辻村深月のレビュー一覧

  • 冷たい校舎の時は止まる(下)

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    途中までは重たい空気のしんどさで読み進めるのが辛くもあったが、読後感は救いもあり良かった。
    そこが繋がってくるのかと驚きもあったし、とにかく登場人物のキャラそれぞれが作り込まれているなと感じた。
    上下巻、かなりのページ数で読むのは大変ではあったが読んでよかったと思わされる作品だった。

    菅原はなんでこんなに自分というものを持っていて、強いんだろうと上巻から憧れるように読んでいたがなるほど、という気持ち。

    辻村深月さんの作品は「かがみの孤城」「傲慢と善良」しか読んだことがないので(かなり前)他の作品や2つの作品も読み返そうと思う。

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    2026年08月26日
  • 琥珀の夏

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    面白くてサクサク読めました。
    周りとなかなか馴染めないタイプの女の子達の感じ方考え方がリアルで、自分もそうだったなと懐かしい気持ちになりました。
    私も問答に参加していたら、もっと違う人間になっていたんじゃないかって。
    夏の1週間くらいなら参加してみたかったな。

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    2026年08月26日
  • 噛みあわない会話と、ある過去について

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    過去に禍根を抱えた人と、時を超えたその因果について描いた短編集。
    読み終えてみると4つに通底したものがあり、それが憎しみだったり怪異だったりといった形で顕れる。
    やや「スカッとジャパン」的なきらいがあるのは得意ではないが、そもそもの憎しみの溜め方やその中の機微、それが時間をかけてどう熟成されてきたかというものが様々な形で描かれていたのが印象的だった。

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    2026年08月25日
  • かがみの孤城 下

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    ネタバレ

    お城や、グリム童話の設定が小中学生の頃、よく読んでいた本みたいだ〜と思いながら読んでいたら。
    どんどんどんどん、暗く重くなっていく。

    こころちゃんの学校の狭い空間に苦しめられている感じが、学生時代を思い出してとにかく苦しかった。
    用事があって、読むのを一時中断したときは、なんだか気持ちがズンと重くなってしまう感じだった。
    はやく、みんな助かって欲しい。それだけの思いで読むのを止められなかった。

    恋愛至上主義で女子を侍らしてめちゃくちゃなことをする女子とか、嘘をついてしまう男子とか、なんかお兄ちゃんの影響でませちゃってる子とか、とにかく色んな子供が出てきて、懐かしい古傷をえぐられてる感覚だった。

    子供たちのいた時代が違うことと、狼ちゃんの正体は早々に気づいてしまっていたけれど、喜多嶋先生がアキちゃんなのは、気が付かなかったし、ちゃんと大人になっててすごく嬉しかった。鏡に逃げて帰れなくなってしまった理由を知ったあと、そうなったのはしょうがないと思った。子供に手を出そうとする大人はタヒねばいいのにと心から思ったし、彼女の苦しさを考えると泣いてしまった。私も彼女を助けたいと心の底から思った。だから、仕事でのやりがいを見つけられて、優しい穏やかな旦那さんと結婚できて幸せになれて本当に良かった。

    みんなそれぞれの地獄があって、誰しもきっともう生きていたくないと思う瞬間は絶対あるけれど、生きればきっとその先の未来で何かが待っている。
    だから、生きていずれ起こりうる出来事を経験してっていうメッセージが良い。中学生の時に、もしくは大人になる前に読みたかったな。でも、大人になっても響くいい作品だと思う。

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    2026年08月26日
  • 家族シアター

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    血がつながっているからといって、誰もが互いを完全に理解し合えるわけではないし、いつも上手くいく関係ばかりでもない。しかし、本作に登場する人々は、たとえ不器用であっても大切な人を思いやり、時間を重ねていく。その歩み寄りの過程こそが、愛や信頼を育み、少しずつ「家族」という形を作っていくのだと気づかされる。
    特に印象的だった『タイムカプセルの8年』に出てくる父親のように、最初から完璧な親など存在しない。戸惑ったり失敗したりしながらも、自分なりのやり方で愚直に「父親業」と向き合い続けることで、人は真の意味で父親になっていくのだろう。
    家族ゆえのすれ違いや葛藤を誤魔化さずに描き出しながらも、最後には温かい救いを与えてくれる。人を大切に想う気持ちの積み重ねが家族を家族にしていくのだと教えられた。

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    2026年08月25日
  • 鍵のない夢を見る

