辻村深月のレビュー一覧

  • ぼくのメジャースプーン

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    2025年43冊目『ぼくのメジャースプーン』

    最初は、主人公のぼくがその不思議な能力で多くの人を救っていく物語なのだと思っていた。けれど実際は、幼馴染のふみちゃんを助けるため、自分の力と向き合い、悩み、葛藤していく物語だった。

    ぼくも、ふみちゃんも、そして先生も、それぞれ個性が際立っていて魅力的だ。なかでも私は、先生の存在が特に好き。そこにいるだけで空気が落ち着き、読んでいるこちらまで安心できるような、そんな感じがする。

    辻村深月さんの作品を読むと、やっぱり「物語っていいな」としみじみ思う。現実とは少し違う世界に足を踏み入れて、登場人物の心の揺れを一緒に辿れるのが楽しい

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    2025年11月17日
  • 鍵のない夢を見る

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    本屋をうろうろしている時に見つけて帯を見て、作者のことは知ってたけどこの作品で直木賞取ったんだなと興味を持って読むことにした。昼に買ってその日の夜に読み終わるくらい面白かった。
    後ろの作品ほど日常とは離れていくような気がした。
    最後の話。これから父親になる男性がこれを読んで何も感じないのであれば、もう何を言ってもその男性は何も感じないのだと思った。私には子供がいないが”母親”の抱える孤独、責任、危うさ、愛情、心細さ、諸々の感情を感じた気がした。産後には読めないかもしれないと思った。
    各々の作品にそれぞれ違う、女の(言葉では言い表すのが難しい)あの感じが表れていて共感した。
    あとがきの林真理子さ

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    2025年11月16日
  • この夏の星を見る 上

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    自分も、コロナ禍を体験しているためとても共感できるお話だった。この本を学生におすすめする。読む前は天文だけの話だと思っていたが、天文についてほとんど知らない私でも理解することができた!

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    2025年11月16日
  • 図書室で暮らしたい

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    好きな作家さんの好きなものを知れる最高な一冊

    子育ての前に読めてよかったし
    自分の好きなものとちゃんと向き合おって思えたし
    特別付録にある短編の舞台が広島で
    今年の夏にちょうど旅行行った時に感じたとことと同じこと書かれてて嬉しかった! 

    心が辛い時にまた読みたいっておもえた

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    2025年11月16日
  • 朝が来る

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    泣きました。

    子どもが出来ず、特別養子縁組で赤ちゃんをゆずり受け暮らす夫婦。幸せに暮らす家族の元に「返して欲しい」と電話が来る。
    実母「ひかり」と養母「佐都子」、2人の女性の人生を描いた物語です。

    家族って何だろう?血のつながりだけが家族?血がつながっていたとしても、愛が無ければ家族なのか?愛があってもどうしようもないこともある?

    血のつながる家族だからこそ生まれる葛藤、血のつながらない家族だからこその苦悩。何を大事に大切に生きるのかを考えされられた本でした。

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    2025年11月16日
  • 青空と逃げる

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    傲慢と善良から来ました。

    早苗がおばあちゃんに歌を歌ってあげて、その後感謝をされるシーンでは涙が出そうになりました。

    すごく続きが気になるって感じではないけど、とても読みやすいです。

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    2025年11月15日
  • かがみの孤城 上

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    再読完了。

    主人公のこころは、中学生になったばかりの頃に、クラスメートから執拗な嫌がらせを受け、学校に行けなくなりました。
    家で自分の部屋で閉じこもる生活の中、ある時鏡が輝き出して入り込むと、そこには大きなお城、そしてオオカミの仮面をした女の子がいて、こころがこの城に招待されたと伝えます。
    この城には,他にも6人の同世代の子供が来ていました。彼らも何らかの事情を抱えた子達で、その城での関わり合いを通して少しづつ変わっていくという流れ。

