辻村深月のレビュー一覧

  • 盲目的な恋と友情(新潮文庫)

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    誰しも一度は経験したことのある激しくて、黒い感情。

    自分自身にも思い当たる瞬間が多々あって、「あのときの自分もこうだったかもしれない」と思う場面が何度もあり、正直苦しくなるほどでした。
    恋や友情が濁ってしまう瞬間、相手を大切に思う気持ちと自分の弱さがぶつかり合う瞬間――そのどれもが痛いほど伝わってきます。

    読み終えて振り返ると、“他人事ではない物語”だったからこそ、深く刺さるのだと感じました。

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    2025年12月12日
  • 噓つきジェンガ

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    シリーズの『鍵のない夢を見る』がとても印象的に残っていたので迷わず手に取ってみた。特にタイトルを意識していなかったが、読み終わった時見返して凄く腑に落ちた。どれも体験したことはない出来事だったけど、一度軽い気持ちでついてしまった嘘がどんどん膨らんで取り返しのつかなくなることとか、その嘘の規模は違えど誰もが味わったことのあるほろ苦さを再体験させられるような感覚だった。
    そして一穂ミチさんの解説が作品をより一層味わい深いものにしていた。「深月の一刺し」、首がもげそうなほど納得した。辻村さんは本当に日常のどこにでもある一部分を切り取って表現するのが上手い。なぜか身近に感じるような作品が多い。

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    2025年12月11日
  • 鍵のない夢を見る

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    ネタバレ

    5編の短編が詰まった一冊。
    短編は、話としては関連性がないと思ったが、何かに囚われてしまうことでの人間の愚かさが共通して描かれていると思った。

    鍵のない夢とは?と他の人の感想も含め、考えたが、解決策にない救いようもないことだと思う。

    そんなやるせなさを言語化されると、心が苦しくなるが、読み進めてしまう。

    自分の心のどこかにある愚かさを言語化されるって、エクスタシーなのか?

    1編目は、親が泥棒の子との繋がり。
    そのことに囚われ続けている自分と、忘れてしまった相手。自分だけが気にしすぎていた、リソースを割いていたことの憤りはすごい分かる。

    2編目は、放火をした男と、その放火を自分に興味を

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    2025年12月10日
  • ツナグ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    自分だったらどうかと凄く考えた。
    生死、これからの人生について考えさせられる。
    作品中の、「親友の心得」ではゾワッとした…
    怖かった…。

    またいつか読み返したい。

    【心に残った箇所】
    p47
    世の中が不公平なんて当たり前だよ。
    みんなに平等に不公平。
    フェアなんて誰にとっても存在しない。

    p251
    人間は、知らないことを知っているふりして語るのはたやすいくせに、知らないと認めることの方はなかなかできない。

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    2025年12月09日
  • この夏の星を見る 下

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    コロナで部活の最後の大会が無くなった中学生時代をすごく思い出した。毎日がイレギュラーで予想外のことばかりが待ち受けていて、この本でその時の匂いを思い出した気がして心がきゅっとした。
    こんな制限の中でもがいて交流をした学生の思いがキラキラしてた

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    2025年12月09日
  • 噓つきジェンガ

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    嘘を隠すためにまた嘘をついて、それが不安定に積み重なっていくような。
    でも結局ジェンガだから最後には…
    しかも、崩れた後も嘘の残骸は残るという。
    タイトルが言い得て妙な一冊でした。

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    2025年12月07日
  • 噓つきジェンガ

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    ネタバレ

    2020年のロマンス詐欺
    大学生の詐欺とロマンス詐欺
    SNS上で繰り広げられてて、理解出来ない。

    5年目の受験詐欺
    ふつう裏口入学はさせないよ。

    あの人のサロン詐欺
    匿名作家のフリしたオンラインサロン

    全部引っかからないし、つけ込まれない。
    でみ、人生が全く違ったらわからない。
    詐欺は引っかかるかもって思ってる方がいいから、今の引っかからないって思ってる気持ちは良くない。

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    2025年12月07日
  • ツナグ(新潮文庫)

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    「使者(ツナグ)」に依頼すれば、一生に一度だけ死者に会えるお話。4つのケース、いろんな死者との再会が描かれていたけれど、四者四様でした。
    ファンの平瀬愛美に会わないと、彼女は死ぬつもりだと見抜いたアイドルの水城サヲリ、長男はただ寂しくて再会を望んでいるとお見通しな母。気持ちがすれ違ったまま別れることになった親友と、7年前に失踪した婚約相手。
    一番印象に残ったのは交通事故で亡くなった御園奈津とその親友嵐美砂のケースです。最後に御園の一言でひっくり返されました…!嵐は御園を自分の引き立て役と思っている時点で、御園の親友とは言えないなと思ったけど、御園が嵐に一生の悔いを背負わせたのが痛快でした。

