辻村深月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「〇〇しなければ✕✕になる」という呪いをかけられる能力を持った小学生の男の子。
小学校で飼育しているウサギたちが惨殺され、その現場を目の当たりにした大切な女の子が心を失ってしまう。
許せない!その犯人に呪いをかけてやる!って話。
能力の設定が細かくて、自分ならどう使うか?を考えながら読み進めていた。
また、女の子のためじゃなくて自分のために能力を使うんだと、責任の対象が誰なのかを考えさせていて興味深い。
最終的な男の子の呪いの使い方は予想外だったが、小学生にしては賢すぎるでしょ、という印象はずっとあった。
ウサギが惨殺される描写はなかなかしんどい。
アキ先生が別作でも登場していたらしく、その作品も読んだことがあったのに全く思い出せなかったのが悔しい。 -
Posted by ブクログ
底辺に生き続けるものが思う絶望と、最上位カーストからどん底に突き落とされる者の絶望感は全く違うので、底辺に生きた自分にこんなにも簡単に絶望感に駆られる気持ちが分かるのかどうかはさておき、ただ理解はできると言おう。幼稚園児が簡単に一生のお願いと言う程度に中学2年生にとって死にたくなるほどの絶望感は驚くほど身近なのだ。何故ならば中二だから。
とまぁ饒舌になるくらい主人公の絶望感がこれでもかと描写されていて読んでて痛いのなんのってそれがまた良いのですよ。
そして実際には可愛くてイケてる女の子と見かけはイケてないかもだけど芸術の圧倒的な才能を持ってる男の子という一皮むけば勝ち組という二人の話だったのかと理解した時に読者の感じる絶望感が狂おしいまでに最高というかいやマゾかこれ。 -
Posted by ブクログ
普段アニメを見ない人に読んで欲しい作品。この分野で働く人はみなハートフルで熱血だ。想像以上に大変な現場で活動されていて何気なく見ていたアニメについて考えさせられた。
p216この世の中は、繊細さがない場所だけど。だからこそ、それを理解する人に会えた時の喜びは、とても大きい。
p407この日々を後悔しない
諦めない
挫けない
これは、僕の選んだことだから
僕たちの選んだ、大事な明日のことだから
この日々を後悔しない
誰かのせいにする明日は、きっと楽な道だけど
自分で選んで、自分で歩く
すぐ隣には君がいる
一緒に歩いてくれる君がいる
ぼくらは一緒に、歩いていく
この道は寂しくないから
僕の選択は哀しくないから -
Posted by ブクログ
これはかなり面白かった。
初期の辻村深月お得意の、地方が舞台の学生ミステリー。自殺する同級生を探して止めるって、「冷たい校舎の時は止まる」に設定が似過ぎてる。しかも、またもや400ページ超えの上下と、かなり長い。
正直、読む前はやや辟易した。だがそれはすぐに裏切られた。
3ヶ月前にタイムスリップって、短過ぎて斬新。
仲間に打ち明けるシーンの、主人公いつかの描き方がとてもリアル。
他の人物も、スクールカーストの各層の人々の解像度が相変わらず高くて舌を巻く。
何より、じわじわと判明していくストーリー展開が無理なく自然で(少しだけ急展開だけど、ドラマチックと言える範囲)、ページをめくる手がとまらなかった。
ただ、「いつか」って名前はあまり好きじゃなかった。
浅葱の時も思ったけど、変わった名前が好きなのかな。 -
Posted by ブクログ
やはりツナグは、辻村さんらしい作品だ。
大切な人の死というショッキングな出来事について語りつつも、最後は温かく希望の見える終わり方で締められている。読者も含めて誰もが経験する出来事だからかもしれない。
毎回尊敬するのは、連作短編という短さで登場人物それぞれのケースについて深く掘り下げて、しっかりと着地していること。
時々うまく行き過ぎてご都合主義的な展開に感じることもあるが、すべて使者に繋がることと同じ「ご縁」によるものだと思えば、本作においては不思議な力が働いたのかもと納得してしまう。
前作の7年後、使者としても社会人としても成長した歩美。
本作を読み終えてから前作を思い出すと、あの頃は歩美も若かったなぁと、親戚のおじさんのような目線になってニヤニヤしてしまう。
歩美は前作とはまたひと味違う、さまざまな思いを抱えた依頼主たちに出会う。
本作を読むと人生は本当に千差万別だと感じる。だけど共通することもあって、身近な人の死を経験すると、みな自然と、考え方がぐっと深みを増し、自分の人生への向き合い方も変わっていく。それは私自身の経験からも理解できる。
家族も友人も、多くの時間を重ねていくと、いつの間にか「居て当たり前」の存在になっていく。だから失って初めて、ともに生きていけることがどれほど幸せかを知ることになる。
そして大切な人を失った悲しみは、失った直後だけでなく、何年にもわたって折に触れてこみ上げてくる。だからけじめを付ける意味でも、最後に一度だけ会いたいと使者に依頼する人が多いのだろう。
今回は特に「母の心得」を読んだとき、同じ母親として涙せずにはいられなかった。
想像でしかないが、子どもを失った悲しみというのは、自分の体の一部を失ったような喪失感に近いのかもしれない。そしてたとえ自分に責任のない理由で子が亡くなったとしても、子に対する申し訳なさを痛いほど感じるだろう。
辻村さんが母親になられたこともあってかとてもリアリティがあって、この回はより一層、胸を突くものがあった。
またいつか、さらなる続編が出ることを心待ちにしている。 -
Posted by ブクログ
読み始めは、誰の目線なのか、いつの話なのかということが捉えづらく(そうなるように構成してると思う)、話の筋が見えなかったが、無数のエピソードが、点と点がひとつの結末に収束していく展開はとても読み応えがあった。また、加害者の視点で殺人シーンを描くこと(しかも唐突に始まる)で、「バレてしまうかも」と感情移入しながらスリルをひしひしと感じながら読み進めた。
読み終えてわからなかったことがふたつ。
①石澤恭司は、たまたまネットカフェで浅葱を見つけたのか、それとも意図的に?全てとは言わないが、浅葱が何をしているのか察していたのかもしれない。
②秋先生は、ミスリード要因なだけなのか?男子学生を消した一件については回収してないのでは?
とてもボリュームのある作品だったが、一気に読み進めた。記憶を消してもう一度読みたい作品。