    この上巻は少々辛いです。
    まず、こころが受けた仕打ちが、そんな理由でそこまでする?ってくらい酷くて、鳥肌立ちます。
    その後のこころの心理、心細さというか、誰

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    2025年11月15日
  • 青空と逃げる

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    父親が起こした事故が理由で自宅を離れ、高知、家島、別府、仙台と転々とする早苗と力。
    二人はただ逃げるだけではなく、出会った人たちにも助けられ、生きていくために強くなっていく。
    二人が、周りからの目と父親を追う人たちから逃れるだけだった状態からその地でよりよく生きていくようになっていくのを温かい目で見守ることができた。

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    2025年11月15日
  • 朝が来る

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    ネタバレ

    辻村作品をデビュー作から読むチャレンジ中。

    思わぬところでスマッシュヒット。
    子どもが出てくると、弱い。

    始めはママ友関係のドロドロ話かと思ったら、思わぬ方向にストーリーが移り、そこからはもう大変。

    ひかりから朝斗が渡されるところでは、中学生らしい語彙力で繰り返される言葉のなかに、良い思い悪い思いが全部詰め込まれているのを感じた。

    読んでいるうちに、無言電話がひかり本人なのだと気づいたところで、最後は救われるのだろうなと思った。

    そうはなったけど、自覚が足りないまま沼にはまり込んだひかりには、自分で解決しないといけないことがたくさんありそうだ。
    たぶん、大丈夫なのだろうけど。

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    2025年11月14日
  • 盲目的な恋と友情(新潮文庫)

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    盲目的な友情の方が、盲目的な恋より狂気だった。
    読み手の憶測は作者の書き方で転がされていただけで、まさかの終わり方だった。

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    2025年11月13日
  • 名前探しの放課後(下)

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    負けず嫌いで完璧主義なあすなと自分が重なって
    でもあすなはしっかり逃げたことと向き合ってて
    うちもちゃんと自分の苦手な事と向き合わないとなって
    元気もらえた

    終盤のどんでん返しがすごくて
    ハルくんにずっとムカついてたけど
    ごめんって謝った笑笑 

    あとあの作品の2人が成長して出てきてくれたの
    むちゃくちゃ鳥肌たって感動した! 

    辻村さんほんまに隠すの上手い

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    2025年11月13日
  • 島はぼくらと

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    辻村スゴロク第2弾
    「島はぼくらと」

    「行ってきます」「行ってらっしゃい」

    瀬戸内海に浮かぶ冴島。
    幼馴染4人の高校生の話。
    少子化、Iターンで島に来る人、元々の住民、いろんな視点から見える島での生活や人々の葛藤。

    島から出ていく人、若者たちの成長、卒業と進路、別れ、決断。
    みんな一生懸命。みんなに幸せになってほしいと思える作品。

    「ただいま」「おかえり」

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    2025年11月12日
  • ぼくのメジャースプーン

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    全体的に読みやすい文体で、さくさくよみすすめられる作品なんですが、ふみちゃんみたいな良い子が、悪意で病んでしまうシーンはかなり辛く自分ごとのように感じて、何とかしてあげたい! むずむず みぞみぞします。

    メジャースプーンって何?って思ってましたが
    なるほど、計量スプーンなのね。

    いくら特殊能力があるとはいえ、小学生の主人公が犯人に、立ち向かうのは無理があるなあと思いますが、ぼくとふみちゃんの優しさが滲みでている読後感のよい作品です。

    ワタシにもこんな姉さん的な友達、いた気がします。遠い記憶だけど。
    あの子は今どーしてるだろう?