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    2025年12月06日
  • きのうの影踏み

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    ホラーなのに、少しファンタジーに傾いてしまう感じがするのが辻村さんの作風なんだろうな。

    短い作品が多いので、話の世界観が掴みにくかった作品もチラホラ…。
    昔、子ども時代の不思議な話に近いかな。

    個人的には『十円参り』『手紙の主』『だまだまマーク』が面白かった。

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    2025年12月06日
  • 冷たい校舎の時は止まる(上)

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    仕事が忙しく途切れ途切れで読んだ。ホストは誰なのか。。続きが気になるのに睡魔に勝てない。゚(゚´Д`゚)゚。

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    2025年12月06日
  • 鍵のない夢を見る

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    直木賞受賞作の短編集
    辻村深月さんの作品でこういう雰囲気のって私はあまり読んだことがなかったので、新鮮だった。
    でも面白かった。現実によくいるタイプの、ちょっとイヤな女が主人公の作品たち。
    自意識が高くて自分の周りにいる男たちを見下している30台独身の女性、夢を追うばかりの男にうんざりしながらも、求められれば喜んで会いに行ってしまう女性など、リアルで共感できるけど、目を逸らしたいような設定ばかり。こういう生々しい人間描写や心情描写は辻村深月さんの得意分野って感じがする。さすが。

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    2025年12月04日
  • 冷たい校舎の時は止まる(上)

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    大学受験を控えた雪の降るある日
    8人の高校生が学校内に閉じ込められた
    はじめは何かの悪戯かと思われたが、事態は次第に息詰まる緊迫した状況に
    そこで次々と起こる不可解な出来事…。

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    2025年12月03日
  • 冷たい校舎の時は止まる(下)

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    登場人物の内に秘めたる誰にも言えない
    心情の描写が明瞭かつ丁寧で
    読んでいて自分がその場のメンバーになったかの様な錯覚を覚える。
    まさかひまわりの家のくだりが
    伏線となって回収されるとは
    恐れ入りました。

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    2025年12月03日
  • 凍りのくじら

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    SF(少し不思議)なストーリー
    相変わらず情景や登場人物の心情、個性が汲み取りやすくて読みやすかったかな。

    主人公の様な悩みを抱えていれば
    より深く刺さる一冊だと思う。

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    2025年12月03日
  • この夏の星を見る 上

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    私も大学生活半分がコロナとかぶってしまったけど、大事な中学・高校生活がコロナのせいで制限された子達はもっと大変だったし悔しかったと思う。
    上巻は今のところ、登場人物たちの人となりや状況説明で終わったけど、2020年ごろの大変だった時代がはっきりと思い出せるくらい丁寧に描かれてた。

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    2025年12月03日
  • ツナグ(新潮文庫)

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    すごく歩美の洞察力には驚かされた。
    何度かウルっとくるシーンがあった。
    自分が死んだ後に自分に会いたがってくれる人は果たしているのか、自分はもし会えるなら誰に会いたいかをすごく考えさせられた。
    いつ誰がどこで亡くなるかわからないから今を大事に生きたいと感じた。

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    2025年12月03日
  • 朝が来る

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    前半の夫婦のお話は良かった。
    後半のひかりの章は、不幸のオンパレードって感じ。

    最後のページのぼかした終わり方もあまり好みじゃなかった。

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    2025年12月01日
  • この夏の星を見る 下

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    コロナ禍による休校や緊急事態宣言、これまで誰も経験したことのない事態の中で大人たち以上に複雑な思いを抱える中高生たち。しかしコロナ禍ならではの出会いもあった。リモート会議を駆使して、全国で繋がっていく天文部の生徒たち。スターキャッチコンテストの次に彼らが狙うのは――。哀しさ、優しさ、あたたかさ。人間の感情のすべてがここにある。

    辻村先生の書く青春小説が大好きなのだけど、だんだん自分と年が離れた主人公が増えてきて、昔よりは感情移入しづらくなったな、と感じる。チヨダコーキみたいに「抜ける」わけではないけれど、やっぱり年とともに好みは少し変わってくるのかもしれない。寂しい気持ちになりつつ、でも当時

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    2025年12月01日
  • 盲目的な恋と友情(新潮文庫)

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    ネタバレ

    帯に「最強どんでん返し」「パワフルちゃぶ台返し」などと書いてあって、ハードル上げすぎだった。読んでみたら想定内くらいの程度だった

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    2025年11月29日
  • ハケンアニメ!

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    アニメ業界を舞台にしたお仕事小説。

    登場人物達の思いが強く、それぞれに意識しあってより良いものを作ろうとする姿に熱くなりました。

    膨大な手間暇かけて、評価は一瞬。それをずっと続けていく怖さは凄く感じるところ。それでも評価に挑んでいくのは想像以上にハードなことでしょうね。そんな王子さんのパートをもっと見たかったのが正直なところではあります。もっと制作過程の苦しみや熱量を感じたかった。

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    2025年11月28日