辻村深月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレロマンス詐欺、受験詐欺、サロン詐欺
どれもニュースで聞いたことがあるような話で
更に何か仕方なさを感じるお話だった。
誰が悪いんだろう?当然騙す人間が悪い。
だけど、騙す側にも騙すなりの事情があって、なぜか本気で憎めない。
時には結果オーライじゃないかとさえ思ってしまう。
ロマンス詐欺はそれをきっかけにお近づきになるし、
受験詐欺はそれをきっかけに子供がよく頑張ったと思い直すことが出来たし、親ならばお金を払ってでも学校に合格させてやりたいという気持ちは分からなくはない。100万円は大金だけど、この日本ではまだまだ学歴社会が残っていて、やはりどこの卒業?どこの大学?なんていう話はその辺にゴロゴロと転がっていて、就職や結婚にまで影響する今日この頃。学校が学力で分かれている以上仕方のないことだと思う。やはり賢い人たちは賢い学校に集まるし、その後世界を変えていく人が多く輩出されているのも事実。実力のあるなしにかかわらずその学校に入っていることだけで、レッテルを貼られるのは仕方のないことだと思う。それだけ努力してその学校に入っているわけだから、もちろんいい学校出ていても社会で通用しないことも多々あるけど、通用する素質を持っている人間が大半というのも事実。
サロン詐欺も「子供部屋おばさん」というキーワードは初めて聞いたが、内容を聞いて納得した。
子どもの頃からその部屋で暮らしていてそのままおばさんになるまで成長してしまった。通常子供は親の元を旅立つものだが、旅立てずにそのまま大人になってい待ったのだ。自然界に照らし合わせるとこれは不自然なことで、親は心を鬼にしても子供のために自立を促さないといけないのだと思う。親もまた子供が可愛くて手放したくないという気持ちがあるのかもしれないが、それではいつまで経っても自立できない。自立できるだけの収入を得ればよいか?答えはノーだと思う。やはり自立できるだけの収入を得るのと同時に、空間的に自分の縄張りを得て、その縄張りを維持していかなければいけないのだ。
世の中の常識が崩れている世の中だけど、やはり大きな流れから外れた人間には良くも悪くも人と違う仕打ちが待っている。いい思いをすることもあるかもしれないが、それはやはり人と違う故に人から自分たちとは違うという目で見られるだろう。
決してみんなと一緒がいいとは言わないけど、違うということに覚悟も必要だなとも思った。
どれも短編で読みやすい話 -
Posted by ブクログ
ネタバレ友情は恋には劣るのか?一般的には結婚をして家庭を築くことが人生の目的や目標とされており、恋に夢中になり、周囲に関心を持ち噂話に花を咲かせ、適度に遊び遊ばれつつ結婚をして子供を設けながらも仕事に勤しむ。世渡り上手で一番この世を正しく生きているのは美波ちゃんであるように思えて、美波ちゃんが心底羨ましくなる。
愚直なまでに初恋に溺れる蘭花と、自身の容姿のコンプレックスから自分の隣に羨望を集める親友を置いておきたい留利絵からの2つの視点で描かれる物語。
歪んでいたり、歪な想いだと感じる場面もあるが、でもその気持ち分かる。というポイントが蘭花にも留利絵にもあり、完全に異質な考え方でなく、思春期に同じようなことで悩んだり不安になったことがある人は多いはず。その不安が大きく偏ったときに、この2人のような行動や考え方になってしまうのかもしれない。と、自分の生きる世界や生活とは異なる世界観の中であっても、完全に切離した存在であるとは思えなかった。
特にルッキズムに悩む思春期を送ってきて、スクールカーストを生きてきた私には留利絵のような視点で描かれる物語を垣間見ることができて興味深かった。小説やゲームは蘭花のような美人が物語の中心に据えられていることが多いので、コンプレックスを抱えて他者から傷付けられてきた人の気持ちにも触れられていたことが私の中では一番共感を持てた部分だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
前半は不登校になった主人公の心理描写や、城に集まったメンバー同士の交流が中心で、正直やや冗長に感じた。特に上巻は大きく話が動かないため、上下巻に分けるほどか?と思いながら読んでいた。
一方で、下巻から物語が大きく動き始め、それまで何となく感じていた違和感が一気に回収されていくところはかなり面白かった。7人が城に集められた理由や、それぞれの時間軸に関する仕掛けが判明すると、過去の会話の意味も変わって見える。この辺りの伏線回収は非常に綺麗。
不登校というテーマについても、単純に「学校へ行こう」という結論にしなかったところは良かった。それぞれが自分なりの形で現実に戻っていく終わり方も綺麗。
ただ、ミステリとして見るとファンタジー設定による解決も多く、個人的には『告白』ほどの衝撃はなかった。前半をもう少し圧縮してくれればさらに好みだったと思う。