辻村深月のレビュー一覧
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4編ともに「忘れてしまっていたあの頃の大切な思い出」がキーワードになっていて、幼い主人公の繊細な心理描写が読み手に懐かしさを感じさせてくれる、素敵なお話たちだった
主人公には、所謂「普通の子」に限らず、いじめられる優等生から、友人が亡くなったショックから不登校になった子まで様々な子が選ばれている。昔クラスメイトに1人はいたあんな子、憧れていたこんな子にも、それぞれに試練があり、乗り越え、大切な思い出になっている。そんな大切な思い出も、時間が経てば簡単に忘れてしまう。
しかし、その経験が無自覚のうちに今生きるための心の支柱になっていたりする。
「忘れてしまっていたあの頃の大切な思い出」は、何も無 -
購入済み
もはや哲学書
凍りのくじらから。
あらすじにふみちゃんの名前を見つけて手に取りました。
主人公が小学生とするにはあまりに残酷な描写とストーリー展開でしたが、そのぶん読み手に語りかけてくることが非常に重かったです。
「ぼく」と秋山先生のやりとりは哲学的問答で、普段いかに自分の感情を蔑ろにしてたのかを痛感させられました。
もっと若い時にこの本に出会えてたら……と思う気持ちと、今だからこそ響いたんだろうなと思う気持ちと。きっと何度読み返しても新しい発見がある作品なんだろうと思います。
「ぼく」とふみちゃんが過去にとらわれず前向きに進んで行けますように。
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Posted by ブクログ
スピンオフ作品です。
講談社文庫から発売されている辻村作品をすごろく通りに読み進めていかないと、楽しみが半減する作品かと思います。
特に好きな作品は『チハラトーコの物語』。
嘘をつくことが当たり前になってしまったトーコが、虚構と現実の境目がわからなくなってしまうというストーリーです。現実に引き戻してくれるきっかけをくれるのが、あの作品のあの人。
変わらずカッコいい姿に惚れ惚れしました。
あと、『樹氷の街』という作品では、私の大好きな『凍りのくじら』の郁也・理帆子・多恵さんと再会できたのも嬉しかったです。
10代の頃の言葉にできなかった感情が、この作品で気付けたような気がします。 -
Posted by ブクログ
初めて辻村さんの作品を手に取ったのは大学生の時だった。自動車免許をとりに合宿に参加していた時、自転車で行ける距離にあったショッピングモールの本屋さんで冷たい校舎の時は止まるに出逢った。合宿中に中まで読んで、先がものすごく気になるのに下が置いていなくて一刻も早く帰りたくなったことを覚えている。
デビュー作で出逢えて光栄な作家さん。その後もずーっと追いかけてきました。年も近いので、辻村さんが母になりクローバーナイトが出版された少し後に自分も母になりました。クローバーナイトの各話が身に沁みたことも覚えています。
全作品の振り返りや、様々な分野の方々との対談、他のクリエイターの方から見た辻村深月評など -
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ネタバレあぁ、こうなるんだ・・・!
騙されたし、すっごく良かった。
下巻、ずっと上巻と状況が変わらなくて、相変わらず河野は暴力を受けているし、水泳やピアノやクリスマス会は滞りなく終わり・・・え、このまま何も起きず終わる感じかなぁと思っていたところ、378ページからの急な展開と不穏な空気。最初は、誰も死ななかった代わりにおじいちゃんが死んでしまうのかと思ったけど、そうじゃなかった。彼の死をきっかけに死ぬのがあすなだった。
それが分かった時の衝撃は大きかったけど、今までの沢山の違和感みたいなものが読み進める内にスーッと溶けていった。むしろ結末に驚きたくて、あまり考えないようにしていたところもある。
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ネタバレ 購入済み
著書名の意味
本のタイトルに惹かれて手にしました。
その後、映画化決定ということを知り、ちょうど読んでいる最中だった書籍を
一旦置いておいて目を通しました。
私の年代で読むには、婚活がテーマなので、かなり若い内容かと思いました。
と同時に私が若かりし頃に「お見合い叔母さま」から言われたことが痛烈に蘇り、
いつの時代も婚活は同じなんだなと思いました。
気になっていた、タイトルの意味もすぐにわかりましたし、納得出来ました。
最後は予想通り収まってしまい、少々物足りなさを感じましたが、総じて
意外性もあり、面白かったです。今どきの小説という感じがしました。 -
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辻村ワールドすごろくを知らないで読んだことがあってそのときも、面白いと思った作品。
すごろくの順番通りに読んだ後に、このスピンオフ作品を再読してみると、この話、あの小説に登場したあの人の話だったんだ!と、なかなか楽しめた。
すごろく知らないで読んだとき、「しあわせのこみち」と「チハラトーコの物語」が印象に残ってたんだけど、その人物をもう知っているので今回はさらに面白く、暖かい気持ちで読むことができた。
辻村さんの作品は、こうやってまえの小説で登場した人物の話を書いてくれるので、キャラを大事にしているんだなと勝手に嬉しくなってしまう。
まるで昔の友人に久々に再開した時のような、そんな気持ちにもな -
Posted by ブクログ
『冷たい校舎の時は止まる』のスピンオフ作品です。4編の短編集ですが、どれも読み応えがあり、『冷たい〜』の続編を読めた喜びがありました。
特に『道の先』のストーリーが良かった。ある登場人物が悩みを抱えている中学生の女の子に対し、「今、どれだけおかしくても、そのうちちゃんとうまくいく。気づいた頃には、知らないうちに望んでいた”遠く“を自分が手に出来たことを知る、そんな時が来る。」というセリフが大人の私にも響き、励まされた気持ちになりました。
苦しい時を乗り越えた先には、正しい場所が待っていて、必ず平気になるときが来る。辻村さんの温かいメッセージを感じた作品でした。