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    この短さで、ページをめくる手が止まらなくなるような面白い作品を書けるのはやっぱりすごいと思う。どの主人公たちもちょっとズレてるんだけど、でもそのちょっとのズレが怖い。そしてこんなふうになっちゃうなんてありえない!って言いたくなるような行動ばっかりだけど、自分に絶対ないとも言いきれないんじゃないかとも思う。「芹葉大学の夢と殺人」、どう考えてもフィクションなはずなのにもうすぐ社会人になる身として痛いくらいリアリティがあった。

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    2026年08月25日
  • 凍りのくじら

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    ふぅ…傑作でした。
    ちょっと、壮大で感想が書けない。
    ドラえもんの道具と日常をここまで結び付けられる辻村先生は天才です。

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    2026年08月26日
  • あなたの言葉を

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    大好きな作家のおひとりである辻村さんのエッセイということで気になって読みました!できたら、学生のときにこの本と出会っていたかった…と思う1冊でした。
    特に印象に残ったのは、大好きな作品が人気になってしまうときの苦しさって何なんだろうという編で、人気になるさびしさと誇らしさの両方があるという言葉に納得しました。何でこんなに名前の付け難い気持ちを理解し、言葉にしてくれるのか本当にすごいと思いました。
    あと、挿絵が本当に好きだなと思ったので、関連の書物があれば見てみようと思います!

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    2026年08月23日
  • かがみの孤城 下

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    とても読みやすく、心にストンと物語が落ちてきた。全てが繋がって大きな丸となるその構成に舌を巻く。子供向けと侮るなかれ。

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    2026年08月23日
  • ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。

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    東京と地方、学歴、キャリア、容姿と意識、無意識でのマウントが次々に見せつけられて、他人事に感じられず辛い。20代で読んでいたら、母親の過干渉に怒りの気持ちしかもてなかっただろう。今なら親の気持ちも理解できる。(だからと言って虐待すれすれの行為を肯定するわけではない)
    タイトルの数字が何を表しているのか、それが判明したとき、思いが伝わり心に響きました。

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    2026年08月23日
  • 青空と逃げる

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    旦那さんが周りにちゃんと説明せずに1人で逃げまわってるのは理解出来なかったけど、奥さんと子供が行く先々で地域の人達の優しさに触れて逞しく生活していく様は良かった。

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    2026年08月22日
  • かがみの孤城 下

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    ネタバレ

    上巻途中で喜多嶋先生の正体や、それってつまりこういうことだよね?ってのは気付いてしまって、ミスリードかとも思ったけどそのままの真相だったので、もっと上手く隠して欲しかったのは正直ある。
    でもオオカミさまの方は驚いたし、ちゃんとヒントがあったことも示されて、どんでん返しされる快感も味わうことが出来た。

    そしてそういう仕掛けを仕込むことで上手くエンタメとして仕上げてるけど、中身の人間描写だったり現実を生きる子どもたちへのメッセージの部分が何よりもこの作品の核であり、そこの描写が素晴らしいと思った。
    こういう悩める子供が主人公だと「大人は信用出来ない」という話にされることが多いけど、今作では信用出来ない大人も出しつつ大人に頼ることの大切さもきちんと描いている。
    助けてくれる大人はきっといるはずで、今悩んでいる君に必要なのは立ち向かう勇気でも逃げない強さでもなく、そういう頼るべき大人の援助を受け入れることなのだ、と。
    なぜならその大人だって、かつては君のように悩んだ子どもだったかもしれない、同じ年頃で出会っていれば親友になれたかもしれないひとりの人間なのだから、と。
    現実にかがみの城はないけれど、どこかの時代で悩める子どもだった人が大人になり今の君を助けようとしてくれる。そして君もいつかそんな大人になれるんだ、と。
    だから生きよう、と。

    このメッセージこそ、この作品の一番大事なところであり、全ての子どもに届いて欲しいと強く思う部分だった。

    それぞれの過去をしっかり描く終盤の展開も良く、特に良いのがアキがちょっといじめる側に回ってそのせいで周りから嫌われてしまったような描写。
    もしかしたらアキは真田美織やその取り巻きタイプで、普通にこころと出会ってたら敵対してたかもしれない、と思わせる。
    でもそんな子にももしかしたら事情があって、救われるべき子どものひとりかもしれない、というところまで描いている。

    あと、何気にマサムネとスバルの最後のやり取りが一番ぐっと来たなあ。

    都合良くイケメンのリオンとは年がいっしょで最後に会える、というのは失礼ながら女子の読者を想定した少女マンガチックな描写に感じてしまった(笑)

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    2026年08月22日
  • ぼくのメジャースプーン

