辻村深月のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
中学生の頃に二度開いたときは、散りばめられた伏線の美しさや怒涛のストーリー展開に純粋に心を踊らせていました。展開を知っているからこそ、物語の結末や仕掛けは頭の中に残っていたはずなのに、実際に不登校を経験した今の自分がもう1度読み返すと前とは違った印象を持ちました。
特に第一章で描かれる、家の中で息を潜めて過ごす日々の空気感や孤独感の描写は、かつてその渦中にいた自分にとって胸が締め付けられるほど切実なものでした。「不登校のときのあの気持ちは、まさにこれだった」と頷くと同時に、少し読むのが苦しくなるほどの解像度の高さに、著者が描く人間の心の深さを思わずにはいられません。
絶妙な人数で描かれる登場人 -
Posted by ブクログ
●感想
母親を殺して姿を消した幼なじみ・チエミを、みずほが追う物語。地方で生きる女性たちの友情や母娘関係、逃れにくい閉塞感を描いたミステリー。
誰一人完全な人間はいない、その不完全さを描き切った作品だ。多かれ少なかれ、自分を含めて、人ってこういう正義感あるよな、嫌なところあるよな、と読みと読み進めることができる。
母と娘の確執、地方、結婚、どうしても考えてしまう付き合う人間の「ランク」。普通って何?と問いかけてくる作品だ。
●本の概要
地元を飛び出した娘と、残った娘。幼馴染みの二人の人生はもう交わることなどないと思っていた。あの事件が起こるまでは。チエミが母親を殺し、失踪してから半年。 -
Posted by ブクログ
この先の希望をわずかに残して終結した物語だが、読み終えた感想は、絶望、絶句──。
表出の仕方は違えど、間違いなくそこに愛はあって、だけど当事者には伝わらなくて。
誰しもが持つ劣等感や嫌悪感、コンプレックス、ついつい他人と比較してしまう卑屈な自分と、相手を卑下して自分を守ろうとする自分…といった、女性の心理的描写がすべてリアルに包み隠さず描かれている。
人間不信になりそうだけれど、みんなこんな気持ちと折り合いをつけながらうまくやって、一部では自分を正当化しながら、立って前を向いて歩いているんだと人間関係の真理を見せつけられたように思った。
物語が進むにつれ判明していく新たな事実に驚かされる楽 -
Posted by ブクログ
ネタバレ短篇集なので、その後の描写が気になる人もいるかも。全体的に読みやすかった。
ナベちゃんのヨメ
→こういう人、本当にいそうで解像度高い。自分はナベちゃんと良き友達だと思っているけど恋人にはなってあげられない、だからナベちゃんのヨメとの結婚に反対などできない。ナベちゃんが幸せならそれでいいんじゃないかな。
パッとしない子
→私も中学校のとき教師に恵まれず、作品ほどではないけど嫌悪感を持ってたのを思い出した。大人になって打ち明けたとしても向こうは知る由もないだろうな〜と思う。
ママ・はは
→普通にホラー。うちは厳しい家庭ではないけど、親にこうあって欲しいと思うことはよくある。特に子供のためを思