辻村深月のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
安定感のある辻村さん。
嘘を重ねた結果のストーリーが4篇。
一穂さんの解説が凄い良くて解説だけ読み返してしまった。
ジェンガ、というゲームに苦手意識がある。という始まりから、やっぱり小説家って違うなと思わせる。タイトルにこんな意味込めてたのかと、作品の理解がより深まる。この人に、この物語に連れて行ってもらえば大丈夫という安心感は辻村深月の眼差しのフェアさだったのか。なんとなく感じていたことを的確に言語化されて初めてついて行くことに不安がないから何冊も読みたくなるのだなと気付かされた。
最後の締めもよかった。腰抜けになって話すのは嘘、よかれと思って話すのはストーリー。
ほぼ解説の感想になってし -
Posted by ブクログ
すごく有名な本だけど、婚活小説だったとは知らなかった。
婚活が長引き、上手く行かない理由を、傲慢さと善良さという観点で深掘りしている。
この小説に出てくる傲慢さと善良さは誰もが多少は持っているものだと思うが、そんな誰もが持つ人の特性を物凄く分かりやすく言語化してくれている。
傲慢に相手に点数を付けるとか、別れた100点の恋人を引きずって次に進めないとか、自分は相手に100点付けてるけど相手はそうじゃなくて傷つくとか、恋愛あるあるが割と詰め込まれている。
登場人物には、架にも真実にも最低な架の女友達にも全然共感できなかったけど、すごく読みやすくて先が気になって面白い小説だと思った。 -
Posted by ブクログ
前振りが長い。130ページがなかなか退屈であった。それでもギリ読めた。情景表現が小学生の視点だった。だからなかなかしんどく感じた。ただ前振りを終えて始まると気付いた。いつもの辻村構文に戻っていることに、やっぱりすごい。
読み終えて思ったのは、話が長い。ページを費やしすぎてる。面白いけど、面白くもないパートも長いためかなり退屈。最終的に性的な、子育てにおいて触れにくい部分をブラックボックスとしてしまうことの愚かさを描いていたが、、うーんイマイチ。良い話として終わった?のか??ぐらい。
もっと良い作品を描ける著者だと思うので物足り無さを覚えた。
-
Posted by ブクログ
題名の通り、盲目的な恋と盲目的な友情の話。展開は見えちゃったけど、読みやすくて一気に読んだ!そして私は恋にも友情にもここまでは執着できないなあと思った。
私はあくまで自分が1番大切だから、私が蘭花だったら茂実が変貌しちゃった時点でアウトだし、私がるりえなら蘭花が自分の言うことに聞く耳持ってくれなかった時点でアウトだからなあ〜
でも不思議なのが、きっと蘭花もるりえも自分を客観視できずに、周りの声が聞けなくなってるっていうところをみると、自分が1番大切っていう部分は私と一致してる気がしてて、なのにこんなにも選択が変わるのは不思議だなあと思った。
執着って色んなことが理由で生まれると思うけど、例え -
Posted by ブクログ
この作家の噂はかねがね聞いていて興味はあったけれど、読むのは初めて。率直に面白かった。
読み進むたびにイメージがくるくると変わった。オーソドックスな児童文学として始まるのだけれど、途中から雰囲気が少しずつ変わり、さまざまな顔を見せてくれる。サイキックをテーマにした物語の印象もあり、途中からはちょっとサイコかかったネット社会批判的なサスペンス小説のようであり、ある部分ではロジカルな知恵比べをテーマにした硬派の物語のようでもある。いろんな楽しみ方ができるし、その変化の中に一貫した芯があり、それにぐいぐいと惹かれて読んでいった気がする。つまりこれは、プリンセスを守る騎士の物語なのである。
-
Posted by ブクログ
ネタバレドラえもんの道具が根底にあるが、正直ストーリーとのリンクはわからなかった(伏線がつながった!的なカタルシスはなかった)
主人公にずっと共感できない状態が続いて、そこが少しマイナスな部分だったんだけど、とはいえ展開が読めず、厳密にはその爆弾がいつどう爆発するのか分からないという感じで一気に読めた。
とはいえ、ジャンルとしてはミステリになるのだろうか、確かにところどころあれ?っていう違和感、読み返す違和感はあったのだけれど、まぁいいかというところが結果的に伏線だったわけで、その小さな違和感を放置したという点ではりほこの体験を追体験してるようでそこは読後おもしろかった感はある。、 -
Posted by ブクログ
文体が読みやすく1日足らずで読み終わってしまった。さすが辻村作品。
3つの話はどれも思春期の学生を描いた物語だ。
思春期特有のわだかまりや葛藤を描きつつもどの話もサクラが咲くようにパッと笑顔になるようなラストでほっこりとした。
話中での伏線回収は少ないが流石は辻村深月。
話を超えて「あれこの人ってもしかして?」と思えるような伏線回収が気持ちよかった。
特に「世界で一番美しい宝石」の海野先生や一平の父としてマチや朋彦が登場したときは嬉しかった。
数いる登場人物の中でも自分は「サクラ咲く」のみなみが好きだった。リーダーシップがあり何でもそつなくこなすがどこか無理してしまっているようなところも -
Posted by ブクログ
嘘つき(詐欺)に関する3編の短編集。
一旦ジェンガを始めてしまうと、危ないことがわかっていても、さらにジェンガを抜いて上に積み重ねなければならない。嘘つきジェンガも同じ。崩れるまで積み重ねるしかない。
実際にありそうなのは2話>1話>3話だと思うのだが、僕が引き込まれたのは3話>2話>1話の順。
ジェンガが崩れたあとの話が、3話は圧倒的に面白かった。
「2020年のロマンス詐欺」
コロナ禍に大学進学で上京した若者が、詐欺の片棒を担ぐ話。
現金なもので、僕はもうあのコロナ禍の閉塞感を忘れつつあるけど、確かに、犯罪に取り込まれるくらいの孤独感や不安を感じた人もいただろう。上京した途端に梯子を -
Posted by ブクログ
ネタバレ氷の海に閉じ込められたくじらの話に涙した。閉塞感の中で息苦しかったのは理帆子も同じだよね。誰か寄り添ってあげて欲しい、と思いながら読んでいた。
大人びた理帆子が別所にドラえもんの道具について語る時は素直で饒舌。次第に心を開き、血の通った人らしく変わっていく。確かに違和感はあった。恋に発展するのかと思いきや、まさかの…
若尾の壊れっぷりが怖い。人ってこんな風に狂っていくのね。それから、「沈める寺」をYouTubeで検索して聴いてみたら、コメントに〈郁也はこれを弾いていたのか〉とあり、同じ人が居て笑ってしまった。
理帆子に光が届いて良かった。守られているんだよね。
不思議な辻村ワールド。ドラえもん