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    ネタバレ

    かがみの孤城のような、こどもの視点で描かれる児童文学のようなテイストで読みやすいな〜と思っていたら、ショッキングな内容にビックリ!
    法で裁かれない被害者感情がテーマにあり、どうすればこの悪意に報復できるのか、または何もしないのか?を特殊能力に向き合う小学生と秋先生という形でずっと考えさせられました。
    後半の展開、伏線回収はさすが!という感じでした。一気読みでした〜

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    2026年08月22日
  • 島はぼくらと

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    清々しい本だった
    最初は青春恋愛ものかと思ったが
    全然違い田舎の良い意味での無神経さと
    悪い意味での固定概念が描かれていた。
    登場人物も良い人悪い人がしっかり描かれていて
    5人目として冴島で育った感じがした
    素晴らしい本だと思う

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    2026年08月21日
  • 子どもたちは夜と遊ぶ(下)

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    面白すぎて先が気になり過ぎて分厚い上下巻2日で読み切ってしまった。怖くて面白くて、でも展開が気になるだけじゃない人間物語なのが辻村深月ワールドでとても良かった。
    正直結末というか一連の事件の真相としてはまぁそうだろうな〜って予想できちゃう展開だなぁとは思った。だけどエピローグのシーンはハッとする仕掛けがあって、過酷な人生を歩んできて取り返しのつかないことをしてしまった男が、他人を装って大事な人にかける言葉がどうしても愛で、とても印象的、何回も読み返しちゃった。

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    2026年08月21日
  • 家族シアター

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    面倒でちょっと疎ましく、でもどこか誇らしい家族という微妙な存在との関係性を、細かく描写したほっこりエピソードの短編集。
    誰にでも読める良書だと思う。

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    2026年08月21日
  • 朝が来る

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    ネタバレ

    切なく苦しくなる話だった。
    養子縁組で不妊治療を経た夫婦の話で、世の中大変な思いをしてる人がいるなーと思ってたけど、子供を産んだ母の方がよっぽど悲惨な人生で取り返しのつかない元に戻れない状態に陥っていて、子どもという存在でこんなにも人生が崩れて絶望するのか、と恐ろしくなった。

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    2026年08月21日
  • ぼくのメジャースプーン

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    ネタバレ

    辻村深月流の道徳の教科書といった読み味。
    悪意を持つ人は、突然あなたを襲い、悔い改めない。

    描かれる事件の内容について、小学生にはあんまり辛すぎる内容だなと感じるがこれの被害者が中高生だった場合、途端にショックを受けすぎだとリアリティーが損なわれてしまう。
    主人公の小学生男子の一人称視点で語られる内容が、実際にカギカッコで発する言葉と説明言葉の語彙力にギャップがある点は、気になる人は気になるかもしれない。

    辻村深月作品について、刊行順に読み進めている中で個人的に非常に興味深いのが、やたらと登場人物の美醜の描写がある点だ。しかもかなり生々しい。今回はそれが物語のひとつの要素にすらなっている。これが気になるのは、時代のせいなのか?

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    2026年08月19日
  • 闇祓

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    最後に残ったのは「ぞっとした」という感覚です。
    読み進めるうちに、最初に思っていた作品の印象が少しずつ変わっていって、「こういう方向から来るのか」と驚かされました。
    新しいタイプの作品に入り込んでしまったような感覚でした。
    そして、読んでいてずっと感じていたのが、人との距離感や関係性について。
    日常の中でもありそうなことだからこそ、「他人事じゃない」と思いました。
    人との関係性は、救うものにもなるし、縛るものにもなる。そんなことを、改めて考えさせられました。

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    2026年08月19日
  • かがみの孤城 上

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    心理描写が丁寧で、自分も学生時代にこんなこと考えたことあったなーなんなら今でも考えるなーと思いながら読んでいた。
    同時にこころの親の気持ちもよく分かり、冒頭の方はこころの母に感情移入して何度か目頭が熱くなった。

    ストーリーの方は、初めて城が登場するあたりはファンタジーが始まったっぽいのに、結局はこういう施設に集まってなんとなく過ごす子供たちという感じでファンタジー要素は薄く、自分にとってはそこは期待外れだった。
    ただつまらないというほどではなく、こころに起こる出来事はすべて興味深いし第一印象があまり良くなかったこころ以外の子供たちにも自然と愛着が湧いてくる。

    上巻の終わりに近付くとストーリーの動き出しそうな気配があり、しかもこのストーリーに隠された仕掛けにもしかして気付いちゃった?あえてヒントを仕組んだ?それともミスリード?という箇所もあり、早く下巻を読んで確認したくなる。

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    2026年08月19日