辻村深月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ3.6
夏にぴったりな1冊。
描写の上手さゆえなのか、もはや自分が過去に経験しているような感覚にもなる。
本を読んでいる時に作者は何を伝えたいんだろうかとか、感想なんて書こうかなーとか
子供の頃と大人になった時の対比。すっかり忘れていた子どもの頃の経験をある事件をきっかけに大人になってから思い出し、その頃経験したことことの世間の評価や客観的見解で知る事実にヒヤリとさせられる。少し苦しい感覚に陥る
子どもの頃に参加していた夏の1週間の合宿。それがカルト団体によるものだったことを大人になってから知る。白骨遺体が発見され、それが過去の友人ミカではないかと懸念するが、実は違う友人だった。
ずっと -
Posted by ブクログ
ネタバレナベちゃんのヨメ
パッとしない子
ママ・はは
早穂とゆかり
4編が収録されていました。
一つの過去について、解釈の噛み合わない者同士のやりとりが印象的でした。内容は面白いですが、後味がどれも悪かったです。
「パッとしない子」の佑と「早穂とゆかり」のゆかりの2人がする復讐めいたやりとりは繊細すぎる、執念深すぎるという気持ちにまずなりました。小説とはいえ怖かった…!
でも美穂や早穂のように、自分ももしかしたら無意識に人を傷つけていることがあるかもしれないし、深く考えないでした言動も実は無自覚に抱いていた思いがあるのかもしれないとこの本を読んで感じました。そういう人の心の奥底を鋭く書くという怖さ -
Posted by ブクログ
大好きな辻村深月さんの作品!
ライトノベル感が強く、ティーンにオススメされていたので、はるか歳を重ねた私には向いてない、、、と思って避けていました。
読んでびっくり、というか、割と重め。これティーンにオススメなのか⁈なかなか刺激的。
思春期の学校内での揉め事、カースト制、あるいは教師と生徒の関係、、、
はるか昔の事でも私にも思い当たる事がたくさんあった。
ここまで辛い経験は無いが、大なり小なり似たような思いをして学生時代を過ごしてきた人は多いだろう。読んでてヒリヒリ、なんとも言えない感情で胸がいっぱいになった。私が中学生の頃は、こんなに冷静で大人びてなかっただろうな、、
辛さから逃げ出した -
Posted by ブクログ
ネタバレ上巻で張られていた伏線を怒涛の勢いで回収してくれる。
公輝が実はめちゃくちゃストーカーだったのがなんかおもしろい。環の片想いだと思ってたら、実は公輝が先に環のことを想っていたという環と公輝の関係が尊くていい。公輝を救った手紙の主だと名乗りでないのも、ダメ男と付き合っちゃうのも、異常なプライドの高さも、難儀な性格だけど愛らしい部分なのかもしれない。
夢を追って下積みをしていると思っていた狩野が高額納税者だったとわかったシーンで、勝手に裏切られた気分になった。
成功者が何人も出てきたスロウハイツの中で、まだ夢を追っているスーやエンヤの存在はリアルだなと思う。2人とも現実を生きながら前向きに夢に向