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    2025年11月12日
  • 盲目的な恋と友情(新潮文庫)

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    「その恋、その友情、依存かも。」
    と書かれた帯に惹かれて購入。

    蘭花目線と留利絵目線の2つで構成されている。

    蘭花目線は、御嬢さんが初めての恋愛してその男が危ない奴で、云々と書かれていて、えっ?ここで終わり?ってところで終わって

    留利絵目線がまぁ不気味なこと。
    この執着心はレズなのか?と思ったがそうでもなく、ただの依存で強烈な執着。
    でも、恋に夢中になって蘭花は留利絵の支えを蔑ろにしてる部分めちゃくちゃあって、イラッとくる気持ちもわかる。
    ゾクゾクしながら一気読みした。

    学生時代、私の周りにも留利絵っぽい女の子居たな。やっぱ女の子って怖い^_^;

    この小説結構好き!ヒトコワ!

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    2025年11月10日
  • 凍りのくじら

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    ドラえもんと絡めて登場人物をカテゴライズしていくとはびっくり!!ドラえもんは意外と深いとわかりました!主人公の母親からの写真集でのメッセージ、一個上の先輩について分かった時涙を流さずにはいられませんでした!素敵な小説でした!

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    2025年11月10日
  • ツナグ(新潮文庫)

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    生者と死者を一夜限りだけつなぐ物語。 

    初めは使者(ツナグ)がただの高校生?なぜホテルで?など、ファンタジーだとしたらそれっぽくない現実的な設定に入り込めなかったけど、最後の章まで読んで腑に落ちた。

    もしかして、現実でもあったりするのかなとも思ったり、自分だったらどうするか、を考えてみたりする。

    まだ自分にとってとても身近で、心から大切な人を亡くした経験がない私は、現実的に誰と会いたいというのはなくて、それは幸せなことだと思った。
    ただその分、これからの人生では必ず大切な人を喪失する経験をするんだと思うと怖いなと。その前に自分の人生が終わるかもわからないけれど、そしたら誰が一番私に会いた

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    2025年11月11日
  • 名前探しの放課後(上)

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    最初読み進めてるときに【冷たい校舎の時は止まる】と似てるんかなぁ?って思ってたんやけどまた違う切り口でどんな伏線が貼られてるのかワクワクしてる

    ずっと辻村さんの作品読んでて思ってんけど
    辻村さんって、児童文学とか童謡好きやったんかな?って
    この作品も童謡、物語の内容を踏まえて物語が進んでて
    うちも改めて童話とか児童文学読み直したいって思った!

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    2025年11月10日
  • 冷たい校舎の時は止まる(下)

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    ネタバレ

    上巻よりもサクサクと読み進めることができた。菅原の深掘りパートのエピソードは、彼の抱える過去の重さが丁寧に描かれていて、読んでいて辛かった。でもその分、キャラクターへの理解が深まり、もっと幸せになってほしいという気持ちも強くなった。
    また、ヒロとみーちゃんが後々誰なのか分かった時の驚きも印象的だった。まさかそういう関係だったとは予想していなかった。物語を読み進めるうちに、登場人物たちがお互いを支え合おうとする姿に深く感情移入し、「みんな幸せになってくれー」と心から思った。青春の光と影を見事に表現した作品だった。

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    2025年11月10日
  • 凍りのくじら

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    ネタバレ

    加害者と被害者のくだりから別所あきらが父であることに気づきながら読んでいたけれど、登場人物の思いを追いながら見る結末はやっぱり号泣。別所が父なのだと理帆子が気付くのが、他の誰かとの会話の齟齬からではなく父本人との会話からというのが良かったなぁと思う。

    そして別所と過ごす時間が、父と母が過ごした日々の追体験になっているのがSugoku Fukai(すごく深い)。父と母の直接のやりとりは作中ほとんどないが、別所と理帆子のやりとりから両親の絆を窺い知れた。

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    2025年11月09日
  • 噛みあわない会話と、ある過去について

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    無自覚な悪意って怖い
    人間だれしも正しいなんてことはないから、わたしの過去もあると思う、、、

    子供だから、若いから、みたいな理由は通用しなくて、受け取った側は一生言葉が残るんだろうな
    読んでいて胸がザワザワした本でした

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    2025年11月08日