を迎えて、でもサボることもできない子、両親の職業柄 県外の人を迎えることによって周りからこそこそと陰口のようなことを言われてしまう子etc…は実際にいたんだろうなと、ある程度うまくコロナと付き合うことができるようになった今改めて思い -
Posted by ブクログ
ネタバレすごく惹き込まれた...!
前半は不妊治療の末、特別養子縁組という形で養子を育てる夫婦の話で、不妊治療の大変さとか養子の仕組みとか、とても勉強になった。
養子に関しては、周りに反対されるけれど、どちらの意見も分かって、難しい問題だなあと思った。
血ってどこまで大事なんだろうかと思うけど、いざ当事者となると、赤の他人の子どもに愛情を注げるのだろうかとも。
この夫婦は本当に立派だと思う。
後半は中学生で妊娠した女の子の話。
複雑な心情がとてもリアルに描かれていた。
妊娠発覚するまでの、周りに対する優越感なんかが非常に中学生らしくて現実味がありました。
あまりにも不憫だったけど、最後は報われた気 -
Posted by ブクログ
以前読んだ「ハケンアニメ!」のスピン•オフ短編集。
①前作の主人公三人の過去を描いた「九年前のクリスマス」
②前作第一話の監督の成長過程を描いた「声と音の冒険」
③前作第ニ話の女性監督を、登場した小学生側から見た「夜の底の太陽」
④前作第一話で登場した、フィギュア製作会社員と造型師の物語「執事とかぐや姫」
⑤長寿アニメ制作社を描いた「ハケンじゃないアニメ」
⑥これまでの登場人物総出演の「次の現場へ」
発表は①④③⑥②の順で、⑤が書き下ろし。
楽しく読めました。
ただし、前作と照らし合わせないと『誰だっけこの人?』となる事が多く、二冊とも手元に用意して読みました。単なる記憶力不足か?『登場人